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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?基礎知識や推進のポイント、成功事例を解説!

業務効率化作成日:2022.09.25 更新日:2024.02.09

近年、あらゆる業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが活発化しています。

しかし一方で、
「DXという言葉はよく聞くけれど、正しく理解できていない……」
「DXが自社にとって必要かわからない……」
「何から着手すればいいかわからない……」
といった疑問や課題をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、DXの意味や必要性などの基礎知識から、DXを推進する際のポイントまでわかりやすく解説。
さらに、DX推進の第一歩である「守りのDX」を実現するソリューションもご紹介いたします。

DXについての理解を深めたい方や、DX推進の取り組み方を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

バックオフィス部門にDXが必要な理由​とは?

・バックオフィス部門のDXを推進したいが、何から始めたらいいかわからない
・バックオフィスDXに役立つツールの選定方法を知りたい
こんなお悩みがある方へ、バックオフィス部門においてDXが必要な理由と、ツール選びのポイントについてわかりやすく解説します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

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DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)を端的にまとめると、IoTやAIといったデジタル技術を活用した社会やビジネスの変革のこと。

まずは、DXの意味や類似用語との違いについて詳しく確認していきましょう。

DXの意味

DXの意味をもう少し深く理解するために、社会的な視点とビジネス的な視点を補足します。

社会的文脈のDX

そもそもDXとは、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念であり、論文「Information Technology and Good Life」のなかではじめて使われました。

この論文のなかで、ストルターマン教授はDXについて以下のように定義しています。

ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる
(参照:Information Technology and The Good Life [2004,Erik Stolterman Umea University,Sweden])

つまり、DXはビジネスだけに留まらず、社会全体に影響を与えるものだと解釈することができるでしょう。

ビジネス文脈のDX

上述した社会的文脈のDXのほか、ビジネスの視点から見た狭義のDXも存在します。

経済産業省が公開している「デジタルガバナンス・コード2.0」では、DXの定義として以下を採用しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
(引用:デジタルガバナンス・コード2.0(DX推進ガイドラインはデジタルガバナンス・コード2.0へ統合)

エリック・ストルターマン教授が提唱したDXが社会的文脈で語られるのに対し、ビジネスの文脈でDXが語られる際はこちらの定義が用いられるのが一般的です。

そして、後述する「2025年の崖」の克服や市場競争力の向上、事業継続性の確保といった観点から、あらゆる業種・業界でDXの推進が急務となっています。

デジタルトランスフォーメーションはなぜDX?

デジタルトランスフォーメーションがなぜ「DX」と略されるのか、気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

トランスフォーメーション(Transformation)の前半部分「trans(トランス)」は、「cross(クロス)」と同義で「交差する」という意味合いが含まれています。

そして、英語圏では「trans」や「cross」を「X」という一文字で省略する慣習があり、トランスフォーメーションは「X-fomation」と表記することができます。

デジタルトランスフォーメーションは、「Digital X-formation」の頭文字から取って「DX」と表記されているのです。

デジタイゼーション・デジタライゼーションとの違い

DXを理解する上で知っておきたいのが、デジタイゼーション(Digitization)とデジタライゼーション(Digitalization)です。

どちらも「デジタル化」に関する言葉であり、DXと混同されがちですが意味は異なります。

  • デジタイゼーション:今の業務の中に部分的にデジタルツールを取り入れること
    (例:システムを取り入れて文書や申請・承認などの手続きを電子化する、等)
  • デジタライゼーション:デジタル技術を活用して既存のビジネスモデルを変革する(または新しく作り出す)こと
    (例:DVDレンタルからオンライン動画配信サービスへの転換する、等)

こうしたデジタイゼーション、デジタライゼーションの先にあるのがDXです。

デジタル技術を取り入れ、ビジネスモデルを変革し、そして新しい社会的な価値を生み出す。

デジタイゼーションとデジタライゼーションは、DXを実現するために必要なステップと言えるでしょう。

DXの必要性

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企業がDXに取り組むべき理由は大きく4つあります。

  • レガシーシステムからの脱却(「2025年の崖」の克服)
  • 企業価値・市場競争力の向上
  • 消費者ニーズへの対応
  • 事業継続性の確保

それぞれ詳しく解説していきます。

レガシーシステムからの脱却(「2025年の崖」の克服)

