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電子印鑑とは?法的効力やメリット、使用時の注意点を徹底解説!

業務効率化作成日:2022.09.25 更新日:2024.03.02

働き方改革やDXが推進されている昨今、業務手続きの電子化や文書のペーパーレス化に取り組む企業が増加しています。
そうしたなか、電子化・ペーパーレス化のための手段として注目を集めているのが「電子印鑑」です。

しかし一方で、
「電子印鑑に法的効力はあるの?」
「電子印鑑を使うメリットは?」
「電子印鑑は企業同士の契約にも使えるの?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、電子印鑑の基礎知識から法的効力、メリット、使用時の注意点などを解説。
契約業務の電子化を実現する方法についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ペーパーレス化を実践する3つのステップとは?

業務効率化・テレワーク実現に向けて、まず取り組むべき「ペーパーレス化」。
・ペーパーレス化により業務を効率化しテレワークを促進したい
・ペーパーレス化を実践するための手順が知りたい
こんな課題がある方へ、ペーパーレス化を実践するための3つのステップを解説します。

電子印鑑の基礎知識

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電子印鑑とはデータ化された印鑑のことで、PDFやWord、Excelなどの文書データに押印することができます。

まずは、電子印鑑の種類や、混同されがちな電子署名との違いについて説明します。

電子印鑑の種類

電子印鑑には、以下2種類のタイプが存在します。

  1. 印影を画像化したもの
  2. タイムスタンプ情報を付与したもの


まずは、電子印鑑の2つのタイプについて特徴を見ていきましょう。

1.印影を画像化した電子印鑑

1つめは、印影を画像データ化して背景を透過したタイプの電子印鑑です。

通常の印鑑の印影をスキャナなどでデータ化する方法や、フリーの電子印鑑作成ツールやExcelを使用して作成する方法があります。

費用をかけずに手軽に作成できる一方で、複製が容易なため「本人性の証明」という面で効力が不十分だと言えます。

2.識別情報が付与された電子印鑑

2つめは、印影の画像データに識別情報が付与されたタイプの電子印鑑で、有料の専用サービスを利用するのが一般的です。

利用するサービスによって付与される識別情報は異なりますが、印影を画像化しただけの電子印鑑よりも信頼性が高いと言えます。

電子印鑑が注目されている背景

日本企業においては、長きにわたって「紙の書類にハンコで押印する」という商習慣が根付いていました。

そうしたなか、パソコンやタブレット、スマートフォンといったデジタルデバイスや、クラウド型の業務システムが普及したことにより、デジタルデバイス上で文書データを確認・共有する場面が急速に増加しています。

さらに近年はビジネスにおけるDXの動きが活発化しており、ペーパーレス化やテレワーク導入に着手する企業が増えつつあります。

このような背景もあり、紙とハンコを用いた従来の業務をデジタル上で完結させるニーズが高まっており、それを実現するための一手段として電子印鑑が普及しつつあるのです。

電子印鑑と電子署名の違い

電子印鑑と混同しやすい用語に「電子署名」があります。

電子署名とは、電子文書に対して付与する署名のことで、第三者機関である認証局から発行される「電子証明書」を用いることで、「本人によって署名されたこと」を担保することができます。また、電子署名には「公開鍵暗号基盤(PKI)」という仕組みが使われており、データの改ざん検知と署名者の特定を行うことができます。

これらの特徴により、電子署名は紙文書における署名や実印と同等の証拠力が認められ、企業間の電子契約においても有効な手段とされています。

電子印鑑は識別情報の有無に関わらずデータ化された印影そのものを指すのに対し、電子署名は「本人性」「非改ざん性」を担保した電子上での署名捺印の仕組みを指していると言えます。

電子印鑑の法的効力は?

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導入する企業が増えつつある電子印鑑ですが、その効力について気になるという方も多いのではないでしょうか。

次は、電子印鑑の法的効力について確認していきましょう。

そもそもハンコに法的効力はある?

