導入事例

株式会社国際協力銀行

株式会社国際協力銀行

invoiceAgentを文書管理基盤に法人文書を電子化
公文書管理法に対応した厳格な管理と業務効率化を両立

株式会社国際協力銀行
業種

金融・保険

株式会社国際協力銀行(以下、国際協力銀行)は、法人文書管理デジタル化のコアソリューションとして、文書管理ソリューション「invoiceAgent 文書管理」を導入した。コロナ禍を契機に増加したテレワーク需要と働き方の変容の加速化等への対応を背景に、invoiceAgent 文書管理とワークフローシステム「intra-mart」を連携した基盤を構築。公文書等の管理に関する法律(以下、公文書管理法)に則った厳格なライフサイクル管理と、全文検索等による利便性を両立させた。これにより場所を選ばない決裁が可能となり、柔軟な働き方の定着と業務効率化を実現している。

導入背景

コロナ禍を契機に、テレワーク環境の整備が急務になったことに加え、職員の働き方の変容も加速化したため、アナログだった法人文書の管理をデジタル化。ワークフローシステムとウイングアーク製品の文書管理基盤を組み合わせ、公文書管理法に基づく厳格なライフサイクル管理に対応できるシステムを構築した。

課題
  • 紙ベースの決裁、管理により、テレワークや出張時の業務遂行・意思決定に一部制約があった
  • 物理ファイリングのため属性や全文での検索ができず、過去文書のナレッジ活用に手間がかかっていた
  • 印刷、原本の厳格な授受管理、手作業による廃棄など、紙運用に伴う事務負担とコストがかかっていた
解決策導入ポイント
  • invoiceAgent 文書管理をワークフローシステムと連携させ、法人文書の決定から保管、廃棄まで一元管理する基盤を構築
  • 公文書管理法に則った厳格かつ緻密な社内ドキュメントのライフサイクル管理をシステムで効率化
  • 全文検索やハッシュタグ機能を実装し、公的機関に求められる厳格な管理とユーザー利便性を両立
効果
  • 場所を選ばない決裁が可能となり、オフィスワークとテレワークを組み合わせたハイブリッドワークを基本とする柔軟な働き方が定着
  • ペーパーレス化により保管スペースを削減し、オフィスのグループアドレス化を実現
  • 年次の文書棚卸し作業において紙媒体文書の点検・廃棄プロセスが削減され、結果的に人為的ミスの防止体制の強化にもつながった
  • 法人文書の電子化により過去のナレッジ活用や情報共有にも有用な検索性の向上に繋がった

長年の課題だった法人文書管理のデジタル化、コロナ禍を契機に取り組み加速


 国際協力銀行は、「国際ビジネスの最前線で、日本そして世界の未来を展きます。」を企業理念に掲げる日本の政策金融機関だ。日本にとって重要な資源の海外における開発・取得、日本の産業の国際競争力の維持・向上、地球環境の保全、そして国際金融秩序の混乱防止に関する分野で、融資・保証・出資等の業務を行っている。事業の特性上、融資先は海外事業を展開する日本企業から外国政府、海外の公的機関、海外企業まで多岐にわたり、年間の出融資・保証承諾額は23兆円規模に達する。 


 2021年度~2023年度を対象とする第4期中期経営計画では、「新常態に対応する効率的な組織運営」に取り組んでおり、そのうちの一つが「電子決定・文書管理システムの導入」だ。同行では、業務上作成するほぼ全ての文書を「法人文書」として公文書管理法に基づき管理しているが、従来は作成から保管まで、一貫して紙媒体で行っていた。 


 紙の書類による決裁が必要なため、決裁者の海外出張時に社内稟議書の正本決裁に制約が生じるなど、「場所の制約」がスムーズな業務進行の妨げになることがあった。さらに、決裁書類の回付、ステータス管理、原本管理の事務負担が大きい点、過去の文書の検索に手間がかかるといった点は長年の課題だった。その解決に向け、デジタル化に本格的に舵を切るきっかけになったのが、コロナ禍だ。当時、経営企画部総務課で法人文書関連業務のデジタル化を主導した企画部門人事室給与課・調査役の齋藤 景介氏は、次のように振り返る。 


 「コロナ禍をきっかけに、公用携帯電話や在宅勤務用パソコンを配布するなど、テレワーク環境の整備を急速に進めました。働き方が大きく変わる流れは不可逆であるという前提で業務効率化の基盤を整備していく方針を打ち出し、その一環として、法人文書の決裁・管理システムを導入することになったのです」 


企画部門人事室給与課 調査役(導入当時:経営企画部総務課・調査役) 齋藤 景介氏

公文書管理法への対応を前提に、利便性やUI/UXを評価しinvoiceAgentを採用


 新システムの導入にあたっては、ウイングアークのWARPパートナーであるフォーカスシステムズの提案を採用し、文書管理基盤としてinvoiceAgent 文書管理を導入した。NTTデータ イントラマートが提供する、ワークフローに強みを持つエンタープライズ・ローコードプラットフォーム「intra-mart」と組み合わせ、法人文書の決裁、管理の一元的なデジタル基盤を実現した形だ。 


 国際協力銀行が製品選定で重視したポイントは、「公文書管理法」への対応だ。齋藤氏は「国際協力銀行は、政府系機関として公文書管理法に基づいて法人文書の管理を行っています。invoiceAgent 文書管理とintra-martの組み合わせは、公的機関特有の厳格なライフサイクル管理要件を満たしていました」と話す。 


