
株式会社スクウェア・エニックス
基幹システム刷新に合わせてSVF Cloudを採用
日本企業特有の帳票要件にも対応し、安定的な運用を実現

- 製品
- 業種
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情報・通信
株式会社スクウェア・エニックス(以降、スクウェア・エニックス)は、今後10年の成長を支える基盤作りを目指し、基幹システムをSAP S/4HANAへ刷新した。それに伴って帳票基盤のクラウド化にも着手。最終的に同社が選択したのが、SVF Cloudである。日本企業特有のレイアウトや表示に対応するほか、大量出力において高いパフォーマンスを実現している。クラウドへとプラットフォームが刷新され業務プロセスも大きく変化するなかで、SVF Cloudは安定した帳票出力を果たしている。
導入背景
- 課題
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- 基幹システムのSAP S/4HANAへの移行に伴い、帳票基盤のクラウド化に着手
- 日本特有の緻密な帳票レイアウト要件への確実な対応が必須
- 基幹システムのほか、他の周辺システムとの柔軟な連携が必要
- 解決策導入ポイント
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- 社内で帳票基盤として活用してきた「SVF」のクラウド版「SVF Cloud」を採用
- 帳票出力をSVF Cloudに統合し設計標準を集約、一貫した帳票出力を実現
- 「SVF Cloud Designer」を活用した直感的な操作により、短期間で操作方法を習得
- 効果
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- SVF Cloudの運用開始後のトラブルはなく安定した帳票出力を継続
- 大量出力やリアルタイム出力における優れた処理性能を確保
- 基幹システムの大幅な刷新にもかかわらず、従来と同様の帳票出力を実現
10年先の成長を支える基幹システムとして「SAP S/4HANA」に刷新
「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」などの世界的コンテンツで、総合エンターテインメントを手がけるスクウェア・エニックス。「無限の想像力で新しい世界を創り出す」という企業理念を掲げ、高品質なコンテンツとサービスを世界中に提供し続けてきた。現在では、ゲームを中心としたデジタルエンターテインメント事業を主軸に、出版やアミューズメント、ライツ・プロパティと幅広い領域でビジネスを展開している。
こうしたビジネスを支えるべく、スクウェア・エニックスが2019年から進めてきたのが、基幹系システムの刷新プロジェクトだ。近年、デジタルエンターテインメント業界を取り巻く環境が激変するなか、次なる成長を遂げるためにはリアルタイムな経営判断が不可欠だ。そのためには、グローバルなシステム統合による情報の可視化も求められる。情報システム部 エンタープライズ・システム マネージャーの小林 正幸氏は「これらの課題解決を目指すとともに、基幹システムの刷新にあたっては、『次の10年間にわたる会社の成長を支えるための仕組み作り』という明確な目標を打ち出しています。複数のシステムを検討するなか、会計をはじめとしたコアシステムには『SAP S/4HANA』を選択しました。ユーザーの利便性が求められるフロントエンド部分には『Pega Platform (以下、Pega)』を導入するという構成を採用しました」と説明する。
情報システム部 エンタープライズ・システム マネージャーの柚木 晃氏も「刷新にあたって可能な限りSAP S/4HANAのアドオンの利用を抑えるようにしました。これまで別のソリューションで運用されていた稟議申請や購買申請、機材管理といったワークフローに関わる部分はPegaに統合しています」と詳述する。
日本企業特有の細やかな帳票要件に対応する「SVF Cloud」を選定
さらに、基幹システムのSAP S/4HANAの移行とともに踏み出したのが、帳票作成・運用システムのクラウド化だった。柚木氏は「SAP S/4HANAとPegaがクラウドサービスであることから、帳票基盤もクラウド型のソリューションであることがシステム全体の一貫性を保つうえで自然な流れでした」と説明する。
そして、帳票基盤のクラウド化に向け、最終的にスクウェア・エニックスが選択したのが、ウイングアークが提供する帳票ソリューション「SVF Cloud」だ。数あるクラウド型の帳票ソリューションのなかから、SVF Cloudを採用した理由は、罫線や表示位置など日本企業特有の細やかな帳票要件を満たせることだった。
「比較対象には、従来より使用していたオンプレSVFやSAPの提供する標準ツールなども含まれました。しかし、対外的に発行する見積書や請求書といった書類において、日本企業に特有の枠線の太さや位置、文字の間隔、細やかなレイアウトや精度が求められる帳票の作成には不向きであると感じました。一方、SVF Cloudは日本企業に求められる細やかな帳票出力に対応でき、クラウドでの利用が可能な唯一のソリューションでした」と柚木氏は振り返る。

