導入事例

JFEスチール株式会社

請求書のWeb配信で自社と取引先の業務負担を削減
全社展開と電子帳簿保存法への対応を推進

導入製品
業種
製造
投稿日
2022.02.17

世界有数の鉄鋼メーカーであるJFEスチールは、ウイングアークの「invoiceAgent TransPrint」を導入し、営業総括部門における請求書のWeb配信を実現した。請求業務を効率化するとともに、2022年1月に改正された電子帳簿保存法(電帳法)への対応にも効果を発揮している。

導入背景
新型コロナウイルス感染症の影響下で自社と取引先がテレワークに移行する中、取引先へ紙で送っていた請求書をデータで送付するニーズが増え、営業総括部にデータ分割・送信の負荷がかかっていた。また全社的に、業務上の承認・確認作業における押印廃止やペーパーレス化を推進する計画があった。

課題
  • 新型コロナウイルス感染症の影響下で請求書を電子データで受領したいという取引先の需要が増加し、対応する営業総括部のメンバーに新たな負担がかかっていた
  • 20日締め月末支払いという鉄鋼業界特有の商慣習があり、短期間で請求書の送付から入金額の確認までを行う必要があった
  • 2022年1月に電帳法が改正されるのを機に、電帳法への対応を検討していた
解決策導入ポイント
  • invoiceAgent TransPrint導入による請求書のWeb配信を実現
  • タイムスタンプオプションで電帳法の保存要件に対応
  • 帳票データをinvoiceAgent 文書管理に格納、取引先別に自動仕分け
効果
  • 請求書のWeb配信により、請求書発行日当日に取引先へ請求情報が届くようになった
  • 取引先の関係者へ一斉配信できるため、取引先においても出社せずともデータ確認やスムーズな社内展開が可能となった
  • 電帳法対応への基盤を整備できた

請求書発行からWeb配信までの流れ

新型コロナウイルス感染症の影響下で請求書の電子化対応依頼が急増


 JFEスチールは、鉄鉱石を原料に最終製品の生産までを一貫して行う世界有数の鉄鋼・高炉メーカーである。従来からグループ全体でICT活用にも力を入れており、2020年にはDX推進拠点「JFE Digital Transformation Center」を国内鉄鋼業界で初めて設立。その取り組みが評価され、JFEホールディングスとして7年連続で経済産業省と東京証券取引所が認定している「DX銘柄」に選定されている。


JFEスチールでは製品ごとに複数の営業部があり、各営業部が製品を販売し各工場より製品が出荷されると請求金額情報が営業総括部に集約され、代金の取りまとめと取引先への請求作業を営業総括部が行っている。代金業務は主に紙での業務であり、請求書の発送や問い合わせへの対応などを人手で行っている。その状態に加えて新型コロナウイルス感染症の影響下での出社制限により取引先からのデータ送付需要が高まり、負担が強いられることになった。


 「社会全体で出社ができない状態だったので、請求書を送付する側も受け取る側も会社の規定で出社できなくなり、先方から紙ではなく電子データで欲しいという需要が増加しました。その中で、出社して連続帳票で出力されるデータを依頼のあった取引先ごとに分割し、PDF化して送る作業がかなり負担になりました」と、営業総括部 営業総括室の大沢 由布子氏は当時を振り返る。


営業総括部 営業総括室 大沢 由布子 氏

遅れが許されない高額な鋼材代金の請求


 また、もう1つの解決すべき課題として挙げられたのが鉄鋼業界特有の複雑な決済条件である。営業総括部 営業総括室 浅沼 千恵子氏は、次のように話す。


 「歴史的な経緯もあり、今も20日締めという商慣習が残っています。早いものでは20日前後に売上を締め切って月末の銀行最終営業日にお支払いいただくものがありますが、スケジュールがタイトなため請求書発行日にわざわざ当社に請求書を取りに来る会社もあるほどです」(浅沼氏)


営業総括部 営業総括室 浅沼 千恵子 氏

 鋼材は扱い規模が大きく、取引先1社あたりの金額が高いので、入金手続きが遅れると大問題になる。鋼材代金の請求書が発行されてから支払い期日まで時間がないので、早急に請求書を送らなければならず、先方も早く中身を確認しなければならない。そして齟齬があった場合は、双方での確認作業が発生する。さらに、オリンピックの開催で渋滞が発生する懸念や、郵便法の改正で普通郵便などの土曜日の配達の取りやめなどで、原本がタイムリーに相手に届かないというリスク要因が増加していた。


 invoiceAgent TransPrintの導入を担当したIT改革推進部の西村 智氏は、当時の営業総括部の労働状況について次のように語る。


 「全社的に在宅勤務に切り替わる中で、営業総括部の担当者には郵送業務のための出社が発生し負荷がかかっていました。そこで以前から会社として脱ハンコやペーパーレス化を推進していたこともあり、全社展開を視野にまず営業総括部から請求書をWebで配信する仕組みを導入することにしました」(西村氏)


IT改革推進部 西村 智氏

取引先の目線でも使いやすいユーザービリティの良さが決め手に


導入にあたっての主な要件は、


①新型コロナウイルス感染の影響下での短期導入が可能であること
②帳票データをPDF化して大きな1つの連続帳票として管理していたため、帳票を取引先ごとに分割して自動でフォルダに仕分けでき、メールを自動送付して先方がダウンロードできること
③実際に利用するユーザーが設定やオペレーションを支障なくできるユーザービリティの良さがあること
④改正電子帳簿保存法を見据えて、発行した請求書の日付、取引金額、取引先という3つの項目で検索できること


