事例紹介
- 株式会社日本総研ソリューションズ
ZeroGravityコンセプト -
「御社ではワークフローを導入されていますか?」
- (タイプ1)
- 「まだ導入していません。内部統制対応も考慮し、現在導入検討中です。」
- (タイプ2)
- 「はい、既に導入しています。経費精算はXXシステムで、人事申請はYYシステム、その他の申請はZZシステムでやっています。」
つまり、「未導入」か「複数導入」という答えが圧倒的に多いのです。
特に早くからワークフロー導入に取り組んできた企業は、業務ニーズとワークフロー機能のマッチングに苦労し、業務システム付随のワークフローを利用したり、業務に合わせ既存のワークフローを無理やりカスタマイズしたりしてきました。その結果、社内に同じような機能を持つワークフローシステムが乱立したり、パッケージ導入にも関わらず予想以上の開発を必要する結果となり、費用対効果は限定的にならざるを得ませんでした。
ZeroGravityは「一企業に一台のワークフロー」をテーマとして、いかに「業務とワークフローの融合を実現するか」「企業全体の業務をカバーできるか」を考えて作られました。
これが「内部統制ワークフロー基盤」のコンセプトです。「内部統制ワークフロー基盤 ZeroGravity」は、ワークフローシステムの一元化により
- 管理コスト削減
- ワークフローシステム投資の適正化
- (容易な業務拡張による)内部統制対象業務のさらなる拡充
- ユーザビリティの統一とユーザサービス向上
など、様々な導入メリットを提供します。
ここがスゴい!ZeroGravity
(1)業務実現の方法
ワークフロー上で業務要件をいかに実現するか
ワークフロー構築に際して、「ワークフロー上で業務要件をどう実現できるか」は最も重要な判断要素です。
ZeroGravityは、様々な業務の要件を実現するために、4つの業務構築方式を持っています。
各業務要件の特性と構築コストを考慮し、適切な業務構築方式を選択することが可能です。
【4つの業務構築方式】
タイプ | 説明 | 難易度 | 画面機能実装の自由度 |
---|---|---|---|
直接ファイル型![]() |
現行運用されているMicrosoft Excel、Microsoft Word、PDFなどのドキュメントをそのままの形で利用することが可能です。 最も簡単にワークフローに業務をのせられるパターンです。 回覧ファイルはDBで一元管理され、同一ファイルの複製による煩雑な管理を防止します。 また、ファイルのUPLOADは履歴管理され、誰がいつファイルを更新したのかが管理されます。 |
易 | 通常のファイル機能を利用。 マクロ利用可 |
StraForm-X型![]() |
ウイングアーク1st社「StraForm-X」を利用し、ノンプログラミングでWebフォームの作成が可能です。 データは全てXML形式で管理され、データの再利用も簡単に。 Webフォームのデザインは、Microsoft Excel、Microsoft Word、PDF、紙などからインポートすることができ、GUIベースでのフォームコントロールの配置をするだけで、すぐに利用できます。 また業務データの検索・参照機能や、ワークフローデータの読込み機能などリッチな画面機能を組み込むことで、十分に業務画面として利用することが可能です。 |
易~中 | HTML,JavaScript,Ajaxを利用可能。 業務マスタ検索やWF連携の実装も可能。 |
業務サイト型![]() |
別サイトのWeb業務画面を、ほぼそのままの形でZeroGravity内に呼び出します。 既存のWeb業務サイトを再利用したり、複雑な画面をスクラッチ開発してZeroGravityと連携させることが可能です。 画面、チェック、保存の業務モジュールを、ZeroGravityと完全に独立させて開発可能です。 |
中~難 | 通常のSIにて、自由度高く構築が可能。 |
SOA連携型![]() |
他システムに対してワークフロー機能を提供します。 連携元システムはワークフローの部品を、WebServiceまたはHTML経由で呼び出すことで、ログインや申請/承認、またはフロー画面の表示などを行うことが可能です。 これによって、ワークフローを持たない既存システムに対して、ワークフロー機能を容易に付け加えることが可能です。 |
易~中 | 連携元システムに依存する。 |
企業内の申請業務は、いずれかの構築方式を用いてZeroGravity上で実現することが可能です。
例えば、
- 総務申請は今使っているWordドキュメントをそのまま使うので、「直接ファイル方式」で。
- 人事申請は、社員マスタと連携して、マスタ検索・存在チェックを行うので「StraForm-X方式」で。
- 出張精算は、仮払の消込みや、チケット発券を実現したいので「業務サイト方式」で。
- 購買申請は、既存の購買システムがあり、ワークフロー部分のみをZeroGravityに統一したいので「SOA連携方式」で。
など。
StraForm-Xによる業務構築方法
4つの方式の中でも、最も活用範囲が大きいのが「StraForm-X型」です。
業務データと連携することができ、単なる「紙の電子化」に留まらず、業務データの入力フロントとしてもご利用可能です。

(2)内部統制
内部統制機能の実際
一般的にワークフローシステムはフローを可視化・自動化し、規定に遵守したフロー制御をシステム的に実現します。
そして承認処理が適切な認証・権限コントロールの元に行われ、承認ログが保存されます。
さて、これらの機能があれば、「内部統制」の視点から問題なしと言えるのでしょうか?
