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ビジネス文書の「送付状」とは?テンプレートを例に書き方やマナーを解説!

帳票の基礎知識作成日:2022.11.24 更新日:2024.02.16

請求書や契約書などのビジネス文書を取引先に送る際、「送付状」と呼ばれる書面を同封することがマナーとされています。

しかし一方で、
「送付状の意味や役割は?」
「送付状の書き方に決まりはある?」
「送付状の作成・封入を効率化する方法は?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、ビジネスマナーとして押さえておきたい送付状の基礎知識や作成方法・マナーを解説します。
送付状にまつわる課題解消に有効なソリューションや事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【経理担当必見】帳票の役割と電子化のポイント

・どの帳票がどの場面で必要なのか整理したい
・紙ベースで処理している帳票を電子化して、業務を効率化したい
こんな課題を抱える経理担当者の方へ、経理部門が関わることの多い帳票の役割と、電子化する際のメリットやポイントをわかりやすく解説します。

送付状の基礎知識

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まずは基礎知識として、送付状の意味や役割について確認していきましょう。

送付状とは?

送付状とは、請求書や契約書などのビジネス文書を送付する際に同封する書面のことで、「送り状」や「添え状」、「挨拶状」、「カバーレター」とも呼ばれます。

ビジネス文書の送付方法について明確な決まりが定められているわけではありませんが、送付状を同封することはビジネスマナーとして世間一般に浸透しています。

 請求書などのビジネス文書を郵送する際に送付状を同封するケースだけでなく、FAXで送信する際に「FAX送付状」をあわせて送るケースもあります。
また、企業や事業者間でのやり取り以外にも、個人が企業に向けて履歴書を送る際などにも送付状は用いられます。

送付状を同封せずに文書を送ってしまうと、場合によっては相手からの印象が悪くなってしまう恐れがあるため注意が必要です。

送付状が果たす役割とは?

次に、送付状が果たす役割について確認していきましょう。

ビジネス文書に送付状を添えることの主な役割として、以下の2点を挙げることができます。

  • 挨拶の役割
  • 通知の役割

それぞれ確認していきましょう。

挨拶の役割

ビジネスシーンでは、本題に入る前に時候や季節の話題に触れて挨拶を交わすことが多々あります。

送付状は、そうした挨拶の役割を果たすとともに、「本来であれば手渡しすべきところを送付して申し訳ない」という気持ちを表す意味合いもあります。

通知の役割

送付状には、同封書類の内容を記載し、要件を通知する役割があります。また、場合によっては送付状で同封書類に関する補足説明を記載することもあります。

それにより、受け取った側は要件を速やかに把握することができ、同封された内容に不備がないかを確認することができます。

送付状の記載項目と書き方【テンプレートを例に解説】

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上の画像は、一般的な書類送付状のテンプレート例です。

送付状には決まった様式が存在しないため、テンプレートを使用したり、独自に作成したフォーマットを使用したりしても問題ありません。

ただし、以下のように一般的に記載すべき内容は存在します。

送付状の記載項目
  1. 送付年月日
  2. 宛名(送付先の情報)
  3. 差出人の情報
  4. 表題
  5. 挨拶文
  6. 送付内容

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    次は、送付状の記載項目と書き方について確認していきましょう。

    (1)送付年月日

    「いつ送付した書類なのか」を明確にするため、送付年月日を記載しましょう。
    送付年月日は西暦・和暦のどちらでも問題ありませんが、同封書類で書式がバラバラにならないよう、社内で書き方を統一しましょう。

    (2)宛名(送付先の情報)

    「誰に宛てた書類なのか」が伝わるよう、宛名として送付先の情報を記載します。
    送付先の会社名を正式名称で記載したうえで、担当部署名や担当者名がわかっている場合にはあわせて記載しましょう。
    宛先が担当者名の場合には「様」を、会社名や部署名の場合には「御中」を敬称として記載します。

    (3)差出人の情報

    「誰が送付した書類なのか」が伝わるよう、差出人の情報を記載します。
    会社名や担当者氏名はもちろん、会社住所や電話番号、FAX番号などの連絡先も記載しておきましょう。

    (4)表題(タイトル)

    「何に関する送付状なのか」を明確にするため、表題(タイトル)を記載しましょう。
    「書類送付について」のように、端的に内容が伝わるような表題を付けましょう。

