導入事例

合同製鐵株式会社

紙の連続帳票につきものの手作業を一掃して月間およそ50時間の工数削減を実現 
遠隔地からの書類参照もよりスピーディに
  • SVF
  • 製造
  • ミルシート(鋼材検査証明書)の電子化
  • 品質保証体制の強化
  • SPA
Before
これまでは鋼材検査証明書(ミルシート)などを、ドットプリンターで複写式の連続帳票に印刷していたが、一通ずつ切り離したり控えを保存したりといった煩雑な手作業が避けられなかった。またミルシートは発行した工場に保管されているため、地方の顧客から営業所経由で問い合わせがあった場合、回答までかなりの時間がかかる問題もつきまとっていた
after
電子化によって紙の帳票の手作業がすべてなくなり、全社平均で月間およそ50時間の工数削減が実現。また顧客から問い合わせがあった場合も、SPAの検索機能を使って膨大な保存帳票の中から瞬時に必要な情報を引き出せるため、サービス面も大幅に改善された。さらに厳格なアクセスコントロールで、セキュリティ&コンプライアンスも飛躍的に向上した

導入背景

● ドットプリンターと紙の連続帳票による手作業が非効率的

● 「保存(保管)」することで、増え続けていた情報をいかに活用するかが重要課題

導入ポイント

● 簡単操作で業務に最適な電子帳票フォームが自由に作れる

● データ活用を支援する、強力な検索機能&セキュリティ

導入効果

● 紙帳票での手作業がなくなり、飛躍的な作業効率アップを実現

● 22万ファイルの膨大な帳票を確実に保管し、必要な時はすぐに検索&利用が可能

導入製品

SPASVF

Company Profile

設立   :1937年12月
事業内容 :土木建築分野での主要工法である鉄筋コンクリート構造を支える鉄筋用棒鋼、さまざまな都市インフラに活用される線材や形鋼、産業機械などの主要部材となる構造用棒鋼など、社会のインフラを支える鉄鋼製品の提供を通じて社会に貢献している。
合同製鐵株式会社
システム部長 中森 弘之氏(写真左)
システム部 システムグループマネジャー 曽我部 貴志氏(写真右)
 
国内の製鉄会社の中でも、鉄筋用棒鋼や各種線材、構造用棒鋼など幅広い製品ラインナップで、多品種多機能メーカーとして独自の地位を確立している合同製鐵株式会社。同社では鋼材製品を顧客に納入する際に添付が義務づけられている鋼材検査証明書(ミルシート)や請求書など膨大な量の紙帳票を、ウイングアークの帳票基盤ソリューション「SVF」と電子活用ソリューション「SPA」の組み合わせで電子化。紙帳票では避けられなかった作成・取り扱いの労力やコストを大幅に削減すると共に、顧客からの問い合わせなどにも文書検索機能を活用したスピーディな対応を可能にしている。

帳票作成・保存の効率アップを目指して電子帳票への移行を決定

鉄筋コンクリート建築に欠かせない鉄筋用棒鋼をはじめ、多種多彩な鋼材製品で社会インフラを支える合同製鐵株式会社(以下、合同製鐵)。同社では2017年度から品質保証体制の強化を掲げ、製造設備や検査機器などの設備投資を積極的に進めている。

さらに一方では、より効率の良い業務フローと顧客へのサービス強化、コンプライアンス体制の充実にも大きな力を注いできた。2015年に導入したSVFとSPAによるミルシート(鋼材検査証明書)と呼ばれる品質保証の書類の電子化も、そうした取り組みの一環だと、同社 システム部長中森 弘之氏は語る。

「ちょうどこの時期に基幹システムの更新があり、これを契機に紙帳票の効率化に取り組むことを決めました。当初はSVF単体の導入予定でしたが、その途中でSPAが発表になり、それなら電子化した帳票のデータ活用までを一気に実現しようと考えたのです」

それまで基本的に帳票類はドットプリンターと複写式の連続帳票で作成していたが、ドットプリンターは障害発生時の取り扱いが複雑だ。また連続紙を切り離し仕分けするといった手作業も避けられない。

また製鉄業では納品の際、ミルシートを発行するが、重要書類のため10年以上の保管が義務付けられている。同社 システム部 システムグループ マネジャー 曽我部 貴志氏は、「ミルシートの確認が必要な場合も、ミルシートの証明書を電子化しておけばシステム上で直接閲覧できます。その都度各地の営業所から保管場所である遠くの工場に確認依頼する手間が不要になるのも、電子帳票採用の大きな理由でした」と語る。

自由度の高い帳票作成に加え、強力な検索機能などが導入の決め手

具体的なソリューションの選定で重視したのは、「メジャーな製品で、自由度が高いもの」「基幹システムからの連携が容易で電子帳票が作成できるもの」の2つ。紙の連続帳票ではフォームが変更になるたび印刷会社に改訂を頼まねばならず、「自分たちで自由に帳票が作れる」ことが業務効率アップのカギと考えたのだ。

「そこでデモを見せてもらったところ、ExcelやWord から簡単に帳票を作成できるのがわかりました。また既存の紙帳票をスキャンして簡単にPDF化できる点も、評価の対象でした」(曽我部氏)