前提として、ビジネスで使用されるハンコの法的効力について確認しておきましょう。

ビジネスで使われるハンコは、重要な契約書や官公庁への届出などで使用する「実印」と、請求書などの企業間取引文書や稟議書などの社内文書で使用する「認印」の2つに大別することができます。

実印は印鑑登録を行い印鑑登録証明書が発行された印鑑のことで、「本人性の担保」という面で信頼性が高いと言えます。一方の認印は、公的に登録された印鑑ではないため、実印よりも信頼性は劣るでしょう。

ただし、実印と認印は信頼性の面で優劣があるものの、法的効力の面で違いがあるわけではありません。企業間の契約でも、押印の有無によって契約の法的効力に影響は生じないとされています。

つまり、ビジネスにおける押印行為は、法的効力を高めるためというよりも、商習慣として押印しているケースがほとんどだと言えます。

電子印鑑の効力は?

電子印鑑の法的効力について見ていきましょう。

先述の通り、契約書などの一部の書類を除いて、ビジネスで使用される印鑑の多くは認印であり、商習慣として押印されているケースがほとんどです。

そのため、電子印鑑であっても取引先の合意さえ得ることができれば、見積書や請求書などの企業間取引文書などに使用しても問題ないと言えるでしょう。

ただし、紙の契約書に実印が用いられるのと同様に、電子契約においては実印と同等の効力がある電子署名の使用が好ましいと言えます。

もしも契約に関するトラブルが民事訴訟などに発展した場合、「本人性」と「非改ざん性」が担保された電子署名の方が証拠力が高いと認められるためです。

電子印鑑のメリット

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次は、電子印鑑を利用するメリットを紹介します。

電子印鑑を使用する主なメリットとして、以下の3点を挙げることができます。

  • 業務効率の改善
  • コスト削減
  • テレワークの促進

各メリットについて詳しく見ていきましょう。

業務効率の改善

電子印鑑を利用するメリットのひとつに、業務効率の改善を挙げることができます。

電子印鑑を使用する場合、Excelなどで作成した文書データ上にそのまま押印することができるため、印刷の手間を省くことができます。

また、手渡しで行っていた社内回覧や、郵送で行っていた取引先への送付も、文書データのまま行うことが可能になるため、工数を大幅に削減することができるでしょう。

コスト削減

電子印鑑を利用することでコスト削減にもつながります。

押印のために印刷する必要がなく、データのまま取引先に送付できるようになるため、印刷費や郵送費などのコストを削減することが可能です。

また、先述した業務効率化により、印刷や回覧、郵送準備などにかかっていた工数が削減され、人的コストの節約にも効果が期待できます。

テレワークの促進

テレワークの促進という面でも電子印鑑の導入は効果的です。

テレワークを導入したいと考えているものの、紙とハンコによるアナログ業務のためにテレワークを断念していたり、ハンコ出社せざるを得ない状況が多々ありテレワークが定着しない、という企業は多いのではないでしょうか。

電子印鑑を導入することで、社内での承認業務はもちろん、取引先の同意さえ得ることができれば見積書や請求書などへの押印も電子印鑑で対応することができ、テレワークでも問題なく業務を進行することが可能になります。

電子印鑑を利用するときの注意点

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電子印鑑を利用する際は、以下のように注意すべきポイントも存在します。

  • 社内でのルールを明確にする
  • 取引先への配慮は不可欠
  • セキュリティを考慮した使い分けが必要

次は、電子印鑑の利用にあたって覚えておきたい注意点を確認していきましょう。

社内でのルールを明確にする

電子印鑑を導入する際は、利用方法についてルールを明確化しておくことが大切です。

「電子印鑑を利用する目的」や「電子印鑑による押印方法」、「どの文書に使用するのか」といった内容が明確化されていないと、現場の混乱を招く恐れがあり、結局定着しなかった、といった状況に陥る可能性もあります。

とくにExcelや無料ツールで作成した電子印鑑の場合、容易に複製することができるため、勝手に承認者の電子印鑑を複製して捺印してしまうなどの不正が発生する恐れもあります。

