データビジュアライゼーションとは?
まずは、データビジュアライゼーション(Data Visualization)とは何かを簡単にご説明します。
データビジュアライゼーションとは、データを視覚的に分かりやすく表現すること。
「データの可視化」「データの視覚化」「データの見える化」とも言い換えることができます。
1850年代のクリミア戦争における兵士の死因・死亡者数を視覚化したナイチンゲールの報告資料など、データビジュアライゼーションは古くから統計情報を効果的に伝えるために用いられてきました。
そして、さまざまな業界でビッグデータが重要視されている昨今、集めたデータを有効活用するための手法としてデータビジュアライゼーションへの注目度が高まりつつあるのです。
データビジュアライゼーションが必要な理由

データビジュアライゼーションが必要とされる背景には、主に以下のような理由があります。
- 収集したデータはアクションにつなげることで価値を発揮
- データに基づいたスピーディーな意思決定が必要
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
集めたデータはアクションにつなげることが重要
時間と労力をかけて収集したデータは、次のアクションにつなげることで価値を発揮します。
しかし、扱うデータが大量になるほど、数値・文字の羅列から傾向やパターン(規則性)を発見することが困難になります。
そのため、「苦労してデータを集めたのに、次にやるべき施策が見えてこない」という課題を抱える企業は少なくありません。
大量のデータから傾向・パターンを抽出し、次のアクションを導き出すには、データの全体像や推移、市場・他社の状況などを一目で把握できるようなデータビジュアライゼーションが必要です。
データに基づいたスピーディーな意思決定が必要
意思決定スピードの向上という面でも、データビジュアライゼーションは必要です。
データから傾向やパターンを見つけ、次にとるべきアクションを導き出したとしても、決裁者に分かりやすく伝えることができなければ、意思決定までに時間がかかってしまいます。
データビジュアライゼーションによってデータを視覚的に表現することで、直感的かつスピーディーに情報の全体像や要点を伝えることができ、意思決定の迅速化につなげることが可能です。
【業界別】効果的なデータビジュアライゼーション事例
データビジュアライゼーションは、あらゆる業界で有効活用することが可能です。
ここでは、ウイングアーク1stが提供するBIツール「MotionBoard」を使ったデータビジュアライゼーション事例を業界別にご紹介します。
製造業界におけるデータビジュアライゼーション事例
製造業においては、現場の状況に応じた迅速なオペレーションが不可欠です。
そのため、設備・人員の稼働状況や生産状況、在庫状況の把握が重要課題となります。
データビジュアライゼーションは、こうした製造業ならではの課題解消に有効です。
生産管理

上図は、「MotionBoard」で利用可能な生産管理ダッシュボードのTOPページです。
複数工場の状況を視覚化し、各工場の達成率・稼働率・歩留率を一目で確認することができます。

工場別に生産状況の詳細を一覧化することも可能です。
セルごとの生産数や達成率、セル別の不良状況を確認することができます。

上図は、稼働状況を可視化したデータビジュアライゼーション事例です。
セル別に稼働状況を確認できるほか、担当者別に非稼働理由の内訳を確認することも可能です。
在庫管理

上図は、「MotionBoard」の在庫カラー診断TOPページです。
この画面では、総在庫金額および、目標金額との差額や達成率を確認することができます。

さらに、品目別の滞留状況や流動数曲線、入出庫予定を確認したり、在庫金額の推移・回転状況から在庫削減策の効果を確認したりといったこともできます。
3Dファクトリー

上図は、MotionBoardで利用可能なダッシュボード「3Dファクトリー」です。
製造現場を3Dで可視化し、各拠点の生産実績やライン別の生産性など、現場の状況を直感的に把握することができます。
デジタルツイン

上図は、製造業で注目度が増している「デジタルツイン」の例です。
Web APIによるデータのリアルタイム連携によって、現場の状況をデジタル空間に再現でき、遠隔地からでも状況に応じた適切なオペレーションを行うことができます。
金融業界におけるデータビジュアライゼーション事例
金融業界においては、営業活動の効率化や会員情報の有効活用に課題を感じている企業が少なくありません。
次は、金融業界におけるデータビジュアライゼーション事例を見ていきましょう。
金融営業の予実管理

上図は、金融営業の予実管理を効率化するデータビジュアライゼーション事例です。
エリアや支店、営業部、確度などの条件で集計対象を切り替え、営業実績を効率的に確認・把握することができます。
支店ごとの予算達成率

上図は、支店ごとの予算達成率を地図上に表示させたものです。
地図上から支店を選択し、予算達成率の詳細を確認することが可能です。
会員情報マップ

上図は、地図と会員情報を連携させたデータビジュアライゼーション事例です。
地図上のピンをクリックすることで会員情報を表示させることができ、周辺の会員をチェックすることもできるため、フィールドセールスの効率化に役立てることができます。
物流業界におけるデータビジュアライゼーション事例
物流業界においては、配送業務の効率化や、配送コスト・在庫状況の把握が重要課題となります。
次は、物流業界の課題解消に役立つデータビジュアライゼーション事例を見ていきましょう。
配達経路