という4点であった。これらの要件で2社のツールを比較し、両製品のトライアルを実施した結果、ウイングアークのinvoiceAgent TransPrintを採用した。


 採用理由として西村氏は、機能面の充足を挙げる。「invoiceAgent TransPrintは、連続した帳票を切り分ける仕組みを標準で導入できました。他にも、電帳法対応で必要な項目をOCRで取得する形を想定していたなかで、タイムスタンプオプションやOCRが製品内に備わっていたことが決め手になりました」(西村氏)


 また大沢氏は、現場ユーザーの視点からメリットを語る。「格納したファイルの検索方法が容易で、管理しやすい構造になっていると思います。メールアドレスの登録数も1社あたり10件まであるのですが先方で登録者を管理して変更もでき、やり方も分かりやすいと仰っていただきました。我々にとってもお客様にとっても使いやすいシステムだと思っています」(大沢氏)


テスト環境をそのまま活用して短期導入


 導入にあたっては、トライアルのテストを2020年10月から12月の間に実施。翌2月から導入作業を開始し、先行導入のグループ会社5社で4月上旬に稼働、5月上旬に全社(57社)で稼働を開始した。「他社製品と違ってトライアル環境が本番環境と一緒のものだったので、ツールの利用はトライアルをする中で習得でき、設定作業のやり直し程度で済みました。カスタマーサクセスの導入支援では、専任の方についてもらい、こちらからの質問やリクエストに対してレスポンス良く回答してもらえたことで、遅延なくスムーズに導入を進めることができました」(西村氏)


 現場で導入を担当した大沢氏は、「マニュアルのシステム用語に慣れず最初は苦労しましたが、設定自体は分かりやすく修正も簡単です」と話す。グループ会社への展開については、マニュアルを社内用に編集して一緒に送付したことで、特に問い合わせもなかったという。


電帳法対応のタイミングで原本を電子化


 さらに大沢氏は、先方の業務プロセスに与える影響についても言及する。以前はデータで送るときはメール添付だったが、その場合セキュリティ面で問題もある上に、窓口の担当者にしか連絡できなかった。


 「invoiceAgent TransPrintを導入したことによって、先方が送付先のアドレスを複数指定できるので、先方も自社展開しやすくなりました。取引先によっては、支払部署と内容を確認する部署が異なるということもあるのですが、その際一斉に関係者へ配信できます。それが便利な機能だと思います」(大沢氏)


 invoiceAgent TransPrint導入後、現状では原本が紙のため帳票の郵送は続いているが、帳票データをinvoiceAgent 文書管理に格納するまでの時間がほとんどかからないため、従来より確実に負荷が減っているとのことだ。


 また、浅沼氏は「短期間で請求のやり取りをする中で正確な数字を相手に早く届けなければならないというプレッシャーから解放された心理面での影響が大きいです。原本が電子化されればもっと便利になると思います。原本の切り替えは、電帳法対応のタイミングを機に、早い段階で導入したいと考えています」と話す。


今後の全社展開と他業務への拡大に期待


 営業総括部では現在、販売代金請求書、入金予定表、請求明細表、金利関係書類といった月間1,100枚の請求関連帳票をWebで配信している。そのほか、原料企画室でも検収書などの帳票に活用している。今後は、請求書など取引書類を郵送している部門・システムへ展開する計画で、取引関連文書以外にも、ニーズを発掘し取引先とやりとりしている帳票・文書への利用拡大を進めていきたいと西村氏は語る。


 「今後、各部門システムへの適用も十分可能と考えており、invoiceAgent TransPrintの社内展開を提案していきます。ほかにもニーズがあれば、API が用意されているので基幹系システムや他のクラウドサービスともつなげていきたいです。新型コロナウイルス感染の影響下で請求業務を電子化した企業が増えていて、先方が使っている他社のサービスにデータを上げてほしいと要望されることもあるので、他社クラウドとのつなぎがスムーズになることを期待しています」(西村氏)


 現場では、今後のinvoiceAgent TransPrintのさらなる適用範囲の拡大の可能性を見据えている。


 導入後に営業総括部に異動してきたという浅沼氏も、「初見でも分かりやすく、かゆいところに手が届く良いシステムだと感じました。以前は鋼管の営業部にいたのですが、各営業部でお客様と取引をする時のサービスとしても使えるかもしれないと感じています」と、それぞれの視点で期待を寄せている。


 JFEスチールでは今後もinvoiceAgent TransPrintの社内展開と適用範囲の拡大を進め、さらなる帳票のデジタル化と業務効率化の推進に取り組んでいく。


Company Profile

JFEスチール株式会社

設立 :2003年4月
所在地 :東京都千代田区
事業内容 :高炉を所有し、鉄鉱石を原料に最終製品の生産までを一貫して行う鉄鋼メーカー(高炉メーカー)。世界トップクラスの鉄鋼生産規模を有し、顧客や社会のニーズに応える鉄鋼製品をグローバルに提供している。
URL :https://www.jfe-steel.co.jp/

写真左より:
IT改革推進部 西村 智 氏
営業総括部 営業総括室 大沢 由布子 氏
営業総括部 営業総括室 浅沼 千恵子 氏

導入製品

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