

エレコム株式会社
営業マネジメントボードを3ヶ月で構築
営業活動の強化と月100時間以上のレポート作成工数を削減

- 製品
- 業種
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機械・電気機器
パソコン周辺機器やタブレット、スマートフォンの関連製品の開発・販売を手掛けるエレコム株式会社(以下、エレコム)では、「MotionBoard」を導入し、わずか3ヶ月で一連の営業活動フェーズを可視化するダッシュボードを構築した。これにより、30名近くの営業マネージャーが同じ指標を見て活動できるようになり、課題分析や受注プロセスの改善に生かせるようになった。
導入背景
- 課題
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- レポートがシステム毎にばらばらだったため、複数のレポートを手動で集計・統合するために営業全体で月100時間以上の工数と労力を要していた
- 営業担当ごとにレポートのフォーマットが異なり、部門全体での定点的なKPI観測や比較、課題分析が難しかった
- 解決策導入ポイント
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- 営業・マーケティング領域において豊富なテンプレートを有するMotionBoardを短期間で導入
- ウイングアークの導入ソリューションであるData Empowerment Solution(DES)を活用し、作業負担の大きいデータプレパレーションを委託
- 効果
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- 一連の営業活動フェーズのデータをMotionBoard上に集約し一元的に可視化することで受注プロセスの改善に生かせるように
- ワンクリックで統合されたレポートが出てくるようになり、のべ80名の営業担当がそれぞれ週20分かけていた時間がゼロになり、営業全体で月100時間以上のレポート作成工数を削減
- Excelでは出来なかった差分比較も簡単になり、30名近くの営業マネージャーが同じ指標を見て活動できるように
営業活動に関するデータ・レポートが分散し、営業プロセス全体の分析・可視化が課題に
エレコムは、独自の技術とノウハウを生かし、パソコン周辺機器やタブレット、スマートフォンの関連製品の開発・販売を手掛けている。製品点数は約17,000を誇り、年間の新製品開発数は2,000以上におよぶ。それらを全国の販売網を通して展開することで、顧客の多種多様なニーズに迅速に対応している。家電量販から通販・新規ルートへ拡大したBtoC事業に加え、近年では企業の課題解決を行うBtoB事業に注力し、暮らしのITから社会インフラまで幅広いソリューションを提供している。
同社の法人営業部門では、法人チャネルの開拓に力を入れ、以前からSFA(営業支援)ツール、MA(マーケティング・オートメーション)ツール、名刺管理ツールなどの様々なシステムの導入が進められてきた。しかし一方で、レポーティングに関する課題を抱えていたという。
「様々なシステムの導入が進み、営業活動のプロセスが便利になっていった一方で、各サービスのデータをそれぞれにレポーティングすることしか出来ず、営業プロセス全体においてどこに課題があるか判断しづらい状態でした。そのため『結果良ければ全て良し、悪ければ頑張っていこう』という世界になりがちでした。」と話すのは、同社の営業本部 営業企画課 法人営業企画チーム 三木 孝仁氏だ。

