グループ全体に変革の種をまき、   その種が育つ環境を整えることで   現場が自ら取り組む「自走するDX」が実現

Company Profile

社名:株式会社クレストジャパンホールディングス
事業内容:鶏卵及び豚肉の生産・販売 海外畜産設備及び種豚の輸入・販売 有機堆肥の製造販売
設立:1963年4月
URL:https://www.crestfarm.co.jp/
業種:その他
規模:510名(2026年2月末現在)
利用製品:MotionBoard、SVF、Dr.Sum、invoiceAgent 電子伝票、dejiren
用途:現場データ集約の効率化/各農場における豚のデータ管理化/業務改善・効率化

お話を伺った方

株式会社クレストジャパンホールディングス
執行役員 管理本部 システム企画室室長
加藤 耕基氏

株式会社クレストジャパンホールディングス
管理本部 システム企画室 技術担当部長
副島 正文氏

クレストグループ
株式会社ロッセ農場 執行役員 生産本部長
森川 和徳氏

クレストグループ
株式会社ロッセ農場 生産本部 リーダー
佐藤 直人氏

  • 脱Excel
  • DX
  • グループ展開
  • データ活用促進
  • 効率化
  • 業務効率化
  • 業務改革

鶏卵および豚肉の生産・販売を行う株式会社クレストジャパンホールディングスは、変革のきっかけとなる様々な施策を通して、現場が自主的にDXに取り組む動きを加速させています。どのような働きかけによって、DXへの理解を深め、現場が自分事として取り組むようになったのでしょうか? システム企画室とグループの養豚事業を統括する株式会社ロッセ農場に伺いました。 

※本事例で出てくるinvoiceAgent関連製品名は導入当初の製品名になります。現在はSVF Archiverに名称変更しています。

現場との緊密な交流を通してDXを推進 
「体験」をグループ全体に広げる仕組み 

株式会社クレストジャパンホールディングス(以下、クレス トグループ)は主な事業として鶏卵および豚肉の生産・販売を展開。採卵養鶏農場、鶏卵パック工場(GPセンター)、養豚農場を事業所として持ち、「より新鮮・より安全・より安心」な商品の安定供給に取り組んでいます。同グループでは2023年にシステム企画室を開設し、デジタル技術を活用したグループ全体の業務改革を進めています。 

システム企画室 室長の加藤耕基氏は

「農場などと密にコミュニケーションをとり、現場の声を聞きながら新しい技術やツールを紹介し、業務改善を行っています」

と話します。 

クレストグループの基本的なDX方針は、少子高齢化による人材不足に対応するため、入力・転記・加工などのノンコア業務の負担を軽減し、一人ひとりが本来の業務により力を注げる状態を実現することです。 

システム企画室の副島正文氏は

DX推進のためにはターゲットとなる従業員を決め、デジタル機器、ツールに実際に触れ、その体験を業務改善に活かしてもらう。さらに体験を他部署、他従業員に伝えてもらうことが有効です」

と語ります。 

こうした体験と伝播をグループ全体で進めるため、202510月より社内DXAXAI Transformation)コミュニティを始動させました。学びと実践を通して「DXAXは自分事」という意識を浸透させ、脱ExcelAI活用などの具体的改善事例を創出。ベテランの知識を形式知化することで若手が活用できる仕組みをつくるとともに、nestをはじめとする社外コミュニティでの交流・登壇などを通して視野を広げることが狙いです。 

全体定例会は週1回開催され、隔週の分科会はMotionBoardによるデータ活用、帳票のデジタル化、AIdejirenによる事務作業改善をテーマに行われています。 

「情報システム系だけでなく、現場のメンバーも多数参加しています。他社の成功事例を共有し、社内外に発信することで、井の中の蛙にならないよう心がけています。今では参加者のレベルが、データをただ見るだけでなく、どうデータを収集し、活用するかというところまで高まってきました」(副島氏)。

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副島

新しい養豚管理システムを導入することで 
リアルタイムのデータが活用できるように

クレストグループでは養豚事業を38農場で展開し、母豚の種付けから、生まれた豚の出荷まで一貫して行っています。その中で株式会社ロッセ農場(以下、ロッセ農場)はグループ全体の養豚事業を生産本部として統括しています。同グループはより良い環境と徹底した衛生管理の中、健康な豚を育て、安全でおいしい豚肉を生産することに力を注いでいます。養豚は大きく母豚の種付けと分娩を行う繁殖ステージと、子豚の育成・肥育を行う肥育ステージに分けられ、それぞれのステージでの取り組みが生産性を左右します。 

クレストグループでは新しい養豚管理システム「P-Cust(※)」を2022年に導入。現場スタッフが豚舎でハンディターミナルを使い、現在豚が何頭いて、何頭生まれ、何頭出荷予定か、種付けやワクチン接種をいつ行ったかなどのデータを入力するようになりました。 

それまでスタッフは紙にデータを記入し、1週間分まとめてパソコンで入力していたためタイムラグが生じていました。P-Cust導入によって、入力の作業負担が軽減され、リアルタイムのデータが揃うようになりました。 

