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誰もが情報活用できる BI導入のあるべき姿とは

2016/07/01

1-2 既存BIシステムからの移行

基幹システムの再構築以外で、BIの社内展開の良いタイミングがある。それは、BIのリプレースだ。その事例も多い。

例えば、明治フレッシュネットワーク株式会社の事例だ。
ここでは、以下のような課題があった。

  • 既存のBI環境は、予算や実績を定型帳票で見るシステムと、基幹システムのデータを非定型検索で分析するシステムとで使い分けており、用途ごとの使い分けに手間がかかっていた。
  • 非定型検索を行うツールは、使いこなしに高いスキルが必要。複雑な分析を行うには、情報システム部がデータ抽出から帳票作成まで対応しなければならなかった。
  • システム基盤の老朽化やリレーショナルデータベースのパフォーマンスの影響で、大量データの抽出処理にかなりの時間がかかり、自由な情報活用の阻害要因となっていた。

また、株式会社イノアック住環境でも以下のような課題があり、リプレースしている。 「従来のBIツールでは、新たな分析データが必要となればデータ抽出するためのプログラムの開発を都度外部委託していました。つまり、データ活用するための環境作りや運用をITベンダーに依存している状況でした」
結果的に、ユーザーが自立しながら3ヶ月という短期間でDr.Sum EAを運用開始。業務現場のリーダー自らがデータ取り込み操作や集計定義作成を行って所属部門に教育を実施し、データの対象拡大に取り組んでいる。

株式会社キシヤの事例では、5年間使われていなかったDWHシステムを刷新し、新しいデータ分析基盤を構築。データの見える化を実現することで、現場担当者によるデータ作成でシステム部門の作業負担を半減し、データ活用に対する社員の意識改革を推進している。その見出しには、「Accessが操作できる程度の知識で開発、Excelより簡単に使えるDr.Sum EAで、現場のデータ活用を推進」とある。

1-2 まとめ

成功のポイントとして重要なのが、基幹システムの再構築と同様に、既存のBIのレポートをどうするかだ。多くの場合、既存のBIのレポートは、情報システム部門または外部に委託して作成している。
これで、基幹システム再構築での失敗例と同様に、新しいBIツールを使って既存のBIツールのレポートを瓜二つに作成し、現場に展開したら――

既存のBIツールを並行利用しながら、新しいBIツールを使って業務現場のユーザーが必要なレポートを作成することで、必要なものは徐々に移行されていく。
これで、新しいBIは社内に展開されていく。もちろん、情報システム部門による教育などの支援は必要だ。

2. 業務現場主導の情報活用基盤構築

また、現場部門が主導の導入の事例も少なくない。

例えば、株式会社デンソーの事例だ。
世界的な自動車部品のサプライヤーである株式会社デンソーの中で、制御系組込ソフトウェア開発を担当している電子機器事業グループでは、設計現場が主導してBI ツールを導入。まさに、業務現場導入の事例だ。

また、ヤマハ株式会社の事例も現場導入だ。
月次ベースの実績報告をBIツールで日次化。生産管理部門自らの手で、PDCAサイクルの高速化をITベースで実現している。その後、『日経コンピュータ』2015年3月19日号おいて記事にもなっている。

『日経コンピュータ』2015年3月19日号
特集 業務を変えたビッグデータ IT部門が守る3つのポイント
「工場内の機械設備のデータも取得して分析。故障率を下げて生産性を向上 POPシステム、設備の故障率を分析するシステムを海外15拠点への導入も計画」

特に最近、BIが製造現場の可視化で積極的に部門導入されているが、同じ業務であることから他事業部や他工場のように自社内で横展開され、全社の取り組みとなることも少なくない。これも、新しい社内展開の動きのひとつだ。
それ以外にも、経理部門導入が成功し、その後情報システム部門が中心となり全社、グループ企業に展開した例などもある。

2 まとめ

現場導入での成功のポイントを以下にまとめる。

  • 継続した運用、保守のためにはある程度の専任体制が必要。
  • 推進者は、ITというより業務、ビジネスの専門である。
  • 基幹システムの実績データ、データの管理など情報システム部門との連携、支援が重要。

最後に

重要なのはBIツールをどのように使うかではない。業務をどのように改善していくかということだ。
そして、「誰もが情報活用できるためには、業務部門が必要とする情報とBI環境が一元的に提供される」ことが必要だ。
これは決して「セルフサービスBI」を現場導入することではない。
ぜひ、多くの導入事例、成功事例を参考にしていただきたい。

(参考)4つのBI活用ステップ 「現場力の向上×活用人数 = 企業競争力」

ウイングアーク1st株式会社 執行役員CMO 小島薫

筆者
ウイングアーク1st株式会社
執行役員CMO 小島薫

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