企業がDXに取り組むべき理由として、「レガシーシステムからの脱却」および「2025年の崖の克服」を挙げることができます。

レガシーシステムとは、老朽化や複雑化してブラックボックス化したシステムのこと。

経済産業省は「DXレポート」のなかで、レガシーシステムについて以下のような問題点を指摘しています。

  • データ活用が妨げられる
  • システムの維持・管理コストが高額化
  • セキュリティリスクが上昇

「DXレポート」では、レガシーシステムを使い続ける国内企業は2025年に6割まで達すると推測しています。

そして、レガシーシステムの刷新に乗り遅れた企業は事業機会の多くを失い、最大12兆円の経済損失が生じる可能性を示唆しています。

「2025年の崖」と呼ばれるこのシナリオを回避するためにも、経済産業省はレガシーシステムの刷新およびDX推進に取り組むことの必要性を強く提唱しています。

企業価値・市場競争力の向上

企業価値や市場競争力の向上という面でも、DXの取り組みは非常に重要です。

国内外問わず社会全体でDXの取り組みが活発化している昨今、「DXに取り組む企業」と「DXに取り組んでいない企業」の差は顕著に表れます。

実際に、これまで市場を牽引してきた企業が、先進的なデジタル技術を活用している新規参入企業にシェアを奪われてしまうケースは、さまざまな分野で起こっています。

目まぐるしく変化する市場のなかで競争力や企業価値を高めていくためには、既存のビジネスモデルや社内体制にとらわれずにDXを推し進めることが不可欠だと言えるでしょう。

変化する消費者ニーズへの対応

変化する消費者ニーズに対応するためにも、DXの取り組みは欠かせません。

スマートフォンが普及した今、検索エンジンやSNSを通じてさまざまな情報を即座に得ることができるようになりました。その結果、情報が拡散されるスピードは急激に早まり、時に消費者のニーズはほんの数日、数時間で変わることすらあります。

そうしたなか、アナログな手法で消費者ニーズを探っていては、その変化のスピードに追いつくことはできないでしょう。

AIやIoTなどのデジタル技術を活用して膨大なデータを集約・分析し、刻一刻と変化する消費者ニーズに対応していくことが必要になるでしょう。

事業継続性の確保

事業継続性の確保という面でも、DXの推進が必要です。

たとえば、地震や台風などの自然災害などにより、社内で保管していた文書が紛失・破損してしまう可能性はゼロとは言えません。

また、自然災害以外でも、感染症の流行によるパンデミックや、テロなどの人的災害により出勤できない状況になってしまい、通常の事業運営が困難になるケースも考えられます。

DXに取り組むなかで業務のデジタル化が進んでいれば、重要な文書や情報などの物理的な紛失を防ぐことができるほか、テレワークを実施して中核業務を継続することも可能です。

さらに、DX推進により市場の変化に柔軟に対応できる基盤を構築できれば、新たなビジネスモデルへの移行によって事業を継続できる可能性も高まるでしょう。

DX推進の現状と課題

次に、DX推進の現状と課題について解説していきます。

DX推進の現状【日本と米国の比較】

まずは、国内企業におけるDX推進の現状を確認していきましょう。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が公開している「DX白書2021」では、日本企業と米国企業のDX推進の現状が報告されています。

この日米比較調査によると、日本と米国の企業では、DX推進状況に大きな差があることがわかります。

日本企業米国企業
DXに取り組んでいる56%79%
DXに取り組んでいない33.9%14.1%

日本ではDXに取り組んでいる企業が56%に留まっているのに対し、米国企業は79%の企業がDXに取り組んでいることが示されています。

また、DXに取り組んでいない企業の割合は、日本が33.9%、米国は14.1%と、大きな差がついています。

(参考:DX白書2021_エグゼクティブサマリー

DX推進における課題とは?

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DX推進における主な課題として、以下の3つがあります。

  • DXに対する理解不足や不明瞭なビジョン
  • DX人材(デジタル人材)の不足
  • レガシーシステムの負担

それぞれ詳しく解説していきます。

DXに対する理解不足や不明瞭なビジョン

根本的な問題として、DXについての理解が進んでいない点が挙げられます。

とくに意思決定を行う経営層の理解が不十分な場合、
「とりあえずデジタルツールを使えばいい」
「流行りの業務効率化のツールがあればいい」
といった断片的な取り組みに留まってしまいがちです。

しかし、DX実現に向けたビジョン・戦略が不明瞭なまま局所的にデジタル技術を取り入れても、本当の意味でのDXを実現することは不可能です。

「製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する」というDXの本質を実現するためには、ビジョンを明確にしたうえで全社戦略を策定し、デジタル技術を段階的に導入・活用していくことが重要だと言えます。

DX人材(デジタル人材)の不足

DX推進における課題として、DX人材の不足も挙げることができます。

DX人材とは、デジタル技術に精通し、DXの取り組みを牽引できる人材のこと。

社内にDX人材がいなければ、システム開発や運用・保守を外部ベンダーに依存せざるを得ないため、社内にノウハウやナレッジが蓄積されず継続的な取り組みが困難になってしまいます。

一方で、DX人材は売り手市場であり、自社が求めるDX人材の採用が難航してしまうケースも少なくありません。そのため、DX人材の確保と並行して、社内でDX人材を育成する仕組み作りを行う必要があるでしょう。

レガシーシステムの負担

DX推進のためにはレガシーシステムからの脱却が必要ですが、そのレガシーシステム自体がDX推進の大きな障害となっていることは少なくありません。

根強く定着したレガシーシステムからの脱却は一筋縄では行かないケースがほとんどです。

そのため、現状のシステム運用の課題を整理・可視化したうえで、スモールスタートで着実にレガシーシステムからの脱却を進めていくことが重要になります。

推進のポイントは「守りのDX」と「攻めのDX」

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DXを推進する際は、長期的な戦略に基づいて段階的に取り組みを進める必要があるとお伝えしました。

