導入事例

ペッツファースト株式会社

ペッツファースト株式会社

毎月4日程度かかっていた業務が、1時間程度に短縮
ペット業界最大手が挑んだ情報一元化と帳票発行の効率化

ペッツファースト株式会社
業種

サービス

子犬・子猫専門ペットショップ「P's-first」や動物病院の運営など、ペットの生涯に寄り添う事業をグループで展開するペッツファースト株式会社(以下、ペッツファースト)では、部門最適が進み情報が散在していたが、「Salesforce」による一元管理を実現した。さらに、「SVF Cloud for Salesforce」を導入し、提携動物病院からの請求書に対応する支払明細書の発行・送信業務を大幅に効率化し、属人化からの脱却も果たした。

導入背景

ペッツファーストではペットの健康情報や顧客情報が一元化されておらず、よりよいサポートを提供するための業務にかかる負担が大きかった。また、帳票出力を伴う業務についても、効率化の機会を探っていた。

課題
  • 部署ごとに最適化して情報を管理しており、必要な情報を得るのに時間と手間がかかっていた
  • サポートサービスで利用されたチケット情報を分析できていなかった
  • 月間約800通の請求書に対応する支払明細書の発行・送信が、非効率な上に属人化していた
解決策導入ポイント
  • Salesforceによって、複数部署にまたがる情報を一元管理
  • SVF Cloud for Salesforceで、Salesforceの情報をもとに一括で帳票を作成し送信
効果
  • システム部門や各担当部署に問い合わせることなく、誰でも自分で情報を利用できるように
  • チケット利用状況などの情報を分析して、よりよいサービスの提供が可能に
  • 1人の担当者が4日間かけていた帳票関連業務が、1時間程度まで短縮
  • インボイス制度に対応した帳票も短期間で作成

「ペット最優先」を掲げ多角的な事業を展開


 ペッツファーストは、経営理念に「Pets Always Come First(ペット最優先)」を掲げ、1頭1頭の健康管理を重視する子犬・子猫専門ペットショップ「P's-first」を全国85店舗、ペッツファースト動物病院を10拠点運営するなど、ペットの生涯に寄り添うペットの総合企業を目指している。ブリーダーから預かったペットの健康管理を行う「ウェルネス管理センター」や店舗の拡大を続けることで、ペットの移動によるストレス低減や健康管理レベルの向上、顧客が気軽に相談できるサポート体制を充実させる方針だ。


 同社では他のペットショップにはない、あらゆるケースを想定したペッツファースト独自のサポートサービス「ほっとサポート」を提供しているのも特徴的だ。加入すると手術費保障など「もしもの時の安心サポート」や、2頭目以降のお迎えやペットホテルなど提携加盟店の「割引サービス」を受けられる。また、このサービスは日々の健康サポートもカバーしており、健康診断、混合ワクチン、フィラリア(血液の循環障害を起こす寄生虫)予防、避妊・去勢手術で使えるチケットを発行。健康管理を身近にするために提携動物病院の拡大に努め、現在1,000院以上で利用できる体制を構築している。


 この「ほっとサポート」をペットと顧客にとってよりよいサービスへ発展させるには、ペットの生涯に関わる中でペッツファーストが蓄積する、さまざまな情報を有機的につなげて活用しなければならない。


 ところが、以前はシステムが個別最適・サイロ化しており、思うように情報を活用できる状態ではなかったと、マーケティング営業本部 ほっとサポート部 マネージャー代理 本間 洋平氏は振り返る。


 「弊社ではブリーダー、ウェルネス管理センターでの検査で把握した健康状態(病歴)、店舗での健康状態、お客様情報という大きく4種類の情報が発生します。それぞれ別部門が担当していることもあり、システムは個別最適で管理する情報の粒度はまちまちです。相互に連携して活用しやすい仕組みにはなっていませんでした。


 例えば動物病院を利用したお客様に対して予防に役立つサービスを提案したいと考えた場合、コールセンターへヒアリングしてお客様の声を集めたり、動物病院に傾向を聞いたりしなければなりません。必要な情報の取得に時間がかかる上、結局欲しい情報が得られないこともありました」


マーケティング営業本部 ほっとサポート部 マネージャー代理 本間 洋平氏

Salesforceを導入してサポートに必要な情報を一元化


 そこでペッツファーストでは、「管理工数の削減」「情報粒度の統一」「お客様属性分析」の3点を実現するために、Salesforceを導入して各部署が持っている情報を一元管理することにした。


 プロジェクトはマーケティング営業本部が中心となって進め、導入から運用定着までを1年程度で終えた。その大きな成果は次の3つだ。


 ・データがSalesforce上に集約されたことで、すぐに情報にアクセスできるようになった。
 ・ペットの健康状態をはじめ、お客様が加入するサービスやご意見など、飼い主とペットの情報を同じ粒度で把握できるようになった
 ・サービスの利用状況の傾向やアンケート情報を飼い主に紐づけて、デモグラフィックなデータも見られるようになり、お客様の姿をより理解してサービス改善の方向性を捉えやすくなった。


