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支払明細書とは?領収書・請求書との違いや書き方、電子化のメリットを解説!

帳票の基礎知識作成日:2022.11.29 更新日:2024.02.16

企業間、そして企業・個人間の取引において、「支払明細書」という文書を発行することがあります。
支払・請求を円滑に進めるために重要な役割を果たす支払明細書ですが、発行することなく取引が進むケースも少なくありません。

そのため、
「そもそも支払明細書とは?」
「支払明細書は領収書や請求書と違うの?」
「支払明細書の記載項目や書き方は?」
という疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

この記事では、支払明細書の意味や役割、類似帳票との違いといった基礎知識や、支払明細書に必要な記載項目と書き方のポイントを解説します。
支払・請求業務を効率化するためのソリューションや事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【経理担当必見】帳票の役割と電子化のポイント

・どの帳票がどの場面で必要なのか整理したい
・紙ベースで処理している帳票を電子化して、業務を効率化したい
こんな課題を抱える経理担当者の方へ、経理部門が関わることの多い帳票の役割と、電子化する際のメリットやポイントをわかりやすく解説します。

支払明細書の基礎知識

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まずは基礎知識として、支払明細書の意味や役割、関連帳票との違いについて確認していきましょう。

支払明細書とは?

支払明細書とは、取引の内訳および支払金額を確認するために発行する文書を指します。

支払明細書は法的に発行が義務付けられている文書ではなく、支払明細書を発行することなく取引が進められるケースも多々あります。

支払明細書を発行する場面の例としては、月単位など一定期間内に行われた取引をまとめて、支払金額を確定する場合などが挙げられます。

支払明細書の役割

支払明細書は、以下2つの種類に大別することができます。

  • 企業間の取引で発行する支払明細書
  • 企業・個人間の取引で発行する支払明細書

前者の「企業間の取引で発行する支払明細書」は、基本的には支払いを請求する側(受注者側)が発行します。

請求書を発行する前に取引内容と金額を互いに確認しあうことで、支払・請求業務の円滑化やトラブル防止の役割を果たします。

たとえば、商品・サービスの発注・納品が継続的に行われる取引の場合、納品のたびに請求書を発行するのは大きな手間であり、請求漏れなどのミスも起こりやすくなります。

そのような場合、月単位など一定期間内で行われた取引を集計して支払明細書を発行し、まとめて支払金額を確認するほうが双方にとって効率的かつミスも起こりにくいと言えるでしょう。


後者の「企業・個人間の取引で発行する支払明細書」は、企業から個人に対して発行するケースが一般的です。

たとえば、給与の支払明細書がその例です。企業が従業員に対して給与を支払う際は、源泉徴収として税金や社会保険料などを差し引きますが、支払明細書に内訳を記載しておくことで支払金額についての誤解やトラブルを防ぐ役割を果たします。

給与支払明細書のほか、クレジットカードや公共料金、株式の配当金の支払明細書なども「企業・個人間の取引で発行する支払明細書」と言えます。

なお、この記事では「企業間の取引で発行する支払明細書」を中心に説明していきます。

領収書や請求書との違い

支払明細書と混同しやすい文書に、「領収書」や「請求書」があります。

これらの文書は共通する記載項目も多いですが、意味が異なるため違いを理解しておきましょう。

まず、支払明細書と領収書の違いは「支払いが発生しているかどうか」です。

支払明細書は、あくまで支払金額に相違がないかを確認するための文書であり、発行時点では金銭の授受が発生していません。

一方の領収書は、支払いがあったことを証明する文書であり、発行の時点で金銭の授受が完了しています。

次に、支払明細書と請求書ですが、「支払いの要求があるかどうか」が違いだと言えます。

先述の通り、支払明細書は支払内容について認識の相違がないかを確認する文書であり、支払いを要求する文書ではありません。

一方の請求書は、金銭の支払いを要求する文書であり、基本的には支払金額が確定している前提で発行されます。

支払明細書の記載項目や書き方

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先述の通り、支払明細書は法的に発行が義務付けられている文書ではありません。