このような事態を避けるためにも、ルールを明確にして運用体制を整えましょう。

取引先への配慮は不可欠

請求書や見積書などの企業間取引文書に電子印鑑を使用するのであれば、取引先への配慮が不可欠です。

これまで紙でやり取りしていたにもかかわらず、いきなり電子印鑑で押印された文書データが送られてきたら、取引先が困惑してしまう恐れがあります。

電子印鑑を導入して文書データでのやり取りに切り替えるのであれば、事前にその旨を取引先に周知し、許可を得ておきましょう。

また、紙とハンコでの対応を希望する取引先には、決して無理強いはせず、従来通りの対応を継続することも大切です。

セキュリティを考慮した使い分けが必要

先述の通り、印影を画像化した電子印鑑は複製が容易であり、本人による押印であるという信頼性は乏しいと言えます。

また、有料サービスの電子印鑑に関しても、サービスによって画像データに付与される識別情報は異なります。

改ざんなどの不正を防止するためにも、印影を画像化した電子印鑑は社内回覧での押印に限定する、見積書や請求書などの取引文書に関しては識別情報が付与される有料の電子印鑑を使用するなど、セキュリティを考慮して使い分けることをおすすめします。

また、万が一トラブルに発展した際の証拠力という観点から、契約書などの重要な書類に関しては、電子印鑑の使用は避けたほうが無難と言えるでしょう。

契約業務の電子化なら「invoiceAgent 電子契約」

電子印鑑でも、社内文書や企業間取引文書に使用できるものの、契約書などの重要書類への使用は不安が残ることをお伝えしました。

しかし、バックオフィス業務の効率化やテレワーク推進のために、契約業務を電子化したいと考える企業は多いことでしょう。

そこでおすすめしたいのが、証拠力を電子署名で担保しつつ、電子印鑑にも対応できる電子契約サービス「invoiceAgent 電子契約」です。

次は、ウイングアーク1stが提供する「invoiceAgent 電子契約」の主な特徴をご紹介します。

契約業務の効率化・迅速化を実現

「invoiceAgent 電子契約」は契約業務の効率化・迅速化を実現します。

契約書の作成や社内確認および押印、さらに取引先への郵送と返送など、面倒な従来の契約業務をクラウド上で完結することができます。

さらに、モバイルデバイスから契約内容の確認や押印を行うことができるため、オフィスにいなくても円滑に社内承認を進めることが可能です。

また、締結した契約書はクラウド上に保存され、版管理や仕分け、保存期間などを設定して厳重に保管することができます。

契約書名はもちろん、日付や本文内の文字・数字などでの検索にも対応しているため、契約書の管理も効率化することができるでしょう。

電子署名&タイムスタンプで証拠力を担保しつつ電子印鑑も対応

「invoiceAgent 電子契約」は、証拠力の担保と改ざん防止を両立した電子契約が可能です。

導入企業および取引先企業での社内処理には、電子印鑑・署名テキスト・手書き文字の3種類を利用することができます。

双方の社内承認・押印を経た契約書に対して、ウイングアーク1stが立会人として電子署名とタイムスタンプを付与。さらに、契約完了時に出力される完了証明書にも電子署名とタイムスタンプが施されます。

商取引に関わる文書の電子化・管理を一気通貫で実現

ウイングアーク1stが提供するクラウドサービスと連携することで、電子契約から電子保管、電子配信まで一気通貫で実現することも可能です。

たとえば、電子取引プラットフォーム「invoiceAgent 電子取引」と組み合わせることで、締結した電子契約に紐づく発注書や請求書、領収書などの文書を電子化し、Web配信を行うことが可能になります。取引先から発行される文書もクラウド上で受け取ることもできます。

商取引に関わる一連のやり取りが電子化されるので、業務効率化やペーパーレス化、DXの推進にも効果が期待できるでしょう。

まとめ

今回は、電子印鑑に焦点を当てて、その概要やメリット、使用時の注意点、そして電子契約の導入に適したソリューションをご紹介しました。

電子印鑑を活用することで、社内文書や企業間取引文書に関わる業務を効率化することが可能です。さらに、電子契約サービスを導入することで、契約業務についても効率化を図ることができるでしょう。

今回ご紹介した情報も参考に、電子印鑑や電子契約サービスの導入に取り掛かってみてはいかがでしょうか。

ペーパーレス化を実践する3つのステップとは?

業務効率化・テレワーク実現に向けて、まず取り組むべき「ペーパーレス化」。
・ペーパーレス化により業務を効率化しテレワークを促進したい
・ペーパーレス化を実践するための手順が知りたい
こんな課題がある方へ、ペーパーレス化を実践するための3つのステップを解説します。

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