導入事例

株式会社バルカー

株式会社バルカー

グループ人事データの戦略的活用を推進するべく
3ヶ月で人的資本開示の効率的な集計・アウトプットの仕組みを構築

株式会社バルカー
製品
業種

機械・電気機器

株式会社バルカー(以下、バルカー)は、工業用シール製品、フッ素樹脂加工製品のパイオニアとして半導体製造、自動車、工場、航空などの幅広い産業向け製品を展開している。国内6社、海外9社でグループを形成する同社では、グループ人事管理の高度化および、人的資本開示の法改正対応を目的として、Dr.Sum Cloudを導入。従来のExcelと人手によるデータ集計業務を効率化することで、分析や戦略立案といった本来業務に注力できるプラットフォームを構築すると共に、人事データの戦略的活用への確かな手ごたえを感じている。

導入背景

人事データを活用し戦略的な配置などを行いたいものの、データの収集および集計作業の業務負荷が高く、本社側からグループ各社の詳細が見えないという課題に悩む企業は多い。バルカーは、グループ人事管理の高度化および人的資本開示の法改正対応を目的として、各社の人事データを効率よく集計、統合するデータプラットフォームの構築に着手した。

課題
  • グループ人事データの集計と整合調整をExcelと人手で行っており、手間と時間がかかっていた
  • 戦略的な人事データ活用に向けての課題として、本社からは総数や合算費用しか把握できず、詳細は都度、関係会社各社に問い合わせる必要があり、関係会社と本社の負担になっていた
解決策導入ポイント
  • 操作性に優れていて誰でも使いこなすことができ、余計な準備も不要で運用しやすい
  • 複雑に入り組んだ人事データの整合作業も、マスター項目との紐づけで定義すれば自動化できる
  • 国内メーカーであり、データベースとデータ加工ツール、BIツールの機能をシングルベンダーで提供してくれる
効果
  • わずか3ヶ月で人的資本開示のための集計およびアウトプットの仕組みをプロトタイプ的に構築
  • 人事データ集計・整合における本社及びグループ各社の業務負荷を軽減、分析に注力する素地ができた
  • 人的資本開示の指標変更の際もデータ再提出の必要がなく、本社側での再集計が可能に

Excelと人手によるグループ人事データ集計に課題


 1927年の創業以来、社名の由来でもある「Value(価値)」と「Quality(品質)」へのあくなき追求を続けるバルカーグループ。工業用シール製品、フッ素樹脂加工製品のパイオニアとして半導体製造、自動車、工場、航空などの幅広い産業向け製品を展開し、メーカー各社から優秀サプライヤーとして表彰されるなど、市場からの評価も高い。さらに近年、これまでの知見を活かし開発したプラントマネジメントの省力化を実現する「SPM®」、設備の定期点検とリモート監視の統合プラットフォーム「MONiPLAT®」を製造業向けのサービスソリューションとして提供するなど、事業領域の拡大にも積極的だ。同社は、2024年1月、東洋経済オンラインで紹介された「従業員から見た働きやすさランキング」では上位11位(化学業界では2位)に選出されている(※)。


東洋経済オンライン 従業員から見た「働きやすさランキング」100社〜OpenWorkに寄せられた口コミ情報を定量化〜(2024年1月12日)


 国内6社、海外9社の計15の関係会社を持つ同社は、人事データの集計と把握に課題を抱えていた。人事部長 兼 人材開発担当 執行役員の後藤 智子氏と人事部 人事グループ 人事企画チームの藤春 翔子氏は、その課題点を次のように話す。


 「当社は4年ほど前から社内のデジタル化を加速して来ました。事業推進や生産設備のDXに加え、管理部門における業務効率化のためのデジタル活用が重点課題になっていました。そのなかで、事業成長を促す上で欠かせない戦略的な人事データの把握と活用を進めたくても、そのためのデータがすぐに取り出せるようにはなっておらず、必要なデータはExcelと人手による集計を行っているなど、非効率な状況でした」(後藤氏)


 「当社では月に1度、関係会社各社の担当からExcelでデータを集め、本社人事部門が集計していますが、各社固有の組織名や役職名が存在します。また同じ役職名でも会社ごとで役割が異なるなど、本社の定義とは揺らぎがあって複雑に入り組んでいます。そのため、本社・関係会社各社のデータを同じ定義で集約する際には1つ1つ、各社に問い合わせしながら手作業でデータの補完・正規化・重複の排除などを行う必要があり、かなりの工数がかかっていました」(藤春氏)


 「さらに、苦労して集計しても本社サイドから把握できるのはあくまでも総額としての人件費や販管費、役職ごとの総人数といったマクロ情報であり、実際の分析を進めようとすると、データの詳細についてはその都度、各社に問い合わせしなければ実態が把握できない点も、課題でした」(後藤氏) 


執行役員 人事部長 兼 人材開発担当 後藤 智子氏

人的資本開示を求める動きを追い風として、
人事データを統合管理するDr.Sum Cloudを導入


 そんな折、国内外で人的資本の情報開示を求める動きが活発化。日本においても、2023年3月期決算からは上場企業などを対象として人的資本の情報開示が義務化された。同社はこうした背景を踏まえ、課題解消策をITコンサルティングパートナーと協議。グループ全体で人事データを戦略的に活用するためには、効率よく集計、統合するプラットフォームが必要との結論に至る。そして、複数のデータ分析基盤サービスを比較・検討し、Dr.Sum Cloudの導入を決定した。


