導入事例

佐川急便株式会社-勘定系

メインフレームで稼働する勘定系システムの帳票システム基盤にSVFを採用
月間90万部が印刷される請求書の電子化の推進により紙や配送などのコストを削減

  • SVF
  • 倉庫・物流
Before

請求書を法的に保存しなければならない顧客企業では、紙の請求書では紙を保管する場所を確保しなければならないほか、検索も容易ではないなどの事情により、電子請求書へのニーズはますます高まっていました。

after

将来的には80~90%は電子化できると思っている。これにより、初期投資はかかっているが、紙にかかるコストや配送コスト、人件費などの削減が期待できます。

導入背景

●勘定系メインフレームの統合

●環境保全としての紙使用量削減

●請求書電子化への顧客ニーズ対応

導入ポイント

●アプリと帳票基盤の切り分け

●他システムへの負荷軽減

●既存プリンタの有効活用

導入効果

●開発生産性とメンテナンス性の向上

●電子化による用紙の削減

 

導入製品

SVF / RDE

Company Profile

設立:1957年3月

所在地:京都市南区

事業内容:宅配便など各種輸送にかかわる事業などを展開。

URL:http://www.sagawa-exp.co.jp/

佐川急便株式会社-勘定系

写真左から

SGシステム株式会社
システム部 烏丸センター
課長 山口 治郎 氏
 
システム部 烏丸センター
係長 置 兼二 氏
 
フューチャーアーキテクト株式会社
産業統括本部
マネジャー 大矢 敏 氏
貨物系システムと同じアーキテクチャ
将来の勘定系オープン化でもSVFに期待

進化と変革を推進する佐川急便
環境への取り組みもIT化で推進

2007年3月に創業50周年を迎えた佐川急便株式会社。創業以来「飛脚の精神(こころ)」で顧客の荷物を「お客様の心と共に」届けてきた佐川急便では、市場環境の変化や多様化する顧客のニーズに応えるべく「進化」と「変革」を継続する企業姿勢を貫き、飛脚宅配便を中核に、飛脚メール便、クレジットカードが利用できる代金引換サービス「e-コレクト」など、常に新しい事業に取り組んできた。

こうした取り組みのひとつとして佐川急便では、CO2総排出量の削減を目的に天然ガス自動車を2012年までに7000台導入したり、少ない回数の配達で荷物を受け取ると景品がもらえるスタンプラリーの実施、さらに請求書の電子化など環境への取り組みも推進。その裏側を佐川急便のITシステムが支えている。

佐川急便のITシステム開発および運用を支援している佐川コンピューター・システム株式会社では、佐川急便の勘定系システムにおける帳票システム基盤としてSuper Visual Formade(SVF)を採用した。

勘定系システムにSVF導入
アプリと帳票の環境を分離

佐川急便の勘定系システムは、当初6台のメインフレームで構成されていた。当初は、九州、大阪、京都、名古屋、東京、仙台に1台ずつ設置されていたが、2003年〜2004年にかけて九州と大阪のシステムを京都に、名古屋と仙台のシステムを東京にそれぞれ集約。制御用に1区画を利用し、残りの5区画を合わせた6区画を京都と東京にある2台のホストに振り分けて運用されている。

勘定系システムは、売上げデータを作成して請求書を発行し、顧客に送付するまでの処理を行うもの。売上げデータは、顧客ごとに決められた単価と距離から運賃を算出し、割り増し料金や割引などを考慮しながら確定される。この売上げデータから、顧客の締め日にあわせてデータを集計し、請求書を作成する。

SGシステムのシステム部 烏丸センター課長、山口 治郎氏は、「売上げデータの作成から商品の発送、請求まで、お金に係わる一連の処理を行っているのが勘定系システム。勘定系システムでは、送り状の印刷などの仕組みをSVFで構築している」と話す。

