導入事例

ユニオンツール株式会社

工場とシステム部門の緊密な連携でダッシュボードを整備
可視化による集中管理で設備の稼働率が改善し生産性が向上
 
  • MotionBoard
  • 製造
Before
各製造設備は制御用PCを備え、ネットワーク接続されたホストコンピュータに稼働情報を収集しているが、そのデータをリアルタイムに可視化して管理する仕組みがなかった。また、生産実績の集計はExcelを用いて日次でしか行われておらず、翌日になってはじめて生産数が計画数に足りないことが判明するケースもあった。
after
オペレーターの介入が必要な装置と優先順位がわかるようになり、さらに明細ボードにドリルダウンして原因を確認することが可能に。生産現場のリーダーは、より緊急度の高いものから介入指示を出すことができ稼働停止時間を最小限に抑え、結果として生産性が確実に向上している。

導入背景

● ホストコンピュータに集約された製造装置の稼働情報をリアルタイムに可視化したい

● 生産実績値の集計はExcel を用いて日次でしか行えていなかった

 

導入ポイント

● ダッシュボードのデザイン性や使い勝手の良さ

● 標準で、IBM iのデータベースと接続可能

● 内製化している製造装置の情報(データ)がMotionBoardに簡易に連携でき、稼働・生産情報の収集や追加変更が容易に実現できる

導入効果

● 生産計画/ 実績をガントチャートで表示するダッシュボードを半日で開発

● オペレーターの介入が必要な製造装置をダッシュボードの「赤」シグナルで即座に通知

導入製品

MotionBoard

Company Profile

設立:1960年
本社所在地:東京都品川区
事業内容:切削工具、直線運動軸受、エンドミル、測定機器など金属加工機械の製造・販売
URL http://www.uniontool.co.jp/

 

ユニオンツール株式会社
ユニオンツール株式会社
管理部 副部長 原田 浩樹 氏(右)
システム部 長岡システム開発課 中島 豪司 氏(左)

電子回路基板の加工で使用される超硬ドリルの世界的メーカーであるユニオンツール株式会社(以下、ユニオンツール)。同社では、各製造装置の稼働情報をホストコンピュータに集約して一元管理しているが、そのデータをリアルタイムに可視化する仕組みがなく、予定の遅延や装置の停止に気づくのが遅れ、計画された生産量を満たせないことがあった。

この課題を克服したのがMotionBoardを用いたダッシュボードだ。各製造装置の異常を迅速に察知して対処することが可能となり、生産性向上を実現した。

各製造装置が停止した際に、状況を早急に把握し対処したい

ユニオンツールは、スマートフォンなどのハイテク機器の電子回路基板(プリント基板)加工で使用される超硬ドリル(以下、PCBドリル)を主力製品とする産業用切削工具メーカーだ。1963年に日本で初めてPCBドリルの製造・販売を開始して以来、技術力の高さと優れた品質でリーディングカンパニーとしての実績を重ねてきた。

同社の最大の強みは、すべてのドリルを自社開発した専用の製造装置で作っていることにある。

専用機を使用することで、加工はもとより検査やパッキングに至るまであらゆる工程において、他社の追随を許さない高レベルのモノづくりを可能としている。同社 管理部 副部長の原田 浩樹氏は、「お客様のニーズや用途に合わせた様々なドリルを製作しています。最も需要が多いのは直径0.2mmクラスのドリルですが、髪の毛にも穴をあけられる直径0.05mmのドリルも量産可能です」と語る。ただ、こうした高精度な専用機といえども大小様々なトラブルは起こり、稼働停止が長引けば生産活動に大きな影響を与える。そのため各製造装置が停止した際には、その状況を早急に把握し、対処する必要がある。しかし、これまではその体制が整っていなかった。

「各製造設備は制御用PCを備え、ネットワーク接続されたホストコンピュータ(IBM i)に稼働情報を収集していますが、そのデータをリアルタイムに可視化して管理する仕組みがありませんでした。また、生産実績の集計はExcelを用いて日次でしか行われておらず、翌日になってはじめて生産数が計画数に足りないことが判明するケースもありました」と原田氏は明かす。

MotionBoardは工場において不可欠のツール

この課題解決の突破口となったのが、ウイングアークのMotionBoardだ。2017年10月に開催されたウイングアークフォーラムでMotionBoardのデモを見たのがきっかけとなり、「ダッシュボードのデザイン性や使い勝手の良さに業務改善のインスピレーションを得て、PoC(実証実験)をやってみることにしました」と原田氏は語る。

