導入事例

パナソニック ネットソリューションズ株式会社

パナソニック ネットソリューションズ株式会社

外資系のグループウェアからinvoiceAgentへ移行し文書管理と検索性を高める
ワークフローと文書管理の連携で業務効率を大きく改善

歴史ある国産ワークフローシステム「MAJOR FLOW」を開発・販売するパナソニックネットソリューションズ株式会社(以下、パナソニック ネットソリューションズ)では、現在社内で活用しているシステムにおいて保管された文書の検索性に課題を持っていた。そこで電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent 文書管理」を導入し、文書管理を効率化。さらに「MAJOR FLOW」と連携することにより、全社のさまざまな業務効率化が可能となった。

導入背景

文書管理を行う全社統一の仕組みが確立されていなかった。特に営業部内では検索性に課題の多いNotesでの文書管理によって、検索に多くの時間を要したり資料が再利用しづらい状況が続いており、業務効率改善の必要性を感じていた。

課題
  • 文書管理のためのツールが散在しており全社で統一されていなかった
  • アプリケーションをまたいだ検索ができず、必要な文書にたどり着くのが困難だった
  • 文書検索をあきらめてチャットで協力を求めることが常態化し、非効率だった
解決策導入ポイント
  • invoiceAgent 文書管理を全社統一のプラットフォームに位置づけた
  • ワークフローのMAJOR FLOWとの連携で自動化可能な領域を拡張した
効果
  • 1ヶ月で営業部内の約3,000文書を移管し、検索のために各営業の時間を奪うことがなくなった
  • 必要文書に辿り着くまで30分かかっていたものが、1日1、2分に削減。文書の有効活用にも繋がった
  • 四半世紀にわたって運用してきたNotesからの移行で得た知見をもとに、顧客に対してよりよい提案が可能になった

根強く支持されるワークフローシステムを擁する
パナソニック ネットソリューションズ


 パナソニック ネットソリューションズは「皆様の想いに寄り添い、情報技術のチカラを活用し、お役立ちを社会に届ける」をミッションに掲げ、ワークフロー、映像監視、ITインフラを柱に事業を展開している。


 Notes対応 ワークフローシステム「総二郎」を1999年にリリースして以来、時代のニーズにあわせてWebブラウザー対応ワークフロー「MAJOR FLOW」を2016年にリリースして、高い支持を獲得するなど、およそ四半世紀にわたって、ワークフローシステムの提供を続けている。また、映像監視システム「Argos View」は、国内VMS(ビデオ・マネジメント・システム)市場において2016年より現在まで、7年連続シェアNo.1に位置している。


 いずれの製品も外部システムと接続して機能の拡張や利便性を向上できる設計となっており、ウイングアークの電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent 文書管理」や、コミュニケーションプラットフォーム「dejiren」などとも連携する。


 同社では、このほかにもITソリューションを取り扱っており、自社導入によって得た知見とともに提供してきた。


文書管理が業務効率を低下させていた


 一方で、会社設立は2008年ではあるが、組織の源流をたどれば1996年から歴史は始まっており、これまでにさまざまな製品を組み合わせて構築してきたシステムは、すべてが「ベスト・オブ・ブリード」だとはいえず、「継ぎはぎ」のようになっている部分もあったという。


 社外との協業推進や全社の業務効率向上を主導するコーポレート本部経営企画部では、特に文書管理において課題意識を抱いていた。社内ではペーパーレス化が進んでいるが、ファイル共有や全社の情報集約に用いる基盤が統一されておらず、Notes、ファイルサーバー、Teams、OneDrive、SharePointといった手段が併用されていた。中でもNotesの存在は、同部部長の上津原 寛氏を悩ませていた。


コーポレート本部 経営企画部 部長 上津原 寛 氏

 「MAJOR FLOWの前身にあたるワークフローが、当時人気の高かったグループウェアのNotesで動作するソリューションだったこともあって、今日まで当社の文書管理は主にNotesで行ってきました。Notesでの文書管理は、文書を入れる1つの箱が1つのアプリケーションになっているイメージで、いくつもの箱によって当社のデータベースを構成していました。Notesの標準機能ではアプリケーションをまたいだ検索ができないため、目的の文書にたどり着くまでに多くの時間を費やしてしまっていたのです」


