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Web請求書とは?メリットやシステム選定のポイントを紹介!

業務効率化作成日:2023.04.25 更新日:2024.03.02

ビジネスシーンで「ペーパーレス」というキーワードが浸透しつつある昨今、従来の書面による請求書のやり取りから「Web請求書」へと切り替える企業が増えてきています。

しかし一方で、
「そもそもWeb請求書とは?」
「Web請求書システムを利用するメリットは?」
「Web請求書システムを選定するポイントは?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、Web請求書の概要や注目を集める理由、Web請求書システムを利用するメリットや選定のポイントを解説します。
Web請求書への切り替えを実現する具体的なソリューションも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【事例】請求書の電子化により業務効率化を実現!

・約40時間かかっていた請求書発行業務がほぼ半分に削減
・請求書のための出社がなくなり、テレワークが促進
請求書電子化サービス「invoiceAgent」により、経理・バックオフィス部門の
業務効率化に成功した事例をご紹介します。

Web請求書とは?

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「Web請求書」とはインターネットを介して送受信する形式の請求書を指し、「電子請求書」とも呼ばれます。
従来の書面による請求書のやり取りとは異なり、オンライン上で請求書の授受が完了するのが特徴です。

紙の請求書からWeb請求書に切り替える方法としては、専用のシステム(Web請求書システム)を利用するほか、PDF形式で出力したデータをメール添付して送受信する方法もあります。

Web請求書が注目を集めている理由

冒頭でも触れた通り、従来の書面による請求書のやり取りから、Web請求書に切り替える企業が増えつつあります。

次は、Web請求書が注目を集める理由として、以下の3点をご紹介します。

Web請求書が注目されている理由
  • 電子帳簿保存法改正による要件緩和
  • テレワークの急速な普及
  • インボイス制度(適格請求書等保存方式)の開始

それぞれ詳しく確認していきましょう。

電子帳簿保存法改正による要件緩和

Web請求書が注目を集める理由のひとつとして、電子帳簿保存法改正による要件緩和が挙げられます。

電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿書類の全部または一部について、電子データによる保存を認める法律です。
電子帳簿保存法には以下3つの保存区分が存在し、Web請求書の授受は「電子取引」に該当します。

電子帳簿保存法の3区分
  • 電子帳簿等保存…電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存
  • スキャナ保存…紙で受領・作成した書類を画像データで保存
  • 電子取引…電子的に授受した取引情報をデータのまま保存

請求書をデータ保存するには電子帳簿保存法で定められた要件を満たす必要がありますが、2022年1月の電子帳簿保存法改正によってこの要件が大幅に緩和されました。
これにより、今まで電子帳簿保存法の対応ハードルの高さがネックとなっていた企業でも、請求書の電子化に着手しやすくなり、Web請求書への切り替えを検討する企業が増えてきているのです。

テレワークの急速な普及

テレワークが急速に普及していることも、Web請求書が注目を集めている理由のひとつです。

多くの企業で働き方改革の取り組みが活発化していることに加え、昨今の新型コロナウイルス感染症の流行により、近年急速にテレワークが普及しています。
その一方で、請求書の印刷や押印、発送手続きのために、テレワーク中であっても出社せざるを得ないというケースも少なくありません。
そうしたなか、テレワークでも請求関連業務を完結できる体制を整えるために、紙の請求書からWeb請求書への切り替えを検討する企業が増えつつあるのです。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)の開始

2023年10月開始のインボイス制度(正式名称:適格請求書等保存方式)もまた、Web請求書に注目が集まるきっかけとなっています。

インボイス制度とは消費税の仕入税額控除に関する新制度で、2023年10月以降は仕入税額控除を受けるためには「適格請求書(通称:インボイス)」の適正保存が必要となります。

適格請求書は現行の区分記載請求書よりも記載項目が多く、税率ごとに対価の合計額および消費税額を算出する必要があるほか、適格請求書発行事業者の登録番号の照合も必要になるなど、請求関連業務がこれまで以上に煩雑化することが予想されています。

