導入事例

三井住友ファイナンス&リース株式会社

三井住友ファイナンス&リース株式会社

請求・支払業務のデジタルシフトによる働き方改革とコスト削減
SDGsへの貢献として帳票電子化を推進

三井住友ファイナンス&リース株式会社
業種

金融・保険

国内トップクラスの総合リース会社である三井住友ファイナンス&リース株式会社(以下、SMFL)は、ウイングアークの「invoiceAgent TransPrint」を利用し、支払内容の通知書や請求書等の紙帳票を電子配信に切り替えることで、リモートワークの推進とコスト削減を実現している。スモールスタートのデジタル化により段階的に適用範囲を広げ、自社だけでなく取引先のペーパーレス化や業務の効率化にも貢献している。

導入背景

コロナ禍でリモートワークが進まない業務の1つとして、リース契約の請求・支払における帳票の発行、郵送業務があった。また、紙運用によって発生していたタイムラグやコストを削減し、金融機関として安心安全を担保できるシステムを検討していた。

課題
  • 郵送によってタイムラグが発生し、取引先への到着が遅れるリスクがあった
  • 毎月大量の帳票の印刷、封入封緘、郵便費用がかかっていた
  • 取引先によっては電子での送付を希望されるなど、個別対応の負担が出ていた
解決策導入ポイント
  • invoiceAgent TransPrintの導入により、帳票出力をPDFに変えるだけで自動に仕分けて配信
  • 支払通知書をはじめとした様々な帳票の電子化、配信を実現できる
効果
  • スモールスタート後、約1200件の取引先が電子へ切り替え
  • 発送業務委託費および郵便料金が削減された
  • SDGs経営の取り組みの1つとしてペーパーレス化に貢献している
帳票電子化の流れ:帳票出力をPDFに変えるだけで自動に仕分けて配信

リモートワークが加速する中、
紙がある以上出社しなければならない業務


 国内トップクラスの総合リース会社であるSMFLは、50年を超えるリース事業で培った専門性やSMBCグループの総合力を駆使し、革新的で付加価値の高い金融の枠を超えたサービスの提供により、お客様と共に成長する最良のパートナーを目指している。近年では、社会課題の解決に向け、同社のアイデンティティである“SMFL Way”のもと、SDGs経営をさらに深化させ、「環境」「次世代」「コミュニティ」「働きがい」の4つの重点課題に取り組み、デジタルイノベーションによる“新たな社会(Society5.0)”の実現に貢献すべく積極的に挑戦している。


 リース契約における請求・支払関連業務では、リース契約のお客様へのリース料の請求と、メーカー・販売会社への物件代金の支払いを行っている。毎月の請求書や支払通知書を印刷し郵送していたが、郵送によるタイムラグの発生や大量の帳票印刷・発送にかかるコストが大きいという課題があった。同社の事務企画部 部長代理 織田 智恵 氏は「支払通知書は本来支払いの前に届く書類ですが、土日等を挟むと支払い後に通知書が届いてしまうこともありました。また、取引先によっては電子での送付をお願いされることが増え、量が多くなれば個別対応の負担が増えてしまうという問題点がありました」と語る。


 また、コロナ禍となり全社のリモートワークが加速しつつある中、出社しなければならない要因の1つとして、請求書の発行・郵送業務が残されていた。


安心・安全のシステムを第一に、時代の変化にチャレンジ


 システム開発部では、現場の状況を解決するためにシステム導入の検討を開始した。事務企画部の要望にできるだけ早く応えるシステムをリリースすることと、既存の帳票資産を活用する方法を考えていた。また、今後の電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を視野に入れつつ、金融機関としての厳格なセキュリティ担保を考慮する必要があった。同社のシステム開発部 部長補佐 丸山 綾子 氏は「金融機関として、安全・安心の思想でシステム運用をしているのでクラウドシステムの導入のハードルは高かったですが、コロナの状況も続き、国をあげてリモートワークが推進される中で、お客様もリモートワークができるように電子で帳票をお届けしたいと考えました」と語る。


システム開発部 部長補佐 丸山 綾子 氏

 システム開発部では、数年前から帳票電子化の要望を受けて情報収集を行っていた。2020年10月には、ウイングアークのオンラインイベント「updataNOW20」に参加し、invoiceAgent TransPrintの金融機関のユーザー事例セッションを視聴したことをきっかけに、本格的な検討を進めることになった。「システム構築も参考になりましたが、当社が心配している情報セキュリティの観点をしっかりと確認されており、その情報を詳細に説明してくださっていたのが導入検討の後押しになりました」(丸山氏)


事務企画部とシステム開発部の協業により短期間で運用開始


 システム選定にあたり、ウイングアークを含む3社のサービスを比較した。「機能」「事務運用」「システム開発」「システム運行」「費用」の5つのカテゴリーで評価し、各項目に点数をつけた結果、一番高かったのがウイングアークのinvoiceAgent TransPrintであった。特に、既存の帳票を継続して利用でき、他の対外帳票にも展開が見込めたことと、製品自体のシンプルな操作性が評価された。システム面では、基幹システムへの影響が少なく、既存の帳票資産を活かしながら最小限の開発で早期に実装ができるという点がポイントとなり、金融機関での導入実績があったことも判断材料となった。


