導入事例

東洋鋼鈑株式会社

東洋鋼鈑株式会社

Dr.Sumで人事給与システムの統計機能を強化
150帳票の削減、システム運用コストの低減、セキュリティの強化

東洋鋼鈑株式会社
製品
業種

製造

パッケージソフトの限界を見極めBIツールで補完
Dr.Sumがビジネスプロセスを最適化し、経営を加速させる人事給与システムを再構築

導入背景

分析システムを自社開発しましたが、個人の明細データまでExcelで取り込み、ファイルサイズの肥大化とセキュリティの問題が生じていました。

課題
  • 人事給与システムにおける統計解析機能の強化
  • 人事給与データの組織横断的な活用
解決策導入ポイント
  • 瞬時に集計できる処理能力
  • 複数社分の給与統計を一括で作成可能
  • 部署異動や組織変更に柔軟に対応できる統計環境
効果
  • 150種類の帳票を削減
  • アクセスコントロール設定によるセキュリティ強化
  • 高い集計パフォーマンス(5分以上かかっていた分析を1秒で実行)
  • 直感的な操作のため、PC に不慣れな担当者でも容易に使用

グループで2,000人以上の人事給与データ6万件をDr.Sumに投入し、さまざまな切り口から統計解析が可能になりました。5分以上かかってしまっていた分析をたった1秒で実行しています。


連結決算や人材最適配置への対応が課題に


 東洋鋼鈑株式会社(以下、東洋鋼鈑)は、1934年に国内初の民間ブリキメーカーとして設立され、表面処理鋼板界のパイオニアとしての地位を確立してきた。最先端の設備と高度な技術力を背景に、缶用材料をはじめ、各種の薄鋼板および表面処理鋼板、高級化粧鋼板の製造・販売を軸にビジネスを展開し、顧客の多様なニーズに応えている。最近では、硬質合金や磁気ディスク用基板、クラッド材など、非鉄のアルミや樹脂など鉄以外の素材の開発にも積極的に着手。グループ8社、社員2,722人の組織を擁し、ビジネスを堅調に拡大している。


 東洋鋼鈑では1998年より人事情報システムの再構築に着手。当初はMicrosoft SQL ServerやVisual Basicで自社開発を進めたが、2004年にパッケージシステムの利用に切り替えた。管理本部人事グループ 給与センター長の鈴木氏は、「連結決算やグループ全体の人材最適配置への対応に迫られ、パッケージ製品の利用を決断しました」と話す。


 2005年、東洋鋼鈑は新システム開発プロジェクトの第一段として勤怠管理パッケージを導入。続けて検討を開始した人事給与システムでは、6カ月の選定期間を経て、2006年5月にSSJの統合業務パッケージ「SuperStream」を本格稼働させた。鈴木氏は、「①給与支給項目を約10,000個まで指定できること、②データベースが公開されていることによって独自のレポートを容易に作成できること、③システムのベースの部分にアドオン開発が不要であったこと等を評価してSuperStreamを選定しました」と当時を振り返る。2006年5月から数ヶ月間隔で計6社の給与シェアードシステムの運用を開始している。


データ活用基盤にDr.Sumを採用
高いパフォーマンスと柔軟性が選定の鍵


 鈴木氏はさらに、「自社での人事給与システムの開発経験から、パッケージ製品ではカバーしきれない統計機能を何らかの形で補う必要があることはパッケージの選定段階で予想していました。そこで、いくつかのBIツールを見てみましたが、導入費用が高額であったり、機能面で物足りない製品が多く、仕方なく、SQLServerとExcelのピボットテーブルを組み合わせた分析システムを自社開発しました」と語る。


 ところが、この仕組みでは個人の明細データまでExcelに取り込んでしまうため、ファイルサイズが大きくなりすぎてしまう。また人事担当者が経理担当者に集計ファイルを送ると、経理担当者が必要以上の情報を得ることができてしまうためセキュリティの観点からも問題があった。


