導入事例

株式会社タス

株式会社タス

MotionBoardをプラットフォームとしたノーコード開発で、
不動産マーケット分析サービスの「ANALYSTAダッシュボード版」を構築

株式会社タス
製品
業種

サービス

不動産評価のASPサービス「TAS-MAP」(タスマップ)をはじめとして、各種不動産情報や市場分析データなどの情報提供を手掛けている株式会社タス(以下、タス)では、MotionBoard Cloud(以下、MotionBoard)を導入し顧客向けのレポート作成の工数を大幅に削減した。さらに、不動産情報とオープンデータなどを組み合わせた不動産マーケット分析サービス「ANALYSTAS(アナリスタ)ダッシュボード版」を、MotionBoardをプラットフォームとして顧客に提供。顧客がクラウド上で自由に分析できる環境を実現している。

導入背景

不動産評価サービスTAS-MAPでは、多様なデータを活用している。更に、それらのデータを活用した不動産マーケット分析「ANALYSTAS」について、顧客の求めに応じたさまざまなレボートを作成・提供するサービスを展開していたが、その作成にかなりの時間を要していた。また、レポート提供方法についても、顧客自身がクラウド上で自由に分析できる環境を実現したかった。

課題
  • 顧客向けのPDFレポートの作成に時間がかかり社内スタッフの負担となっていた
  • ANALYSTASの発展形として、顧客自身が自由に分析できるサービスの追加を検討していた
  • サービス提供のプラットフォームとして、ノーコード開発できるツールを探していた
解決策導入ポイント
  • MotionBoardを活用することで、グラフなどを含めたレポート作成を自動化
  • MotionBoard上でANALYSTASダッシュボード版を実装し、顧客が自由に分析できる環境を提供
効果
  • レポート作成の工数を大幅に削減した上で、グラフや地図などを用いた表現を実現
  • ANALYSTASダッシュボード版を短期間で開発、今後の幅広いサービス提供の基盤に
  • 即時性・自由度の高い情報提供が可能となり、サービスの付加価値が向上

レポート作成の負荷軽減に役立ち、
新サービスを実装可能なツールを模索


 不動産という不透明な市場の「価値」を誰もが見えるカタチにすることを目指し、トヨタ自動車、豊田通商、朝日航洋(空間情報事業)、三友システムアプレイザル(不動産鑑定評価・不動産調査事業)の4社によって設立されたタス。その主力サービスである不動産評価のASPサービスであるTAS-MAPは、タスが独自開発した全国空室率インデックスや三友システムアプレイザルの保有データ、オープンデータなどを加えることで、精度の高い不動産評価を実現している。


 また同社では2018年に不動産分析ソリューションANALYSTASのサービス提供を開始。このサービスは、不動産データをもとにしたマーケット分析を行うもので、国勢調査などのオープンデータはもちろん、顧客が所有するデータを組み込んだ分析も可能で、GIS(地理情報システム)を用いた分析結果の可視化も行える。


 ANALYSTASでは、顧客の求めに応じてさまざまなレボートを作成・提供するサービスを展開していたが、その作成にはかなりの時間を要するケースもあり、社内で大きな負荷となっていた。さらに同社では、ANALYSTASに顧客自らが分析できるダッシュボードの機能を加えることを計画し、その両方を実現できるBIツールを模索していた。


 「当社のお客様は、住宅ローンなど不動産担保ローンの査定をする金融機関から、不動産デベロッパー、不動産賃貸事業、投資信託関連事業を行う会社などさまざまです。そういうお客様企業自らが、必要なときにどこからでも不動産情報を自由に分析・表示できるダッシュボード版を提供したいと考えたのです。それを実現するための、BIツールが必要となりました」と話すのは、セールス&マーケティング部 部長 中村 義隆氏だ。


多様なリソースを活用でき、
ノーコードで開発できるBIツール


 レポート作成時間の削減と、ANALYSTASへのダッシュボードの搭載という2つの課題解決のために、同社ではさまざまなBIツールの検討を開始した。その際の要件となっていたのはどんなものだったのか。


 「データ分析の迅速さ、可用性の高さも当然検討項目として入っていましたが、多様なデータソースと接続し、活用できることが重要でした。そのためデータベースの種類を限定してしまいそうなツールは避けることにしたのです。また、当社はコーディングをバリバリやってきたスタッフというよりも、データ分析に秀でた人材が中心となっています。そのため、ある程度ノーコードで開発ができることも要件としていました」(中村氏)


 またレポーティング機能において、高い表現力を持っていることも重視された。さまざまな分析結果を分かりやすいグラフィック表現で実現できることは、ユーザーである顧客にとっても、タスの社内スタッフにとっても重要な機能だった。さらにサービスとして顧客に提供することを考慮すると、ユーザーインターフェースが分かりやすいことも必須条件だった。


