導入事例

株式会社 東急パワーサプライ

徹底したKPI 経営を実践し、電力小売業界において急成長を遂げる
~KPI 経営を支えるMotionBoardの高度な使いこなし~
  • MotionBoard
  • 電気・ガス
  • クラウド
Before

データウェアハウスに蓄積されたデータそのままでは集計できず各種コードの設定などの前処理が必要で、Excelでその作業を行っていた。その複雑なデータ集計・分析の作業には高度なスキルが要求される。だれにでもできるものではなく、全社からの依頼が一人のアナリストに集中し、大変な負担を強いていた。

after

MotionBoardを活用し、データ集計・分析をセルフサービスで行える体制が整った。これによりアナリストは煩雑なデータ集計・分析の個別対応から解放され、同時にデータ活用に対する全社の意識を大きく変えていった。多面的な情報をストレスなく短時間で得られことで、『思考を深められること』や『判断できること』は指数関数的に増えていく。KPI経営を次のステップに進めることができたとトップも高く評価する。

導入背景

● 客観的なデータに基づくKPI経営を実践し、的確な意思決定につなげる

● 過去実績のない電力小売事業において戦略的にデータを収集・分析

導入ポイント

● データの前処理をモデル機能で自動化

● 活用支援サービスにより必要なダッシュボードを短期間で構築

● 特定分野や専門家だけでなく全社的に利用できるBI基盤

導入効果

● ビジネスの現状をグラフやチャートで直感的に可視化

● 必要なデータにユーザー自身がたどり着けるアドホックなダッシュボードを提供

● アナリストの作業負荷を軽減

導入製品

Company Profile

設立 :2015年10月1日
本社所在地 :東京都世田谷区用賀4丁目10番1号    
世田谷ビジネススクエアタワー
事業目的 :電力の売買業務およびそれに附帯または関連する業務
株式会社 東急パワーサプライ
代表取締役社長 村井 健二氏(写真中央)
執行役員 ケーブルアライアンスグループ長 山平 時広氏(写真左)
業務管理グループ 営業統括グループ 法人企画営業グループ 高橋 亮介氏(写真右)

 

交通や都市開発、生活サービスなどの事業を展開する東急グループの中で、電気サービス「東急でんき」を展開する東急パワーサプライは、東急線沿線の居住者や企業をコアターゲットと位置付けてアプローチし、着実に加入者を拡大している。この背後にあるのが徹底したKPI経営の実践だ。

MotionBoardを導入し、どのエリアの住民や企業が、どのチャネルや代理店ルートで加入に至ったのかといった実績を詳細に分析し、明らかになった情報を全社で共有することでマーケティングや営業活動のパフォーマンスを最大化している。

客観的な視点に立ったKPI経営で「東急でんき」のビジネスを順調に拡大

東京急行電鉄を中核とする東急グループは、交通事業を基盤に、不動産、生活サービス、ホテル・リゾートなど、人々の生活に密着した様々な事業を幅広く展開している。そうしたなか、2016年4月からの電力小売全面自由化の流れを受けて参入したのが電力小売事業である。このビジネスを最前線でドライブするのが東急パワーサプライだ。同社の代表取締役社長である村井 健二氏は、次のような事業戦略を示す。

「日頃から東急グループに愛着を持っていただいている東急線沿線の住民の皆様が、私どもの最大のターゲットです。イッツコムをはじめとするCATV 事業者と販売代理契約を結ぶほか、駅・百貨店・ストアなどのリアルな対面チャネルも活用しつつ、家庭用(低圧)と業務用(高圧)のビジネスを両面で進めています」

実際、同社のビジネスは好調な伸びを見せている。電力自由化からの約2年間で400社を超える企業が参入したが、その中で同社は加入者数で見ると全国で11位、首都圏に限定すれば5位にランクインしている(※)。もともとエネルギー事業者ではない異業種からの参入として、これは異例のことだ。

ただ、ここまでの道程は必ずしも平坦なものではなかった。「会社の発足当時、マーケティングの基礎となる情報がまったくありませんでした」と村井氏は振り返る。それまで地域独占で行われてきた電力事業はサービスエリア内に居住するすべての住民や企業を対象とするため、そもそもマーケティングという概念が存在しなかったのだ。

とはいえ、やみくもに営業活動を展開したのでは顧客獲得は望めない。「だからこそ私たちは一貫してKPI経営を追求してきました」と村井氏は強調する。先述のとおり東急沿線の住民がターゲット、すなわち潜在顧客や見込み顧客であるという仮説を立てるとともに、それを裏付ける戦略データを蓄積することに注力してきた。

東急線沿線を地図上で細かくメッシュ分割し、「どの区画の住民や企業が、どのチャネルや代理店ルートで加入に至ったのか」といった実績を大量に集めて多面的に分析することで、顧客の様々な属性とチャネルの相関関係を読み解いていく。

この知見を経営や営業活動におけるKPI (重要業績評価指標)として反映し、PDCAサイクルを回すのだ。

「多くの新電力事業者がテレビCMやWebサイトなどの"空中戦”でアプローチしているのに対して、私どもの戦術は対面を中心とした“地上戦”です。多くの苦労はありますが2年間の地道な活動が実を結び、ようやく客観的な視点に立ったKPI経営を支える戦略データが整いつつあります」と村井氏は語る。