 検索性の課題カバーするために、特に営業部内ではチャットで質問して資料等の情報提供を呼びかける運用が常態化していた。営業統括部 マーケティングセールスユニットでリーダーを務める笹木 俊太氏は「これが最大の課題でした。問い合わせに応じる者が時間を取られてしまいますし、あくまで善意の活動であって応じてもらえないこともあります。また、Notesで保管されている営業系の文書はおよそ3,000あり、チャットで呼びかけても目的の文書にありつけるとは限りません」と説明する。


営業統括部 マーケティングセールスユニット ユニットリーダー 笹木 俊太 氏

文書管理の中核に据えたのはinvoiceAgent 文書管理


 そこで経営企画部では、Notes以外のツールも対象として文書管理のあり方を見直すことにした。長年にわたり慣れ親しんできたツールを思い切って刷新することにはリスクもあるが、本来の業務に注力できる状態を目指したのだ。


 そしてファイルサーバーを残しながらも、長期保存する文書についてはinvoiceAgent 文書管理を統一プラットフォームとして運用することに決めた。


 「invoiceAgent 文書管理は、階層構造がわかりやすく検索もしやすいですし、invoiceAgentシリーズの別製品との親和性が高く、さらにその先まで“つながる”という観点で他の文書管理ソリューションよりも魅力がありました。例えばinvoiceAgent 電子取引は、電子取引の標準仕様であるPeppolに対応しており、将来的には当社のお客様とのデジタルインボイスの受け渡しが、MAJOR FLOWとも連動させて効率化できるものと期待しています。invoiceAgent 文書管理は、単なる文書保管のシステムではないのです」(笹木氏)


 導入プロジェクトは、検討開始から3ヶ月で稼働に至り、営業部に最優先で展開。1ヶ月ほどで全社の3割程度がinvoiceAgent 文書管理の利用を開始している。時間を割いて操作方法を説明しなくとも、シンプルで直感的に操作できてしまうためか、利用者からの問い合わせ対応に追われるようなことはないという。


 導入作業も特につまずくことなく、順調に進められたと笹木氏は振り返る。


 「ウイングアークのサポートサイトのコンテンツが充実しており動画もあるので、それを見ながら導入できました。正直、苦労したことはありません。サポートに問い合わせることもありませんでした」


営業部内での非効率な問い合わせを撲滅


 現在は営業部を中心に文書管理の運用を切り替え、順次、バックオフィスなど他の部門でもinvoiceAgent 文書管理を利用するようになっている。


 「営業部内では、資料を探すためのチャットがなくなりました。従来は、問い合わせにかかる時間と善意で探す時間で1件あたり30分程度、1日3件として1.5時間がムダに費やされていたことになります。invoiceAgent 文書管理になってからは、1件あたり1、2分で自力で資料にたどり着けます」(上津原氏)


 また、実際にinvoiceAgent 文書管理を使い始めてから気がついた利便性もあったという。


 「ファイルのプレビュー機能があるため、目的の文書を見つけやすくなりました。以前のシステムではファイルを開いてみるまで中身がわからないので、ファイル名を頼りに開いてみたら、ロードに時間がかかったのに違っていたということがよくありました」(笹木氏)


ウイングアーク製品とMAJOR FLOWの連携でさらに効率化できる


 新しい文書管理の運用状況について、上津原氏は「まだスタートラインに立ったところ」と説明するが、今後はさまざまな用途で活用を広げ、全社の業務効率化に役立てられるものと期待が膨らんでいる。


「まずは、システムエンジニアがお客様に提供する資料を、必要な人が検索しやすく活用しやすい状態にしたいと考えています。Notesには版管理の機能がないため、どれが最新版なのかがわからず迷うこともあったのですが、invoiceAgent 文書管理では更新履歴も追えるので運用に利用したいですね」


 例えば、現在はセミナー資料を作成してもうまく共有されていないため再利用されず、別の担当者が同じ内容の資料を作ってしまうことも珍しくないという。共通のプラットフォームをinvoiceAgent 文書管理と定めれば散逸することはなく、検索しやすいだけでなく格納時に仕分けを機械的に行えるため、このようなムダを防ぐことができる。


