
BIツール導入における、Dr.Sumの選定ポイント
健康で、快適、安全な生活環境及びオフィス環境の実現を目的に、省力施工、省エネ、耐久性といった観点から住環境製品を製造販売し、業界をリードしてきた株式会社イノアック住環境。イノアックグループが2008年に全社導入したSAPで基幹業務を運用しているが、同時に導入したBIツールは以下の課題を抱えていた。
課題①新たな分析データが必要となれば改修コストがかかるため、販売実績の分析にとどまっていた
課題②集計結果が返ってくるまで時間がかかる
課題③BIツールを必要とする社員が増加したときに、ライセンス費用がかさむ
従来のBIツールは、SAPのデータ抽出のためのプログラムを逐一外部に委託し開発する必要があったこともあり、6年間運用したにもかかわらず、業務部門は販売実績以外のデータを分析対象にすることができていなかった。業務現場からは、不動在庫、仕入れ、単品粗利の分析が必要だという声があがっており、膨大な時間をかけて手作業で対応していた。
また、6年間蓄積した基幹データは数百万件になるが、それだけのデータから必要なデータを抽出・集計するだけで10分程度の時間を要し、業務が中断されていた。
これらの現行課題を解決すべく、次期BIツール選定に着手した。重視した点について管理部の川本 真弘氏は次のように振り返る。
①ツール提案元の ITベンダーから定着化の支援を受けることができる
「データ取り込みから、定義作成、操作までを自分たちで行えるようにし、定着させることが大切だと考えていました」
②集計処理を高速化するための個別チューニング作業を必要としない
「それまで10分程度かかっていた処理がわずか 数秒で完了する性能を評価しました。また、この高速集計処理をノンチューニングで実現できますが、他社のBIツールは各々に付属するデータベースを集計処理ごとに個別チューニングする必要がありました」
③ユーザー数増加にライセンス費用がかからない
「BIツールは、欲しい人が欲しいタイミングで正 確な情報を取得できる必要があります。ライセンスを所有している人に情報の取得を依頼するのではなく、自分でできるように利用者を拡大すると、その分ライセンス費用がかさみます。Dr.Sum EAはサーバーライセンスのため、初期投資以降にユーザー数が増えても追加のライセンス料を必要としない点を重視しました」
業務現場が ITベンダーから定着化支援を受けながら自立的にBIツールを導入
上記の観点で選定した結果、次期BIツールをDr.Sum EAに決定し、ツールを導入するITベンダーとして、定着化ノウハウを持っているNTTデータ東海を選んだ。Dr.Sum EAの導入プロジェクトは、2014年8月からスタートし、3ヶ月という短期間で業務現場への操作トレーニングを完了し、かつ、業務現場自らが作業して現行運用しているすべての集計定義をDr.Sum EAで置き換えることに成功した。川本氏は話す。
「SAPからデータ抽出してDr.Sum EAへ取り込む処理を行うツールは、NTTデータ東海に開発してもらい、その操作方法を情報システム担当の社員が習得しました。また、Dr.Sum EAに取り込んだデータを画面に表示するための定義は、サンプルをNTTデータ東海に作成してもらっただけで、現行運用していた50以上の集計定義はすべて業務現場自らがDr.Sum EAを使って作成し、年別月別で現行画面と集計結果が同じであることの検証まで行いました。以前のBIツールのときとは異なり、イノアック住環境が主体となってITベンダーに何を依頼するか決め、ツールの使い方を覚え、現場へ展開しました」
では、ユーザー企業だけでこのプロジェクトは成功したのだろうか。
「このプロジェクトが成功するために NTTデータ東海のようにツール導入のツボを押さえている存在は重要でした。単なるシステム開発作業ではなく、ツールをどのように定着化すれば良いか、その方法論を我々に提案してくれました。導入プロジェクトにおいてITベンダーは常に教育役に徹し、ツールの操作を覚える主体は業務現場でした。3ヶ月のプロジェクト期間のうち、2ヶ月間を使って業務現場の代表者にNTTデータ東海のSEがDr.Sum EAの標準マニュアルを使いながら指導し、代表者たちが覚えた操作方法をもとに集計定義を作成しました。この役割分担は、今後BIツールの導入を検討する方々の参考になるのではないかと考えております」(川本氏)
分析データの対象と利用者拡大に取り組む
環境ソリューションカンパニーを目指す同社は、「次」を生み出すべく、住宅用製品はもとより、工場、社屋、施設、インフラ産業など、様々な生活環境作りを通じた市場拡大や、最先端の技術を生み出す研究開発、より一層の生産性向上に取り組んでいる。
今後について川本氏は、「当社が目指す“より豊かな住環境の創出”に、データの活用は欠かせません。販売実績にとどまっている分析範囲を様々な業務に広げ、全社で活用できる分析基盤としてDr.Sum EAを展開していきたいと考えています」と話している。






