帳票ナビ

電子帳簿保存法の対応にタイムスタンプは必要?利用シーンや免除の条件を解説!

法対応作成日:2024.03.25 更新日:2024.03.25

ビジネス文書のペーパーレス化を図り、電子帳簿保存法への対応を検討・推進している企業は多いことでしょう。
電子帳簿保存法への対応方法について調べるなかで、よく見かけるキーワードのひとつに「タイムスタンプ」があります。

しかし
「そもそもタイムスタンプとは?」
「電子帳簿保存法への対応でタイムスタンプは必須?」
「タイムスタンプを利用するには?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、電子帳簿保存法やタイムスタンプの概要、電子帳簿保存法におけるタイムスタンプの利用シーンや免除条件についてわかりやすく解説します。
記事の後半では、電子帳簿保存法のタイムスタンプ要件に対応するソリューションや事例を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

5ステップ!改正電帳法対応ガイドブック【完全版】

電子帳簿保存法の改正により要件が緩和された一方で、企業として適切な対応をするためには押さえるべきポイントがあります。
・どのような流れで対応を進めればいいのだろう…
・自社にはどんなシステムが合うのだろうか…
とお悩みの方へ、電子帳簿保存法対応のための5つのステップをご紹介します。

電子帳簿保存法のタイムスタンプとは?

2310_time-stamp_02.jpg

まずは基礎知識として、電子帳簿保存法やタイムスタンプの概要について確認していきましょう。

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿書類の全部または一部について、一定の要件を満たすことで電子データとして保存することを認める法律のこと。省略して「電帳法」と呼ぶこともあります。
書面で保存していた帳簿書類を電子保存することで、業務効率化やコスト削減、テレワークへの対応といったメリットが期待できます。
また、近年の法改正によって満たすべき要件が緩和されたことで、近年多くの企業が電子帳簿保存法への対応を進めています。

以下の記事では、電子帳簿保存法の内容や改正のポイントについて詳しく解説しているので、気になる方はあわせてお読みください。

タイムスタンプとは?

タイムスタンプとは、電子文書などのデータが作成された日時を記録・証明するための技術のことで、「時刻認証」と呼ぶケースもあります。
電子文書にタイムスタンプを付与することで、「その時刻に電子文書が存在したこと(存在証明)」と「その時刻以降に改ざんされていないこと(非改ざん証明)」を担保することができます。

そして、電子帳簿保存法の要件を満たす方法のひとつに「タイムスタンプの付与」があります。
なお、電子帳簿保存法への対応に用いるタイムスタンプは、以下のような要件を満たしている必要があります。

  1. 総務省が認定する時刻認定事業者によるものであること
  2. データが変更されていないことを確認できること
  3. 課税期間中の任意期間を指定して、まとめて一括検証できること

以下の記事ではタイムスタンプの利用シーンや仕組みについて解説しているので、気になる方はあわせてお読みください。

電子帳簿保存法対応でタイムスタンプが必要なパターン

2310_time-stamp_03.jpg

電子帳簿保存法には「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」という3つの保存区分が存在しますが、このなかでタイムスタンプが必要なケースがあるのは「スキャナ保存」と「電子取引」です。
次は、電子帳簿保存法のスキャナ保存および電子取引でタイムスタンプの付与が必要なパターンや、タイムスタンプ付与が免除される条件を見ていきましょう。

スキャナ保存でタイムスタンプが必要なパターン

紙で受領したり発行したりした帳票をスキャナなどでデータ化して保存する場合、スキャナ保存に該当します。

スキャナ保存では、原則として保存する文書データへのタイムスタンプ付与が必要です。
2022年1月に施行された法改正以前は、書類の受領からおおむね3営業日以内にタイムスタンプを付与する必要がありましたが、改正によりタイムスタンプ付与までの期間が延長され、早期入力方式では概ね7営業日以内、業務サイクル方式では最長2ヶ月+概ね7営業日以内となりました。

また、記録事項の削除や訂正の履歴が残るシステムを使う場合やスキャンによるデータ入⼒・保存が法令上の期限内に行なわれたことを客観的に確認できる場合には、タイムスタンプの付与自体が不要となりました。

電子取引でタイムスタンプが必要なパターン

電子データによって取引情報の授受を行う場合、電子取引に該当します。

電子取引においては、「真実性の確保」を満たすために以下の処置のいずれかを行う必要があります。

(1)タイムスタンプが付された後、取引情報の授受を行う
(2)取引情報の授受後、速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付す
(3)記録事項の訂正・削除を行った場合に、これらの事実及び内容を確認できるシステム又は記録事項の訂正・削除を行えないシステムで取引情報の授受及び保存を行う
(4)正当な理由がない訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定め、その規定に沿った運用を行う
(参照元:Ⅱ 適用要件【基本的事項】|国税庁