当社では、これまでのワークフロー導入企業の内部統制監査の結果から、上記の基本機能以外にもマスタ管理やフロー定義の部分での指摘を多く見受けました。
それらのノウハウを反映し、以下の内部統制機能を「ZeroGravity」で実現しています。

1.マスタメンテナンスの権限コントロール
文書登録やフロー定義などのマスタメンテナンスは、通常、各業務の担当者が実施します。
この場合、各担当が自分の領域だけを編集できる制限をつけることで、他の領域の閲覧や編集、誤操作などを防ぐことが可能になります。
ZeroGravityでは、誰がどの領域の編集担当者かを定義し、その権限コントロールに応じてマスタメンテナンスの編集メニューを制限します。
2.承認キー発行による内部牽制機能と変更ログ管理
適切に権限コントロールを行っても、担当者の一存でマスタ編集できてしまうことは、承認者と作業担当者の職掌分離原則に違反します。
そこでZeroGravityでは、承認者による「承認キー」の発行と、その「承認キー」をベースとした作業担当者による編集を行う仕組みで、内部牽制をサポートします。
さらに全てのマスタ更新ログは保管され、作業者や承認キーをもとにトレースをかけることができます。
3.「規定遵守のための制限」と「フロー柔軟性」の共存
フロー定義では、規定が厳し過ぎれば業務が円滑に回らなくなり、柔軟性が高ければ内部統制が甘くなるというトレードオフが存在します。
ZeroGravityでは、「プロセスポリシー」をきめ細かく設定できることにより、「制限」と「柔軟性」の共存を実現します。
(プロセスポリシーの例)
- 最終承認者を申請者の役職以上に制限したが、社長は例外とした。
- フロー内で庶務担当はユーザ削除可能としたが、業務担当はユーザ削除不可能にした。
- 庶務担当は組織情報を元に自動的に決定するが、仮に取得できない場合はユーザ指定必須とした。
上記以外でも、ログイン履歴管理やイレギュラー案件の抽出(代理実行、役職逆転)などの機能が要求されるケースもあり、ZeroGravityではそれらの機能も実装されています。
(3)フロー制御
強力ヒューマンフロー
ZeroGravityはバージョン管理可能な人事組織情報を元に、フロー定義を行います。
フロー定義は人事異動に強く、定義数をできる限り少なくするために、通常、部署や役職などの指定を使います。
(例)「承認者を申請者の直属上司」「最終承認者を承認者の直属上司」「業務担当を人事部の申請業務担当」など
また、組織情報からの判断では担当を決定できない場合は、ビジネスロジックから判断した社員を割り込ませたり、申請者本人に強制的に選択させることが可能です。
(例)画面に入力された負担部門コードから該当部門の承認者を決定する
そして、ルーティング機能も、承認・差戻・根回しはもちろん、「戻り先を指定した差戻し」や「強制決裁」「権限委譲」「ループ」など、多彩なルーティングが可能です。
(4)SOA連携
より簡単にワークフロー機能をバインド
ZeroGravityは他システムからワークフロー機能を利用してもらうために、いくつかのWebServiceを提供しています。
例えば、ログインや申請、承認といったアクションや、処理待ち一覧のデータ取得などがあります。
加えて、ZeroGravityは「ルート制御画面」をHTMLとして外部に提供できます。
これにより、ワークフローを持たない外部システムでも容易にZeroGravityと合体させ、フローの閲覧や変更、履歴確認などを行うことが可能です。

日本総研ソリューションズに聞く
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- 株式会社日本総研ソリューションズ
- 第一SI本部
森 雅也 氏
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- 株式会社日本総研ソリューションズ
- 第一SI本部
町田 洋樹 氏
ZeroGravityに関して
我々のワークフローシステム構築は、前バージョンの製品を含めて、10年近い実績を持っています。
