導入事例

カブドットコム証券株式会社

デジタル・トランスフォーメーション戦略のもと
貸株業務でやり取りする帳票のクラウド化を実現

導入製品
業種
金融・保険
投稿日
2019.04.05

カブドットコム証券株式会社(以下、カブドットコム証券)は、ネット証券の最も重要なインフラ資源はシステムであるという考えに基づき、三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFGグループ)のネット金融サービスの中核会社であるカブドットコム証券は、パブリッククラウドの積極活用をIT 戦略として掲げ、さまざまなシステムのAWSクラウドへの移行を進めている。その一環として取り組んだのが、機関投資家などに対する貸株業務において義務付けられた各種取引書類のやり取りのクラウド化である。SVF Cloudを活用することで、セキュアかつ安定的な環境を整えた。

導入背景
貸株業務で義務付けられた法的な取引書類として発行する帳票は、取引先1社あたり毎月千数百件に及ぶこともある。この膨大な数の帳票を郵送でやり取りしており、煩雑な手間とコストがかかっていた

課題
  • 貸株業務で義務付けられている法的な取引書類のやり取りのクラウド化
  • 既存のオンプレミス版SVFは高負荷の運用を続けており新規業務の追加は不可能
解決策導入ポイント
  • オンプレミス版SVFの運用を通じて培ってきた高い経験値
  • AWS Direct Connect サービスによる接続に対応
  • ウイングアークのクラウド開発チームによるサポート
効果
  • オンプレミスでの基盤構築との比較で初期コストを10分の1に削減
  • らくらく電子交付をクラウド移行することで、監視項目が5分の1になり、運用負荷を軽減
  • トラブルのない安定稼働と快適なレスポンスを実現

貸株業務の帳票システムを仮にオンプレミスに構築した場合と比べ、SVF Cloudを利用することで初期費用を1/10に削減することができた。また、オンプレミスで運用中のらくらく電子交付の帳票についても今後クラウドに移行することで、ランニングコストを1/5に削減できると見込んでいる


パブリッククラウドの積極活用で働き方を変える


 三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFGグループ)のネット金融サービスの中核会社であるカブドットコム証券は、パブリッククラウドの積極活用をグループ全体のIT 戦略として掲げ、さまざまなシステムのAWS(Amazon Web Services)への移行を進めている。

 なかでも注目されたのが、株式・先物・オプション取引に対応したAPI 環境である「kabu.comAPI」のAWSへの移行だ。同API は、発注系、注文照会、残高照会、リアルタイム時価情報など、従来は証券会社ツールを介さなければ得られなかった情報を提供する。プロップファーム、投資助言事業者、取引ツール開発業者、ロボアドバイザー運営業者、ゲーム開発業者など、すでに多くの事業者が利用している同APIがAWS上で刷新され、よりスケーラブルで活用しやすい基盤が実現したことで、Fintech スタートアップをはじめとするサードパーティーとの連携が、ますます加速するとみられている。

 さらにカブドットコム証券では、社内業務にもクラウド基盤やクラウドサービスを活用したテレワーク環境を拡充。業務のテジタル化や自動化による生産性向上とともに、社員の働き方改革を推進している。

 こうした多方面のクラウド活用を進める中で、新たに導入したのがウイングアークのSVF Cloudだ。カブドットコム証券が機関投資家などに対して行っている貸株業務で義務付けられている、法的な取引書類のやり取りに適用するものだ。同社システム開発部の石原 康貴氏は、「発行する帳票は取引先1社あたり毎月千数百件に及ぶこともあります。これまで郵送で行っていたこの帳票のやり取りをSVF Cloudに移行し、クラウドから必要なデータをダウンロードできるようにすることで、取引先と弊社の双方の業務効率化を実現します」と話す。


AWS Direct Connectサービスによる接続で、帳票交付の高度なセキュリティを担保


 カブドットコム証券がSVF Cloud を導入した最大の理由は、オンプレミスで長年にわたりSVFを活用してきた実績があったからだ。「SVFに対する経験値は非常に高く、クラウド上で電子帳票を運用するにあたっても、他の選択肢は考えられませんでした」と石原氏は語る。