ロッセ農場 生産本部の佐藤直人氏は

「リアルタイムに収集されたデータを見える化し、経営層や各農場で共有・活用できないか考えました。システム企画室と相談する中で、浮上したのがMotionBoardでした」

と振り返る。

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▲佐藤氏

MotionBoardで各農場の見える化が実現 
データを意識し、気づきを業務改善に活用 

クレストグループでは既にMotionBoardを導入していましたが、2024年に養豚部門で本格活用が開始されました。 

ハンディターミナルで入力されたデータはSQL Serverを経由して即座にMotionBoardに反映されるようになり、それまで会議などのためにExcelで行っていた集計や資料作成にまつわる作業が不要となりました。 

各データは表やグラフでわかりやすく可視化されることで、即座に重要なデータを把握することができます。たとえば売上に直結する枝肉(皮や内臓などを取り除いた骨付き状態の肉)の重量と等級(極上、上、中、並など)を元に、各農場が毎日出荷する豚に対して、良は緑、普通は黄、注意は赤と評価が一目でわかる表を作成しました。 

ロッセ農場 生産本部長の森川和徳氏は

「それまで各農場が個別でデータを管理していたため、他農場の状況はほとんどわかりませんでした。MotionBoardにより、全農場の見える化が進んでいます。データはスマホやタブレット端末で見ることができるため、私がどこにいても具体的な数字を一緒に見ながら農場長やスタッフと話をすることができる。たとえば豚の死亡や飼料代・薬品代の使い過ぎなどの問題も、データを元に原因を究明し、改善策を打てます。また、各農場が他農場の状況や取り組みを知ることで、同じ土俵に立って競い合えるようになりました。我々の養豚事業においてMotionBoardはコミュニケーションツールとしてなくてはならない存在になっています」

と話します。 

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▲森川氏

佐藤氏は隔月でグループの養豚農場のスタッフを対象にMotionBoard活用の勉強会を主催しています。 

「現場からこういうデータが見たいという要望が多数寄せられるようになり、データへの注目度が高まっているのを感じます。今後はスタッフがただデータを見るだけではなく、そこで得た気づきを日々の業務に活かせるようにしていきたい」(佐藤氏)。 

森川氏は

「各農場長が集まる農場会議での説明やシステム企画室や佐藤の現場への働きかけで、データへの意識が浸透しつつあります。今後は農場内で繁殖部門と肥育部門がデータを参照し合い、互いの改善点を見つけることで、より生産性の高い農場を実現したい」

と話しました。 

変革のきっかけづくりによって 
DXに自発的に取り組む流れが加速 

クレストグループでは養豚農場だけでなく、鶏卵パック工場(GPセンター)など様々な現場でDXが進展しています。現場の要望でSmartカメラが400台以上導入され、機器の誤作動の原因究明、Starlinkと組み合わせ携帯電話の電波が届かない採水地の監視などに活用されています。なぜクレストグループでは現場主導のDXが進んでいるのでしょうか? 

副島氏は

DXと身構えるのではなく、変革のきっかけとなる機会をつくり、その種を育てていくことこそが重要です。森川をはじめとする各部門キーパーソンへの『こういう技術もありますよ』という働きかけ、社内コミュニティで得られる体験、ハードウェアやソフト・ツールなどIT環境の充実、nestなど社外との交流を通して、現場のメンバーがDXを『自分事』と捉え、自主的にDXに取り組む流れをつくりました」

と話します。 

クレストグループではかねてから鶏卵事業部門でDr.SumSVFを活用しており、MotionBoardinvoiceAgentdejirenなどウイングアーク製品の導入・活用がスムーズに進みました。各製品の連携のしやすさが、グループ全体のDX推進に大きく貢献しています。 

現在、システム企画室には各現場から日々DX関連の様々な要望が寄せられ、その対応に追われています。 

加藤氏は

DXの進み具合は現場によって様々です。進んでいない現場が進んでいる現場を知ることで『自分も変わろう』と思ってもらうことを目指しています。また、日々増えていく現場からの要望にシステム企画室としてしっかり応えられるよう体制強化にも取り組んでいきます」

と語りました。

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▲加藤氏

クレストグループでは業務現場への働きかけによって理解を深め、現場におけるDXの「自分事化」を達成しつつあります。同グループの「自走するDX」から目が離せません。 

 

P-Custは、株式会社ポータスの製品です 

▼編集後記

現場に新しい技術を押し付けるのではなく、まずは触れてみる、体験してみる。その積み重ねが、「もっとこうしたい」という現場発の声につながっていたのがとても印象的でした。 
MotionBoard"コミュニケーションツール"と表現されていた言葉からは、DXが現場に自然と浸透し、"自分事"として取り組まれている空気感が伝わってきました。 
データを見ることが目的ではなく、データをきっかけに会話が生まれ、改善につながっていく―そんな広がりを実感する取材でした。
現場のDXを進めてい皆さまにとって、少しでも参考になれば幸いです。

カスタマーマーケティング室 大野