上記の通り、記録事項の訂正削除履歴が残る、または訂正削除を行えないシステムを利用する場合や、事務処理規程の策定・運用で対応する場合には、タイムスタンプの付与は不要になります。

タイムスタンプによる電帳法対応が推奨される理由

2310_time-stamp_04.jpg

タイムスタンプを利用せずに電子帳簿保存法に対応することは可能ですが、業務負担の面や将来的なシステム移行の可能性を考慮すると、タイムスタンプ機能を有するシステムでの対応をおすすめします。

次は、タイムスタンプ機能付きのシステムで電子帳簿保存法に対応するべき理由について見ていきましょう。

事務処理規程での対応は運用負荷が大きい

電子取引の場合、専用のシステムを導入せずに事務処理規程で対応することが可能です。
ただしこの方法は、規程を詳細に作り込む必要があり、専用システムを利用する場合に比べて運用作業が煩雑化しやすいことから、担当者の負荷が大きくなりがちです。
たとえば、帳票データの訂正削除を行う際には、訂正削除日、訂正削除理由、訂正削除内容、処理担当者の氏名の記録及び保存が求められます。訂正削除の都度こうした対応をするのは大きな負担であり、とくに扱う帳票データの量が多くなるほど負担増加は顕著になるでしょう。

また、事務処理規程ではスキャナ保存に対応できないという点も注意が必要です。

タイムスタンプ機能がないシステムはリプレイス時に不安が残る

スキャナ保存および電子取引においては、訂正削除履歴が残るシステム、または訂正削除を行えないシステムを利用する場合、タイムスタンプの付与が必要ないとお伝えしました。

しかし、別のシステムへとリプレイスしようと考えた際、保存している帳票データにタイムスタンプが付与されていないために、データを移行できないというケースが考えられます。
たとえば、バージョン履歴をエクスポートする機能を搭載していないシステムなどを利用している場合、訂正削除の有無を客観的に証明することができず、別のシステムに移行することができない可能性があります。

タイムスタンプ機能付きのシステムによる対応がおすすめ

上記を踏まえると、電子帳簿保存法のスキャナ保存および電子取引に対応するには、タイムスタンプ付きのシステムを利用するのがおすすめだと言えます。

なかでも、JIIMA認証を取得しているシステムであれば、電子帳簿保存法で求められる機能要件を満たしているため、スムーズに電子帳簿保存法に対応することができます。
JIIMA認証とは、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会が管轄する認証制度で、電子帳簿保存法の要件を満たすソフトウェアに対して付与されます。

電子帳簿保存法への対応なら「invoiceAgent」

タイムスタンプを利用して電子帳簿保存法に対応するには、具体的にどういったシステムを利用すればよいのでしょうか。

次は、電子帳簿保存法への対応を実現するソリューションとして、ウイングアーク1stが提供する「invoiceAgent(インボイスエージェント)」をご紹介します。
「invoiceAgent」は、電子帳簿保存法の法的要件を満たす証である「JIIMA認証」を取得しており、タイムスタンプ要件を満たしつつ電子帳簿保存法に対応することが可能です。

電帳法の要件を満たす文書保存を実現する「invoiceAgent 文書管理」

「invoiceAgent 文書管理」は、電子帳簿保存法の要件を満たす文書保存・一元管理を実現するソリューションです。

「invoiceAgent」や他システムで作成・出力した文書データをまとめて取り込み、自動で仕分け・保存を実行することが可能です。
文書データを指定フォルダにアップロードすることで自動的にタイムスタンプを付与することができ、検索機能や証跡管理機能も備わっているので電子帳簿保存法に則した文書の保存・管理を行えます。
また、受領した請求書が適格請求書(インボイス)かどうかを判定することもできるので、インボイス制度における業務負担軽減という点でも効果的です。

電子取引の効率化・迅速化なら「invoiceAgent 電子取引」

「invoiceAgent 電子取引」は、請求書などの企業間取引文書の送受信を電子化・効率化するソリューションです。

PDFファイルの文書データをアップロードするだけで取引先との間で帳票を送受信することができ、複数の取引先とのやりとりを「invoiceAgent」上で完結することができます。
また、PDF出力する前のCSVデータを所定のフォルダにアップロードすることで、指定した様式のPDFデータを自動生成します。
さらに、オプションの郵送サービスを利用することで、紙と電子のハイブリッド運用も可能です。

