コスト削減の重要性とは?
コスト削減とは、文字通り事業活動のなかで発生するコスト(費用)を削減することを指します。
企業におけるコスト削減の重要性として、以下の3点を挙げることができます。
- 生産性の向上
- 事業継続性の向上
- 企業価値の向上
では、企業がコスト削減に取り組むべき理由を見ていきましょう。
生産性の向上
コスト削減の取り組みは、生産性の向上につながります。
生産性とは、「投入(インプット)に対する算出(アウトプット)の割合」を表す指標です。
人件費や機械設備の稼働コスト、原材料費などを削減することは「投入の削減」であり、結果として生産性向上につながります。
人手不足の深刻化や国際的な市場競争が激化する昨今、生産性向上はあらゆる企業にとって重要課題であり、コスト削減によって生産性向上を図ることの意義は大きいと言えるでしょう。
事業継続性の向上
コスト削減は、事業継続性の向上という面でも重要です。
事業活動に必要なコストを適正化することで財務状況が安定し、非常事態が発生した際の倒産リスクを軽減することができます。
とくに近年は、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行したことで、BCP(事業継続計画)の策定に取り組む企業が増えるなど、事業継続性向上の重要性が高まっています。
企業価値の向上
企業価値の向上も、コスト削減に取り組む意義のひとつです。
先述の通り、売上からコストを差し引いたものが企業の利益であり、たとえ売上が同じであったとしてもコストを削減することで増益が見込め、企業価値の向上につながります。
また、コスト削減によって生じた余剰資金を、新たな技術や人材、商品・サービス開発への投資に充てることで、持続的な成長基盤を整えることができるでしょう。
コスト削減の方法や注意点
次は、コスト削減の方法や取り組む際のポイント、注意点について見ていきましょう。
コスト削減の方法・アイデア
事業活動で発生するコストのなかでも以下3つに注目し、削減方法やアイデアを紹介します。
- 人的コスト(人件費・経費)
- 採用・教育コスト
- オフィスコスト
人的コスト(人件費・経費)
事業活動で発生するコストのなかでも大きな割合を占めるのが人的コストです。
人的コストを削減する際の基本は業務の効率化です。
業務効率化によって作業工数を削減することができれば、長時間の残業や休日出勤などによる不要な人件費を削減することができるでしょう。
たとえば、RPAツールを使って定型業務の自動化を図ったり、ノンコア業務をアウトソーシング(外部委託)したりといった対策が有効です。
また、訪問で行っていた会議の一部をオンライン会議に移行すれば、交通費などの経費削減につなげることができるでしょう。
- RPAツールによる定型作業の自動化
- ノンコア業務のアウトソーシング
- オンライン会議による訪問回数の削減
など
採用・教育コスト
採用・教育コストの見直しも重要です。
一般的に、新卒や中途で従業員を1人採用するのにかかるコストは数十万円から百万円以上であり、採用後にはオリエンテーション・研修などの教育コストも発生します。
しかし、採用した人材が早期に離職すると、費やした採用・教育コストが無駄になるだけでなく、新たに人材を採用するのにも追加でコストが発生してしまいます。
そのため、採用・教育コストを抑えるためには、人材の定着率を高める取り組みが有効です。
採用手法や広告出稿先の検討も必要ですが、長時間労働の是正や多様な働き方への対応など、まずは社員が働きやすい環境を整備することが大切だと言えます。
- 長時間労働の是正
- 多様な働き方への対応
- 採用手法や広告出稿の見直し
など
オフィス・設備コスト
オフィス・設備コストの削減には、テレワークの導入が効果的です。
テレワークを導入して出社人数が少なくなれば、オフィスの電力消費を抑えることができるでしょう。また、固定席を設けないフリーアドレスを導入して、オフィススペース自体を縮小できる可能性もあります。
そのほか、ペーパーレスの促進もオフィス・設備コストの削減に有効です。
書類のペーパーレス化が進むことで、書類のコピーやFAXなどで発生していたコストや、書類保管用の設備・備品コストの削減につなげることができるでしょう。
- テレワーク導入による出社制限
- フリーアドレス導入によるオフィス縮小
- ペーパーレス促進による設備・備品コスト削減
など
コスト削減で注意するべき点
コスト削減と言っても、やみくもにコストを削減するのは逆効果です。
