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今年HPが力を入れているものが、メインフレームのエリミネーション(Mainframe Elimination)です。簡単に言えばメインフレームをオープン環境に置き換え、柔軟にかつ効率的にリソースを使い尽くせるような環境を作っていきましょうということです。 オープン環境においても、今年の夏にはItaniumの次世代であるMadisonが発売され、処理性能も一段とアップしますので、相当強力なプラットフォームになると予想されます。 また、コンピューティングの世界でも、事業の統廃合と同じようにITコンソリデーションと呼ばれる整理・統合の動きがあります。その一つの例がメインフレームの統廃合です。 米国ではメインフレームはもうほとんどない状態ですが、日本ではまだ米国の3倍ほどメインフレームを所有しています。この最後に残ったメインフレームをオープン環境に移行しようというのがHPの目指すところです。 メインフレームの中でも中小型機種はPCサーバに置き換えることもできますが、一方ではどうしても置き換えることが出来なかった、非常に重い処理を行っているメインフレームがあります。これらのメインフレームをオープンな環境に持っていくことが、HPの仕事であり、いちばん難しい分野でもあります。 では、どうしてメインフレームを置き換えなくてはならないか。IT部門の課題として、「ビジネスアジリティの実現」があります。同時に「TCO削減」、「サービス品質の維持」が挙げられます。メインフレームの世界は、パッケージ化された業務アプリケーションがふんだんに存在するわけではないので、どうしても独自開発というものが発生します。そうすると当然、、開発コストの問題も発生してきますし、開発期間もかかってきます。このようなことがビジネスアジリティを阻害する要因になるのです。 メインフレームを置き換えていかなければならないという意識は、IT部門では実際かなり強く持たれています。ただ、メインフレームの環境をそのまま新しい環境に移せるかという点が問題で、確実にかつ安全に移行できることが証明できれば、お客様も安心して移行を決断できると思います。既にコンピュータの性能はメインフレームを超えるところまできていますので、お客様が不安を持たれるのは、安全性についてです。メインフレームの移行に関しては、相当な調査と綿密な評価、基礎的な多くの技術が必要になってきます。
実はHPでは、96年に社内でメインフレームを撤廃しているという前例があります。そのときのプロジェクトの名称がメインフレームエリミネーションプロジェクト(Mainframe Elimination Project)で、今回その名称を引き続いてメインフレーム移行のご提案をさせていただいています。 HPではメインフレーム撤廃以降もさまざまなITの変革にチャレンジしています。米国各地にデータセンターが26カ所点在していたのですが、分散していたため運用のコストが高く、保守要員のコストが莫大でした。既存システムのメインテナンスにIT関連予算の7割を費やしており、そのため新規開発するための費用が3割ほどしかない状態でした。手始めにこのデータセンターを1カ所に集中し、オペレーションの費用を下げ、サーバをコンソリデーションすることによってコンピュータリソースの利用率を高めました。また、同じようなアプリケーションや使われていないアプリケーションも統廃合を行っています。さらにIT環境を飛躍的に効率化するためにHPの中でもUtility Data Center(UDC)をITの中に導入していくことを進めています。これは、ちょうど私たちがお客様に提案していることと同じことを自ら実施し、アダプティブエンタープライズを実現しようとしていることを意味しています。 96年のメインフレーム撤廃以降、HP社内でもいろいろな問題が発生しましたが、これらを一つずつ解決していくことによって多くのノウハウと評価方法を培うことができました。 お客様のメインフレームの環境は、個々によってかなり異なりますので、ケースごとに相当いろいろなものを評価していかなければなりません。この中で重要視しているのは、現実にどのくらいの処理性能がでるかをきちんと評価することです。また、障害発生時の切り替え時間の評価も重要です。お客様に移行に関する簡易TCO分析なども提案し、かつ技術的な裏付けを用意して安全に移行できることをお客様に証明できるように心がけています。


メインフレーム置き換えのアプローチとしては、Transfer、Replace、Surround、Rewrite、Convert、Emulateの6つがあります。HP社内では80年代からずっとこれらの言葉を使い続けているのですが、最近騒がれているリホストに当たるところがConvertやEmulateに相当します。
メインフレームは、元々メインフレームだけの環境で構成されていましたが、90年代の中頃から、Transfer、Replace、Surround、Rewriteが行われ、メインフレームの領域がどんどん小さくなっていきました。この繰り返しによってどんどんオープン環境に取り囲まれてくるようになったのですが、最後に残ったのが、企業の基幹をなすような非常にクリティカルなシステムと、もう一つはただコストダウンできればよしとする比較的重要性が低いシステムです。この2つはまったく違う種類のものですが、共にConvertかEmulateのアプローチで移行していきます。


コストダウンが主目的のシステムは、移行に関して特に問題はないのですが、非常にクリティカルなシステムの場合多くの点で慎重な考慮が必要となります。ConvertかEmulateによって一見同じような機能を持ったものに移行したとしても、メインフレームと同じような信頼性を確保できるかどうかが問題です。ビジネスクリティカルな部分に関しては、相当な調査と評価をしていかなければ大きなリスクが伴います。ここはすごく難しい部分です。 HPでは、既に社内で経験を積んでおり、移行に伴う重要な基礎的な技術を蓄積してきています。これが私たちのノウハウであり、ビジネスクリティカルな部分では一番技術力を持っていると自負しています。現在メインフレームからの移行を検討する案件はとても多く、今年はメインフレームからの移行がITの大きな潮流となるような予感がしています。私たちHPは、オープンプラットフォームベンダーとして、メインフレームからオープンシステムへの移行の促進、およびアダプティブエンタープライズを推進する責任を担っていると考えています。

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