そのため支払明細書には決まった様式が存在せず、インターネットで公開されているテンプレートを利用したり、独自にフォーマットを作成して利用したりしても問題ありません

ただし、一般的に記載するべきとされる項目は存在します。

  • 宛先の情報
  • 発行元の情報
  • 発行日
  • 支払金額の明細
  • 押印

次は、支払明細書の記載項目や書き方のポイントを確認していきましょう。

宛先の情報

「誰に宛てた支払明細書か」を明確にするため、宛先の情報を記載します。

送付先が法人の場合、会社名を正式名称で記載し、担当部署や担当者名がわかれば一緒に記載します。送付先が個人の場合は、氏名を記載します。

この際、宛先が会社名や部署名の場合には「御中」、宛先が氏名の場合には「様」を敬称として付けましょう。

発行元の情報

「誰が発行した支払明細書か」が伝わるように、発行元の情報を記載します。

会社名や部署名、担当者名のほか、支払明細書の内容について問い合わせできるように、メールアドレスや電話番号などの連絡先情報も記載しましょう。

発行日

「いつの取引に関する支払明細書か」を判別できるように、発行日もしくは送付日を記載します。

日付の書き方は西暦・和暦のどちらでも問題ありませんが、社内で表記を統一することをおすすめします。

支払金額の明細

支払明細書には、支払金額の明細を記載します。

合計金額だけでなく、取引日付や商品・サービス名、数量や単価など、内訳をできるだけ詳細に記載しましょう。

ここに記載された内容をもとに請求書を作成することになるため、取引の抜け漏れや金額の間違いがないよう注意が必要です。

押印

法的に必須ではありませんが、支払明細書には角印(会社印)を押すのが一般的です。

角印が押されていることで「会社として発行した文書」という意思表示になり、文書の信用性が高まります。

支払明細書を電子化するメリット

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支払明細書には複数の取引内容を記載することが多いため、手動による入力作業や目視による照合作業は負担が大きく、ミスも起こりやすいと言えます。

また、書面の印刷や取引先への発送作業にも人手を必要とするため、業務スピードが停滞しがちです。

このような課題の解消に有効なのが、支払明細書の電子化です。

支払明細書を電子化することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 請求関連業務の効率化
  • ペーパーレス化によるコスト削減
  • テレワークの促進

次は、支払明細書の電子化によって期待できるメリットを確認していきましょう。

支払・請求業務の効率化・迅速化

支払明細書を電子化するメリットとして、支払・請求業務の効率化・迅速化を挙げることができます。

支払請求書を書面で運用している場合、Excel(エクセル)などで入力した支払明細書を書面に印刷して押印を行い、封筒に入れて発送手続きを行う流れが一般的です。

一方、支払明細書を電子化することで、上記のような作業をPCなどのデバイス上で完結することができ、手作業よりも効率的に作成・配信することができます。

案件管理システムなどと連携すれば、入力作業を自動化することもできるでしょう。

また、郵送で発生する数日のタイムラグも解消されるため、支払・請求に関するやりとりの迅速化を実現可能です。

ペーパーレス化によるコスト削減

支払明細書を電子化することでペーパーレス化が進み、コスト削減につなげることも可能です。

支払明細書を紙ベースで運用している場合、以下のようにさまざまなコストが発生してしまいます。

  • 紙代・インク代などの印刷コスト
  • 取引先への配送コスト
  • 保管場所の賃料や備品代などの保管コスト

など

電子化した支払明細書であれば、印刷することなく取引先に配信することができ、物理的な保管スペースやキャビネットなどの設備も必要としません。

そのため、紙媒体での運用よりも大幅にコストを削減することが可能です。

さらに、先述した業務効率化によって作業工数を削減することができれば、人的コストの節約にもつなげることができるでしょう。

テレワークの促進

支払明細書の電子化は、テレワークの促進にも有効です。

先述したような書面の印刷や発送準備といった作業は、オフィスにいなければ完結できない場合が多いことでしょう。

支払明細書を電子化することで、発行から取引先への配信までをデバイス上で完結することができます。

そのため、書面の印刷や発送準備のためだけに出社する必要がなくなり、テレワークでも業務を遂行できる環境を整えることができます。

支払・請求関連業務の電子化なら「invoiceAgent 電子取引」

次は、支払明細書をはじめとした企業間取引文書のやり取りを電子化するソリューションとして、ウイングアーク1stが提供する「invoiceAgent 電子取引(インボイスエージェント電子取引)」をご紹介します。