    (5)挨拶文

    挨拶文は、「前文」・「主文」・「末文」の3部構成が基本です。

    また、挨拶文の前には頭語として「拝啓」を、後には結語として「敬具」を記載するのが一般的です。

    前文の例

     前文では、本題の前置きとして以下のような挨拶をします。

    • 平素は、格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございます。
    • 貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

    本文の例

    本文では、送付内容について以下のように言及します。

    • この度の納品に関しまして、下記の通り請求書を送付いたします。
    • この度、貴社の採用情報を拝見し、下記の通り応募書類を送付させていただきます。

    末文の例

    末文では、以下のような文章で締めくくります。

    • ご査収の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
    • 今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

      (6)送付内容

      実際の送付内容として、文書の種類と数量を箇条書きで記載しましょう。

      たとえば、見積書とあわせてパンフレットを送付する場合には、以下のように記載します。

      • 見積書 1部
      • パンフレット 1部

        受け取り側が同封書類に不備がないかを確認できるよう、文書の種類・数量に誤りがないよう注意しましょう。

        また、送付内容の上部中央には「記」、右下には「以上」と記載し、送付内容の範囲を明確にするのが一般的です。

        送付状のマナーや注意点

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        次に、送付状にまつわるマナーや注意点を確認していきましょう。

        送付状のフォーマットを統一する

        送付状に決まった様式はありませんが、フォーマットは社内で統一するべきです。

        送るたびに送付状のフォーマットが異なる場合、相手先の混乱を招いてしまう恐れがあるほか、都度作成する手間や入力ミスが発生するリスクも大きくなってしまいます。

        A4サイズで作成するのが一般的

        送付状はA4サイズで作成するのが一般的です。

        ビジネス文書の多くはA4サイズであり、同封する書類とのサイズのバラつきを防ぐためにもA4サイズを用いるのが好ましいと言えます。

        送付状の内容と同封書類が一致しているか確認

        書類を封入する前に、付状に記載された送付内容と、同封書類の内容が一致しているかを確認します。

        宛先はもちろん、文書の種類や数量が一致していることを確認してから封入しましょう。

        送付状が1枚目になるように封入

        送付状を封筒に入れる際は、書類の1枚目に送付状がくるように封入します。

        こうすることで、封筒を開けたときに最初に送付状が目に入り、送られてきた書類の概要を速やかに把握することができます。

        送付状が不要なケースとは?

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        ここまでは、送付状の役割や書き方、マナーについて説明してきました。

        ただし、送付状は書面でのやり取りを前提とした慣習であり、以下のようなケースでは送付状が不要です。

        送付状が不要なケース
        • 書類を対面で手渡しする場合
        • メールで文書を送付する場合
        • 電子帳票サービスなどを利用する場合

          それぞれ詳しく確認していきましょう。

          書類を対面で手渡しする場合

          書類を対面で手渡しするような場面では、送付状を別途用意する必要はありません。

          先述したように、送付状には挨拶の役割があり、「本来であれば手渡しすべきところを送付して申し訳ない」という意味合いが含まれます。
          書類を対面で手渡しするのであれば、その場で挨拶することができますし、書類の内容について説明したり補足したりすることもできるため、送付状は不要です。

          メールで文書を送付する場合

          メールに請求書などの文書データを添付して送付する場合、別途送付状を用意する必要はありません。
          なぜなら、メールの本文で送付状の内容を記載することができるためです。
          従来、送付状に記載していた挨拶文や添付内容に関する通知、補足情報などをメールの本文に記載して取引先に送信しましょう。

          メールに添付する文書は、Word(ワード)やExcel(エクセル)などの形式ではなく、PDF形式に変換して送信しましょう。
          PDFデータとして送ることで、WordやExcelなどの形式よりも改ざんが困難であり、不正防止につながります。

          ただし、近年ではメールにパスワード付きzipファイルを添付して送信する手法、いわゆる「PPAP」の脆弱性が指摘されており、メールによるデータ送信・共有を禁止にする企業も増えつつあります
          セキュリティ面を重視するのであれば、後述する「電子帳票サービス」などの利用をおすすめします。

          電子帳票サービスなどを利用する場合

          インターネットを介して帳票を送受信する「電子帳票サービス」や、インターネット上で契約手続きを行う「電子契約サービス」を利用する場合も、送付状は不要です。

          近年、テレワークの普及やDXの活発化、電子帳簿保存法の改正などにより、電子帳票サービスや電子契約サービスを導入してペーパーレス化に取り組む企業が増えつつあります。

          こうしたサービスを用いることで、送付状の作成や封入といった作業を省略できるほか、以下のようなメリットが期待できます

          • 業務の効率化・自動化
          • 文書管理の負担軽減
          • 印刷・郵送コストの削減
          • 郵送によるタイムラグの解消
          • テレワークへの対応
          • DX推進基盤の構築

          etc.

