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基幹システムのクラウド化だけでは不十分?
経営のスピード化実現の課題とは何か

経営のスピード向上を目指すために、SalesforceのようなクラウドベースのCRMや、プライベートクラウドへの基幹システムの移行など、企業におけるクラウド活用は一般的になっている。
一方で、基幹システムと連携した見積書/請求書/発送伝票などの帳票システムは、クラウド化が進んでいるとはいえない状況である。また、単に基幹システムのクラウド化をするだけではなく、BIツールの活用によってデータをより早く分析し、可視化することも重要だ。
企業が経営のスピードを向上させるにはどうすべきか。現状の課題と解決策を紹介しよう。

基幹業務と密接に関係する帳票システムはクラウド化が難しいのか?

ビジネスのスピード化を目的に、CRM、SFAなどの基幹業務システムのクラウド化という流れが加速している。しかし一方で、ビジネスに欠かせない見積書や請求書、発送伝票といった帳票の設計、管理、出力といった業務に関しては、未だクラウド化が進んでいないのが現状だ。

帳票運用ソフトウェアベンダー大手のウイングアーク1stの実施したアンケート結果によると、着手したい帳票課題として、「クラウドへの対応」と回答する企業が25%、「帳票システムの基盤化」が24%と、この2つの回答で半数近くを占めた。

グラフ 着手したい帳票課題 クリックで拡大

着手したい帳票課題
■ウイングアーク1st調べ
■調査方法:イベント来場者にアンケート用紙を配布し回答を依頼
■有効回答数:435(設問への総選択数)

ウイングアーク1st 営業本部 東日本営業統括部 横尾 勇人氏

ウイングアーク1st
営業本部 東日本営業統括部
横尾 勇人氏

一口に帳票システムをクラウドで統合された基盤で運用するといっても簡単な話ではない。こうした状況について、ウイングアーク1st 営業本部 東日本営業統括部 横尾 勇人氏は以下のように語る。

現在、商談管理や顧客管理基盤はクラウド化されたものの、見積書や請求書といった帳票を発行する際は、現場部門がExcelなどを使って手作業で作成しているという状況の企業は多いです。

その理由は、お客様の帳票は請求書や見積書以外にも多岐にわたり、同じ帳票であっても、要件ごとにレイアウトが異なることが多いため。また、物流の仕分けで用いられるピッキングラベルや、配送伝票など、1日に数万、数百万枚と大量に、ミスなく印刷が必要なものがあるためです(横尾氏)

また、細かい帳票レイアウトの「設計」を、ノンプログラミングで柔軟にカスタマイズできる点もポイントとなる。

帳票設計変更の必要が生じた際、その都度システム会社に依頼していてはフレキシブルかつスピーディなクラウドの特性を生かせず、現場部門の業務効率化にもつながりません(横尾氏)

帳票業務のクラウド化を考える企業にとっては、大量の印刷にも耐えうる信頼性を備え、かつ、多様な帳票の設計に対しても柔軟に対応できるカスタマイズ性を備えていることが要件になってくる。
さらに、クラウドならではのメリットとして、企業規模や帳票の数にかかわらず、スモールスタートで導入できることもポイントになるだろう。

一方、基幹業務システムに蓄積されたデータを活用する「BIツール」についてはどうだろうか。

グラフ BIを活用したい業務/データ クリックで拡大

BIを活用したい業務/データ
■ウイングアーク1st調べ
■調査方法:イベント来場者にアンケート用紙を配布し回答を依頼
■有効回答数:897(設問への総選択数)

前述のイベント来場者アンケートの結果を見ると、BIを活用したい業務・データについて、「販売/在庫管理」が19%でトップとなり、続いて「マーケティング」(18%)、「CRM/SFA」(11%)という結果になった。
BIツールに関しても、さまざま基幹業務システムとシームレスに連携できる接続性が一つのポイントといえる。

ウイングアーク1st 営業本部 クラウドカスタマーサクセス部 関口 太郎氏

ウイングアーク1st
営業本部 クラウドカスタマーサクセス部
関口 太郎氏

では、「BIの活用」という観点で、企業はどのような課題を抱えているのだろうか。
ウイングアーク1st 営業本部 クラウドカスタマーサクセス部の関口 太郎氏は、「リアルタイムに見たいデータを見るための『スピード感』がネック」と語る。