支払明細書や請求書をはじめ、企業間取引で発行するさまざまな帳票を「invoiceAgent 電子取引」を介して送受信することが可能です。

既存の帳票フォーマットをPDF化するだけでWeb配信することができ、複数の取引先とのやり取りを「invoiceAgent 電子取引」上で完結することができます。

また、電子帳簿保存法の電子取引要件に対応できるほか、2023年10月から始まるインボイス制度に対応する機能も実装予定となっています。

これらの特徴により、関連する法令に対応しつつ、支払・請求業務の効率化、さらにはコスト削減やペーパーレス化を促進することが可能です。

「invoiceAgent 電子取引」で請求業務を効率化した事例

最後に、「invoiceAgent」を導入して支払・請求業務を効率化した事例をご紹介します。

支払・請求業務のデジタルシフトを推進(三井住友ファイナンス&リース)

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国内トップクラスの総合リース会社として知られる三井住友ファイナンス&リース株式会社は、「invoiceAgent」の導入により請求・支払業務のデジタルシフトを推進しました。

同社では、リース契約における支払・請求業務として、顧客に対するリース料の請求書と、メーカー・販売会社に対する支払通知書を、紙媒体で印刷・発送していました。

しかし、印刷・発送にかかるコストや郵送によるタイムラグが課題となっていたほか、紙ベースでの支払・請求業務がリモートワーク中でも出社しなければならない要因となっていました。

そこで同社は、「invoiceAgent」を導入して支払・請求関連帳票の電子配信を開始します。

まず、30社ほどを対象に支払通知書の電子配信をスタートし、それから200件の取引先を対象に請求書の電子配信を開始。

スモールスタートで始めた電子配信ですが、配信先の取引先が1200件を超え、リモートワークの推進とコスト削減を実現しました。

▼事例詳細はこちら
三井住友ファイナンス&リース株式会社のinvoiceAgent導入事例をもっと見る

請求書や請求明細のWeb配信を実現(伊藤忠商事)

大手商社の伊藤忠商事株式会社は、「invoiceAgent」を活用して請求書などの社外向け帳票のWeb配信システムを構築しました。

同社は以前、約600課ある営業部署の担当者が紙媒体で請求業務を行っていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行拡大で在宅勤務への移行が余儀なくされ、紙運用の課題が顕在化しました。

各営業部署の担当者が行っている請求書発送業務は在宅で完結することができず、コロナ禍であっても出社しなければならない状況が多々発生したのです。

そこで同社は請求書のWeb配信システム構築を検討し、2020年9月に「invoiceAgent」の導入を決定。

決定から2ヶ月後の11月には支払通知書や納品書などの請求書付属書類のWeb配信をスタートし、翌3月には請求書や請求明細のWeb配信を開始し、在宅勤務でも請求業務を行うことが可能になりました。

同社は、帳票の電子化をバックオフィスDXの第一歩と位置づけ、「invoiceAgent」のさらなる利用拡大を図っています。

▼事例詳細はこちら
伊藤忠商事株式会社のinvoiceAgent導入事例をもっと見る

まとめ

今回は、支払明細書の基礎知識や書き方のポイント、電子化によるメリットなどをご紹介しました。

支払明細書は発行が義務付けられている文書ではないものの、トラブルを防いで円滑に取引を進める役割を果たします。

そして、支払明細書などの支払・請求関連の帳票を電子化することで、業務効率化やコスト削減、テレワークの促進といった効果が期待できます。

紙ベースでの支払・請求業務に課題を感じている方は、今回ご紹介した「invoiceAgent 電子取引」による電子配信への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

【経理担当必見】帳票の役割と電子化のポイント

・どの帳票がどの場面で必要なのか整理したい
・紙ベースで処理している帳票を電子化して、業務を効率化したい
こんな課題を抱える経理担当者の方へ、経理部門が関わることの多い帳票の役割と、電子化する際のメリットやポイントをわかりやすく解説します。

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