          以下の記事では、電子帳票のメリットやサービス・システムの選び方について解説しています。あわせてお読みください。

          送付状不要!取引や契約の効率化なら「invoiceAgent」

          次は、送付状の手間を解消し、取引や契約の効率化を実現するソリューションとして、ウイングアーク1stが提供する「invoiceAgent(インボイスエージェント)」をご紹介します。

          企業間取引の電子化なら「invoiceAgent 電子取引」

          「invoiceAgent 電子取引」は、企業間取引の電子化を実現するソリューションです。

          PDF形式の請求書や支払通知書などをアップロードするだけで送受信を行うことができ、ひとつのプラットフォーム上で複数の企業とのやり取りを完結することができます。

          また、電子帳簿保存法の電子取引要件を満たしているほか、2023年10月から開始するインボイス制度に対応する機能も実装予定となっているため、各種法令に準拠した運用が可能です。

          契約業務の電子化なら「invoiceAgent 電子契約」

          「invoiceAgent 電子契約」は、企業間の契約手続きを電子化するソリューションです。

          契約書の作成や社内確認、署名という一連の作業をクラウド上で完結することができ、面倒な契約手続きの効率化・迅速化を実現します。

          また、ウイングアーク1stが立会人となって電子署名とタイムスタンプを付与し、書面の契約書と同程度の法的証拠力を担保します。

          「invoiceAgent」で企業間取引を効率化した事例

          最後に、「invoiceAgent」で企業間取引の効率化に成功した企業事例をご紹介します。

          請求書のWeb配信化により作業時間を3分の1に短縮(アスノシステム)

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          「会議室.COM」をはじめとしたサイト運営事業を展開するアスノシステム株式会社は、「invoiceAgent」の導入により請求書のWeb配信を実現しています。

          「invoiceAgent」の導入以前、同社では案件管理に利用していたSalesforceと帳票基盤ソリューション「SVF Cloud」を組み合わせ、帳票をSalesforce上で発行できる仕組みを構築していました。

          しかし、コロナ禍に突入したことで請求書のデータ送付のニーズが高まり、郵送とメールによる送付作業の負担が増加していきました。

          そうした問題の解決策として、「invoiceAgent」によるWeb配信の仕組み構築を決断。

          Web配信に切り替えたことで、請求書発行の作業時間が従来の3分の1まで短縮するなど、大きな成果を実感しています。

          ▼事例詳細はこちら
          アスノシステム株式会社のinvoiceAgent導入事例をもっと見る

          請求書のWeb配信で業務効率化・迅速化を実現(JFEスチール)

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          世界有数の鉄鋼メーカーとして知られるJFEスチール株式会社は、「invoiceAgent」で請求書をWeb配信する仕組みを構築し、請求業務の効率化に成功しています。

          同社では従来、請求業務を紙ベースで運用しており、請求書の発送や問い合わせ対応などは人手で行っていました。

          しかし、コロナ禍でテレワークに移行する企業が増えるなか、書面ではなくデータでの送付を希望する取引先が増えたことで請求業務が煩雑化していました。

          また、「20日締め月末払い」という鉄鋼業界の商習慣により、請求書の発行から入金額の確認までを短期間で行う必要があり、郵送で発生するタイムラグが課題となっていました。

          そこで同社は、「invoiceAgent」を導入して請求書をWeb配信する仕組みを構築。

          「invoiceAgent」の導入により、請求業務の負担が軽減されたほか、請求情報がリアルタイムに取引先に届くようになり、業務効率化と迅速化を実現しました。

          ▼事例詳細はこちら
          JFEスチール株式会社のinvoiceAgent導入事例をもっと見る

          まとめ

          今回は、ビジネスマナーのひとつである送付状に注目し、その意味や書き方、マナーなどを紹介してきました。

          記事内でも紹介した通り、電子帳票サービスや電子契約サービスを利用することで、面倒な送付状の作成・封入作業を省略できるだけでなく、さまざまなメリットが期待できます。

          書面による取引・契約に課題を感じている企業は、今回ご紹介した情報も参考に「invoiceAgent」によるペーパーレス化を検討してみてはいかがでしょうか。

          【経理担当必見】帳票の役割と電子化のポイント

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