 法人文書は種類に応じて保存年限や開示・非開示の区分が定められており、従来、同行では紙の書類を属性ごとに分けてパイプ式ファイルに綴じ、バーコードを付与して必要な情報を台帳システムに登録していた。この書誌管理の仕組みを使い、年に一度、「クリーンキャンペーン」と称して全法人文書の棚卸しも行ってきた。新システムの文書管理基盤は、電子化された法人文書についても法律で求められている書誌管理を実現した上で、関連業務を効率化できる機能を備えていることが具体的な要件となった。齋藤氏と同じく、導入当時、経営企画部総務課に所属していた産業ファイナンス部門産業投資・貿易部第2ユニット・副調査役の賀数 弘一 氏は次のように説明する。 


invoiceAgent 文書管理は、法人文書の属性ごとに細かく厳密にフォルダ分けして管理できる点を高く評価しました。さらに、UI/UXは直感的で分かりやすく、全文検索やハッシュタグ検索など従来のアナログな公文書管理にはない概念も実装できること、ワークフローを司るintra-martとの連携もスムーズで世代を問わず職員にとって高い利便性が期待できる点などを総合的に判断し、採用を決めました」 


産業ファイナンス部門産業投資・貿易部第2ユニット 副調査役(導入当時:経営企画部総務課・副調査役) 賀数 弘一氏

 製品選定後、2022年8月に導入プロジェクトを本格的にスタートさせ、要件定義や設計を進めた。開発は2段階に分け、2024年4月に各種文書の登録、決定、閲覧といった基本機能を一次開発としてリリースした。一次開発では、本店各部署だけでなく海外の駐在員事務所の一部も含めた大規模なUAT(ユーザー受け入れテスト)も行った。そのフィードバックを基に、画面上の注釈やガイド文を分かりやすくしたり、海外拠点における決裁時のタイムスタンプを日本時間に統一したりといった改修を施し、リリースに至った。 


 2025年1月にリリースした二次開発では、法人文書の棚卸しや廃棄に関連する機能の実装を進めた。加えて、「UATで強い要望があり実装すべきと判断した機能で、開発に時間がかかるものについては二次開発に回しました」と賀数氏は話す。 


 プロジェクト期間を通じてフォーカスシステムズとは頻繁に定例ミーティングを行った。同社の支援について齋藤氏は、「公的機関ならではの緻密で独特な文書管理ルールを理解してもらうのは難しかったと思いますが、デモ機を用意していただき実際に動くものを見ながら認識や意図のすり合わせを行うなど、密にコミュニケーションをとりつつプロジェクトを進め、予定した期日にシステムをリリースすることができました」と評価する。 


システム構成図

多様な働き方の実現に大きく貢献、業務効率化やコスト削減効果も顕著に


 保管が必要な既存の法人文書の大部分を電子化して新システムに取り込み、毎月千単位の文書が新たに登録されている。当初の最重要課題だったリモートワークなど多様な働き方への対応という点で、既に大きな成果が出ている。


 「時期にもよりますが、相当数の職員が出張やテレワークの時もあります。法人文書管理のデジタル化により、出張中や在宅でも決裁が可能になったことは、職員の多様な働き方を大きく後押ししています。また、デジタル化によりオフィス内で紙の文書を保管するスペースが空いたため、社内のオフィスレイアウトを一新してグループアドレス化するなど、職員ごとのスタイルや業務の特性に合わせて環境を選べるようになったのも、デジタル化施策が進んだからこそです」(齋藤氏)


 業務効率化やコスト削減効果も効果が出始めている。法人文書の属性検索や全文検索が可能になったことで、過去資料の参照が容易になった。また、紙の印刷や物理的な授受プロセスが不要になり、コストと手間が削減された。職員へのアンケートでは、クリーンキャンペーンにかかる時間が短縮されたことを評価する声も寄せられたという。齋藤氏は「紙で管理していた時代は、ファイルを一つ一つ目視で確認して物理的に廃棄するというプロセスがありました。その作業が削減され、ほとんどの社内ドキュメントの廃棄プロセスがシステム上で一括処理できるようになったことは、効率化とともに人為的なミスを防止する体制を一層強化することにもつながりました」と手応えを語る。 


 今後の展望としては、ユーザーからの改善要望について、必要性を精査した上で実装を進めていくとともに、生成AIなどの新しい技術を可能な限り活用し、電子化した社内ドキュメントの更なる有効活用方法を検討していきたい、としている。 


Company Profile

株式会社国際協力銀行

設立:2012年4月
本社所在地:東京都千代田区大手町1丁目4番1号
主な事業内容:日本および国際経済社会の健全な発展に寄与することを目的に設立。一般の金融機関が行う金融を補完しつつ、資源の開発・取得、産業競争力強化、地球環境保全、国際金融秩序の安定に関する分野で融資・保証・出資等の業務を実施する。
URL:https://www.jbic.go.jp/ja/index.html

(写真左より)
企画部門人事室給与課 調査役(導入当時:経営企画部総務課・調査役) 齋藤 景介氏
産業ファイナンス部門産業投資・貿易部第2ユニット 副調査役(導入当時:経営企画部総務課・副調査役) 賀数 弘一氏

導入製品

電子帳票の仕分けから保管、検索、他システムとの連携も可能な文書管理ソリューション。電子帳簿保存法に対応し、コスト削減、ガバナンス強化、ペーパーレス化を推進。

 
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