たとえば、むやみに従業員の給与や福利厚生費を削減すれば、従業員のモチベーションを著しく損ねてしまいます。その結果、従業員のパフォーマンスが下がって組織全体の生産性が低下したり、従業員が離職して採用・教育コストが余分にかかってしまったりといった恐れがあります。
本来必要なコストまで削減するのではなく、不要・無駄なコストを見極めて適正化を図ることが重要です。
コスト削減に文書の電子化が役立つ理由
コスト削減の方法やポイントについて紹介してきましたが、何から取り組むべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そのような場合は、文書の電子化から取り組んでみるのも一策です。
次は、文書を電子化することで得られる4つのコスト削減効果をご紹介します。
- ペーパーレス促進によるコスト削減効果
- 業務効率化によるコスト削減効果
- テレワーク促進によるコスト削減効果
- 働き方改革促進によるコスト削減効果
ペーパーレス促進による印刷・郵送コスト削減
企業では、日々さまざまな文書を取り扱います。
これらの文書を紙媒体で運用していると、紙代・インク代などの印刷コストや、取引先や別拠点への郵送コストが発生してしまいます。
一方、文書を電子化してペーパーレスが進めば、紙媒体で発生していた印刷コストや郵送コストを削減することが可能です。
また、電子化した文書は物理的な保管スペースを必要としないため、文書保管のための設備・備品コストを削減することができ、場合によってはオフィススペースを縮小して固定費を節約することもできるでしょう。
業務効率化によるコスト削減
文書の電子化は業務効率化にも効果的であり、人的コストの削減にもつなげることができます。
文書を電子化することで、文書の作成や管理、配信をデバイス上で行うことが可能になり、業務を効率的に進めることが可能になります。
また、文書内の情報をテキストデータとして扱うことができるため、照合作業やデータ入力作業の負担を軽減でき、RPAツールと連携すれば定型作業の自動化も実現可能です。
文書に関わる業務を効率化・自動化することで長時間労働を防止することができ、残業や休日出勤などの人件費を削減することができるでしょう。
テレワーク促進によるコスト削減
文書の電子化は、テレワークの促進にも有効です。
紙ベースの文書運用では、書面の印刷や押印、郵送準備、受領した文書の仕分けや格納など、オフィスにいなければ行えない作業が多数存在します。
一方、文書を電子化することで、PCなどのデバイス上で文書に関わる作業を完結することができるため、在宅勤務等のテレワークでも業務を遂行することが可能になります。
テレワークを推進して出社人数が少なくなれば、オフィスの電力消費量削減につながり、エネルギーコストを抑制することができるでしょう。
働き方改革促進によるコスト削減
文書の電子化は、働き方改革の促進にも効果的です。
先述した業務効率化による長時間労働の是正、テレワークをはじめとした多様な働き方への対応は、働き方改革の重要課題でもあります。
文書の電子化によって長時間労働の解消や多様な働き方への対応を実現することで、人材の定着率の向上、および採用コストや教育コストの削減につなげることができるでしょう。
文書の電子化を実現するソリューション「invoiceAgent」
次は、文書の電子化を実現する具体的なソリューションとして、ウイングアーク1stが提供する電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent(インボイスエージェント)」をご紹介します。
紙文書をデータ化する「invoiceAgent AI OCR」
「invoiceAgent AI OCR」は、紙文書のデータ化を実現するソリューションです。
高精度な5つのOCR(光学的文字認識)エンジンと自動画像補正機能により、活字・手書き文字を問わずデータ化します。
OCRエンジンは、読み取り項目に応じて適切な種類を選択できるほか、ひとつの読み取り項目に複数のOCRエンジン処理を実行することもできます。
これらの特徴により、目視による確認や手作業によるシステム入力の工数を削減することができ、RPAと連携することで自動化を目指した運用も可能です。
企業間取引の電子化「invoiceAgent 電子取引」
「invoiceAgent 電子取引」は、請求書などの企業間取引文書の送受信を電子化するソリューションです。
PDF形式の文書データをアップロードするだけで帳票の送受信を実現でき、複数の取引先とのやり取りを「invoiceAgent 電子取引」上で完結することができます。
