導入事例

株式会社清和ビジネス

株式会社清和ビジネス

SalesforceとMotionBoardで営業の働き方を変革
利益管理の高度化、意思決定スピードの向上に貢献

株式会社清和ビジネス
業種

サービス

“人が働く場に新しい価値を”をコンセプトに、オフィス・学校・医療機関等の空間デザインや購買支援を手掛ける株式会社清和ビジネス(以下、清和ビジネス)。同社ではこれまで、営業担当者が業務の多くをExcelで運用しており、情報活用や経営層への報告に手間がかかっていた。そうした中、SalesforceとMotionBoard Cloud for Salesforce(以下、MotionBoard)を導入。業務の効率化、意思決定スピードの向上を進めるとともに、働き方改革を実践している。

導入背景

同社では、営業情報の管理や報告がExcelベースで行われており、業務フローに多くの工数が生じていた。一部の営業部ではSFAを導入していていたものの有効活用できていない状況だった。そこで、パートナー企業の成功例を参考にして、Salesforceの導入を決定。さらに、Salesforce上で業務を完結できるようデータ可視化・分析の仕組みを必要としていた。

課題
  • 内装業界特有の「背中を見て学ぶ」という旧来の働き方が根づいていた
  • 業務に必要なデータをExcelで管理していたため、情報共有が進んでいなかった
  • 月次集計や役員会議などで使う資料の作成に時間を要し、迅速な意思決定ができなかった
解決策導入ポイント
  • Salesforceを導入して顧客データ、営業データを一元管理
  • MotionBoardを導入してSalesforce上での情報を可視化
効果
  • 販売管理システムとSalesforceとの連携により、全体の情報が見わたせるようになった
  • 利益管理が高度化し、1年先までの売上予測が可能に
  • 2人がかりで3日かかっていた経営資料の作成時間を、1人で20分程度に短縮

オフィスの構築から働き方のデザインまでを支援


 清和ビジネスは、「感動と喜びをデザインする」という経営理念のもと、働く空間のコンサルティングからデザイン・設計・工事までワンストップで提供する「企業のオフィス構築事業」と、アスクル製品を中心とした「購買支援サービス事業」を展開している。昨今では「働き方デザイン部」を組織し、人々の働き方に変革が求められる中で、最適な働く環境と働き方をデザインして「人が働く場に新しい価値」を提供。そこでの取り組みをサービスのみならずWebやオウンドメディアを通じて幅広くアピールし、日本企業の働き方を総合的に支援している。 


 顧客に働く環境の変革を支援している同社だが、建築内装という業界の中で、つい数年前までは「言わなくてもわかるだろう」「背中を見て学ぶ」という従来の働き方からなかなか脱却できず、営業時の業務プロセスや後輩の指導、新人教育など、社内業務の各所で非効率性が生じていた。  


 そこで同社では、「社員の自由な働き方を実現するための業務の可視化」と「営業の基礎体力の向上(利益追求)のための顧客DBの整備と顧客接点の構築」を掲げ、社内の働き方改革および業務効率化に着手する。特に重要視していたのが営業部門だったと、営業担当者のデジタル活用を支援している企画部 マーケティング室 室長 副参与 彦井 永子氏は、振り返る。 


企画部 マーケティング室 室長 副参与 彦井 永子氏

 業務全般で度手間が多いので科学的な営業をしていく必要がありましたその一環デジタル化による業務効率の向上です。社内のいろいろなものが見えない状態だったため、まずは情報の見える化をし、その後に情報共有の仕組みを作るという方向性で取り組みを始めました」 


Salesforceを導入し営業向けシステムと顧客DBを整備


 そこでまず、顧客DBの整備を目的として新たなシステムの導入に着手した。これまで同社では、販売管理システムからデータを引き出し、それぞれの案件や顧客などの管理・見積の作成・報告等の業務をExcelベースで行っていた。その中でIT活用状況にも濃淡があり、データの管理も属人的だったため、その都度データ入力やファイルの作成を何度も行うという非効率性が生じていた。 


