導入事例

三笠製薬株式会社

MRの情報力強化の鍵はiPadとDr.Sum
リアルタイム実績データを徹底分析
“現状把握による現状打破”へ
  • Dr.Sum EA
  • 医薬品
Before
現場が求めるデータの多様な要望に応えきれず、あらかじめホストからCSV形式で抽出した実績データをAccessやExcelを使って集計・加工し、レポートにまとめて各支店に配信。この作業には毎月数週間もの時間を費やしていた。
after
ユーザー側での柔軟かつリアルタイムに近い販売データの分析を可能とするDr.Sumにより、煩雑なレポート作成の作業が解消した。また新しい切り口でデータを見たいという要望を受けた場合も、新しいビューを定義する作業は数分で完了。

導入背景

● MRの情報力強化

● ホストシステムによる販売データ管理の制約

導入ポイント

● 営業本部が先導した利用の定着化

● IT部門によるBI環境整備

● iPadでの利用が中心

導入効果

● 1年で約120名のMRに利用が浸透

● 予算目標に対する課題の可視化

● 数週間費やしていたレポート作成作業を解消

導入製品

Dr.Sum / Dr.Sum Datalizer Expert

Company Profile

創業:1945年9月23日
本社所在地:東京都練馬区
事業内容:医療用医薬品(外用薬剤、内服薬、坐薬)の製造・販売
三笠製薬株式会社
執行役員 営業本部 本部長
桑原 洋 氏(写真左)
 
情報システム室 IT課 課長
昼間 敏明 氏(写真中央)
 
営業本部 営業課 課長
小野 学 氏(写真右)

 

整形外科分野で処方される医療用鎮痛・消炎外用薬などを主力製品とする三笠製薬にとって、ビジネスの根幹を担っているのがMR(医薬情報担当者)だ。その活動のベースとなっているのは、医師・薬剤師等の情報はもとより、医療機関から発行された処方箋が、どの調剤薬局で、どれくらい販売されているかというデータである。iPadでも利用できるDr.Sumを導入することで、いつでも、どこでもリアルタイムに、なおかつ自由な切り口で販売データを分析できる環境を整えた。

リアルタイムな販売データでなければMR活動にスピードが出ない

2015年に創業70周年を迎えた三笠製薬は、整形外科分野に特化した医薬品の研究・開発・製造・販売に取り組んでいる。経皮吸収型鎮痛・消炎剤の「スミルスチック3%」や経皮複合消炎剤の「ゼスタッククリーム」など独自性の高い製品もあるが、多くは同じ有効成分・剤型をもつ、いわゆる同種同効薬が多く存在しており競争が熾烈となっている。

同社の執行役員であり営業本部 本部長を務める桑原 洋氏は、「MR(メディカル・レプリゼンタティブ)の仕事には2つの面があり、1つは一般的に言われている医薬品の情報提供と収集、もうひとつは医薬品の販売と普及がある。医師や薬剤師、あるいは医薬品の流通に大きな力をもつ医薬品卸のMS(マーケティング・スペシャリスト)に対していかに的確なタイミングでコンタクトをとり、効果的な情報を提供できるか―。

MRの活動は多角的な情報に大きく依存しています」と語る。

一方で桑原氏は「そんなMRを支える情報環境が十分に整っているとは言えませんでした」とも明かす。医師・薬剤師情報、医療機関情報、時事情報などは社内SFAで十分構築されていましたが、先ほど述べた医薬品の販売と普及に必要な情報に不十分さを感じていました。医療機関の販売情報をリアルタイム的に分析しないと明日の訪問予定も立てられない。中でも一番必要なものは当日の新規販売データであり、翌日優先すべき訪問先になるからです。

しかし、これらの販売データを管理するホストシステムはCOBOLで開発されたもので、各データ項目の定型的な集計にしか対応しておらず、利用できる端末も社内のPCに限られる。そして何より大きなネックは、21時以降はホストが夜間バッチに回るため通常業務のサービスを停止してしまうことだ。医師と面談できる時間はどうしても診察を終えた遅い時間になりがちで、その後に明日の訪問予定を立てておきたいと考えても間に合わず、必要な販売データを得られないことがある。

2002年よりオンプレ型SFAを導入し販売データも一緒に24時間閲覧できるように構築した。

だが、このシステムもMRの満足を得ることはできなかった。同社 情報システム室 IT課の課長を務める昼間 敏明氏は、「ホストシステムとSFAは完全な別システムであり、ホストで管理している販売データをSFAに反映させるには、どうしても丸一日のタイムラグが発生してしまうのです」と説明する。

