品質管理のデータ活用フォーラム開催レポート

2018年6月8日 東京秋葉原において、ITmedia MONOist編集部主催「品質問題を現場の"人"に」押し付けないために何ができるか」~IoT時代だからできる品質向上の実現手法~と題したセミナーが開催された。ものづくりの現場の課題解決、IoTや製造現場の高度情報化に関心の高い製造業の関係者が多数参加するこのイベントに、弊社ウイングアーク1stは協賛。MES(Manufacturing Execution System)の短期導入を可能にした「MESOD」についてデモを交えて紹介した。会場を埋め尽くした参加者の、「製造現場におけるデータ活用の重要性」と、「進化する最先端技術」を熱心に学ぶ姿が印象的なセミナーとなった。

最先端の品質管理にデータ活用は欠かせない

今回のイベントでは、M.A信頼性技術オフィス代表の本山 晃氏(元パナソニック株式会社 プロダクト解析センター 主幹技師)による「"品質"の視点でひも解く日本の製造業の未来」と題した基調講演が行われた。その中で本山氏は、製造現場における品質管理の本質と、データの見える化の重要性について、「品質管理の基本はデータの分析から始まる」「データを活用するために"みえる化"が必須」だと話した。
その裏付けとして、データを活用することによって、市場不良品率の低減と工程改善に効果があると、実例を挙げて解説し、その上で数々のデータ分析手法や、不良品の発生予測手法、工程改善の原因分析などを紹介。

最後に、製品の信頼性を確保するためには、「部材や部品レベルから品質管理を徹底することが、トラブルの発生を未然に予測し、リスク低減を可能にする」と話し、今やIoTの進化でデータの収集が容易となっており、今後お客様からの信頼を得るためには、製造現場でのデータ活用がキーポイントであると結び講演を終えた。

  • 基調講演内容
    基調講演内容
  • M.A信頼性技術オフィス代表の本山 晃氏
    M.A信頼性技術オフィス代表の本山 晃氏

スマートファクトリーを実現するMES導入法

ウイングアーク1st株式会社 北澤 雅章
ウイングアーク1st株式会社 北澤 雅章

ウイングアークセッションでは、製造向けソリューションを数多くの提案している北澤 雅章が登壇。

製造現場をデータ活用によって革新するMESの構築とその導入について、「品質管理やトレーサビリティの確立、生産工程の管理などは高い効果が見込める」こと、「生産効率の向上や生産設備やシステム情報を一元管理できるメリットがある」ことを解説。
その一方で、「本格的なMESの導入には、時間もコストも必要。」「最先端の生産機器を持つ大企業のみが導入できる」という現状を話し、そのハードルを取り去る最新ソリューションとしてクイックスタートMESアプリケーション「MESOD」を紹介した。

MESODの導入はあらゆる製造現場に本格的なMES構築の入り口として

「MESOD」
「MESOD」を説明

「MESOD」の大きなメリットは、「小規模な製造現場やレガシー設備を稼動する現場にも短期間・低コストで導入」できることである。また、「作業者に依存する勘やコツ、ノウハウをデータ化、見える化することで、正確かつスムーズに"人"が判断」できることである。生産設備と生産管理データをリアルタイムに収集することで、「生産設備の稼働状況や生産工程の一元管理を可能とし、製造現場の見える化を実現」するという。これによって、コスト低減、生産工程の把握、トラブルの早期検知など、製造現場における品質向上に高い効果を発揮できる。また、小規模でもデータ集積を始めることで、「本格的なMESに移行可能な柔軟な拡張性を持っている」ため、あらゆる製造現場のIoT化への最適な入り口だと紹介した。

IoT化が品質管理の工場をもたらす製造現場の進化が品質管理の課題

今回のイベントでは、現代のものづくりを手がける企業にとって、製品の品質向上は企業の競争力向上のために欠かせない重要課題であり、昨今のIoTの急速な進化とデータを活用が課題解決に高い効果があることが紹介された。また、MESの導入とデータのみえる化によって、生産性の向上や品質確保は現場の人間だけに頼ることなく実現すること。インダストリー4.0時代の製造現場が、抜本的な改革をするべき時代になっていることを、今回のイベントすべての参加者が痛感したのではないだろうか。

セミナー参加者の様子

ダウンロード

上記でご紹介したソリューションの資料は以下よりダウンロード可能です。

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