“知的環境創造企業”を事業コンセプトに掲げる丸善では、洋書・和書などの店舗販売をはじめ、企業・官公庁などへ向けた外販や出版事業など、学習・知識・生活文化の向上を目的とした事業を中心に、幅広い分野でビジネスを展開している。
なかでも、全国に約50店舗を有する店舗事業を経営の中核に据えている丸善では、各店舗における売上や在庫などのデータを商品管理に活かすため、1997年、店舗向けにPOSレジを導入。さらに、POSで収集したデータを経営戦略に活用するべくデータウェアハウスを構築するとともにOLAPツールを導入、運用を開始して一定の効果を上げていた。
しかし、導入後5年余りが経過した頃、次第に社員から「データを呼び出そうとしても表示されない」という不満の声が上がり始めたのである。その原因は、日々増え続ける膨大な量のデータにあった。書籍や文房具など点数の多い商品を扱う性質上、年間1億件ものデータが蓄積され続けることとなり、その結果、ツールの処理能力が追いつかなくなっていたのだ。丸善・店舗事業部のデータセンター責任者である石塚氏は、当時の状況をこう語る。
「日別の売上などはまだしも、2年分などの長期的な分析となるとボリュームが大きすぎてデータが表示されないのです。そのため、例えば3ヶ月ごとにデータを抽出し、分析用にExcelでわざわざ加工し直すなどといった手間が必要でした」
そこで丸善では2003年、このデータ分析の際にかかる作業負担を解消するため、リアルタイム集計が可能なPOSレジへの切り替えを機に、データの分析ツールについても再検討を開始した。
データ分析ツールの再検討に際しては、それまで利用していたOLAPツールを含め幾つかの候補が挙がっていたが、処理スピードというパフォーマンス面とクライアントライセンスというコスト面での折り合いがつかなかったという。そして最終的にDr.Sum EA導入に至った理由について、石塚氏は次のように語る。
「弊社が当時想定していたユーザー数は1000人規模でしたので、クライアント数に応じて課金されるツールではコスト的に難しかったのです。その点、サーバライセンスのDr.Sum EAなら安心ですし、開発費用を含めても前システムに投じた初期費用の10分の1程度で済むことも大きな魅力でした。また、実際に使ってみて一番驚いたのはそのスピードの速さ。今までは何分、何十分とかかっていたデータ抽出が数秒ほどでパッと表示されるため、待ち時間はほとんどありません。これならシステム側の負担も大きく解消されると考えたのです」
以前は分析データをシステム部門にリクエストしても数日間を要したという状況から、Dr.Sum EA導入後は、誰でも必要な時に必要なデータをすぐに閲覧・分析が可能になり、業務的な生産性向上にも役立っているという。
また、当時丸善ではPOSがリアルタイム対応になったことで、より迅速な商品管理ができるようデータ抽出の作業を店舗側に任せるという新しい動きがあった。そのため、ユーザー数や店舗数の変化などにも柔軟にも対応できる、優れた拡張性を備えたDr.Sum EAはまさにうってつけの分析ツールだったのである。
Dr.Sum EA導入当初は、エンドユーザーに情報を開示するという新しい試みに対してユーザー自身のPCスキル不足が懸念されたが、徹底したユーザー教育に加え、トラブルを最小限に抑えるための操作手順を組むことでその課題もクリアした。特に操作環境に関しては、PCに不慣れなユーザーでも簡単に扱えるインターフェースの構築をノンプログラミングで容易に行えたことが、スムーズな運用につながったという。