このことから、インボイス制度開始後の負担軽減を図り、請求業務の効率化を検討する企業が増えており、その手段のひとつとしてWeb請求書への切り替えが注目されているのです。

Web請求書システムを利用するメリット

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先述した通り、紙の請求書からWeb請求書へと切り替えるには、専用のシステム(Web請求書システム)を導入する方法が一般的です。
専用システムを利用せず、ExcelやWordで作成した請求書をPDF形式で出力し、メールに添付して送受信する方法も可能ですが、以下のような課題が存在します。

メールで請求書を送受信するデメリット
  • かえって作業が煩雑化してしまう可能性
  • 電子帳簿保存法への対応ハードルが高い
  • セキュリティリスクへの懸念

一方、Web請求書システムを利用することで、上記のような課題を解消することが可能です。
次は、Web請求書システムを利用するメリットについて詳しく確認していきましょう。

請求関連業務の効率化

Web請求書システムの導入は、請求関連業務の効率化に有用です。

従来の紙ベースの請求業務では、書面の印刷や押印、封入封緘作業など、手作業による非効率な工程が多く含まれます。
また、PDF形式の請求書データをメールで送る場合でも、宛先や本文、添付ファイルのチェックが必要になるため、紙ベースの運用よりもかえって作業が煩雑化してしまうケースがあります。

一方、Web配信システムであれば、請求書の発行から送付、あるいは受領までをオンラインで完結することができ、郵送によるタイムラグも発生しないため、請求関連業務を効率化・迅速化することが可能です。
また、請求情報をテキストデータとして扱えるため、目視や手動による仕分け・入力作業で発生しがちなヒューマンエラーのリスクを抑えることができます。

電子帳簿保存法への対応がスムーズ

専用システムを利用せずにWeb請求書に切り替える場合、電子帳簿保存法に対応する運用体制を独自に整備する必要があります。
たとえば、請求書データに規則性のあるファイル名を設定したり、Excelなどで別途作成した索引簿と紐づけるなど、検索性を担保するための工夫が求められます。
また、文書の真実性を担保するため、「訂正・削除の防止に関する事務処理規程」を策定し、規定に沿った運用を徹底する必要もあります。

一方、Web請求書システムであれば、スムーズに電子帳簿保存法に対応することが可能です。
Web請求書システムには、検索機能やタイムスタンプ機能、証跡管理機能といった、電子取引要件への対応で必要な機能を備える製品があり、電子帳簿保存法の要件を満たすソフトウェアに与えられる「JIIMA認証」という制度も存在します。

セキュリティの強化

紙ベースで請求書を運用している場合、持ち出しや改ざんなどの不正を防ぐための物理的な対策が必要になるほか、自然災害や経年劣化によって可読性が損なわれてしまうリスクもあります。
また、PDF形式の請求書データをメールに添付する方法も、ウイルス感染やメール盗聴といったセキュリティ面の懸念があります。

一方Web請求書システムの場合、改ざんの防止・検知に役立つタイムスタンプ機能や証跡管理機能を備えている製品があるほか、多くのWeb請求書システムは通信の暗号化をはじめとしたセキュリティ対策に力を入れています。

Web請求書システムを選定する際のポイント

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多くのメリットが期待できるWeb請求書システムですが、さまざまな製品が存在するため「どれを選べばよいかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

次は、Web請求書システムを選定する際のポイントとして、以下の5点をご紹介します。

Web請求書システム選びのポイント
  • JIIMA認証の有無を要確認
  • 発行・受領のどちらを重視するか
  • インボイス制度に対応する機能の有無
  • 外部システム・ツールとの連携可否
  • 現場や取引先の負担を軽減できるか

各ポイントについて詳しく確認していきましょう。

JIIMA認証の有無を要確認

Web請求書の選定時は、先に触れた「JIIMA認証」の有無を必ずチェックしましょう。

JIIMA認証は、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が管理する認証制度で、電子帳簿保存法の法的要件を満たすソフトウェアに対して付与されます。
Web請求書は電子取引に該当するため、JIIMA認証の「電子取引ソフト法的要件認証」を取得しているか否かが目安となります。
JIIMA認証の「電子取引ソフト法的要件認証」を取得しているWeb請求書システムであれば、独自に電子帳簿保存法に対応する運用体制を構築する手間がかからず、スムーズに請求書を電子化することができるでしょう。