 導入に携わったマーケティング営業本部 ほっとサポート部 清野 恭平氏は、ほっとサポートで情報活用が高度化した一例を説明する。


 「提携動物病院で利用できるチケットは、どのエリアのどの病院で、どのようなお客様が何枚使ったのかといった分析ができていませんでした。Salesforceによってチケットの利用状況も可視化されたことで、使っていないお客様に対して近くの病院情報を発信することも可能になりました」


マーケティング営業本部 ほっとサポート部 清野 恭平氏

手作業が多かった帳票作成・送信業務にSVF Cloud for Salesforceを適用


 さらにSalesforceの導入を機に、かねてから課題意識のあった提携動物病院の管理負担を軽減できないかを考えた。チケット利用に伴って毎月約800院から請求書を受け取るのだが、これに対してExcel等を使って支払い明細書を作成してメールで送り返す運用となっていたのだ。


 「①大量のメール送付が手動なので非効率なこと、②病院によってテンプレートを使い分けなければならず工数が増加していたこと、③請求データがローカル管理で業務が属人化していたこと、この3点を解消したいと考えていました。社内で相談してみたところ、ウェルネス事業部が帳票印刷業務でSVF Cloud for Salesforce(以下SVF Cloud)の導入を検討しているという話を聞き、すでにデータはSalesforceに集約しているので、直接連携できるSVF Cloudに興味を持ちました」(清野氏)


 検討を進めた結果、Salesforceと容易にデータを連携できることに加えて、次の3つが決め手となり採用を決めた。
 ・ユーザー部門でも思いどおりに帳票をデザインできる設計の柔軟性。特に関連レコードの表示などを柔軟に帳票ツール側で設計が可能。
 ・サポート体制の充実も含めたトータルでの安心感。知名度がありユーザー数も多く、事例の共有なども期待できる
 ・コスト面で無駄な出費がない。使用量に合わせて契約を見直せる。


 さらに清野氏は「細かい作業を進めるにはベンダーとの円滑なコミュニケーションが重要だと思っていましたが、ウイングアークの営業担当者への信頼感が得られたので安心できました」と付け加える。


支払明細書の発行・送信がワンクリックで完結


 複数のテンプレートを使い分けて支払明細書を作成してから、各動物病院へメールを送付するまで、1件につき2分程度かかっていたという。「SVF Cloudを知ってすぐに使いたいと思い、急ピッチで実装しました」と話す清野氏は、自ら帳票の設計と実装を担い、ワンクリックで完結できる仕組みを1ヶ月あまりで実現した。


 「作業工数の削減、支払明細書のフォーマット統一、そして属人化からの脱却も果たし、誰でも病院ごとの支払い情報をすぐに確認できるなど、管理がしやすくなりました。担当者1人で毎月4日程度かかっていた業務が、ほぼ確認作業だけとなり、1時間程度まで短縮されています。創出できた時間は、ペットショップや病院運営などの業務に充てることが可能になりました」(清野氏)


 SVF Cloud の操作性については「マニュアルを見ながら使っていくうちに慣れ、操作自体はとても簡単でした。そのため操作に関してサポートは依頼していません。ExcelやPowerPointを日頃から利用している人なら、1、2時間で使いこなせるようになるのではないでしょうか」と感想を述べる。




SVF Cloudをさらに活用してデジタル化の取り組みを推進


 今後さらにSVF Cloudの活用範囲を広げていきたいと話す清野氏は、チケットのデジタル化、他部門の横展開、パートナーとの利便性向上を挙げる。また、「Salesforceと連携しているため、急な変化や取り組みにも柔軟に対応できます。インボイス対応は5月に着手しましたが、Salesforce上への登録番号の追加作業も含めて、問題なく終えられました」とも説明する。


 これまでSalesforceを運用した経験をもとに、導入を検討している企業へのアドバイスを求めると、本間氏は「まだ1年あまりですが」と前置きした上で、「Salesforceが持つ強みの1つは速さで、データを集約してしまえば、システム部門を通さずにユーザー部門で柔軟に欲しい情報を用意できるようになります。拡張できるアプリがAppExchangeで提供されていますので、担当営業の方に相談するなどしてうまく取り入れることにより、さらに導入価値を高められるでしょう。データを加工して帳票にするといったアウトプットに関しては、SVF Cloud で補うことで大幅な業務効率化につながりましたし、さらなる活用に期待しています」と語った。


 ウイングアークでは、Salesforceと連携する活用事例の紹介などSVF Cloudの全社的な取り組みを後押しするほか、他のソリューションとの組み合わせを提案するなどして、「ペット最優先」の理念をさらに推し進める事業展開をサポートしていく。


Company Profile

ペッツファースト株式会社

設立:2008年
所在地:東京都目黒区
事業内容:子犬・子猫専門ペットショップ「P's-first」の運営、動物病院の運営、ペットサロンの運営、アフターサポート事業、ペットフードやグッズ等の開発・販売など、ペットの生涯に寄り添う事業をグループで展開
URL:https://www.pfirst.jp/

(写真左より)
マーケティング営業本部 ほっとサポート部 マネージャー代理 本間 洋平氏
マーケティング営業本部 ほっとサポート部  清野 恭平氏

導入製品

SVF Cloudは日本固有の複雑な帳票フォームの設計と、PDFやExcelなどの美しい出力をクラウドで実現。

 
このページのトップへ