導入事例

株式会社電算

複数の自治体における帳票業務を低コストで効率化
自治体基幹系業務におけるAI OCRの共同利用を推進

導入製品
業種
行政
投稿日
2022.04.25

地方公共団体向けサービスを強みとする総合情報サービス企業、株式会社電算(以下、電算)。同社では、ウイングアークの文書活用ソリューション「invoiceAgent」を自社のデータセンターに置き、複数の自治体でAI OCRを共同利用できる環境の提供を進めている。本提供により各自治体は、共同利用によるコストメリットを享受しながら、invoiceAgentのAI OCRと文書管理機能を使って入力・保管・検索といった帳票処理事務の効率化が実現できる。

導入背景
自治体では、住民からの申請書をはじめとする様々な紙文書のデータを各業務システムに入力するために多くの手間と時間を費やしている。そのような課題解決のために、AI OCRを導入しようとしても、各自治体が単独で導入するには多くのコストがかってしまう。そこで電算では、複数の自治体が共同で利用できるAI OCRの検討を進めた。

課題
  • 自治体で扱う住民からの申請書などの様々な紙文書を、各業務システムへ入力するために多くの手間と時間を要している
  • AI OCRや文書管理システムを各自治体が単独で導入するにはコストがかかりすぎてしまう
  • 入力後の申請書など、多くの紙文書の保存場所の確保や把握、保存年限に従った廃棄処理が煩雑である
解決策導入ポイント
  • 電算のデータセンターでinvoiceAgentを運用し、複数の自治体がインターネットと分離されたクローズされたセキュアな環境で共同利用ができる
  • invoiceAgent AI OCRに搭載されたAI OCRで、高精度かつ手間をかけずに紙文書を電子化
  • 電子化した文書をinvoiceAgent 文書管理に蓄積し管理・検索を容易に
効果
  • AI OCRで紙文書を電子化できるようになり、業務効率や入力業務の品質も向上する上、RPAの活用の効果も拡大
  • 自治体職員が自席のパソコン上で申請書等の文書を検索できるようになり、住民からの問い合わせに対して迅速な対応が可能に

「共同利用」にすることで導入コストを低減


 総合情報サービス企業である電算は、地方公共団体向けサービスを強みとしており、全国350以上の地方公共団体にシステムを納入している。そんな同社が近年感じていたのが、各自治体の帳票処理における煩雑さだった。自治体の業務には、住民からの各種申請書をはじめとして、数多くの紙文書が依然として残っている。自治体DXなど、デジタル化による効率化の必要性が叫ばれているが、「脱紙文書」を実現するのは容易なことではない。


 こうした自治体の現状を熟知していた電算は、総務省の令和2年度予算「情報通信技術利活用事業費補助金(地域IoT実装・共同利用推進事業)」の公募に、「共同利用AI-OCRによる帳票処理事務の業務効率化」を提案した。


 同社営業部は「自治体の業務効率化実現について社内で検討する中で、手書き文書のデータ化が業務効率化に貢献すると考えました。しかし、手書き文書のデータ化を各自治体が個別に進めるには予算という壁があります。そこで、複数の自治体が共同利用することで、低コストで帳票処理を効率化できないか検討しました」と振り返る。


 さらに、「自治体の業務には特定時期だけに行うものも多く、利用する業務を特定しすぎると、導入しても使われない時期が出てきます。そこで1年を通して様々な業務で利用し、結果を検証することにしました」と続ける。


AI OCRと文書管理が一体となったinvoiceAgentを採用


 電算がいくつかのAI OCR製品を比較検討した上で、自社のデータセンターに導入したのがウイングアークの文書活用ソリューション「invoiceAgent」だ。invoiceAgentは文書管理機能だけでなく4種類のOCRエンジンが利用でき、そのうちの1つに、AIを活用した手書き文字のテキストデータ化ができる「DEEP READ」がある。


 「invoiceAgentはAI OCRはもちろんのこと、文書管理機能も充実しています。他社のAI OCR製品は手書き文字のデータ化のみといったものが多く、読み取った文書を管理することができませんでした」(営業部)


 自治体が扱う文書は個人情報が多く、クローズされた環境で利用したり、統合行政ネットワーク「LGWAN」で利用したりするケースが多い。そこで電算では、invoiceAgentの機能や、自社のデータセンターで複数の自治体がセキュアな環境でサービスが快適に利用できるかなどを検証。満足のいく成果が出たことで、invoiceAgentを採用した。


