Peppolとは?Peppolの利用における課題とは?解決策をご紹介

2023.08.03

Peppolは、欧州連合(EU)内で開発された取引ネットワークであり、デジタルインボイスの標準規格です。 
本記事では、Peppolの利用前に知っておきたいPeppolの利用課題と、それらをウイングアーク1stの「invoiceAgent」がどのように解決できるかお伝えいたします。 

目次

Peppolとは?Peppolの利用で何が変わる?

Peppolの主な役割は、ビジネス文書のデータ形式とネットワークの標準化です。データの標準化により、異なる組織間でのデータのやり取りを容易にし、情報の一致やエラーを最小限に抑え、業務プロセスの自動化や効率化を実現します。ネットワークの標準化により、安全かつ信頼性の高いビジネス文書の送受信を円滑に行うことができます。

仕組みを簡単に以下の図に照らして説明すると、Peppolは、「C1:売り手」「C2:アクセスポイント(売り手)」「C3:アクセスポイント(買い手)」「C4:買い手」という4コーナーモデルの構造となっています。 
Peppolを導入しているユーザーは、アクセスポイントを経由してネットワークに接続することで、Peppolネットワークに参加するすべてのユーザーとデジタルインボイスの送受信が可能になります。 

peppolとは

Peppolの詳しい説明やインボイス制度との関係、電子インボイスのメリットについては、下記のコラムでご紹介しています。 
https://www.wingarc.com/chohyo-navi/peppol.html

Peppolの利用課題とinvoiceAgentによる解決策

今後普及が期待されるPeppolですが、その利用においていくつか課題となる可能性があります。

1. 現時点では、Peppolでは請求書の送受信のみが対象であり、見積書や支払い通知書などの他の帳票は対象外です。

2. Peppolデータの受け取りにより、データに基づいたシステムへのエントリーが可能になり、業務の効率化につながります。しかし、相手方がPeppol形式で送信しない限り、データを受け取ることができないため、取引先のPeppol対応が重要になります。

3. Peppolの送受信を実現するためには、システムの対応が必要です。開発コスト、開発期間、難易度なども課題となる可能性があります。

4. Peppolネットワークには、Peppolでやり取りされるデータの保管機能が存在しません。しかし、Peppolでのやり取りは「電子取引」に該当するため、電子帳簿保存法に基づいた帳票の保管が必要です。

5. Peppolネットワークでやり取りされるJPPINTは、XML形式のデータです。システムとしては処理しやすいですが、人間が直接見て理解するのは困難な形式です。そのため、人間が理解しやすいフォーマットに変換する必要があります。

6. Peppol IDは、法人番号に紐づいて一意に付与されます。しかし、現在の請求業務では、工場やマーケティング部門など、さまざまな部門で請求処理が行われることが一般的です。Peppolのやり取りにおいて、これらの部門での処理をどのように扱うかが課題となります。

peppolの導入課題とinvoiceAgentメリット

「invoiceAgent 電子取引」は、上記の課題に対応できるように設計されています。

1. 請求書のみに限定されない機能を提供し、見積書や受発注の支払いなど、業務フロー全体で発生する帳票のやり取りをカバーできます。Peppolでのやり取りがまだ少ない場合でも、PDFや郵送など、他の業務ニーズにも対応できます。 

2. 取引先に無料の私書箱を提供し、Peppolの送受信を実現できる仕組みを提供しています。したがって、相手方がPeppolに対応していなくても、送受信を行うことができます。 

3. 上位システムとの連携については、CSVデータをベースに疎結合な形で利用できるようになっています。企業の規模によっては、部門ごとに異なる上位システムを使用している場合もあるため、上位システムのハブとしてPeppolサービスを利用することができます。 

4. invoiceAgent内でのデータのやり取りは、電子帳簿保存法に準拠して保管されます。そのため、別途保管の仕組みを導入する必要はありません。 

5. invoiceAgentでは、受け取ったJPPINTデータをPDF形式の請求書に変換して参照することもできます。これにより、業務担当者が請求内容や紐づく発注を確認する際にも便利です。 

6. Peppol IDは法人番号に基づいて一意に付与されますが、invoiceAgentでは、受け取ったJPPINTデータを適切な部署や担当者に割り当て、通知を行う機能を提供しています。そのため、一社での基盤として利用する際にも対応できます。

invoiceAgent 電子取引」についての詳細はこちらのページで詳しくご紹介しています。
https://www.wingarc.com/product/ia/transact/

次回のコラムでは、「invoiceAgent」によるPeppolに対応した受信・配信の仕組みについて具体的にご紹介いたします。

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