また、同社は以前からオンプレミス環境でSVFを利用していた実績があり、製品への信頼性があったことや、データ連携プラットフォームの「DataSpider」や統合システム運用管理の「JP1」と併せて使うことができる点もポイントだったという。「提案を寄せてくれたベンダーの多くが、帳票基盤としてSVF Cloudを選定していたことも導入を決定づけました」と、小林氏は強調する。
バックエンドからフロントまでの帳票出力をSVF Cloudに集約
SVF Cloudの導入にあたり、スクウェア・エニックスは周辺システムの帳票出力機能を利用するのではなく、すべての帳票はできるだけSVF Cloudに一括して作成・管理するというポリシーを策定した。
「これは、エンジニアのスキルを集約させて仕様やシステム標準を統一することで、将来的なメンテナンスコストを抑制する狙いがありました。これにより、各ソリューションの帳票発行のレギュレーションの枠組みにとらわれず、SVF Cloudに設計標準を集約することにしました」(小林氏)
この方針のもと、会計コアであるSAP S/4HANAからの出力だけでなく、フロントエンドを担うPegaから発行される請求書、見積書、発注書など、すべてSVF Cloudを経由して出力される構成が採られている。これにより、発行元がどのシステムであっても一貫した帳票出力が可能な体制を整えた。

SVF Cloudの導入に際して苦労した点は、「現行の帳票と全く同じものを出し続けたい」という現場ユーザーからの要望への調整だった。同社はこれを機に業務や帳票システムの見直しも実施し、最終的に約50本の重要な帳票に絞り込んだ。
また、同社はこれまでオンプレミス版のSVF を帳票作成に利用していたものの、長年にわたって利用されてきたため、開発ノウハウを持つエンジニアが少なくなっていた。そのため、実質的にはすべての帳票を新規で作成しなければならなかったという。しかし、SVF Cloudの開発容易性がこの問題を解決した。
小林氏は、「プロジェクトメンバーのなかには、SVFを用いた帳票開発が未経験の者もいました。しかし、SVF Cloudの帳票レイアウト作成ツール『SVF Cloud Designer』が直感的で扱いやすかったため、短期間で操作方法を習得して帳票開発に入ることができました」と評価する。

業務プロセスの大幅な変更にもかかわらず、安定した帳票出力を実現
新たな基幹システムは、2023年5月から運用が開始されている。現在では、会計関連の帳票をはじめ、請求書や見積書、発注書、各種報告書など、多くの帳票が日々出力されている。
SVF Cloudに対する評価ポイントの1つが圧倒的な安定性だ。「運用開始以後、現在に至るまでSVF Cloudを起因としたトラブルは一度も発生しておらず、安定運用を維持し続けています。何より、大規模なシステム刷新によって業務プロセスが大きく変化したにもかかわらず、ユーザーに違和感を与えることもありません。加えて、安定して高品質な帳票を継続して提供できていることが、SVF Cloudがもたらす大きな価値と評価しています」と小林氏は強調する。
また、クラウド化されてもこれまで通りのパフォーマンスを維持している。柚木氏は、「SAP S/4HANAからのバッチ処理による大量出力や、Pegaからのオンラインによるリアルタイム出力の両方において、SVF Cloudは遅延のない優れたパフォーマンスを維持しています。一般にデータ量が増えれば処理が重くなるイメージがありますが、SVF Cloudにおいて処理遅延が発生したという障害は発生したことはありません」と評価する。
そして、罫線の太さや項目の位置をミリ単位で調整するようなきめ細やかなレイアウト再現能力も、海外製のツールにはない大きな強みである。「例えば、ある報告書のなかには送り先によって微細に記載する項目が変わります。そうした帳票についてもSVF Cloudは柔軟に対応できるようになっています」と柚木氏は話す。
「このほか、急遽帳票の追加が必要になった際、SVF Cloudは開発した新システムと即座に連携し、1ヶ月足らずで求めていた体裁の帳票を作成できました。これまでの経験から帳票レイアウトの作成は多くの時間を要するものと思い込んでいただけに、予想以上にスムーズな構築が可能であったことに驚いています」(小林氏)
今後の展望として、同社はさらなるデジタル化や統合を見据えている。現在運用している帳票基盤をベースに、ウイングアークのSVFシリーズ製品である帳票保管「SVF Archiver」とSVF Cloudの連携を軸にした帳票発行・管理の効率化は検討の1つだ。
また、生成AIを活用した業務プロセスの構築にも強い関心を寄せている。ウイングアークが提供するAIプラットフォーム「dejiren AI」などを通じて、人間が介在する業務の自動化や高度化も視野に入れているという。
最後に小林氏は、次のようにウイングアークへの評価と要望を語った。
「ウイングアークは帳票基盤をはじめ、データ活用のためのBIツールや生産性向上のためのAIツールなど、企業の業務の核心を担う領域において横断的なソリューションを提供しています。こうした会社は国内でも稀有な存在であると捉えています。今後も“縁の下”を支えてくれる製品を世に送り出し、製品間の連携強化を進めながら先進的なソリューションの提供を期待しています」(小林氏)
Company Profile
株式会社スクウェア・エニックス
設立:2008年10月1日
本社所在地:東京都新宿区新宿6丁目27番30号 新宿イーストサイドスクエア
主な事業内容:ゲームを中心としたデジタルエンターテインメント、出版、ライツ・プロパティ
URL:https://www.jp.square-enix.com/
(写真左より)
情報システム部 エンタープライズ・システム マネージャー 小林 正幸氏
情報システム部 エンタープライズ・システム マネージャー 柚木 晃氏
導入製品
SVF Cloud
様々なシステムやクラウドプラットフォームと連携し、帳票設計・帳票出力をオールインワンで利用できるためサーバーの導入や運用メンテナンスなく、すぐに帳票開発・運用を始められます。




