導入事例

DASH Engineering Philippines

DASH Engineering Philippines

DASHエンジニアリング・フィリピンが手厚いオンサイトサポートでDr.Sumを導入
22部署から届く週次報告の運用・管理を効率化

DASH Engineering Philippines
製品
業種

機械・電気機器

フィリピン・セブに拠点を置くDASH Engineering Philippines(以下、DASH)は、三井E&Sの100%子会社としてプラントエンジニアリングの設計業務を行っている。これまで22の部署から提出されるプロジェクトの週次レポートをExcelで管理していたが、進捗把握や前週との比較は容易ではなかった。そこで、ウイングアークの現地パートナーであるN-PAX Philippines inc.(以下、N-PAX)の提案を受け、手厚いオンサイトサポートによりDr.Sumを導入。これにより、レポート提出状況や内容を簡単に確認できるようになり、プロジェクト管理の効率が大幅に向上した。今後は、直接エンジニアの空き状況を確認できる要員検索システムの導入を計画している。

導入背景

課題
  • 22部署からExcelファイルをメールで受け取る方式だったため、誰からいつレポートが届いたのか把握が困難だった
  • 過去のレポートと最新のレポートを比較する際にメールを確認する必要があり、作業が非常に煩雑だった
  • 各部署でのレポート作成のプロセスが不明なため、正確性や詳細さに不安があった
解決策導入ポイント
  • 導入パートナーとの間には約20年に及ぶ信頼関係があり、過去の導入実績から今回も安心して任せられると判断した
  • 導入パートナーはアジア圏に拠点があり、現地でのオンサイトサポートが受けられる安心感が大きかった
  • 既存の作業フローをできるだけ変更せず、週次報告をシステムにアップロードするだけの簡単な操作で済むよう設計した
効果
  • 各部署の状況がすぐに把握できるようになり、進捗管理が容易になった
  • 部門リーダーが担当者から受け取ったレポートの内容まで経営層が直接確認できるようになり、詳細な状況把握が可能になった
  • システムを通じて部門リーダー同士が直接コミュニケーションを取れるようになり、部門間での支援など連携の強化も実現

22部署のリーダーから届く、週次レポート管理の課題


 DASHはフィリピンのセブに拠点を置き、日本の三井E&S(旧三井造船)の100%子会社として1992年に設立された。現在同社では引き続き三井E&S向けに機械事業の設計業務をサポートしながら、プラント機械の設計については、日本や欧米の企業に外販も行っている。 


 DASHの社員数は約400人で、そのうち360人がエンジニア、40人が管理部門に所属している。部署は22に分かれ、さまざまなプロジェクトを進めている。社長の志賀 浩治氏は、全社のプロジェクトの進捗を把握することに大きな負担を感じていた。 


 「22の部署のリーダーから、Excelファイルで週次のレポートが個別のメールで届きます。そのため、誰からいつレポートが届いたのか把握するのが難しい状況でした。また、先週のレポートと今週のレポートを比較する際には、過去のメールを一つ一つ確認しなければならず、その処理が非常に煩雑でした。そこで、レポートを1つのシステム内で完結させたいと考えました」(志賀氏) 


DASH Engineering Philippines 代表取締役社長 志賀 浩治 氏

 週次レポートでは、各部署のリーダーが管轄するプロジェクトの進捗予測や実績を記し、スケジュールが遅れている場合や時間がかかりすぎている場合にはその情報も含まれている。リーダーたちはメンバーから情報を集めてレポートにまとめる。このレポートは、志賀氏だけでなく、品質保証部のリーダーであるLeslie Batulan氏(以下、バツラン氏)にも届く。以前のプロセスでは、レポートに問題があると、バツラン氏が各リーダーに問い合わせを行う形で進められていた。 


 従来のやり方の問題点について品質管理部 リーダーのバツラン氏は「リーダーごとに報告書の形式が異なり、標準化が困難でした。また、過去の報告書の追跡や取得に苦労し、複数部署が関わるプロジェクトの進捗把握も困難を極めました。週次レポートの作成は、リーダーによっては1~2日もかかることがあります。誰が報告を出していないかを確認するために一つ一つチェックする必要があり、時には未提出を見逃してしまうこともありました」と語る。 


品質管理部 リーダー レスリー・バツラン 氏

フィリピンでのオンサイトサポートが受けられるDr.Sumを選定


 志賀氏がこの課題解決を相談したのが、DASHの長年の開発パートナーでありフィリピン国内に3拠点を置くN-PAXである。N-PAXはウイングアークのシンガポール現地法人であるウイングアークシンガポールと事業提携しており、ウイングアークのデータ分析基盤とN-PAXが提供する人事管理システムなどとの強力な連携が可能だった。 


 志賀氏はN-PAXが主催するウェビナーで、データ分析基盤「Dr.Sum」を知り、これを活用した週次レポートのシステム化の提案を受けることとなる。N-PAXはDASHに対し、これまでも日次作業実績を記録するシステムを提供していた。その情報や部門リーダーが管理する作業計画を基に、Dr.Sumを使って週次レポートを一括管理できるシステムを構築できると考えたのだ。 