発行・受領のどちらを重視するか

Web請求書システムには、請求書の発行に特化したシステム(Web請求書発行システム)や、請求書の受領に特化したシステム(Web請求書受領システム)、そして発行・受領のどちらにも対応するシステムがあります。
そのため、請求書の発行・受領のどちらを電子化したいのかを明確にしたうえで、自社にあったWeb請求書システムを選ぶことが大切です。

請求書の発行と受領、どちらも電子化したいという場合には、発行・受領の両方に対応するWeb請求書システムを選ぶことをおすすめします。

インボイス制度に対応する機能の有無

Web請求書システムを選ぶ際は、2023年10月に開始されたインボイス制度をふまえて選定することも大切です。
たとえば、電子化された適格請求書、いわゆるデジタルインボイスの標準規格である「Peppol」に対応しているかどうかはチェックしておきたいポイントのひとつです。
Peppol対応だけでなく、システム上で適格請求書発行事業者の登録番号を照合できるかなど、インボイス制度対応の観点でも機能を確認してみましょう。

外部システム・ツールとの連携可否

Web請求書システムの選定においては、外部システム・ツールとの連携可否についても確認すべきポイントのひとつです。

企業では請求書以外にもさまざまな帳票を扱うため、業務のデジタル化・ペーパーレス化を推進していくには、他のシステム・ツールと連携し、機能を拡張していくことが重要になります。
すでに利用している、あるいは今後導入する予定があるシステム・ツールと柔軟に連携できるかどうか、事前に確認しておきましょう。

現場や取引先の負担を軽減できるか

Web請求書への切り替えにあたり、現場や取引先の負担を軽減できるかどうかも重要なポイントです。
たとえば、現在利用している請求書のフォーマットをそのまま利用可能か、ITシステムに関する知識・経験がなくても簡単に操作できるかなど、ユーザー目線で使いやすさを確認することが大切です。

また、すべての取引先がWeb請求書への切り替えを了承してくれるとは限りません。
書面でのやり取りを希望する取引先にも対応できるよう、請求書の郵送代行サービスを提供しているかどうかも確認しておくことをおすすめします。

Web請求書への切り替えなら「invoiceAgent 電子取引」

次は、Web請求書への切り替えを実現する具体的なソリューションとして、ウイングアーク1stが提供する「invoiceAgent 電子取引(インボイスエージェント 電子取引)」をご紹介します。

請求書の発行・受領どちらにも対応

「invoiceAgent 電子取引」は、クラウド上で請求書の送受信を実現するソリューションです。

PDF形式の請求書データをアップロードするだけで取引先にWeb配信することができ、取引先から発行される帳票データも「invoiceAgent」上で受領することができます。
また、オプションの郵送サービスを利用することで、書面での送付を希望する取引先にも対応することができ、Web配信と郵送のハイブリッド運用が実現可能です。

JIIMA認証取得の電帳法対応ソリューション

「invoiceAgent 電子取引」は、電子帳簿保存法の電子取引要件を満たすJIIMA認証製品です。
そのため、自社で独自に電子帳簿保存法に対応するための体制を整える必要がなく、スムーズに請求業務を電子化することが可能です。
また、請求書を送る側、受け取る側のどちらも電子帳簿保存法に対応することができるので、自社だけでなく取引先の業務効率化・ペーパーレス化にも寄与することができます。

「Peppol」対応なのでインボイス制度にも有効

「invoiceAgent 電子取引」は、インボイス制度対応の面でも有効です。

ウイングアーク1stはデジタル庁認定のPeppolサービスプロバイダーであり、「invoiceAgent 電子取引」はPeppolフォーマットへの変換やPeppol経由のデータ送受に対応しています。
また、「invoiceAgent 電子取引」上で適格請求書発行事業者の登録番号を照合することができる機能も搭載予定のため、インボイス制度開始後の請求業務を効率化することができるでしょう。