「不要なった文書は削除する運用も始めたいと思っています。Notesにはその機能がありませんでしたが、invoiceAgent 文書管理なら、1ヶ月後などの期限を設定して自動的に削除できるので活用したいです」(上津原氏)


 笹木氏はinvoiceAgent 文書管理とMAJOR FLOWの連携による効率化を目指している。 


 セミナーを開催する際には、営業部が開催申請書を作成して経営企画部に提出する。その中には内容のほか、集客目標や受注目標などが記載されており、セミナー実施後は参加者リストとともにワークフローで関係者に連携する。リストを受け取ったインサイドセールス部門は、さまざまな情報を参照しながら施策を実行するのだが、invoiceAgent 文書管理によって過去の情報を検索しやすくなる。セミナーだけでなく、バックオフィスで行う契約査閲のフローなどでも同様に効率化できると考えている。


 また、プレスリリースを作成してから世に出すまでのフローを効率化したいとも笹木氏は話す。


「ソリューションに関するプレスリリースを出すときは経営企画部で起案を行い、担当の事業部門で承認を得てから、社内決裁を経て発布しています。そのやり取りにはワークフローを活用するのですが、その流れで今後はプレスリリースをinvoiceAgent 文書管理 へ MAJOR FLOW承認後にiAへ自動格納することで、従業員はホームページにアクセスしなくても、常に最新のものを確認できるようにしたいのです」


 プレスリリースの周知は、さらにdejirenとも連携する仕組みを構築することでより確実に行えるようになる。


 「MAJOR FLOW からinvoiceAgent 文書管理にプレスリリースが格納されたタイミングで、dejirenで通知すれば、わざわざTeams等で知らせる必要がなくなります。このほかにも経営企画部からの通知は多いため、かなり楽になるだろうと期待しています」(笹木氏)


文書管理の見直しでの苦労をお客様のために生かしたい


 上津原氏は、今回のinvoiceAgent 文書管理の導入や利用シーンを拡大する過程で得た知見を、同様にNotesの見直しを検討中の顧客に対して提供していきたいと語る。


 「当社は約25年にわたってNotesを利用してきただけに、生きた事例としてお役立ていただけるのではないでしょうか。Notesを前提とした業務になっているはずですので、ただツールを置き換えるだけではなく、業務も合わせて変える必要があります。そのことも含めて、私たちの苦労話を提案に生かしていきたいです」


 最後に改めてプロジェクトを振り返ってもらい、文書管理の仕組みを見直している方へのアドバイスを聞いた。


「当社では社内文書の管理方法がばらばらでしたので、統一するには全社横断の組織である経営企画部が旗振り役となりました。各部署がどのような情報資産をどうやって管理しているのか、ヒアリングで確認する作業には手間がかかりましたが、この情報を現場と一緒に棚卸しすることが肝だと思います」(笹木氏)


 一方で上津原氏は、クラウドサービスの特徴を利用して前に進んでほしいと背中を押す。


「文書管理のような業務の軸になる仕組みの移行には勇気が要りますが、実際にinvoiceAgent 文書管理を使ってみると、業務効率化を実感できます。これは現場も同じで、使ってみれば価値がよくわかる取り組みです。DX推進だと考えて肩肘を張るのではなく、せっかく手軽に始められるクラウドなのですから、当社のようにまず1部署から展開して試してみてもいいのではないでしょうか」


 MAJOR FLOWの顧客からは、連携機能の拡張に期待する声が多いと聞く。ウイングアークとしてもinvoiceAgentシリーズと一体となったユースケースの発案や機能実装に取り組み、生産性向上に寄与していく。


Company Profile

パナソニック ネットソリューションズ株式会社

設立:2008年
所在地:東京都中央区
事業内容:ワークフローソリューション(MAJOR FLOW)、映像ソリューション(ArgosView)、ITインフラソリューション
URL:https://netsol.jpn.panasonic.com/

コーポレート本部 経営企画部 部長 上津原 寛 氏(写真左)
営業統括部 マーケティングセールスユニット ユニットリーダー 笹木 俊太 氏(写真右)

導入製品

あらゆる帳票の仕分けから保管、検索、他システムとの連携も可能な文書管理ソリューションです。

 
このページのトップへ