その間、お客様に近いところで、様々なワークフローニーズを伺い、「経費精算」「勤怠管理」「稟議」「購買」など様々な業務を実現してきました。
「ZeroGravity」は豊富な経験に立脚し、さらに内部統制やSOAの概念を取り込むことにより、この製品を導入する企業に大きなメリットを生み出すものと自負しております。
ワークフロー導入のポイント
製品の選定
ワークフローが他の業務システムと異なる点は、とにかく「利用範囲が広い」という点です。
様々な業務がワークフローを活用し、多くのエンドユーザがそれを利用します。このことは、ワークフローシステムがいかに業務要件/ユーザ要件を満たすことができるシステムでなくてはならないかを物語っています。
一方で、業務要件が実現できるからと言って、業務システムごとにワークフローシステムを導入することは、共通機能に対する重複投資となり全体最適とは言えません。
つまりシステム選定に際しては、一つのワークフロー基盤上で、業務要件/ユーザ要件を満たす業務実現性が保証されることが非常に重要だと考えます。
プロジェクト推進
実際のプロジェクト推進に当たっては、
(1)業務のキーマンを巻き込み、業務要件定義を行うこと
(2)コアユーザからエンドユーザまでの教育をしっかり行うこと
が構築フェーズの中でも最も重要です。
特に、「要件定義」「教育」に関わるコストを最初に明確に見積もっておくことは、成功のためのキーポイントになります。
内部統制対応のポイント
機能としての内部統制
ワークフローは、内部統制の実現をサポートする有効なツールの一つです。
最近、内部統制監査の事例も多くなり、ワークフローに関する指摘事項の情報も増えてきました。
予想通り、ログイン履歴・承認履歴や認証・権限コントロールに関してはチェックが厳しいですが、加えて、マスタ管理方法(文書定義、フロー定義、人事組織情報管理など)が良く取り上げられます。
一例として、以下のような事項があります。
(1)マスタ管理ツールに対して、認証の仕組みがあり、権限コントロールがされている。
(2)マスタ変更に際して、他者の承認を必要とする仕組みがある。
(3)マスタ変更のログが管理されている。
「誰でも」「どの範囲でも」「承認なしで処理できてしまう」ようなシステムの仕組みだと運用にも限界があります。
やはり、機能としてきっちりと「職掌分離」や「変更ログ取得」ができるシステムが有効と言えます。
ワークフローとBPMの違い
ワークフローとBPMの違いとは?
SOAというと、よく「ワークフロー」と「BPM」の違いを聞かれます。
厳密ではありませんが、BPMは「システムフロー」を得意とし、ワークフローは「ヒューマンフロー」を得意とします。
例えば、BPMはワークフローとは異なり、人事組織情報を持たないものが多いですし、ユーザによる動的なフロー単位の追加・削除ができないものが多いです。
一方で、BPMはシステム間連携データのマッピング機能(EAI,ETL的な機能)やモニタリング、シミュレーションといったワークフローにない機能を持つという特徴があります。
このように両システムの役割は異なるので、「どちらを選択するか」という視点ではなく、先進的なシステムアーキテクチャの中では、両システムは共存すると考えています。
BPMは業務処理全体のオーケストレーションを担当し、そこからヒューマンフローが発生する部分をワークフローサービスが担当するようなイメージです。
現時点では、企業内で、BPMが活躍する領域よりも、ワークフローが活躍する領域の方がやや広いと思われます。
もう少しSOA的考え方が浸透し、周辺サービスが整うことで、BPMが使用される機会も徐々に増えると思われます。
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製品に関するお問い合わせ
内部統制ワークフロー基盤「ZeroGravity」に関するお問い合わせ
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