上図は、配送業務の効率化に役立つデータビジュアライゼーション事例です。
配送先を地図上に表示して担当ドライバーに割り当てることで、自動的に配送経路を表示することができます。
配送コスト

上図は、配送コストや在庫状況の把握に役立つデータビジュアライゼーション事例です。
全エリアおよび物流センター(DC)別に、各種配送コストや在庫状況、入出庫状況などの情報をスムーズに確認することができます。
ヘルスケア業界におけるデータビジュアライゼーション事例
医療機関をはじめとしたヘルスケア業界においても、データ活用の重要性は高まっています。
病院経営・診療・研究の観点から、豊富に蓄えた経営データおよび医療データの活用は必須と言えます。
次は、ヘルスケア業界におけるデータビジュアライゼーション事例を見ていきましょう。
病院経営ダッシュボード

上図は、病院経営におけるKPIを可視化したデータビジュアライゼーション事例です。
電子カルテと連携し、在院患者数や入退院患者数、病棟別の利用率、診療報酬などのデータを反映するため、KPIをリアルタイムに確認可能です。
来院患者分析

上図は、患者分析に役立つデータビジュアライゼーション事例です。
疾患別、診療科別、病棟別など、さまざまな角度から来院患者の傾向を確認することができます。
看護必要度

上図は、看護必要度を分かりやすく視覚化したデータビジュアライゼーション事例です。
各病棟の看護必要度割合をグラフ化し、不足部分の早期発見・対処への判断に役立てることができます。
【業種別】効果的なデータビジュアライゼーション事例
データビジュアライゼーションは、上記に挙げたような特定の業界だけでなく、あらゆる業界で有効活用することができます。
次は、業種別にデータビジュアライゼーション事例をご紹介します。
マーケティングのデータビジュアライゼーション事例
効果的なマーケティング施策を実行するためには、リアル・WEBから収集したデータを基にPDCAを実行することが重要になります。
では、マーケティングに役立つデータビジュアライゼーションの事例を見ていきましょう。
購買ユーザーセグメント分析(ヒートマップ)

上図は、エリアマーケティングに役立つデータビジュアライゼーション事例です。
地域・製品別の販売状況に対してデシル分析・RFM分析を使用し、購買ユーザーのセグメント分析を実施することができます。
Webマーケティング

上図は、Webマーケティングにおいて、オンラインでのリード獲得状況を可視化した事例です。
Web資料請求や問い合わせ件数の推移を速やかに読み取ることができ、全体および製品ごとの傾向分析に役立ちます。
営業のデータビジュアライゼーション事例
営業においては、エリアごと・担当者ごとの営業実績を一元管理し、データ活用によって営業活動を効率化していくことが重要です。
次は、営業で役立つデータビジュアライゼーション事例を見ていきましょう。
営業所ごとの予算達成率

上図は営業所別の予算達成率を可視化したデータビジュアライゼーション事例です。
地図上で各営業所の予算達成率が表示されるため、スムーズにエリア別の予実管理を行うことができます。
営業担当者ごとの案件状況

上図は、担当者別の営業実績把握に役立つデータビジュアライゼーション事例です。
契約状況を新規・継続別に確認でき、営業部門の属人化解消や生産性向上に役立てることができます。
経理のデータビジュアライゼーション事例
迅速かつ精度の高い経営判断を行うためには、経営指標の把握が欠かせません。
次は、経理におけるデータビジュアライゼーション事例を見ていきましょう。
管理会計/管理会計シミュレーション

上図は、管理会計にまつわる経営指標のチャートを一覧化したデータビジュアライゼーション事例です。
売り上げ状況や損益計算書など、各種指標をグラフィカルに表現し、月次・四半期、および小計・累計で予実推移のチャートを確認できるため、精度の高い経営判断に役立てることができます。
データビジュアライゼーションに役立つBIツール「MotionBoard」
データビジュアライゼーションは、業界や業種を問わずさまざまな場面で活用いただけることをお分かりいただけたと思います。
多彩な表現でデータの可視化が得意なBIツール「MotionBoard」は、先に紹介した業界・業種別のデータビジュアライゼーション事例のように、データを効果的に視覚化することができます。
なかでも3Dマップアイテムは、MotionBoardが得意とする表現のひとつ。オブジェクトとデータを3D空間にマッピングして情報を可視化する「3Dファクトリー」や「デジタルツイン」がその例です。
また、データを地図上に表現する機能が標準搭載されている点も、MotionBoardの強みです。
【MotionBoardの特長】
- 3Dマップアイテム
- データを地図上に表現
- 幅広いニーズに応える豊富なチャート
- リアルタイムなデータ反映
- データ入力の効率化
まとめ
今回は、データビジュアライゼーションの基礎知識や、業界・業種別の活用事例、そして効果的なデータビジュアライゼーションを可能にするBIツール「MotionBoard」についてご紹介しました。
記事内でご紹介した事例のように、MotionBoardはデータの種類や用途にあわせた多彩な表現が可能で、業界・業種を問わず2,000社以上のデータ活用に役立てられています。

契約前にご利用いただけるデモサイトを用意していますので、データ活用に課題を感じている方はぜひ一度お試しください。