 同社の営業部門は、「オフィス営業」「アスクル営業」と大きく2つの営業部に分かれており、後者ではすでに別のSFA製品を導入していたが、報告レベルでしか使えていなかったという。そこで、両営業部門ともにSalesforceの導入を検討。導入の際に参考にしたのが、オフィス向けのサービスを展開する大手パートナー企業のユースケースであった。業務範囲や導入システムの違いもあったが、開発にあたって同社から情報提供等の協力を得つつ、開発パートナーとして同社の導入を支援したアグレックス社を紹介された。 


 「我々の業務には、1件のプロジェクトが長期にわたり、何回も見積もりを出し直し、1つの見積もりにたくさんの明細が付随するといった特徴があります。そこで我々の業務に詳しいことが、パートナー選定の必須条件でした。アグレックスは業界特有の業務フローと基幹システムとのデータ連携についても理解しており、当社に適したSalesforceのカスタマイズ構築の提案をしてくれました」(彦井氏) 


 Salesforceの導入では、まず2019年からアスクル営業部でリードと商談と取引先の管理といった基本的な営業活動のフローを作って先行運用を開始。その後に、2020年からオフィス営業部において営業案件の可視化およびExcelベースだった業務をSalesforce化する取り組みに移行していった。 


Salesforceの活用を高度化するためにMotionBoardを採用


 オフィス営業部へのSalesforce導入にあたり、業務を効率化させるためのツールとして採用したのがMotionBoardだ。その大きな狙いは、業務の二度手間を省き、スピードアップを図ることである。 


前述したようにそれまで同社では、営業部内の各チームがそれぞれ個人別の売上、粗利、期中の実績と予測をExcel上で管理していた。月次で行われる経営戦略会議や役員会議の際には、各チームの数値を集計した別のExcelを作成するという作業に多くの工数をかけて事務局が行い、役員会議でも利用する資料のためスピードも求められていた。 


 「一部の営業担当者が後から前月の修正を求めたり、黙って数字を変えたりするというケースも生じました。また集計後に一部修正が入ったり、締切日時の徹底が難しかったりというケースも生じ、実績確定後には手入力で修正するという“二次締め”の作業も発生していました。そのため経営会議の判断となる確定資料の作成に時間を要し、情報共有の遅延が発生していたのです。その結果、会議前の資料展開が遅れ、最新情報が月一の定例に届けられないといった事態が発生し、次のアクションに向けた判断に遅れが生じる恐れも発生していました」と、事務局を担当する企画部 秘書室 参事 和田 春菜氏は当時の問題点を指摘する。 


企画部 秘書室 参事 和田 春菜氏

 解決策として、Salesforceに営業担当者が必要な情報を入力し販売管理システムと連携したDBを構築することで、上司への報告目的も含めた案件の進捗や売上情報の表示、顧客や内部向けに作成していた帳票類、事務局が担っていた月ごとの報告書データの表示をSalesforce上で自動的に行えるようにした。さらに、Salesforce画面上で稼働するMotionBoardのダッシュボードで、会議資料などの必要な情報を速やかに表示できるようにした。 


 同社ではBIダッシュボードを導入する際、すべてSalesforceの中で完結できる業務フローを作ることと、Excelからの脱却を目指しつつもExcelの表現や操作感は維持したいということを重視していた。その条件を満たしたのが、MotionBoardだったわけだ 


 「特にExcelの操作性を維持することに関しては、なるべく覚えることを減らしたいという思いがありました。さらに社内で運用してきたExcelファイルは、自社の業務に最適化した形で作りこまれており、会議用にA3ファイルで印刷した際もうまく全体が表示されるようになっているなど高い利便性が備わっていたため、それを維持しながら移行することを考えました」と彦井氏は語る。 