同社 営業本部 営業課の課長を務める小野 学氏も、「MRにとっては、リアルタイムに近い鮮度の高いデータでなければ役に立ちません」と語る。

販売データの柔軟な分析をタッチ操作で実行

SFAをクラウド型に切り換えることで、iPadの活用も充実させたいと考え、2015年より準備を進めてきた。その際、販売データのリアルタイム問題の解決策として、「実績データを直接SFA側で管理することも検討しましたが、1日あたりに発生するデータ量は5,000件以上に及び、十分なレスポンスを得ることができず断念しました」と昼間氏は語る。

行き詰まりつつあった2016年9月、アイ・エム・エス・ジャパン株式会社(※)から提案され導入したのがDr.Sumと、iPadに対応したDr.Sum Datalizer Expertだ。その導入インパクトは絶大なものだった。

「当初はBIという概念さえあまり理解しておらず、ホストのリアルタイム性と24時間使えるSFAの利便性の“いいところ取り”をして販売データを閲覧できればありがたい、という単純な考えでした。ところがDr.Sumでできることは想像を超えていました。今まで同様の支店別・個人別・品目別・卸別の販売データは当たり前、それ以上に各MRの要求事項のビューが簡単にできるのです。例えば今月の新規採用先販売データ、品目別ランキング、担当者別卸販売データ、基準単位販売数量データ変換など柔軟な集計をタッチ操作で直感的に実行することが可能です。想像を超えた使い勝手の良さにカルチャーショックを受け、驚くばかりでした」と桑原氏は振り返る。

もっともどんなに便利なBIツールでも、そのまま公開したのでは現場への定着は図れない。ホストシステムに慣れ親しんできたユーザーの“違和感”を払拭する必要がある。

「特にMRが強いこだわりをもっているのが、支店や品目の並び順、はてには表のレイアウトそのものです。また、いきなり自由に分析せよとデータを公開しても何から始めたらいいのかわからないため、最低限必要なデータ、例えば、『納入明細速報』『期間販売データ』『担当者別計画推移』など基本パターンとなるビューをいくつか定義しておき、そこに各自が思い思いの条件を付加しながら分析を進めていける仕組みづくりに注力してきました」と昼間氏は語る。その後は、各MRからの要望で『処方元別データ』『新規ターゲット先データ』『累計達成率ランク』『新規採用先フラグ』『前年販売減少先』など次々にビューを追加し、他社販売データも取り込みながら、導入から約1年が過ぎた現在では、全国に約120名いるMRのほぼ全員がDr.Sumを利用するようになった。

Dr.Sumは現場が求めるデータベースに。IT部門の評価も上々

Dr.Sumは、本社営業部門が求めてきたデータ活用環境となっている。Dr.Sumを活用することにより、情報システム室にホストからCSV形式で実績データを抽出してもらい、営業本部の担当者がデータをAccessやExcelを使って集計・加工し、レポートにまとめて各支店に配信する作業もかなり少なくなった。「毎月数週間費やしていたこの煩雑で膨大なデータ分析作業が解消されました」(小野氏)。

さらに、情報システム室の立場から昼間氏も、「MRから新しい切り口でデータを見たいという要望を受けた場合、業務中にホストのオンラインを停止することができず、最短でも翌日まで待ってもらう必要がありました。これに対してDr.Sumの新しいビューを定義するだけなら作業は数分で完了するため、情報システム室に対する評判もかなり上がったように思います」と語る。

経営の視点ではどうか。「現在の営業本部のテーマは“現状把握による現状打破”です。販売実績は伸びているのか、減っているのか。仮に減っているとしたら、それはどの調剤薬局のどの品目なのか。Dr.Sumを使って現状を徹底的に細かく分析します。すべての物事をデータで語れるようにならないと、競合他社に負けない営業力を身に着けることはできません」と桑原氏は語る。

Dr.Sumの利用率の向上とともに、この考え方は全社に確実に浸透しているようだ。「今期の目標クリアにも、大きな手応えを感じています」(桑原氏)

今後に向けて、この流れをいかに継続し、発展させていくのか。桑原氏は「現在は併用を続けているホストシステムをできる限り早期にクローズし、販売データの管理や分析をDr.Sumに一本化したいと考えています」という方針を示す。

あわせて各MRが各支店や全社の中で自分の実績を比較・確認したり、好成績を上げているMRの行動を学んだりできる仕組みを充実させるなど、より多くの“気づき”を得られるシステムに発展させていく計画だ。

 

※ アイ・エム・エス・ジャパン株式会社:医療情報、テクノロジー、分析力および人知による創意工夫を活用した幅広いソリューションを提供。

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