そこでポイントとなるのが、「守りのDX」と「攻めのDX」という2ステップを意識することです。

  • 守りのDX:帳票や文書などの情報をデータ化し、業務効率化を推進する。
  • 攻めのDX:データを活用した意思決定と全体最適化により、競争力の向上およびビジネスモデルの変革を推進する。

とくに「守りのDX」はDX実現に向けた基礎作りのステップであり、DX推進における第一歩と言えます。

「守りのDX」で社内の情報をデータ化することで、全社的なデータ活用基盤が整い、「攻めのDX」を効率的に推し進めることができます。

また、システムへの入力作業や仕分けといった非効率な業務を削減することができ、大幅な業務効率化が見込めます。SDGs的な観点として、ペーパーレス化によるコスト削減も進むでしょう。

こうして削減したリソースや経費を「攻めのDX」に充てることで、DXの取り組みを加速させることができるでしょう。

「守りのDX」を実現するシステムなら……

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次は、DXの第一歩と言える「守りのDX」の実現に有用なソリューションとして、ウイングアーク1stが提供する帳票DXソリューションをご紹介します。

ビジネス文書の電子化・一元管理(invoiceAgent 文書管理)

「invoiceAgent 文書管理」は、ビジネス文書の電子化と一元管理を実現する文書活用ソリューションです。

高精度なAI OCRで紙文書を電子化し、目視による確認やシステム入力などの作業を効率化し、コスト削減と生産性向上を促します。

また、タイムスタンプ機能や検索機能、証跡管理機能などを備えており、電子帳簿保存法の法的要件にも対応しています。

さらに、保存期間に応じた自動削除も行えるため、適切な文書のライフサイクルマネジメント管理が可能です。

※2022年6月より「SPA/SPA Cloud」は「invoiceAgent 文書管理」「invoiceAgent AI OCR」に名称を変更しました。

請求書などの企業間取引を電子化(invoiceAgent 電子取引)

「invoiceAgent 電子取引」は、企業間取引文書の電子化と送受信を実現する電子取引プラットフォームです。

請求書や注文書などの企業間取引文書をPDF化するだけでWeb配信を実現でき、取引先ごとに自動でファイルを仕分けることも可能です。

また、簡易承認フロー機能や画像イメージ付加機能が備わっているので、既存の業務フローを大きく変更することなく導入可能です。

さらに、紙での受領を希望する取引先向けの郵送サービスも提供しているため、紙と電子配信のハイブリッド運用を実現可能。取引先の負担を軽減しつつ、スモールスタートで取引の電子化を進めることができます。

企業のDX推進事例

最後に、「invoiceAgent」を導入し、DX推進の取り組みを推進している企業の事例をご紹介します。

物流業界に根強く残る紙文化から脱却(株式会社ロジクエスト)

【ロゴ変更】case_logiquest.png

配送代行・緊急配送・国際輸送の3つの物流事業を展開する株式会社ロジクエストは、全社的なDXプロジェクトの一環として「invoiceAgent」を導入。

全国の委託ドライバーから受領する月間7,000枚の月報件請求書を電子化し、懸念点であった電子帳簿保存法への対応も実現しています。

電子化する帳票の範囲拡大を見据えるなど、紙文化が根強く残る物流業界でペーパーレス化およびDX推進を牽引しています。

▼事例詳細はこちら
株式会社ロジクエストのinvoiceAgent導入事例を見る

帳票の電子化・電子配信によりDXを推進(伊藤忠商事株式会社)

国内大手の総合商社である伊藤忠商事株式会社は、バックオフィスDXの第一歩として、「invoiceAgent 文書管理」と「invoiceAgent TransPrint」を導入。

「invoiceAgent 文書管理」と「invoiceAgent TransPrint」の導入により、「在宅勤務でも請求業務を遂行するための仕組み作り」「セキュリティ・ガバナンスの担保」を実現しています。

帳票の電子化・電子配信による「守りのDX」、さらには可視化された情報の活用による「攻めのDX」にも手ごたえを実感しています。

▼事例詳細はこちら
伊藤忠商事株式会社のinvoiceAgent導入事例を見る

まとめ

今回は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の基礎知識や推進状況、取り組みのポイントなどをご紹介しました。

DXの推進は、業種業界問わずあらゆる企業にとって重要な課題です。

DXの概念を理解し着実に取り組めば、DXの推進は決してハードルの高いものではありません。大切なことは、長期的な視点を持ちつつ、できることからスモールスタートすることです。

今回ご紹介した情報も参考に、まずは「守りのDX」から取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

バックオフィス部門にDXが必要な理由​とは?

・バックオフィス部門のDXを推進したいが、何から始めたらいいかわからない
・バックオフィスDXに役立つツールの選定方法を知りたい
こんなお悩みがある方へ、バックオフィス部門においてDXが必要な理由と、ツール選びのポイントについてわかりやすく解説します。

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