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現場担当者が語る!生産現場のデータ活用|横河マニュファクチャリング【前編】

作成日:2022.06.28 更新日:2024.01.23

生産現場のDXを進める上で、こんな課題はありませんか?
「拠点間での情報連携がうまくいかない…」
「各拠点の作業負荷や前工程の拠点の進捗状況がリアルタイムで把握しづらい…」
「製造現場で状況をすぐに確認したい…」

この記事では、同じような課題を抱えていた横河マニュファクチャリング株式会社の藤井様に、実際の課題や解決のための方法について、ウイングアーク1st株式会社の北澤がインタビューを行いました。

実際に生産現場でどのようにデータ活用しているのか
どんな課題に対してどんなダッシュボードを作って改善につなげているのか
など、製造現場のデータ活用のヒントとなるお話しが盛りだくさんですので、ぜひ社内での取り組みにお役立てください。

また、後編では実際にダッシュボード画面を開発している植松様をお迎えし、具体的な取り組み事例についてお話しいただきますので、合わせてお読みください。

YouTubeでインタビュー動画を見る

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横河製品の生産を担うモノづくりの会社「横河マニュファクチャリング」

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北澤:まずは、会社概要をご紹介いただけますか。

藤井様:横河マニュファクチャリング株式会社 生産技術本部 DX推進部 デジタルファクトリー推進課の藤井と申します。
横河マニュファクチャリング株式会社は、社会インフラを支える横河製品の生産を担うモノづくりの会社です。
世界各国に展開する横河グループ生産拠点のヘッドクォーターとして、海外の生産拠点への技術展開を行っています。

北澤:御社の取り扱い製品を教えて下さい。

藤井様:横河は電機、ガス、石油や化学プラントにおける計測制御機器を手掛けています。
私が担当している小峰工場では、ガス分析計、液分析計やフィルムシート、厚さ計といったシステム製品を取り扱っています。

北澤:自社製品のPRポイントがあれば教えてください。

藤井様:当社はお客様一つ一つの仕様に合わせて生産される製品を数多く扱っています。
お客様のあらゆるニーズに対応できる、多品種少量生産体制を整えておりまして、製品一つ一つの価値を高めてお客様にご提供しています。

生産現場の課題は拠点間の情報連携

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北澤:現在はウイングアーク1stが提供する「MotionBoard」を導入いただいておりますが、「MotionBoard」を導入する前の生産現場での課題感を教えて下さい。

藤井様:拠点間の情報連携といったところに課題を抱えていました。

というのは、弊社の製品の中には組立工程を国内で行いまして、最終調整工程をお客様先である現地の海外拠点で行うといったように、複数の拠点を横断して生産する製品があるんですね。

着工計画を作成する上で納期ですとか受発注の状況については基幹システムで確認できるんですが、各拠点の作業負荷がどれくらいかであったり、前工程の拠点の遅れ・進みといった現場の状況が把握しづらい状況でした。

また、これを把握するために、拠点ごとの担当者同士で綿密な確認が必要であったりするので、これをもっと簡単にあるいはすぐに製造現場の方で確認できるような仕掛けを作りたいと考えていました。

拠点ごとの作業負荷をダッシュボードで可視化

北澤:実際にこういった課題感をお聞きしたんですけど、ウイングアーク1stの「MotionBoard」という製品を使って、どのような形で課題を解決されたのか詳しくご紹介いただければと思います。

藤井様:まず、こちらが負荷を確認する画面です。画面の説明をさせていただきます。

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藤井様:日ごとの横軸に対して、その日に計画している機器を難易度別に色を分けて、積み上げる形で日毎の負荷状況を可視化しました。

画面の中央には、その日の総数の積み上げ、画面の下には担当者ごとの積み上げ、また難易度ごとランクごとの積み上げといった切り口で見える化を行いまして拠点を切り替えることで、他拠点も相互に見えるようにしました。

同じグラフイメージで他の拠点の情報も見えるようになります。

その日の許容量に基準線を引いてますので、負荷が高い時期というのがひと目で分かりますし、また、拠点間の負荷バランスを見て、平準化であったり他の拠点への支援であったりといった着工シミュレーションが肌感覚ではなくて、データに基づいて行えるようになりました

また、展開のしやすさについても重要なポイントでした。
MotionBoardはWebブラウザで動きますから、URLの送付で済みます。資材配布時のソフトの提供や、インストール作業が発生しないので、海外拠点への展開の際には、環境構築の難易度が格段に下がりました。

製造現場の可視化ツール「MotionBoard」の使用感は?

北澤:実際にこういった画面を作っていただいているんですけど、色々なツールを使用してきた中で「MotionBoard」で画面を作ってみていかがでしたか?

藤井様:MotionBoard」は作成する上で積み木を組み合わせる感覚で手軽に可視化ができる点というのが大きいかなと思います。

そして、簡単に画面の作成であったり、作り直しがすぐにできるので製造現場からの要望などがあった時に、アウトプットをすぐに示すことができて画面のすり合わせができるっていうのは、すごく大きいと思いますね。

北澤:現場からの改善の要望、もうちょっとこういう風に変えてほしいとか、こういう風に見たいよって要望って結構ありますか?

藤井様:画面ベースに話すことが多いので、画面をお見せした上で、細かな点であっても、すぐにそれを反映できるというのは大きな強みだと思います。

設備の稼働状況を遠隔から確認できるように可視化

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藤井様:こちらのボードは、自動化設備の設備灯を遠隔から確認できるように可視化したボードとなっています。

設備と距離が離れている事務所に居ながらにして、信号灯の情報の確認が実現できるようになったので、これはこれですごい良い点なんですが、一つの信号灯で、赤と緑の複数が同時点灯したといった表現がこちらではできませんでした。

そこで、ウイングアークさんに相談して、イメージマップ上に信号灯を表現する方式に変更しました。

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藤井様:こちらでは、複数の同時点灯に対応できましたし、信号灯の位置がマップに投影されていますので、対象の設備灯がどこのものなのかというのがひと目でわかるようになりました

さらに分析画面を作りました。
今まで把握できなかったチョコ停であったりその可視化したものを分析したり、もしくは改善につなげられるように現在トライアルをしています。

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今後は他の工場にも展開して拠点間の情報共有を強化

藤井様:今回は小峰工場の1製品をターゲットに、拠点間の可視化を実現しました。

こういった拠点間の情報共有というのは、他の製品であったり、他の工場でも同じ課題感を聞いてます。

これに向けた取り組みをグローバルに進めていきたいと思います。

また、これらのボードは、製造現場のツールとして使っているんですけれども、今後は営業とも共有できるツールとしても活用できるように、改善を図っていきたいと思っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、横河マニュファクチャリング株式会社様の製造現場でのデータ活用についてご紹介しました。

後編ではリアルなダッシュボード活用シーンについてさらに詳しくご紹介します。

製造現場のDXを推進したいけれどなかなかデータ活用が進まないという方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

製造現場のDXを促進する「データ活用」とは?


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