こうした機能があらかじめパッケージされていることで、開発コストが抑えられる点も決め手になった。

今回の導入では、SVFとSPAの2つが同じウイングアークの製品であることも重要だったと中森氏は指摘する。

「当初はSVFで作成したPDFを、別の帳票システムで使う方法を考えていました。しかしそれだと、連携の部分を別に開発しなくてはならない。ウイングアークの製品同士なら、あらかじめ連携も保証されている安心感がありました」

ミルシートは鋼材製品の品質を証明する重要文書なので、ふさわしいセキュリティやコンプライアンス機能も必須要件だった。紙のミルシートは官公庁でも利用されている、偽造防止用紙を採用し、合同製鐵専用のものを活用し、他社との違いと偽造がわかるようにしている。

これを電子保管から印刷したものと区別するため、PDF化してSPAで保管し、印刷すると「コピー」の透かしが表示される、といった設定にした。

さらに、もう1つの採用の決め手がSPAの強力な検索機能だったと曽我部氏は語る。

「ミルシートは製品それぞれに添付されるため、ファイル数は増えていく一方で、システム稼働から丸2年ですでに22万ファイルに達しています。こうした膨大なファイルを長期間、確実に保管し、必要ならばすぐに検索できなくてはなりませんが、SPAなら可能と聞いて導入を決めました」

紙帳票の手作業を一掃して、月間50時間という大幅な工数削減が実現

今回のSVFとSPAによる帳票の電子化がもたらした最大の成果は、帳票管理業務の大幅な効率アップだ。曽我部氏が導入から2年間の実績を集計してみたところ、「全社で見て、月間50時間くらいの工数が削減できました」という。これまでの複写紙による連続帳票では、印刷した帳票の切り離しや控えを取る、仕分けするといった作業が電子化でゼロになったことが、こうしためざましい省力化につながっている。

「現場の社員からも、その都度用紙を手でめくったり切り離したりする手間が省け、それだけで毎回30分~1時間はかかっていた単純作業がなくなって、非常に楽になったという声をもらっています」(曽我部氏)

この画期的な成果が認められ、システム導入から1年後の2016年夏には、システム部および関係者全員が業務改善の社長表彰を受けた。ここでは単なる工数削減だけでなく、現場が抱えている業務面での課題や要望を解決した点が、会社から高く評価された。

「システム導入を上層部に提案した際も、基幹システムの更新と、この電子帳票システムを組み合わせることで、単純な老朽更新ではなく働き方の効率アップが実現できる点を強く訴えました。それが実績として認められたと思っています」(中森氏)

顧客サービスの品質向上にも、新しい電子帳票システムは貢献しており、顧客から販売窓口への問い合わせから対応までの時間が大幅に減った。現在は、内容確認やコピーでよい場合は、SPAの検索機能を使って直接お客様とのやりとりに対応できるようになり、瞬時にファイルを引き出せるため、数分から数時間内で対応ができる。原紙が必要な場合のみ、工場とやりとりを実施するが、その場合も工場は紙の控えから探す手間が減っている。

セキュリティやコンプライアンス面でも、大幅な改善が実現した。「ミルシートは偽造や改ざん防止のために、厳格なアクセスコントロールが必要ですが、SPAならば、例えば管理部門は閲覧・印刷ができるが、販売部門は閲覧のみといった設定が可能です。同じ部門でも、人単位で細かく権限を振り分けることもできます」(曽我部氏)

新システムはWindows の認証基盤であるActive Directory(以下、AD)と連携できるため、ADのアクセス権で自動的に電子帳票システムに入れる便利さも、現場には好評だ。

また社員が別の部署に移動した場合も、ADの所属情報を変更すればファイルへのアクセス権も自動的に更新されるため、管理者の負荷削減と人手による変更ミスの根絶が一挙に実現した。

SVFへの完全移行を目標に、さらなるデータ活用の可能性を目指す

現在は管理部門と販売部門、あわせて30名程度が利用しているが、当面の目標は、まだ社内に残っているドットプリンターと複写紙の連続帳票を、すべてSVFに移行することだと中森氏は語る。

「将来的には基幹システムとの連携などの構想もありますが、まずは私たちシステム部の力量と照らし合わせながら、着実に前へ進んでいきたいと考えています。そのためにも、ウイングアークには、これまで以上の協力や提案を期待しています」

合同製鐵が2年前に導入したSPAは最初期バージョンだったため、同社の期待する機能がまだまだ十分ではなかった。このため実際にシステムを使いながら課題や要望出しを行い、それをウイングアークの営業担当者や技術陣が検討しては、バージョンアップの際に新機能として盛り込むといった、ユーザーとベンダーの二人三脚での機能改善を進めてきた経緯がある。当時を振り返って中森氏は、「外資系ソフトだとこちらの要望が本社の開発陣にまで伝わらないことも多い。その点、日本のベンダーは安心ですが、東京から大阪の当社まで開発責任者が来てくれる会社は少ない。こちらの要望をきちんとヒアリングして、それらを機能に反映するべく取り組んでくれたのは非常にありがたいと思っています」と語る。

さらなる業務効率アップとサービス品質向上に向けて前進を続ける合同製鐵の取り組みを、SVFとSPAによる新しい電子帳票システムがさらに加速していく。

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