 こうした要件にもっとも当てはまるソリューションとして選ばれたのが、ウイングアークのMotionBoardだった。


居住賃貸インデックスダッシュボード

駅別居住賃貸インデックスダッシュボード

オンボーディングプログラムで、
短期間で開発スキルを習得


 MotionBoardの導入により、素早く表現力豊かにレポートを作成できる環境が整い、社内での負荷も大幅に低減された。


ダッシュボードの開発では、ウイングアークのオンボーディングプログラムを活用した。このプログラムは、ウイングアークの専任担当者が「導入後の目標設定からビジネスの成果創出まで」に伴走するサポートで、プロジェクトの進め方やダッシュボードの作成手順などをコンサルティングするものだ。


「当初は内製も考えたのですが、お客様に提供するサービスでもあり、MotionBoardの隅々まで知り尽くした専任のサポートは、スタート時点では不可欠だと判断しました。実際、この選択をして正解でした。オンボーディングプログラムを経て、社内の開発担当者の熟達度もぐんぐん伸びていきました」(中村氏)


実際に開発を担当したデータソリューション部 生田 遼羽氏は、次のように振り返る。


「ウイングアークのエンジニアの方は、こちらの疑問にも迅速に対応してくれました。サポートデスクへの問い合わせも回答が早く、とても心強かったですね。最初のダッシュボードはウイングアークに構築を依頼しましたが、これにより基本的なところが理解でき、後の内製の場面でも大きなミスもなく実行できました」


またデータソリューション部 田口 朋晃氏も、「将来的にはほぼ100%内製でダッシュボードを作っていく必要があるので、スタート時点でのサポートはとても役立ちました」と話している。


こうして、開発から1年足らずで、ANALYSTASダッシュボード版が顧客に提供できるに至った。


必要な情報を、瞬時にビジュアライズ、
不動産以外の分野での事業展開も視野に


 2021年からサービス提供が開始されたANALYSTASダッシュボード版は、すでに顧客を獲得し、数十社から引き合いがあるという。


ダッシュボード版では、さまざまなデータが提示できるが、例えば、空室率と賃料単価の推移を期間や市区町村、築年数、アパート・マンション別などで表示できる。また特定の地域を地図上で選択すると、メッシュ単位で空室率などを表示したり、その推移グラフを表示することが瞬時にできるようになっている。


不動産エリアインデックス3Dダッシュボード

「MotionBoardは地図やグラフのベースとなるひな形が豊富で、理想的なビジュアルが表現できます。ユーザーインターフェースの設定のバラエティさは、従来のノーコードの域を超えていると思います。ダッシュボード版ではお客様自身が操作をしてさまざまなグラフや地図データを組み込んだレポートを作成したり、データを社内会議で共有したりできるわけです。これまでは、レポートの内容が古くなると、同じインデックスでも、データを更新したうえでグラフ作成などを一から行っていましたが、今では、システム側でデータ更新をするだけで、お客様は常に最新の情報を確認することができます。」とデータソリューション部 石井 健太朗氏は話す。


ダッシュボード版が稼働するようになって、MotionBoardのメリットも実感できるようになったという。


「環境の構築や、新たなデータと連携する場合の設定など、とてもスムーズにできるので驚いています。自前でBIダッシュボードの基盤を構築していたら、おそらくこんなに簡単に多様なデータソースと連携することはできなかったと思います」(生田氏)


 さらに今後について田口氏は、「今後お客様からさまざまな個別のご要望が発生してくると思います。そのときは、ウイングアークとさらにディカッションを重ねながら、対応できればと考えています。さまざまな要望に丁寧に応えていくことが、サービス自体の成長を支える財産になるはずです」と話す。


中村氏は、「ANALYSTASダッシュボード版を通じて、お客様がより迅速に分析結果を取得し、本来やるべき業務へ集中できる環境を提供することを目指しています。それがお客様へのDX支援につながると考えています。今後は、不動産関連データサービスを充実させるとともに、ほかの分野への事業シフトも含め、データ分析事業として高みを目指していきたいですね。そのため社内のスタッフには、データのハンドリングも含めたデータ分析に関するスキルを高めていってもらうことを期待しています」と今後を展望する。


Company Profile

株式会社タス

設立:2000年8月
所在地:東京都中央区八丁堀
事業内容:不動産評価サービス「TAS-MAP」を含めた不動産情報提供サービス、不動産マーケット分析「ANALYSTAS」を主としたデータ分析サービス、DXなどITソリューション支援を手掛ける。
URL :https://corporate.tas-japan.com/

写真左から
セールス&マーケティング部 部長 中村 義隆 氏
データソリューション部 石井 健太朗 氏
田口 朋晃 氏
生田 遼羽 氏

導入製品

BIツールを超えたダッシュボード「MotionBoard」。様々なデータをリアルタイムに可視化。クラウドサービスは月額30,000円から

 
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