 「Dr.Sumについて知り、世の中には便利なツールがあるのだと感じました。N-PAXと当社は20年来の付き合いがあるため、信頼しています。ですから、Dr.Sum導入にあたって他社製品との比較検討はしませんでした。まずスピード導入して問題があれば後から対処すればいいという方針です。現地パートナーによりオンサイトサポートが受けられる安心感も大きかったですね」(志賀氏) 


 2023年1月に志賀氏はN-PAXにDr.Sumを用いた週次レポートのシステム化を正式に相談した。2月から両社で開発要件を話し合い、4月からシステム開発が始まった。Dr.Sumはデータベースとして機能し、関連するすべてのデータを収集・分析する。N-PAXでは、求められる動作についてアプリケーション開発を行なった。 


 DASH側で本件の担当者となったバツラン氏は「N-PAXが作成したプロトタイプを実際に使い、社長や他のリーダーの意見も取り入れながら、ユーザーニーズと開発要件を整理しました。開発期間中はN-PAXと密接に連携し、最初の3ヶ月は週3~4回のペースで進捗確認を行っていました」と振り返る。 


 週次レポートシステムは、リーダーがレポートのExcelファイルをシステムにアップロードし、それをシステム上で一元管理する仕様となった。構築にあたり、志賀氏がこだわったのは、必要なデータがすぐに見られ、詳細データは下の層に入れるという、見た目で欲しい情報が一目でわかる一覧を作ることだった。バツラン氏は週次レポートを提出する部門リーダーの一人でもあるため、リーダーが扱うExcelファイルの標準フォーマットを作成するなど、新たな運用ルールを定めるにあたり重要な役割を果たした。 


 「部署のリーダーたちと数多くの調整を行いました。例えば、電気関係ならこのコード、配管ならこのコードといった形で、それぞれの分野に合わせてコードを設定しました。システムの大部分はN-PAXが準備していたので、私は、仕様やコンセプトを伝えるだけでスムーズに開発を進めることができました」(バツラン氏) 


顧客満足度向上につながる確実な納期管理を実現


 2023年11月には、週次レポートのシステムが完成し、部門リーダーへのトレーニングを経て、本格運用が始まった。運用後もいくつかの課題が生じたが、パートナーのN-PAXと共に一つひとつ解消していった。バツラン氏は「一部のアプリケーションが原因で、処理が非常に重くなるという問題が起きたことがありましたが、Dr.Sumのバージョンアップで解決しました。何か問題が発生しても、N-PAXに相談すればたいていの場合1~2日以内に解決します」と話した。 


システム構成

 週次レポートシステムの稼働後は、以前のような煩雑さが解消されている。Dr.Sumに集約されたデータは、Microsoft Excelのアドインとして動作する「Dr.Sum Datalizer for Excel」によって、各担当者が容易に確認できるようになった。その効果について志賀氏は「レポートの提出状況がすぐに把握でき、プロジェクトごとの部署間比較も容易になりました。分かりやすいUIでメンバーが記した報告の根拠まで直接確認できるようになり、いままでのように問い合わせをしたり、手間のかかる調査がなくなりました。作業時間の短縮はもちろんのこと、何より心理的な負担が大幅に軽減されました」と話す。 


 レポートの透明性や社内のガバナンスも高まっている。これが事業に与える影響として志賀氏は「レポート作成プロセスの透明性が高まり、全体の質が向上したと感じています。私たちが提供する設計業務では、スケジュール、予算、品質の3点が重要となります。新たなレポートシステムにより、これらの要素を毎週確実に管理・確認できるようになり、お客様への約束を守りやすくなっています」と述べた。 


仕事を依頼するパートナーが現地にいるという安心感


 ウイングアークが、N-PAXのようなパートナーとともに、海外の事業者を支援していることについて志賀氏は「仕事を頼むその相手が現地にいるというのはすごく安心で、大きなアドバンテージだと思います」とコメントする。 


 「現時点で我々が依頼した要望はすべて実現されており、Dr.Sumはデータの統合や処理に十分対応できていますが、さらにさまざまな要望やトラブルに対応してくれるサポート力を評価しています。オンラインの支援だけでなく、オフィスに来て対応してくださることも助かっています。システムを止める際も各所の調整が必要で、現地で作業が必要になる場合もあるため、共に伴走してくれる安心感が、さらにデータ活用を加速させていると感じます。」と話した。 


 週次レポートシステムによって、進捗管理の課題を解消したDASHの次の一歩は、要員検索システムの実現だ。Dr.Sumを使って、エンジニアの空き状況をリアルタイムに把握できる仕組みを構築しよう、と、さらなる利便性向上に向けた構想を語った。


Company Profile

DASH Engineering Philippines

設立:1992年
所在地:フィリピン・セブ(3rd Floor, PPC 24 Building, The North Park, United Nation Avenue, Alang-alang, Mandaue City, Cebu 6014)
事業内容:三井E&S(旧三井造船)の100%子会社として1992年に設立。フィリピン・セブに拠点を置き、プラントエンジニアリングの設計業務を主に行う。社員数は約400名で、うち360名がエンジニア。機械設計、プラント設計、造船設計を手がける。
URL:https://www.dash.com.ph/

(写真左より)
DASH Engineering Philippines 代表取締役社長 志賀 浩治氏
品質管理部 リーダー レスリー・バツラン氏

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