導入事例

株式会社将軍ジャパン

株式会社将軍ジャパン

電帳法対応を契機に承認業務のDXも推進
UiPath連携アダプタを活用しAI OCRの入れ替えでコストも削減

株式会社将軍ジャパン
業種

サービス

理美容店舗の運営やフランチャイズ展開を柱に多角的な事業を展開する株式会社将軍ジャパン(以下、将軍ジャパン)では、「invoiceAgent 文書管理」で電子帳簿保存法(電帳法)対応を進めると同時に、積年の課題であった請求書の回付を電子化で解決する道筋を作った。また、既存のAI OCR製品を「invoiceAgent AI OCR」に置き換え、アダプタを活用してRPAツール「UiPath」と連携。各店舗からの営業日報をスムーズに基幹システムに取り込み、業務を効率化している。

導入背景

将軍ジャパンでは電帳法への対応期限が迫り、最適なソリューションを探していた。一方で長年にわたり、請求書の原本を回付する承認業務を電子化する方法を模索し続けていた。

課題
  • 電帳法に対応するため、新たなソリューションの導入が必要だった
  • 請求書の承認が出張などで滞りがちになっていた
  • データエントリー業務が負担となっていた
解決策導入ポイント
  • 請求書回付の電子化とAI OCRを利用して、電帳法にも対応
  • 既存のAI OCRのリプレースに際して、アダプタを使ってUiPathと容易に連携
効果
  • 電帳法にのっとった文書管理の基盤が整った
  • 請求書の承認が4週間から1週間程度まで短縮可能に
  • データエントリーと突合業務は2人から1人で対応可能に
  • 電帳法対応を含めた投資対効果に優れた全社DXを実現

ITで店舗運営の合理化を進める将軍ジャパン


 将軍ジャパンは、15分1,400円のヘアカット専門店「クイックカットBB」などさまざまなコンセプトの理美容店を中心に、まつ毛エクステ、ネイルサロン、さらに飲食店などをフランチャイズ(FC)本部と加盟店の双方の立場で運営している。創業以来、25年以上にわたって「まず、人でありたい」「発想の転換と合理化」「常にお客様目線」という3つの価値観を大切にしながら業容を拡大し、現在はグループ従業員約500名、FC加盟企業約70社で事業を展開している。


 クイックカットBBなどFC本部として展開するブランドには直営店舗もあり、将軍ジャパングループで約100店舗を数える。その運営を円滑に進めるためには、各店舗の従業員はもとより、本社の店舗責任者、経理部など管理部門の力が欠かせない。そして、その力を発揮しやすくするために経営陣は、効率化や働きやすさの改善に努めており、必要なITシステムへの感度も高い。


 ITによって大きな成果を挙げた実例に、前日の売上実績の確認作業がある。毎営業日、FCも含めて約200店舗からFAXで送られてくる営業日報の金額と、POSから上がってくる金額を突合し、不一致があれば日報の作成者に問い合わせるなどして原因を突き止め、独自の経営管理システムが持つ情報を正しく更新する。この業務はかつて、経理担当者2名が半日かけて目視で行っていたが、まずは本社のFAXをペーパーレス化した上で自動化の仕組みを入れることで1名が半日で済ませられるようになり、工数が半減。さらに休日明けに増加する業務量を平準化しようと、AI OCRで営業日報の売上金額を読み取り、RPA(Robotic Process Automation)ツールの「UiPath」でPOSデータと自動で突合できるようにした。また、AI OCRの導入により、顧客の属性分析に使用する来店回数を営業日報から転記する負担も軽減できた。


請求書承認業務が出張などで滞りがちに


 ITシステム導入に積極的な同社だったが、請求書の処理業務に課題を抱えていた。請求書についてのガバナンスは、まず本社の店舗責任者が担当店舗分を確認して承認し、続いて経営層が承認してから決済に至るフローとなっていた。各直営店舗が消耗品や清掃サービス等を発注すると、その請求書は本社の経理部宛に送られてくるが、どの店舗にひもづく取引なのかが明記されていない請求書が多く、各店舗責任者に都度直接確認したり、出張で不在の場合は電話で確認する必要があったりと、店舗責任者に渡すまでに手間と時間を要していた。さらに出張者が多いこともあって、最終承認までに4週間かかることもあった。


 取締役社長兼COOの丹波 孝司氏は、請求書承認の課題を次のように説明する。「北海道・稚内から鹿児島までの広いエリアで店舗を展開しており、私も店舗責任者も出張が多いのが現実です。本社に戻ると机には大量の請求書が入ったファスナー付きのプラスチックバッグが置かれています。不在の期間が長いため承認フローが滞り、私が手に取ったときには承認期限が翌日に迫っていることも珍しくなく、間に合わせるために十分な確認ができないまま押印することもありました。儀式として押印では意味がありませんから、出張の移動中でも確認でき、承認も迅速化できるように電子化の手段を模索していました」


取締役社長兼COO 丹波 孝司氏

 もともと請求書はクリップで束ねて回付していたが、厚さが限界に達してしまったという。複数の束にすると散逸の恐れもあるためプラスチックバッグを使用するようになったのだが、それでも店舗拡大が続いて許容量の限界に近づいていた。


電帳法対応を契機に業務フロー改善にも着手


 そんな課題を感じていた中で、インボイス制度や電帳法への対応について検討を開始した同社は、その過程でinvoiceAgentの存在を知った。ウイングアークからの製品説明を受けて検討を進めた結果、法制度対応にとどまらない多方面での業務効率化が可能だと判断し、導入を決定した。