※経済産業省2017年11月電力需給実績および公開データに基づく自社換算値による

データ集計・分析をセルフサービス化し全社員の意識にインパクトをもたらす

東急パワーサプライが最も苦労したのは、戦略データを集めて分析し、得られた情報や知見を全社で共有するためのBI 基盤の整備である。同社の執行役員でありケーブルアライアンスグループ長を務める山平 時広氏は、「戦略データといっても当初はどんなデータを集めたらよいのか見当もつかず、試行錯誤の日々が続きました」と振り返る。

中でも苦慮したのが家庭用ビジネスに関するデータの扱いだ。業務用ビジネス、いわゆる法人の顧客情報や商談情報は、会社の発足時から導入しているSalesforce上で一貫性をもって管理されているため特に問題はない。これに対して家庭用ビジネスのデータは、顧客と紐づける属性情報を事前に整理・整備する時間的な余裕がなかったこともあり、正規化されない状態のデータが大量にデータウェアハウスに混在してしまった。月日が経過する間にも、次々に新しいデータが入力されていく。

これらのデータはそのままでは集計できず各種コードの設定などの前処理が必要で、Excelでその作業を行っていたのだが、取り込むデータ件数の増大に伴って負荷が重くなり、ほとんどPCが動かない状態に陥っていた。「なによりその複雑なデータ集計・分析の作業には高度なスキルが要求されます。誰にでもできるものではなく、全社からの依頼がたった一人のアナリストに集中し、大変な負担を強いていました」と山平氏は語る。

たった一人のアナリストとは、同社 業務管理グループ、営業統括グループ、法人企画営業グループの3つの部門を兼務する高橋 亮介氏である。実際、どれくらいの負荷が集中していたのか―。「毎日8時間の勤務時間のうち6時間以上を、経営陣や各部門から求められるデータ集計・分析の個別対応に費やしていました」と高橋氏は明かす。

この手詰まり感を払拭し、状況を一気に改善に導いたのがMotionBoardだ。

「もともとBIに興味は持っていましたが、『全社的に使えるツールを』という観点から適した製品がなかなか見つかりませんでした。そうしたところにウイングアークから提案されたMotionBoardは私たちの要求を満たすもので、なおかつコスト的にも手頃でした。グループ会社の東急スポーツオアシスが効果的に活用する姿を見たことも大きかったです。これらのことから導入を即断しました」と高橋氏は語る。

こうして2017年10月にMotionBoardを導入。併せてウイングアークによる「活用支援サービス」を受けた高橋氏は、同年12月までのわずか2ヶ月という短期間で主要なダッシュボードのほとんどを完成させた。ここまでの短期間を可能にした秘訣は、事前にMotionBoardの操作や使い方を学んだことだと高橋氏は語る。

これを機に経営陣から各業務部門の担当者に至るまで、必要なデータ集計・分析をセルフサービスで行える体制が整った。

高橋氏は、煩雑なデータ集計・分析の個別対応から解放され、アナリストとしての本来の業務に専念することが可能となった。同時にデータ活用に対する全社の意識を大きく変えていった。

「特に大きなインパクトがあったのがMotionBoardから毎朝送られてくる最新データです。これはExcel形式やPowerPoint形式のレポートなのですが、帳票出力オプションによって自動生成されているのです。グラフィカルに示されたKPIに基づき、社員はそれぞれの業務やミッションに応じた的確なアクションを起こせるようになりました」と語るのは山平氏だ。

さらに村井氏も、今回の成果を次のように高く評価する。

「ダッシュボードにアクセスすれば、これまで他の役員や各部門のマネージャーに問い合わせていたプロセスを飛ばして、本当に知りたかった核心的な情報に自らダイレクトにたどり着くことができます。これは画期的なメリットです。多面的な情報をストレスなく短時間で得られるようになると、『思考を深められること』や『判断できること』は指数関数的に増加します。MotionBoardの活用によって、KPI経営を次のステップに進めることができました」

データ分析を“掛け算”で行うことで、より深いレベルのKPI 経営を目指す

MotionBoardによって得られた成果を踏まえ、東急パワーサプライはKPI 経営のさらなる進化とレベルアップを図っていく考えだ。

「ビジネスの現状を直感的に可視化し、データを自在に扱える手段を獲得できるようになったので、今後はその対象範囲をさらに拡大していきたいと思います。お客様とチャネルを紐づけるだけでなく、そのプロセスでどのようなアクションをとったのか、どのような変化があったのかなど、データ分析を“掛け算”で行えるようにすることで、より深いレベルでの洞察をもたらすKPIの策定につなげていきます」と村井氏は語る。

この構想を支えるため、山平氏も「一人ひとりの社員がより高度な分析を自ら実践できるように、リテラシーとモチベーションの向上を図っていきたいと考えています」と語る。

さらに高橋氏も、「入社したばかりの人でも『これさえ見れば会社のビジネスの状況がわかる』『自分が何をすべきかがわかる』というように、MotionBoardのダッシュボードやレポートを全社の“共通言語”に発展させたいと思います」という意向を示す。

全員が同じデータに基づいて認識を共有し、同じ目線で会話できるようにすることで、初動をさらに早めていく―。このことこそ同社が追求するKPI経営の本質なのだ。

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