送り状は、宅配便を送るときに荷物に貼る伝票のこと。顧客マスタに登録されていれば、送り主や送り先の欄に、会社名や住所、電話番号などの情報をあらかじめ印刷して顧客企業に提供することができる。送り状の印刷は、顧客ごとにさまざまな要望があり、この要望に営業店が柔軟に対応できる仕組みがSVFで構築されている。

SVFの採用について山口氏は、「以前は、地域ごとに情報システム部があったので、SVFをすでに利用している地域もあったと思うが、全社的に使うようになったのは1997年より。SVFのフォームなどを登録している印刷サーバーを各営業所に設置し、メインフレームから送信されたデータを使って帳票を出力する仕組みになっている」と話す。

山口氏は、「以前より業務アプリケーションと帳票を切り離し、業務アプリケーションで作成した印刷用のデータからツールを使って帳票を出力するという手法を採用していたのでSVFの採用は必然だった。また、すでに使用しているプリンターをそのまま活用できるのも重要なポイントだった」と話している。

SVFの活用で電子請求書を実現
顧客サービス向上とエコに貢献

勘定系システムではもうひとつ、電子請求書の作成でSVFが活用されている。電子請求書は、2008年7月より提供している佐川急便のウェブサービスのひとつ。電子請求書を希望する顧客企業は、専用のウェブサイトから申し込むことで電子請求書をPDF、またはCSV形式でダウンロードすることができる。このサービスは、佐川急便の環境保全に対する取り組みのひとつにも位置づけられている。

電子請求書システムは、特定の顧客企業向けのサービスとして3年前に別の仕組みで実現されていた。この仕組みが老朽化したほか、佐川急便として今後は請求書を電子化していきたいという方針が決まったために、2008年7月に新しいシステムに刷新。データの生成まではメインフレームで処理し、そのデータを使ってSVFによりPDFを出力する仕組みを構築した。

佐川急便では、月間80万部〜90万部の製本された請求書を出力している。請求書は1部で段ボールいっぱいになるものもあり、膨大な紙の使用量になる。旧システムは別の目的で構築されていたので、この大量の請求書をPDFにするには負荷がかかり、ほかのシステムに悪い影響を及ぼしていた。

山口氏は、「サーバーを拡張することも考えたがソフトウェアが対応していないなどの問題もあり、SVFによる刷新を決定した。請求書を法的に保存しなければならない顧客企業では、紙の請求書では紙を保管する場所を確保しなければならないほか、検索も容易ではないなどの事情により、電子請求書へのニーズはますます高まっている」と話す。

「現在、全体の約19%が電子請求書に切り替えられている。どうしても紙ベースで保管しなければならない企業もあるが、将来的には80〜90%は電子化できると思っている。これにより、初期投資はかかっているが、紙にかかるコストや配送コスト、人件費などの削減が期待できる」(山口氏)

これまでの実績や信頼性を評価
貨物系システムでもSVFを採用

PDFによる請求書の電子化の実現にSVFが採用されたのは、これまでの実績や信頼性が評価されたため。電子請求書システムは、佐川コンピュター・システムをサポートしているフューチャーアーキテクト株式会社の協力により実現されている。フューチャーアーキテクトからSVFの採用が提案されたことも採用を決めた理由のひとつだった。

フューチャーアーキテクトの産業統括本部 マネジャー、大矢 敏氏は、「電子請求書システムは、業務アプリケーションでCSVデータを作成し、そのデータにSVFでフォームを付加して出力するだけの仕組み。これは、2006年10月に稼働した新しい貨物系システムと同じアーキテクチャになっている。アプリケーションと帳票システムを分離することで開発生産性およびメンテナンス効率を大幅に向上できる」と話す。

現在、勘定系システムでは、8台のSVF帳票サーバーで構成されているが、データ量の増大にあわせてスケールアウトできる拡張性もSVFを採用した効果のひとつとなっている。佐川急便では、2010年に勘定系システムも完全にオープンシステムに移行する計画。このとき大量印刷をいかにオプン化していくかが課題のひとつであり、いかにSVFを活用していくかが検討されている。

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