システム連携で業務の電子化を加速

「invoiceAgent 電子取引」は、システム連携によってさらに利便性を高めることが可能です。

「invoiceAgent」シリーズには「invoiceAgent 電子取引」のほか、契約業務の電子化を実現する「invoiceAgent 電子契約」、文書データの一元管理を実現する「invoiceAgent 文書管理」、紙文書のデータ化を実現する「invoiceAgent AI OCR」があり、電子化したい業務に応じて拡張していくことができます。
また、各種アダプターやWeb APIを用いることで、さまざまな業務システムやクラウドサービスと連携することも可能です。

この拡張性の高さにより、請求業務に留まることなく業務のデジタル化を推進していくことができるでしょう。

「invoiceAgent」で請求関連業務の効率化を実現した事例

最後に、「invoiceAgent」で請求関連業務の効率化を実現した事例をご紹介します。

請求書のWeb配信システムを短期間で構築(伊藤忠商事)

伊藤忠商事株式会社は、「invoiceAgent」を活用して請求書などの社外向け帳票をWeb配信するシステムを構築しました。

同社では、2018年から帳票基盤の見直しを行い、約600課ある各営業部署の担当者が自身で請求書を印刷できるオンデマンド印刷の仕組み構築を進めてきました。
しかし、2020年春に新型コロナウイルス感染症が流行したことで在宅勤務を余儀なくされ、紙ベースの請求書運用の課題が顕在化。
在宅勤務では請求書発送業務を完結できず、コロナ禍でも出社せざるを得ない状況が発生したことで、請求書のWeb配信を検討し始めました。

そして、既存の請求書レイアウトをそのまま利用できる点、そして改ざん防止に有効なタイムスタンプを備えている点などが決め手となり、「invoiceAgent」の導入を決定。
導入決定から2ヶ月後には、納品書や検収書といった請求書に付随する書類のWeb配信を、6ヶ月後には請求書のWeb配信を開始するなど、短期間でWeb配信システムを構築することに成功しました。
同社では、帳票の電子化をバックオフィスDXの第一歩と位置づけ、「invoiceAgent」のさらなる利用拡大に意欲を見せています。

▼事例詳細はこちら
伊藤忠商事株式会社のinvoiceAgent導入事例をもっと見る

受領する請求書の電子化を「invoiceAgent」で実現(西武ホールディングス)

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株式会社西武ホールディングスは、「invoiceAgent」の導入により取引先からの請求書受領を電子化することに成功しています。

同社では、グループ全体で推進する「デジタル経営」の一環として、2019年から会計システムの刷新に取り組んできました。
しかし、2019年時点では電子帳簿保存法の要件対応ハードルが高く、取引先から受領する請求書のペーパーレス化については先送りされていました。
その後、新型コロナウイルス感染症の流行や電子帳簿保存法の改正が重なったことで、請求書のペーパーレス化が“待ったなし”の状況だと判断。

既存のERPパッケージと連携でき、インボイス制度にも対応できる点、さらにシンプルな操作性などが決め手となり、「invoiceAgent」の導入に至りました。
取引先の負担に配慮しつつ、効率的に請求書受領に関わる業務を行える基盤を整えることに成功しました。
現在グループ23社に「invoiceAgent」を展開しており、最終的には40社に展開することを想定するなど、グループ全体のデジタル経営推進に「invoiceAgent」を有効活用しています。

▼事例詳細はこちら
株式会社西武ホールディングスのinvoiceAgent導入事例をもっと見る

まとめ

今回は、Web請求書の概要や注目を集める理由、Web請求書システムを利用するメリットや選定のポイントについて解説してきました。

紙の請求書からWeb請求書に切り替えることで多くのメリットが期待でき、2023年10月に開始されたインボイス制度への対応という面でも有効です。

紙ベースの請求関連業務に課題を感じている企業や、Web請求書への切り替えを予定している企業は、今回ご紹介した「invoiceAgent 電子取引」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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