 経理部の宮崎 綾子氏は、当時をこう振り返る。「いくつかの電帳法対応ソリューションを比較しましたが、invoiceAgentなら法制度対応だけでなく、懸案だった請求書承認業務の電子化まで実現できることが決め手になりました。さらに各店舗の店長からFAXで届く営業日報についても、invoiceAgent AI OCRの機能でそれまでのAI OCRを置き換えられます。しかも月額使用料は、できることが増えるにもかかわらず従来のAI OCRとほぼ同じです」


経理部 宮崎 綾子氏

 請求書承認業務の電子化の観点で、丹波氏が続ける。「弊社の場合、独特な業務フローなので、実現するには複数ソリューションを組み合わせるしかないと考えていましたが、システムトラブルの発生時に問題の切り分けが難しくなることを懸念していました。また、ユーザーにとっても、複数のシステムを使うことで作業が煩雑になり、使われなくなる可能性があります。invoiceAgentは一気通貫でシンプルな仕組みを構築できることが魅力でした」


4週間の承認フローを最短1週間程度まで短縮可能に


 invoiceAgentによる電帳法対応、請求書承認業務の電子化、そして営業日報の処理に利用するAI OCR機能の置き換えに向けて、2022年9月にウイングアークとパートナーベンダーである株式会社ProVisionより将軍ジャパン へ提案を実施。以後、ヒアリングや要件定義を経て、2023年夏にシステムの導入を終えた。


 電帳法対応については現在、スキャナの設置や業務フローの確立を進めるなど、運用開始に向けて取り組んでいるところだ。請求書承認業務は、運用方法を詳細に詰めたり設定を施したりしている段階で、間もなく出張中でもタブレット等を利用して回付できるデジタルワークフローが実現する。


 新たなフローは、以下のような流れとなる。経理担当者がスキャナで請求書を読み取るとファイルサーバーに保存され、invoiceAgent BridgeサービスによってinvoiceAgentにアップロードされ電帳法にのっとった方法で管理される。このとき店舗を特定できれば、自動で承認申請を起案して店舗責任者に回付。一方で、店舗責任者に割り当てることができない請求書については、自分の担当ではないか確認を依頼。名乗り出た責任者が店舗名を追記してワークフローに乗せ、後続の承認者へ回付する。


「最終的にはAI OCRで店舗名を特定しての自動仕分けが理想ですが、まずは経理担当者による仕分けで始めて、物理的な制約なく請求書を確認できる状態を目指しました。店舗責任者や役員の不在が重なると承認を経て決裁までのレビューに4週間かかることもありましたが、その期間は最短1週間程度まで大幅に短縮できると期待しています」(丹波氏)



UiPathとの連携アダプタでAI OCRの導入期間を短縮


 一方、AI OCR機能の置き換えは、UiPathとウイングアークの協業で開発された連携アダプタを活用することで、一般的な工程よりも短期間かつ安価に実現できた。


 「業務フローや作業手順を、以前と変えずに移行できました。リプレースによって操作方法が変わってしまうと、習得に時間とコストがかかりますし、担当者の負担にもなります。手数を増やさずストレスなく移行できたのは、非常に評価できる点です」(丹波氏)


 実際に突合処理を実施してきた宮崎氏は、「以前よりも使いやすくなった」とウイングアークの対応を評価する。


 「月曜日には土日分の営業日報も処理しますが、他の平日用と異なるロボットを作って使い分けていました。今回の対応ではロボットにも手を入れて、1つのロボットだけで対応できるようしてもらえたのがありがたいです」(宮崎氏)


 営業日報からのデータエントリーと突合の業務は、かつての手作業時では2人が半日間張り付いていたが、現在では午前中の早い時間帯に終えられるようになっており、宮崎氏は「経理になくてはならないシステム」、丹波氏は「従業員の不足に対応できるシステム」だと評価する。



 最後に丹波氏はinvoiceAgentの導入を振り返って、次のように話す。「これまで請求書承認業務のデジタル化で検討したシステムはどれも“帯に短し、たすきに長し”で、弊社の独特な業務フローにシステムを合わせるのは難しいと思っていました。ところが、今回ウイングアークの営業へご相談したところ、ピッタリとはまるものを提案していただけました。“特殊だから無理だろう”と諦めずに、相談してみることが大切だと思います」



 将軍ジャパンでは今後もinvoiceAgentの適用領域を広げていきたい意向だ。それは同社の価値観である「まず、人でありたい」「発想の転換と合理化」「常にお客様目線」のさらなる実現を後押しすることになるだろう。ウイングアークは豊富な導入実績をもとに、今後もinvoiceAgentの機能がどのように役立つかを提案し、その具現化まで支援していく。


Company Profile

株式会社将軍ジャパン

創業:1996年
所在地:北海道江別市
事業内容:理美容(理容室・美容室・ヘアカット専門店)を中心にまつ毛エクステ、ネイルサロン、飲食店舗を運営するほか、不動産、広告代理業を展開している。
URL:https://shogun.bz/

(写真右より)
取締役社長兼COO 丹波 孝司氏
経理部 宮崎 綾子氏

導入製品

あらゆる帳票の仕分けから保管、検索、他システムとの連携も可能な文書管理ソリューションです。

活字・手書き文字を高精度に読み取りデータ化できる帳票データ化ソリューションです。

 
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