複数の自治体でAI OCRを共同利用できる環境を提供

業務効率化、住民サービス向上に貢献


 電算の「共同利用AI-OCRによる帳票処理事務の業務効率化」は、令和2年度総務省「地域IoT実装・共同利用推進事業」に採択された。当事業への参加自治体は電算の業務システムを利用し、ペーパーレスによって業務効率化に興味があるところに声をかけた。事業採択後は、2020年度に実装、現在も実際に利用されている。


 「今後のモデルケースとするため、住民数が10万人弱の市、住民数約1万人の町、住民数約4千人の村という規模の異なる3自治体に参加してもらうことになりました。いずれも当社のユーザーで、当社がその業務運用をよく理解している自治体です」(営業部)


 参加した3つの自治体は、自治体DXや業務効率化に興味を持っているのは共通しているが、現場の体制や環境はそれぞれ異なる。2020年度に実施された実装期間には、新たな発見もあった。


 事業に参加した自治体の一つである長野県佐久市では、ふるさと納税にまつわる「寄付金税額控除申告特例申請書」の処理にAI OCRを活用した。この申請書にはマイナンバーを記載する欄があり、申請者が記入した手書きと、印刷された文字が混在するため、読み取りにくいのではないかという懸念があった。しかし実際には問題はなく、AI OCR導入前と比べて作業時間が28.9%削減され、前年では1ヶ月程度かかっていた入力作業が2週間程度で完了するという効果があった。他にも佐久市では、「特別徴収異動届出書」の処理にAI OCRを活用し、40%の作業時間の効率化を実現した。「職員の方の作業も大幅に効率化されたという声をいただいております」と、営業部はその効果を話す。


 もちろん、すぐにこうした成果が上がったわけではない。職員サポートを担当した同社サポートサービス部は、「職員の方が確認する作業については、従来は紙で行っていたものを、画面を見ながらチェックすることになるため、最初は戸惑いの声もありましたが、すぐに慣れてメリットを感じていただくことができました」と現場の状況を説明する。


さらなる効率化を目標に、さらに多くの場面での利用を目指す


 AI OCRを利用する場合、帳票自体に問題点があるケースもある。例えば申請書の氏名欄において、カナと漢字氏名欄が分かれていない等の各帳票のレイアウトが読み取り精度に影響を与えてしまう。この点について営業部は、「現在、国が進めている自治体システム標準化により帳票の様式が統一されることで、invoiceAgentで作成する帳票定義の共通化が図られていくはずです。標準化によって自治体毎に異なる帳票様式が統一されると、AI OCRの活用も増えてくるのではないか」と、標準化と共に使いやすさも向上するとみている。


 電算では2022年度からさらに多くの帳票をAI OCRで読み込むことや、これまで利用されていなかった部署での利用、今回の3自治体以外の自治体に対しても導入を提案していく計画だ。


 現在自治体では「転入届」などのような申請書類を紙で管理しており、職員が届出順等に並べてファイリングして保存しているが、住民から問い合わせを受けると、ファイルから原本を探し出し、問い合わせに答えなければならない場合も多い。ところがinvoiceAgentを導入することで、該当者の申請書類をパソコン上ですぐに検索し、問い合わせに回答することができ、住民サービス向上にもつながる。紙媒体から電子化することで保管場所、作業時間、住民サービスの全てに効果があるものは、他の自治体からの問い合わせも多いという。


 「国でも自治体の業務効率化を推奨しています。業務自体の電子化を進めることはもちろんのこと、自治体の業務現場において紙文書で対応せざるを得ない場合などのアナログ業務に対しては、AI OCRや文書管理だけでなく、RPA利用などにもつなげ、効率化を実現したいと考えています」(営業部)


 さらに「『共同利用AI-OCRによる帳票処理事務の業務効率化』では作業時間30%削減をKPIとして定めています。今後は対象帳票の利用範囲を拡大し、業務効率化が進められるよう提案をしていきたいと考えています」とし、より多くの帳票、より多くの自治体での利用を進めていくことに意欲をみせている。


※2022年6月より「SPA」および「SPA Cloud」は「invoiceAgent 文書管理」「invoiceAgent AI OCR」に名称を変更しました。


Company Profile

株式会社電算

設立 :1966年3月 所在地 :長野県長野市 事業内容 :長野県を基盤とする総合情報サービス企業。特に、「自治体に強い電算」として全国350以上の地方公共団体にシステムを導入。また、民間企業向けについても、医療・福祉、金融、流通、報道、製造業などそれぞれの業務内容に適した情報環境づくりをサポートしている。 URL :https://www.ndensan.co.jp/

株式会社電算 営業部 株式会社電算 サポートサービス部

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