例えば、新商品が増えて商品ラインナップが変わったときに、商品データをリアルタイムに分析、可視化できないという課題です。システム部門に依頼してデータソースの変更などに対応すると、改修に数カ月かかってしまい、その間に商品がどうなっているかわからなくなってしまいます(関口氏)

BIツールも帳票と同様に、現場部門で「スモールスタートできること」や、ビジネス変化にスピーディに現場部門で対応できる「柔軟性、カスタマイズ性」などが求められているようだ。

ウイングアーク1stでは、こうした課題を解決する帳票システムやBIツールをクラウドサービスとして提供している。

帳票の設計から運用までをクラウド化した「SVF Cloud」

まず、クラウド帳票ソリューションである「SVF Cloud」について、横尾氏は以下のように語る。

SVF Cloudは、帳票の設計・運用がクラウドで利用できるサービスです。今までのパッケージ製品は、設計ツールと必要とされる機能に応じた製品を購入し、情シス部門で導入・設定した上で現場が利用していました。
SVF Cloudでは、Webから必要な機能を利用することができるので、現場部門の方が自ら利用することができます(横尾氏)

帳票の設計は、紙からスキャンしたPDFやWord、Excelなどで作成された既存の帳票を取り込み、簡単に行うことができる。そして、一度、帳票が設計されれば、Web上のフォームにデータを投入し、Web上からPDF、Word、Excelへの出力や紙への印刷ができる。
運用面での特長は印刷機能で、パッケージソフトですでに約19,669社に導入実績があるウイングアーク1stのサービスらしく、印刷技術にノウハウを有している。

帳票のサイズ、形式など多様なフォーマットに対応し、印字ズレがないように、高速に、ミスなく大量に印刷することが可能です。また、様々な帳票に対応する20種類以上のフォントを有し、バーコードなどの印刷もサポートしています。
そして、独自の『プリンターコマンド』機能により、プリンター機種を問わずに印刷が可能なほか、一度しか印刷させない『再印刷の制御』など、多様な運用にも対応することができます。さらに、誰が、いつ、どこで、何を印刷したかといったデータも取得できるため、トレーサビリティ(追跡可能性)やセキュリティ面でも安心です(横尾氏)

2016年2月にはWeb APIを公開し、オンプレミスをはじめ様々なシステムとも連携、接続できるようになった。
また、社内の任意のプリンターに対して、クラウド上から直接印刷する「ダイレクトプリント」の機能も公開された。

SVF Cloud概要図 クリックで拡大

SVF Cloud概要図。オンプレミス/パブリッククラウド上の基幹システム、クラウドサービスとの連携も可能だ

これまで、帳票の出力は、帳票を設計、作成し、PDFに変換して出力するのが一般的でした。ダイレクトプリント機能は、パブリッククラウドから、社内のネットワークにある指定のプリンターに直接印刷ができるものです。
HTTPS通信やトークンの利用など、データの秘匿性を守るセキュリティにも配慮しており、お客様側でVPNを導入するといった追加の設定は必要ありません(横尾氏)

SVF Cloudのライセンス体系は、出力枚数をベースにしており、一番安いプランで、月2000枚で3万円から利用可能だ。6ヶ国語に対応している点も、生産拠点が海外にある会社や、グローバル会計に対応したい企業にはありがたい機能だ。

さまざまな業務の「見える化」を支援するテンプレート群

一方、クラウド型BIツール「MotionBoard Cloud」は、データ活用、分析をすぐにはじめられる点が特長だ。
手持ちのCSVやExcelファイルをアップロードすれば、すぐにグラフによる可視化が可能な手軽さだ。もちろん、自社内にあるデータベースやクラウド上の基幹システムなど多種多様なデータソースからデータを取り込むことができる。

Salesforceや、Marketo、Pardot、Google Analyticsなどさまざまなサービスと連携し、データを可視化するインターフェイスとして利用していただけます。
また、MotionBoard Cloudには、地図データが標準で備わっており、別途有償になりますが人口統計データなどの第三者データも提供しています。そこに自社データを入れれば、データ加工などを要せず、市場占有率などがすぐに可視化できます(関口氏)