実際、その効果は絶大だった。ダッシュボード開発を主導する同社 システム部 長岡システム開発課の中島 豪司氏は、「MotionBoardの多彩なグラフ表現を生かし、手始めに製造装置ごとの生産の計画数と実績をガントチャートで表示してみました。MotionBoardは標準でIBM iのデータベースとの接続もサポートしているため、基本部分はわずか半日で完成しました」と語る。実は同じ頃、社内の別グループが同様の仕組みをVisual Basicを使ってスクラッチ開発しており、約2週間をかけても完成しなかったものが、MotionoBoardで開発すると半日で完成した。「MotionBoardの圧倒的なスピード感を目のあたりにしたメンバーは驚き、この日を境に『MotionBoardを導入しよう』という機運が一気に高まっていきました」と中島氏は強調する。

こうして2018年7月にMotionBoardを正式導入した同社は、工場とシステム部の緊密な連携のもと、生産活動を支援する様々なダッシュボードを整備していった。

各製造装置の仕掛数と稼働状態をシグナルで示すダッシュボードもその1つだ。同社のドリル製造は、超硬素材(丸棒)を指定された外径寸法に整える「ブランク」と、先端や溝を加工する「刃切」の2つの工程をセットにしたセル生産で行われている。しがってこの2つの工程が、常にバランスよく同期しながら動いていることが生産管理の観点から非常に重要な要件となる。例えば刃切工程が停止しているのにブランク工程が動き続けていると、仕掛在庫が大量に滞留してしまうことになるからだ。そこで各製造装置が一定時間を超えて停止したり仕掛数に過不足が生じたりした場合、このダッシュボードのシグナルが「赤」に変わり、オペレーターに対処を促すようにした。

また、同じダッシュボード上で「各製造装置が今日の計画数に対して何本目のドリルを加工しているか」「材料があと何分でなくなる」といったリアルタイムな数値も確認することができるため、製造装置の停止前に対応することが可能になり、ロスタイムを最小限に抑えた効率的な生産活動を支援する。

こうして今やMotionBoardは、工場で不可欠なツールとなった。「以前、システムメンテナンスのために一時的にMotionBoardを止めたことがあったのですが、現場から『ダッシュボードが見られないと仕事が回らないので、一刻も早く再開してほしい』と矢のような催促が寄せられました」(中島氏)というほどの定着ぶりだ。

精度が高い可視化が実現した背景として、すべての製作機械を自社で開発しているユニオンツールの企業方針がある。MotionBoardの表現力に加え、生産・稼働に関する情報の追加や変更が自社のスタッフだけで容易に行えることが、短期間での効果に寄与しているのだ。

生産管理プロセス全体を捉え計画系システムとの連携を強化

「生産スケジューラの『Asprova』で綿密にスケジュールした計画は遅延や進みが発生するとすぐに予実差が生まれるため、ダッシュボードにアラームとして表示することができます。アラームの出た工程や装置をドリルダウンして分析し迅速にオペレーターが対応できるようになった結果として生産性は確実に向上しています」と、原田氏はMotionBoardの導入効果を示す。

ただ、一方で生産活動の可視化への取り組みは、まだ道半ばでもある。「仕掛在庫の滞留状況や治工具の状態などMES(Manufacturing ExecutionSystem:製造実行システム)の領域全体を可視化して集中管理体制を実現し、次は生産企画の部分である原価やグローバルな在庫管理に展開したいと考えています」と原田氏は語る。

また、MotionBoard Ver.6.0のリリースとほぼ同時にバージョンアップを実施。その最新機能を活用することで、「生産現場のユーザーの利便性をさらに高めていきたい」と意欲を高めているのが中島氏だ。「ダッシュボードをタブレットでも見られるようにするほか、リアルタイムアラートの機能を使って各製造装置に起こった異常をチャットで通知する仕組みなどを検討しています」と話す。そうした中で新たな課題として浮上しているのが、ダッシュボード開発体制の拡充だ。中島氏だけでは手が足りなくなり若手の育成にあたっているが、「システム部だけでなく、現場レベルでも必要なダッシュボードの開発やカスタマイズができるようにするのが目標です」と原田氏は計画を話す。同社では今後、MotionBoardを基盤とすることで、全社規模でのデータ活用のスキルとリテラシーを高めていく方針だ。

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