それらの複数のレポートを手動で集計・統合するには相当な時間と労力がかかっていた。加えて、各営業担当は独自のレポートで個別に分析をしていたため、営業企画という立場から全体を捉え、定点的なKPI観測や、部門ごとの比較などの分析が難しくなってしまっていた。
こうした課題に対し、三木氏は各システムに分散するデータを統合・可視化するツールが必要だと考えた。
「SFAにデータを統合して可視化することも検討しましたが、ダッシュボードの機能が少なく望んだ見せ方ができなかったため断念しました。既存のBIツールへの統合も考えましたが、基幹システムの改修が必要となり、大きなコストと時間がかかるためこちらも諦めざるを得ませんでした」(三木氏)
そこで、各システムのデータを統合して望む形で可視化でき、かつスピーディーに導入できる新たなツールを探した結果、MotionBoardに行き着いた。
豊富なテンプレートと柔軟なデータ取り込みフローが決め手に
キックオフからわずか3ヶ月で本番リリース
MotionBoardの選定理由として三木氏が挙げるのがウイングアークの提供するソリューション「Data Empowerment Solution(DES)」だ。DESは、営業・マーケティング領域の豊富なテンプレートと、テンプレートに連携するためのデータ加工サービス(データプレパレーション)をセットで提供しているもので、以下の2点を高く評価している。
1点目は、ダッシュボードの豊富なテンプレートだ。営業パイプラインの推移を案件確度別またはステータス別で確認できるダッシュボードなど、営業活動を強化するための実践的なテンプレートが用意されていたため、すぐに自分たちのやりたいことが実現できるイメージが湧いたという。ユーザーとなる営業現場からも、これなら使えそうという声が挙がった。
2点目は、柔軟なデータ取り込みフローだ。「Data Empowerment Solution(DES)」と呼ばれるソリューションを利用することで、MotionBoardで可視化する前処理となるデータの正規化(データプレパレーション)部分をウイングアークへ委託した。実は、データプレパレーションはデータ加工に関する技術が求められ、作業負担も大きいことから BIツールの導入でつまずきやすいポイントと言われている。DESを利用することで作業負担の大きい部分を委託できることも魅力的だった。
エレコムでは、ツールの検討開始から9ヶ月、キックオフからわずか3ヶ月という短期スケジュールでダッシュボードの実装を完了した。現在はSFAとMotionBoardを連携し、2つのダッシュボードを運用している。
「テンプレートのおかげで最初から活用イメージが固められていたため、テンプレートをベースにα版を作成し営業現場へヒアリング、フィードバックを反映することで素早く本番リリースができました」(三木氏)
通常のツール導入であれば少なくとも半年から1年の期間を要することも多いが、MotionBoardについては既にテンプレートが用意されていたこと、作業負担の大きいデータプレパレーションを委託できたことから、短期間での導入を実現できたと三木氏は振り返る。
データを集約して一連の営業活動フェーズを一元的に可視化
こうして、リードジェネレーションからナーチャリング、商談、受注までの一連の営業活動フェーズを、MotionBoard上にデータを集約して一元的に可視化できるようになった。
主に利用しているクロージングオペレーションのダッシュボードでは、売り上げ実績から数字の着地見込み、目標までの差分が一目で分かるようになった。ステータス別の案件内容も同じ画面上でドリルダウンしてすぐに確認ができる。
「これまで単月もしくは長くても3ヶ月単位でしか確認できていなかった数値を、今では1年間、期中を通しての数値の動きが分かるようになりました」(三木氏)

活動KPIダッシュボードでは、活動件数、案件保有数、商談件数などの受注前の行動を可視化し、どういった活動が売り上げにつながっているかを定点的にチェックできるようになった。

今までは、複数のシステムからレポート出力したものを、その都度手作業でつなげる必要があったが、MotionBoard導入により、ダッシュボード上で簡単に確認・分析ができるようになった。
売り上げや案件確度が先週からどのように変化しているかなど、Excelでは出来なかった差分比較も簡単になり、これにより30名近くの営業マネージャーが同じ指標を見て活動できるようになった。
MotionBoardの活用を広げ、組織のさらなる強化を目指す
MotionBoard導入により営業活動を素早く分析できるようになった今、三木氏はMotionBoardのさらなる活用に意欲を示している。
「ユーザーの活用状況を確認する『定着状況分析』、どれだけの商談が受注につながったのかを可視化する『ファネル分析』、デジタルマーケティング活動におけるリードジェネレーションからナーチャリング管理を行う『リード分析』など、ウイングアークと伴走しながら新規ダッシュボードの拡充を図っていきたいと思います」(三木氏)

最後に三木氏は、「レポーティング業務に追われていた時間を、分析や未来への打ち手を考えることに充てられるようになり、それにより必要な行動を迅速に取れるようになりました。全国のお客様に最新かつ最適な製品を提案、導入いただける活動につなげていきたいと考えています」と、今後もさらなるデータ活用を推進していく姿勢だ。
Company Profile
エレコム株式会社
設立 :昭和61年(1986年)5月
所在地 :大阪府大阪市
事業内容 :パソコン及びデジタル機器関連製品の開発、製造、販売
URL :https://www.elecom.co.jp/

エレコム株式会社 営業本部 営業企画課 法人営業企画チーム 三木 孝仁 氏
導入製品
MotionBoard
様々なデータを統合・可視化するBIダッシュボード。統合・可視化にとどまらず、データ入力や柔軟な画面設計で業務に必要なアプリケーションをノーコードで作成可能。