 そこで、2006年秋に再度、BIツールの導入を検討。同社はツールの選定にあたり、次の3つの項目について評価した。まず、①統計解析の処理速度が速いこと、②複数社分の給与統計を一括で作成できること、最後に、③転勤や昇格によって個人の事業所、資格が変わった場合に事業所別や資格別の年間給与統計が正確に取れることだ。鈴木氏は、「パッケージ製品の集計では、たとえば年間の給与統計は一定時点の事業所や所属、資格、役職による集計に限定され、その時々の事業所や資格での集計が難しかった」と語る。人事給与に必要な統計を行うツールとして評価、検討した結果、Dr.Sum EAの採用を決めた。


 現在、人事システムはグループ8社、給与システムがグループ6社で利用されている。同社はかつてホストシステムで300種類以上の帳票を作成してきたが、グループ各社の人事給与システムを統合していく中でオリジナル帳票が100種類増加。全体で400種類以上にまで及んでいた。鈴木氏は、「ウイングアークで定期的に開催されるハンズオンセミナーでDr.Sum EAの機能やパフォーマンスを実際に体験し、帳票を削減したいというニーズも満たせると確信しました」と話している。


5分以上かかっていた分析が1秒に
人事担当者の負担を大幅に低減


 東洋鋼鈑では2007年3月からDr.Sum EAを利用した人事給与データ分析システムの開発を開始し、2007年5月に本格稼働させている。このシステムは、SuperStreamのOracleデータベースから人事給与データをSQL Serverに集約した上で、Dr.Sum EAでの分析に適した形式へデータ変換し、バッチ処理でDr.Sum EAに取り込む。利用者はDr.Sum EAのユーザーインターフェイスであるExcelから集計を行う仕組みだ。その効果について鈴木氏は、「Dr.Sum EAを使った集計の仕組みでは、明細データを持たず集計結果だけを保存できるためファイルの取り扱いも安心で、情報漏えいの心配もありません。また、ファイルサイズが大きくなることもないため、ローカルPCの負荷を軽減することができます」と話す。


 現在Dr.Sum EAは、グループ会社を含めた約15名の人事担当者に利用されている。鈴木氏は、「人事担当者からはDr.Sum EAの高いパフォーマンスが評価されています。また、使い方などに対する問い合わせがまったくないことはシステムが問題なく稼働している証拠です」と語る。実際、グループで2,000人以上の人事給与データ6万件をDr.Sum EAに投入し、さまざまな切り口から統計解析している。「パッケージシステムの統計処理画面では5分以上かかってしまう分析をたった1秒で実行できるパフォーマンスの高さに驚いています」(鈴木氏)


 またDr.Sum EAは、テーブルの正規化やインデックスをどのフィールドに付けるかといったことを考慮する必要がない。データベース設計が容易で、メンテナンス工数が削減できたことも同社の大きなメリットだった。また利用者は、Excel上で、罫線や網掛けを容易に変更でき、総合計だけでなく、小分類や中分類での集計を行うことができる。集計レポート作成の自由度が高まったことで、グループ全体としてこれまで約400種類あった帳票のうち約150種類の帳票を削減できた。鈴木氏は、「東洋鋼鈑本体の人事担当者、関係会社の人事担当者・・・というように、利用者に応じたアクセスコントロールを設定できること、頻繁に使用する検索パターンをサーバーとクライアントの両方に保存できることもメリットです。直感的な操作が可能なため、システムに不慣れな人事担当者でも容易に設定できることの意義は大きい」と語っている。


さまざまなシステムをDr.Sumで集約
将来的には経営コックピットを実現


 東洋鋼鈑は、さまざまなシステムを統合し、ビジネスプロセスを最適化するための全社的プロジェクトを数多く推進している。鈴木氏は、「今後のビジネスにおいて積極的な海外展開を見据えるわれわれにとって、経営に役立つ情報を発掘するために管理会計システムを整備することが急務です。人事給与システムだけでなく、会計システムや生産管理システム、購買管理システムなどのデータをDr.Sum EAで包括的に管理し、経営コックピットを実現したいと考えています」と話している。


Company Profile

東洋鋼鈑株式会社

設立 :昭和9年4月11日
所在地 :東京都千代田区四番町2番地12
事業内容 :ぶりき、薄板及び各種表面処理鋼板並びに各種機能材料等の製造・販売
URL :http://www.toyokohan.co.jp/ja/

管理本部 人事グループ
給与センター長 
鈴木 誠 氏

導入製品

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