 具体的にどんなシステムでSVFを活用してきたのかというと、顧客に対して取引報告書や目論見書(新規公開株、公募・売出、投資信託等)などの各種書類をWebで送付する「らくらく電子交付」というサービスだ。しかし、クラスタ構成のWindows Server上に構築されたこのオンプレミス版SVFの運用基盤は、常に高負荷の状態で稼働を続けており、新たに貸株業務に関連する帳票を実装する余裕はない。そこでSVF Cloudに注目したというのが今回の経緯である。

 もちろん顧客や取引先とクラウドを介して大量の帳票をやり取りするとなれば、セキュリティには徹底した配慮が求められる。その観点からSVF Cloudを導入する決め手となったのが、「AWS Direct Connectサービス」※1による接続に対応していたことだ。同社システム技術部の岩井大輔氏は、「貸株業務でやり取りする帳票は個人情報などの機密情報を含んでいないとはいえ、外部に漏えいすると大問題に発展してしまいます。また、現在オンプレミスで運用しているらくらく電子交付の帳票についても今後クラウドへの移行を予定しており、今のうちからセキュアな接続を担保しておくことが必須でした」と語る。

 なお、実際のAWS Direct Connect サービスを用いたSVF Cloudとの接続環境の構築にはウイングアークのクラウド開発チームがサポートにあたっており、「設計から検証、運用までウイングアークの豊富な経験に裏付けられた知見とノウハウを得ることができ、大きな安心感がありました」と岩井氏は評価する。

 ※1 自社の設備からAWSの専用ネットワーク接続を簡単に確立できるサービス


コンプライアンス要件を見極めながら、SVF Cloudの適用業務を拡大していく


 2018年4月より運用を開始したSVF Cloudは、今日まで安定したサービスを提供している。
「トラブルはまったく起こっておらず、レスポンスも良好です。仮に処理負荷が一時的に急増するスパイクが発生した場合でも、基盤となっているAWS EC2インスタンスが自動的にスケールアップされるため、取引先に迷惑をかけることはありません。こうした運用性や管理性の改善からも、SVF Cloudを導入したことは正解でした」と岩井氏は語る。

 さらに、コストの観点からSVF Cloudの導入効果を評価する石原氏は、「今回の貸株業務の帳票システムを仮にオンプレミスに構築した場合と比べ、SVF Cloudを利用することで初期費用を10分の1に削減することができました。また、オンプレミスで運用中のらくらく電子交付の帳票についても今後クラウドに移行することで、監視項目が5分の1になり、運用負荷を軽減できます」と語る。

 そして、この成果を踏まえつつカブドットコム証券が計画しているのが、さまざまな社内業務に対するSVF Cloudの横展開だ。

 「金融業では帳票の作成ややり取りを伴う業務プロセスが非常に多いだけに、コンプライアンス要件を満たすかどうかを見極めながらSVF Cloudの適用業務の幅を広げていきたいと考えています。また、それにあわせて紙の帳票の電子化(OCR)、仕分け・保管、活用を一貫してサポートする文書管理のソリューションとして、SPA Cloudの導入も前向きに検討していきたいと思います」と石原氏は語る。

 同社システム開発部の渡辺 舞氏も、「実際に契約や発注書など個別に紙に印刷したあとファイリングし、さらにそれらをまとめて倉庫に預けに行くなど、煩雑な作業に追われている社員は少なくありません。これらの業務をクラウド活用によって効率化・自動化できれば、働き方改革も大きく前進するに違いありません」と期待を寄せている。

 2018年度から新たにスタートした中期経営計画のもと、「デジタル・イノベーションのフロントランナーとして、先進性No.1、多様性No.1、効率性No.1、という3つのNo.1を目指す」とするカブドットコム証券は、帳票を起点とした足元の業務からもデジタル・トランスフォーメーション戦略を推進していく考えだ。


Company Profile

カブドットコム証券株式会社

設立 :1999年11月19日
本社所在地 :東京都千代田区
事業内容 :金融商品取引業務(有価証券の売買業務、有価証券の売買の取次ぎ業務、有価証券の引受け業務等)および証券業務に付随する業務
URL :https://kabu.com/

システム開発部
石原 康貴 氏(写真左)
システム技術部
岩井 大輔 氏(写真右)
システム開発部
渡辺 舞 氏(写真中央)

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