ダッシュボード上で1年先の予測が可能に


 同社のMotionBoard上では現在、物件管理と予実管理用のダッシュボードが稼働している。物件管理では、人別、チーム別、月別でフィルターを掛けると一覧が表示される仕組みになっている。画面上では、1つの長期プロジェクトに対して、契約明細や見積、月別の売上などが表示されるほか、1人の担当者がどれだけ案件を抱え、月ごとにどれだけ売上が出ているかも確認できる。 


 予実管理の画面では、物件管理に登録したデータをチーム別に自動的に集計し、上期・下期・通期の集計一覧が表示される。その際に案件の確度別にフィルターをかけて、売上の最高値と最低値のシミュレーションが簡単に行える。またSalesforce上にデータを集約したことで、従来の3ヶ月予測から12ヶ月先の予測が可能になっている。これまでの「都度部署ごと・チームごとのExcelファイルを突合・作成し、月一で過去の実績を見ながら判断する」から、「ダッシュボードを見てリアルタイムでの営業実績を見ながら判断する」という、迅速な経営判断を下せるようになった。 


 和田氏は、「約20チームの月次のファイル作成を自動化できるようになり、当方が不在の際も、Salesforceを確認すれば最新の情報が確認できるようになり、上司に報告する際にもSalesforceに入っていると言えるようになりました。営業担当者に月末までのSalesforceへのデータ入力をルール化したことで、常態化していた締め切り後の修正依頼もなくすことができました」と、その効果を語っている。 


Before:Excelで20ファイル以上を統合の上集計し、月次報告書を作成

After:Salesforceに集約したデータを基にダッシュボードを作成、自由に表示が可能に

販売管理システムとの連携で情報が全社で“見える化”


 SalesforceとMotionBoardによる新たな業務フローを社内に定着させるために企画部では、メンバーが全国を行脚しデータ入力や操作についてマンツーマン教育を実施した。こうした周知活動に加え、ExcelのUIを残した操作面の配慮や、トップダウンで情報共有や業務効率化の必要性を説くといったことが奏功し、現在では新しいオペレーションが定着している。  


 その結果、各部門の業務負担は軽減され、粗利や利益に対する意識や、業務や案件管理の精度の向上につながっている。さらに、最大の効果として彦井氏は、販売管理システムとSalesforceとの連携により、全体の情報が見わたせるようになったことを挙げる。 


 「オフィス構築のビジネスは案件が長くなるので、気づいたら利益が赤字になってしまうということも起こり得ます。仕入れすぎたり、原価がかかりすぎてしまったり、お客様の予算が減ることもある中で、営業担当者が数字を見て案件のコントロールをできるようになり、他の社内スタッフも状況を理解できるようになりました」(彦井氏) 


 またMotionBoardの導入によって、事業計画事務局チームの業務負担も大きく減った。 


「従来は、月初に2人がかりで3日かけて実施していた報告作業が、1人で20分程度でできるようになりました。また、期初の組織変更や異動に伴う作業も効率化され、2人で3日かけていた作業が、1人1日でできるようになっています」(和田氏) 



 同社では、オフィス営業部での取り組みを全社展開していくほか、マーケティング分野でも活用範囲を広めたり、Salesforceにある他部署の情報も活用しながらプロジェクトでのアサイン表をダッシュボード上で作ったりするなど、今後もSalesforceとMotionBoardの活用を高度化していく計画だ。 


Company Profile

株式会社清和ビジネス

代表者:代表取締役社長 勝本 浩史
設立:昭和37年4月
従業員数:280名
売上高:449億円(2022年7月期)
本社所在地:東京都中央区
事業内容:企業のオフィス構築、購買支援、専門施設構築支援
URL:https://www.seiwab.co.jp/

(写真左より)
企画部 マーケティング室 室長 副参与 彦井 永子氏
企画部 秘書室 参事 和田 春菜氏

導入製品

Salesforceのデータを可視化するならMotionBoard

 
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