MotionBoard Cloud概要図 クリックで拡大

MotionBoard Cloud概要図。Salesforceや、Marketo、Pardot、Google Analyticsなどさまざまなツールと連携し、データを可視化できる

サーバーを用意することなくトライアルが可能で、最短3日で利用開始でき、一番安いプランでは10ユーザー、年間50万円と、部門決裁でスモールスタートできる。
さらに、特筆すべきは、BIツールの「活用」に軸足を置いたサービス展開だ。具体的には、トライアルのときからスタッフがお客様の要件を聞き、具体的な活用イメージを持ってもらえるような提案を行っている。

BIで難しいのはお客様固有の業務を理解し、業務に沿ったツールの使い方を提案する必要があるという点です。その際に、初期導入時だけでは無く、導入後の継続的な活用も見据えて考える必要があります。
そこで、一部有償サービスになりますが、導入後の活用支援を行うポストセールス部隊が、活用方法に関するご相談やご提案などを行っています(関口氏)

とはいえ、BIツールの活用に際しては、何を指標にするかを決めるのが難しいという企業もあるだろう。そこで、ウイングアーク1stでは、経営、予実、営業管理、フィールドセールス、マーケティングオートメーションなど、8種類のテンプレートを無償で提供している。

テンプレート クリックで拡大

ニーズの多い業務・業種向けにカスタマイズされたダッシュボードのテンプレートも用意されている

たとえば、営業テンプレートでは、商談一覧によりマネージャーが数値管理をするだけでなく、商談をいつまでクロージングするか進捗を管理でき、過去の活動履歴も可視化できるので、営業マン自身がセルフマネジメントとして活用することも可能です(関口氏)

いわば、SFAの機能拡張として"次に取るべきアクションが見えるツール"として活用ができる。2015年には、お客様から導入後の運用サポートが評価され、Salesforceのアワードを受賞した。これも、MotionBoard Cloudのポストセールスの取り組みが評価された一例といえる。

「現場にとって使えるツール」であることをその目で確かめよ

SVF Cloudは、今後、作成した帳票を相手先にメール、FAX、郵送(封入封緘)での送付をワンストップで行うサービスも順次、リリースしていくという。

横尾氏によれば、現在のところSalesforceとの連携に関する導入事例が多いとのことだ。

とある旅行代理店では、約2500人のユーザーが、100拠点300台のプリンターに、Salesforce上からさまざまな伝票、請求書、領収書等の帳票を作成、印刷したいニーズを持っていらっしゃいました。SVF Cloudのプリンターコマンド機能を用い、任意のプリンターに印刷することや、印刷済みのフラグをSalesforceに返す『再印刷の禁止』といった運用を実現しました(横尾氏)

ウイングアーク1stでは、Salesforceユーザー向けの「SVF Cloud for Salesforce」を対象にした製品紹介セミナーを、定期的に開催している。画面デモを通じ、効率良い帳票フォーム作成の方法や帳票基盤の構築のヒントの紹介や、ハンズオン形式によるさまざまなテンプレートの操作を実際に体感いただくことが可能だ。

来場者からは、「クラウドで月3万円から利用できるSVF Cloudがあるというのを知らなかった」という声や、「帳票設計がノンプログラミングで簡単にできることに驚いた」という声を多数いただいているという。

「MotionBoard Cloud」に関しても、ダッシュボードの作り方から使い方まで、一連の流れを体験してもらう同様のハンズオン形式のセミナーを無償で実施している。

参加者からは、『自社でやりたいことが実現できることが分かった』という声や、『帰ったら早速利用したい』という声をいただいています(関口氏)

基幹システムのクラウド化による経営のスピード化を本当の意味で実現するために、帳票基盤や情報活用基盤のクラウド化を検討している総務、経理、営業、マーケティングといった現場部門の責任者は、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

クラウドサービス関連セミナーの御案内

ウイングアーク1stでは、クラウド型帳票ソリューション「SVF Cloud」やクラウド型BIソリューション「MotionBoard Cloud」について、詳しい内容を知ることができる製品紹介セミナー、実機による体験ができるハンズオン形式のセミナーなどを東京・名古屋・大阪・福岡で随時開催しています。
下記リンク先よりぜひご覧ください。

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