紙文書のデータ化なら「invoiceAgent AI OCR」

「invoiceAgent AI OCR」は、取引先から受領したり自社で発行した紙文書をデータ化するソリューションです。

高性能な5つのOCR/AI OCRエンジンを搭載しており、読み取り文書の種類や特徴に応じて適切なOCR/AI OCRエンジンを選択したり、1つの読み取り文書に対して複数のOCR/AI OCRエンジンによる処理を行うことも可能です。
また、読み取り文書の歪みや傾きを自動補正する機能により、認識率の低下を防ぎつつデータ化することができます。
これらの特徴により、活字・手書き文字を問わず効率的に紙文書のデータ化を実現します。

「invoiceAgent」で電帳法のタイムスタンプ要件に対応した事例

最後に、「invoiceAgent」で電子帳簿保存法のタイムスタンプ要件に対応した事例をご紹介します。

電子帳簿保存法への対応で月7,000枚の請求書を電子化(ロジクエスト)

【ロゴ変更】case_logiquest.png

配送代行・緊急配送・国際輸送などの物流事業を展開する株式会社ロジクエストは、「invoiceAgent」を活用して電子帳簿保存法への対応を実現しました。

同社には全国に5,500以上の契約ドライバーや協力会社が存在し、各支店に届く月報兼請求書は毎月7,000枚にのぼります。
扱う帳票の量が非常に多いため保管用の倉庫を2つ借りていましたが、過去の書類を探し出すのに時間がかかるほか、管理フローが各支店で異なる点も課題となっていました。

そこで同社は、ペーパーレス化の推進および電子帳簿保存法への対応に乗り出しました。
システム選定においては、JIIMA認証を取得している点、費用面、導入のしやすさや使いやすさを顧慮した結果、「invoiceAgent」の導入に至りました。

各支店で受領した月報兼請求書をチェックしたうえで「invoiceAgent」に一括アップロードし、OCR処理を施してデータ化してタイムスタンプを付与する仕組みを構築。
月7,000枚の月報兼請求書の電子化と電子帳簿保存法への対応を実現しました。

▼事例詳細はこちら
株式会社ロジクエストのinvoiceAgent導入事例をもっと見る

請求書のWeb配信で請求業務の負担を削減(JFEスチール)

case_jfe.png

世界有数の鉄鋼メーカーとして知られるJFEスチール株式会社は、「invoiceAgent」の導入により請求書のWeb配信を実現しました。

同社では従来、紙ベースで請求業務を行っていましたが、コロナ禍の影響でデータでの請求書送付の需要が増加。
紙での請求書送付とは別に、連続帳票で出力されるデータを取引先ごとに分割し、PDF化して送付する作業が大きな負担となっていました。
また、鉄鋼業界には20日締め月末払いという商習慣が広く浸透しており、タイトなスケジュールのなかで請求業務を行わなければならないという課題もありました。

そこで同社は、請求書をWeb配信する仕組みの構築に着手。
システム選定では、連続帳票を自動で切り分けることができ、電帳法対応で必要なタイムスタンプ機能やOCR機能を利用できることが決め手となり、「invoiceAgent」の導入に至りました。
「invoiceAgent」の導入後、請求業務の負荷が減少したことを実感しているほか、タイトなスケジュールによる心理的プレッシャーからも解放されました。

▼事例詳細はこちら
JFEスチール株式会社のinvoiceAgent導入事例をもっと見る

まとめ

今回は、電子帳簿保存法とタイムスタンプの概要や必要性、利用方法について解説しました。

法改正によって、タイムスタンプを付与することなく電子帳簿保存法に対応することが可能になりました。
しかし、タイムスタンプ無しでの運用は業務負荷が大きくなってしまうケースや、システム移行の際の障害となってしまうケースもあるため、慎重な判断が必要です。

記事内で紹介した「invoiceAgent」であれば、タイムスタンプ要件を満たした電帳法対応が可能です。
電子帳簿保存法への対応を検討している方は、「invoiceAgent」での対応を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

5ステップ!改正電帳法対応ガイドブック【完全版】

電子帳簿保存法の改正により要件が緩和された一方で、企業として適切な対応をするためには押さえるべきポイントがあります。
・どのような流れで対応を進めればいいのだろう…
・自社にはどんなシステムが合うのだろうか…
とお悩みの方へ、電子帳簿保存法対応のための5つのステップをご紹介します。

  • 電子帳票ナビ
  • 電子帳簿保存法の対応にタイムスタンプは必要?利用シーンや免除の条件を解説!

あわせて読む

帳票の電子化に役立つ資料を
無料でダウンロードできます

このページのトップへ