 Dr.Sum Cloudは、企業の散在する大量のデータを収集し、加工・蓄積・集計・分析を可能にするデータ分析基盤。特許取得の独自開発データベースで、大容量データの高速集計を実現すると共に、蓄積したデータをExcelやWeb上で集計・分析が可能。専門知識がなくとも直感的に操作できるため、IT化がなかなか進まない管理部門でも自部門で導入・運用が可能だ。


 選定の決め手について、藤春氏は次のように話す。「どんなに機能が豊富なプラットフォームでも、設定や作業が複雑では利用が進みませんし、継続した運用もできません。人事部門にはデータベースやシステムに精通したメンバーはいませんので、誰でも使いやすい、操作性を特に重視しました。Dr.Sum Cloudはインターフェースが直感的でわかりやすく、データを登録する際もExcelやCSVファイルをドラッグアンドドロップするだけでよいなど複雑な操作は要りません。作業工程も少なく済みます。そして、これまで人手で調整していた複雑に入り組んだ人事データの揺らぎも、統一マスター項目とグループ各社の項目を紐づけて定義することで自動化でき、解消できる点が決め手となりました」 


人事部 人事グループ 人事企画チーム 藤春 翔子氏

 従来、グローバルスタンダードなツールを採用することが多かった同社だが、今回は逆に国内メーカー製品であることも評価ポイントだったと、藤春氏は続ける。「人事情報を取り扱うプラットフォームですので国産で堅牢性が高いことが大事で、さらに、運用時に困ったことがあっても、メーカーであるウイングアーク1stが迅速に問い合わせ対応してくれるという、安心感がありました」


 その上で後藤氏は、Dr.Sum Cloudとウイングアーク1stに対する評価を、こう述べる。「厳しいコストセーブが求められる管理部門にとって、必要な機能だけを提供してもらえるという点で、Dr.Sum Cloudはオーバースペックではなく、良い意味で“ちょうどいい”製品だと感じました。また、データベースとデータの加工ツール、そしてBIツールまでシングルベンダーで提供してくれることも魅力です。今回の導入においてもウイングアーク1stはクラウドサーバー、ネットワーク経路までスピーディーにセットアップいただけて、早期に利用を開始することができました」 


システム構成

導入決定からわずか3ヶ月で「仕組み」構築が完了
集計の効率化で今後のデータ活用・分析の高度化に手応え


 同社は2023年1月にDr.Sum Cloudの利用を開始し、わずか3ヶ月で人的資本開示のための集計およびアウトプットの仕組みをプロトタイプ的に構築。現在は、本格運用に向けたグループ各社との調整を行っている。


 現状の成果と今後の展開について、藤春氏は次のように話す。「Dr.Sum Cloudを活用することで人的資本開示の指標に変更がある場合も、関係会社各社に集計したデータを改めて提出してもらう必要がなく、本社が再集計できます。課題である定義の整合性調整は今も進めている最中ですが、マスター定義との紐づけで自動化ができる手ごたえを感じています。加えて、人事基幹システムから出力したファイルをそのまま登録できるので、基幹システムとの自動連係でさらなる効率化も期待できます。今回の取り組みは、本社だけではなくグループ各社にとっても業務負荷を削減しながら人事データの新たな活用を促す仕組み。そのため、しっかりとグループ各社に説明し、すり合わせをおこないながら、本格活用をスタートしたいと考えています。2023年9月より国内会社での運用を開始し、海外を含めたグループ全社での利用開始は、2024年度中を予定しています」


 これを受けて後藤氏は、現時点での手ごたえを次のように語る。「Dr.Sum Cloudを活用することで、これまで各社へ問い合わせをしないとわからなかった情報が手元でいつでも把握できるようになり、ものすごく楽になりました。今まさに来期に向けた人事異動の計画時期なのですが、集計ではなく分析に時間をかけることができるようになり、意思決定のスピードが速まるなど、その効果を実感しています」


 最後に後藤氏は、今回構築した人事データ統合プラットフォームへの期待を、次のように結んだ。「今後は、各社で微妙に異なる報酬や手当の内訳であるとか、働き方改革の重要な指標である総労働時間の詳細、女性管理職の比率、リーダークラスの年齢分布などのデータも統合していきたい。それによってガバナンス強化や、効果的な人員配置、後継者の育成などにもつながるでしょう。今回構築したDr.Sum Cloudによる人事データ統合プラットフォームをさらに使いこなすことで、グループ全体の人事を管轄する部門としてグループ各社での人員の偏りや課題などを俯瞰して可視化し、早期に気付いて、プロアクティブな働きかけを行うことができる。そのことがグループ全体のさらなる事業の成長促進につながると期待しています」 


Company Profile

株式会社バルカー

創 業:1927年
所在地:東京都品川区大崎二丁目1番1号
事業内容: ファイバー、フッ素樹脂、高機能ゴム等各種素材製品の設計、製造、加工および販売
 ソフトウエア・情報機器の開発および販売、関連する電子商取引などインターネットを利用した各種サービスの提供、コンサルティング、エンジニアリング、その他技術・ノウハウに関する事業
URL:https://www.valqua.co.jp/

(写真左より)
株式会社バルカー 執行役員 人事部長 兼 人材開発担当 後藤 智子氏
人事部 人事グループ 人事企画チーム 藤春 翔子氏

導入製品

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