「Dr.Sum EAシリーズ製品がひととおり紹介されたのですが、なかでも集計結果を視覚化できるDr.Sum EA Visualizerがいいと思いました。製造部門では“データをこういう見方で見たい”というニーズはさまざまで、それに応えるため非常に苦労していました。業務の本質的な部分ではなく、道具を作るのに四苦八苦しているようなものですから、なんとかそこを解消したいと思っていました。まさにDr.Sum EA Visualizerはそれを可能にする製品だと思いました。自前で作るのと比べて手間がかからず設計が簡単であること。またデータ分析環境の構築となると非常にコストがかかりますが、Dr.Sum EAは手頃な価格で部門単位で導入できるところも魅力でした。」
小竹氏はDr.Sum EAをさっそく製造部門に紹介した。そのとき、まっ先に手を挙げたのがタイル建材事業部だった。同事業部には協力工場も含めると14の生産拠点がある。そうした工場に向けて、ホストコンピュータから切り出された生産管理に関する各種の情報は、建材統合システム(CHANS)によりイントラネット上で提供されていた。そこで、タイル建材事業部生産部システム推進室が、各工場で個別に行なわれていたデータのグラフ化の作業を、Dr.Sum EA、Dr.Sum EA Visualizerを利用して、一元的にグラフ化することにしたのである。
同社がDr.Sum EA、Dr.Sum EA Visualizerを導入したのは2006年6月、現在このイントラネット上では、800万件の元データを使って約5万点に上るタイル建材の在庫、出荷、受注残の動向情報が、約3ヶ月でグラフ化された。このデータ量をグラフ化するため、開発に携わった技術者は2名。特にデータベースやSQLのスキルの必要のない同製品であるからこそできたことかもしれない。
Dr.Sum EA Visualizerの利用例はほかにもある。それが商品カタログの利用実績情報だ。たとえば、ユニットバス商品のカタログを制作する際、過去のデータを参考にして印刷部数を決定していたが、年度により刷り増しや余剰部数が生じていた。そこで、過去1年間のカタログ利用状況をグラフ化してその推移を見ることにした。グラフ化すると、時期によりどのくらい必要が生じたか、また刷り増しが生じた原因が一目でわかる。今後は、商品カタログについて、何万部であれば、過不足なく作成できるかが高い精度で予測でき、コスト削減にもつながるというわけだ。
さらに、同社製品の品質管理部門におけるデータ分析業務でも、Dr.Sum EA Visualizerの利用が決定しているそうだ。
今後は、3つの利用例を浸透させ、これらをリファレンスサイトとしてその他の製造部門に対して紹介していくことで、全製造部門レベルでの利用へと水平展開を図っていくという。Dr.Sum EA Visualizerを駆使した見せ方の標準化・定型化により、各種データ資産の効率的な利用を進めたい、と小竹氏は意気込みを語った。