 事務企画部では、電子化する対象帳票と先行スタートの取引先を選定することからはじまり、支払通知書を30社ほどから電子化していくことにした。「支払通知書は当社から支払の連絡をする書類なので、税務的に法的帳票でないことから、始めやすいと考えました」(織田氏)


事務企画部 部長代理 織田 智恵 氏

 対象帳票の決定を受けて、開発側では基幹システムの開発を開始し、2021年3月頃からはオンボーディング支援を受けながら、各種の設定やシステム運用の準備を進めた。


 システム設定と並行して、事務企画部では取引先への案内方法を検討した。実際に取引先と接している営業担当者にinvoiceAgent TransPrintの利用を勧めてもらいメールアドレスを収集するため、社内説明会を開催。説明会には多くの営業やアシスタントにリモート参加してもらうことができ、電子化に関する協力体制を構築することにつながっている。また、運用開始までの3ヶ月間、大量の帳票の配信が安定稼働するように運用面でのサポートを受け、スケジュール管理やシステム設定など、ウイングアークのカスタマーサクセスの担当者と相談しながら進めることができた。同社の事務企画部 末原 千絵 氏は「私たち事務企画部はオンボーディングを受けたわけではないのですが、システム開発部のメンバーよりレクチャーを受けることで、営業担当者への説明会も無事に成功させることができました」と語る。


事務企画部 末原 千絵 氏

既存の帳票をそのままに、PDFにするだけで自動仕分け・配信


 これまでは、基幹システムから帳票データを作成し、印刷、封入封緘業者へ送り、紙を取引先に郵送していたが、invoiceAgent TransPrintの導入によってPDFで帳票出力に変えるのみで自動仕分け、配信まで行うことができる。取引先にはメールで通知が行き、専用サイトからダウンロードができるような仕組みとなっている。


 2021年6月からスモールスタートで配信を開始し、段階的に電子への切り替えを進めている。特に、2022年4月から支払通知書の郵送廃止と電子の提供に関する案内状を同封したことで、1200件を超える取引先及び部署から登録があった。引き続き、支払通知書を送付している全取引先への案内を強化する。


請求書の電子化によりさらなるペーパーレス化と
最大1億円のコスト削減を目指す


 第二弾として、リース契約者へのリース料の請求書の一部を対象として電子化を進めている。支払通知書の時と同様に社内説明会を実施し、電子化を希望する約200件の取引先から開始する。請求書の電子化は、以前より要望があがっていたこともあり、社内での関心度も高く進んでいる。同社の執行役員 事務企画部長 小林 文子氏は「invoiceAgent TransPrintの良い点は、紙でほしいお客様はダウンロードして紙で出力できるところです。これから電帳法が改正されることもありますので、お客様がどのように書類を保存するのかへの意識が必要だと感じています。当社も請求書を受け取る側でもあるので、電子化のメリットやアドバイスをアナウンスできれば良いと思っています」と話す。


執行役員 事務企画部長 小林 文子 氏

 一部の請求書については、約5万件の取引先への展開を目指している。また、その他の対外帳票へと適用範囲を広げると約40万社以上の取引先へと拡大する可能性がある。このように電子化が進むことで、従来の発送業務委託費と郵送料金のコストを最大年間1億円削減することを目標としている。


 また、今後注力する帳票の1つとしてリース満了案内の書類がある。満了通知書は送付だけでなく、取引先での記入と返信の対応が必要なため双方向のやり取りが求められる。取引先とSMFLの双方でデジタルによる業務効率化を推進できるような機能アップデートを期待している。同社のシステム開発部 副部長 大川 仁 氏は「今後、電帳法やインボイス制度などの対応を検討していきますが、我々の扱う帳票を知っているウイングアーク社には一歩入り込んだ提案をいただきたいです」と話す。


(写真右より)システム開発部 副部長 大川 仁 氏、システム開発部 スペシャリスト 園部 慎太郎 氏

 SMFLは引き続き帳票の電子化を推進することで、自社だけでなく取引先のリモートワーク対応や業務効率化にもつなげていく考えだ。そして、SDGs経営の取り組みの一環としてペーパーレス化によるコスト削減と環境への負担を減らしていくことで、持続可能な社会へ貢献していく。


※2022年6月より「SPA」および「SPA Cloud」は「invoiceAgent 文書管理」「invoiceAgent AI OCR」に名称を変更しました。


Company Profile

三井住友ファイナンス&リース株式会社

設立 :1963年2月
所在地 :東京都千代田区
事業内容 :各種物品の賃貸・延払事業/営業貸付事業/その他/各事業に関連するサービス等
URL :https://www.smfl.co.jp/

(写真左より)
事務企画部 末原 千絵 氏
事務企画部 部長代理 織田 智恵 氏
執行役員 事務企画部長 小林 文子 氏
システム開発部 副部長 大川 仁 氏
システム開発部 スペシャリスト 園部 慎太郎 氏
システム開発部 部長補佐 丸山 綾子 氏

導入製品

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