既存の帳票フォーマットをそのまま利用できるので、現場や取引先の負担を抑えつつスムーズに導入することが可能です。
文書管理を一元化「invoiceAgent 文書管理」
「invoiceAgent 文書管理」は、文書データの一元管理を実現するソリューションです。
「invoiceAgent AI OCR」はもちろん、他システムで出力した文書データもまとめて取り込み、設定したルールに基づき自動で仕分け・保存を行います。
保存した文書データは、取引日付や取引先名、金額など複数の条件で検索することができ、必要な文書を速やかに参照・出力することが可能です。
また、文書の保存期間に応じた自動削除機能や証跡管理機能を備えているため、効率的な文書管理を実現します。
契約業務の電子化「invoiceAgent 電子契約」
「invoiceAgent 電子契約」は、契約手続きを電子化するソリューションです。
契約内容の確認や承認作業、契約の締結までを「invoiceAgent 電子契約」上で完結できるほか、ウイングアーク1stが立会人となってタイムスタンプ・電子署名を付与して法的な証拠力を担保します。
さらに「invoiceAgent」の他製品と組み合わせれば、契約に紐づく文書の送受信や管理まで、一気通貫で電子化することが可能です。
「invoiceAgent」を活用したコスト削減事例
最後に、「invoiceAgent」を導入してコスト削減を実現を推進した企業の事例を紹介します。
リモートワークの推進とコスト削減を実現(三井住友ファイナンス&リース)
総合リース会社の三井住友ファイナンス&リース株式会社は、「invoiceAgent」の導入でリモートワークの推進とコスト削減を実現しています。
同社では、リース契約における請求・支払関連業務を紙ベースで行っており、郵送によるタイムラグや、印刷・発送にかかるコストが課題となっていました。
さらに、コロナ禍となりリモートワークへの移行が進むなか、紙ベースの請求書発行・郵送業務のために出社しなければならない状況が発生していました。
「invoiceAgent」の導入によって帳票の電子配信が可能になり、リモートワークの推進とコスト削減を実現。
さらに同社では電子配信する帳票の適用範囲拡大を見据えており、従来の発送業務委託費と郵送料金のコストを最大年間1億円削減することを目標としています。
▼事例詳細はこちら
三井住友ファイナンス&リース株式会社のinvoiceAgent導入事例をもっと見る
業務効率化とコスト削減を実現(フェリシモ)
オリジナル商品を中心としたファッション・雑貨などの通信販売事業を営む株式会社フェリシモは、「invoiceAgent」の導入で業務効率化とコスト削減を実現しています。
同社では以前、仕入先への受領書兼請求書を紙ベースで運用していましたが、送付・回収作業の工数やコストが課題となっていました。
「invoiceAgent」を導入したことで、受領書兼請求書の郵送作業にかかっていた工数が3分の1に短縮し、残業や休日出勤の削減にも効果を発揮。さらに、郵送にかかっていた送料や紙、封筒などが不要になったことで月間10万円程度のコスト削減にもつながっています。
▼事例詳細はこちら
株式会社フェリシモのinvoiceAgent導入事例をもっと見る
投資額の約3倍のコスト削減効果見込む(SBIいきいき少額短期保険)
少額短期保険業を営むSBIいきいき少額短期保険株式会社は、「invoiceAgent 文書管理」と「invoiceAgent AI OCR」を導入したことで、大幅なコスト削減効果を見込んでいます。
同社では、ウイングアーク1stの帳票基盤ソリューション「SVF Cloud」によって帳票管理に置ける運用コストの低減を実現していましたが、さらなるコスト削減を目指して「invoiceAgent」を導入。
目視と手作業で行っていたデータ入力の負担が大幅に軽減され、「invoiceAgent」導入にかかった投資額の3倍に相当するコスト削減効果を見込んでいます。
▼事例詳細はこちら
SBIいきいき少額短期保険のinvoiceAgent導入事例をもっと見る
まとめ
今回は、コスト削減の重要性や取り組みのポイント、文書の電子化がコスト削減に効果的な理由をご紹介しました。
生産性や事業継続性、企業価値を高めていくうえで、コスト削減はあらゆる企業にとって重要な課題だと言えます。
コスト削減に課題を感じている企業は、今回ご紹介した情報も参考に文書の電子化を検討してみてはいかがでしょうか。