導入事例

株式会社日立製作所

Salesforceに蓄積された案件情報を可視化
ダッシュボードの数値を“共通言語”として
各案件のKPIやステータスを認識し関係者で議論

導入製品
業種
機械・電気機器
投稿日
2019.05.30

株式会社日立製作所(以下、日立)は、顧客のデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速する「Lumada(ルマーダ)」事業を推進。金融、公共などIT を中心とする領域だけでなく、エネルギーやインダストリー、モビリティなどの注力する事業領域において営業支援の体制を強化している。その活動の基盤としてウイングアークのMotionBoard Cloud for Salesforce を導入。Salesforce に蓄積された案件情報をダッシュボードに可視化することで、報告資料作成の工数削減や部門内の情報共有の迅速化などの効果を生み出している。

導入背景
Salesforceに案件さえ登録すれば、その後は営業支援に携わっている関係者全員が、それぞれの立場で必要なデータを自由に見たり、分析したりできる―。そんな情報共有の仕組みを望んでいた。

課題
  • Salesforceへの案件のインプットとアウトプットがつながっておらず、報告が必要となるたびに資料を作成していた
  • Salesforceに蓄積された生の案件情報を活用したい
解決策導入ポイント
  • ダッシュボードをノンプログラミングで開発し、細かい部分までカスタマイズできる
  • クラウド利用に関する日立社内の厳しいセキュリティ基準をクリア
  • ウイングアークの手厚いサポート
効果
  • Salesforce と連携して蓄積された案件情報をリアルタイムに可視化
  • 本部内の報告資料作成の工数を従来の1/2から1/5に削減
  • データのインプットとアウトプットを連動させたことで案件情報の鮮度・精度を向上

本部、部、課などのすべての階層において、同じコンセプトで設計されたダッシュボードの数値を“ 共通言語” として各案件のKPIやステータスが見えるようになり、関係者全員で議論ができるようになった。

あらゆる領域に拡大するデジタル案件を組織横断で支援


 金融、公共などITを中心とする領域だけでなく、エネルギーやインダストリー、モビリティなど幅広い事業を展開する日立は、次世代の社会に向けてその技術と知見を融合。顧客とともに新しい価値を創出するデジタルイノベーションを推進している。この取り組みを総称したのが「Lumada(ルマーダ)」だ。OT(制御・運用技術)からIT(情報技術)まで一貫し、顧客やパートナーとの協創スキーム、業種・業務ノウハウ、テクノロジーとフレームワークなどを提供していく。

 こうした日立のビジネスを、営業支援という役割から支えているのが、システム&サービスビジネス統括本部 営業統括本部のサービス営業推進本部である。同本部 営業企画部の部長を務める宮武 弘氏は、自分たちのミッションを以下のように説明する。

 「今やデジタルトランスフォーメーションに対するニーズは、IT がこれまでターゲットとしてきたビジネス領域だけでなく、エネルギーやインダストリーなどあらゆる領域に広がっています。また、その商談は北海道から九州・沖縄まで、全国の支社やグループ会社で発生しています。これらのデジタル案件に対してどういった提案を行うべきか、どのように対応すべきか、私たちは組織横断でサポートや情報提供を行う役割を担っています」

 そこで欠かせないのが、各フィールドの営業部門から依頼を受けた案件に関する様々なKPI(重要評価指標)の管理だ。サービス営業推進本部では、案件をSalesforceに登録し、目標値や進捗状況などの情報を関係者で共有している。このSalesforceの活用が進んだことで、「先月末までの案件の成約率が見たい」という過去のデータの集計や、「Salesforce以外のシステムのデータと紐付けたダッシュボードを会議資料として使いたい」といった、広範囲に亘る要望が寄せられるようになった。


支援依頼を受けた案件のKPIやステータスをリアルタイムに可視化する


 「Salesforceに案件さえ登録すれば、その後は営業支援に携わっている関係者全員が、それぞれの立場で必要なデータを自由に見たり、分析したりできる―。そんな情報共有の仕組みを望んでいました」と宮武氏は語る。

 こうして同本部が2018年2月に導入したのが、ウイングアークのMotionBoard Cloud for Salesforceだ。これを利用することで、Salesforceに蓄積されたデータをダッシュボードに展開して可視化することができる。

 「海外のセルフサービスBI製品も検討しましたが、ダッシュボードのカスタマイズの幅の広さと国産ツールならではのサポートの手厚さが決め手となりました。また、過去にさかのぼり、任意の期間でデータを集計できる点を評価しました。さらに、クラウドサービスの利用に関して日立社内ではかなり厳しいセキュリティ基準が課せられていますが、その条件をクリアしたことも大きなポイントです」と同本部 営業企画部 部長代理の児泉 毅氏は語る。

 そして同年4月、MotionBoard Cloud for Salesforceをベースに開発したダッシュボードの運用を開始。サービス営業推進本部が支援依頼を受けた案件の総数、受注件数、受注目標に対する進捗率などのKPI やステータス(コンタクト、提案、概算見積、正式見積、内示などの件数と推移)をリアルタイムに可視化するものだ。

 ダッシュボード開発を主導した同本部 営業企画部の貝沼 宏明氏は、「ダッシュボードの設計面からは、『ユーザーが詳しく知りたい情報を手間なくドリルダウンできる』『細かい部分まで画面をカスタマイズできる』『GUI上での操作によりプログラムレスで構築できる』といった点で、使い勝手の良さを実感しました。ウイングアークの的確なアドバイスや情報提供にも感謝しています」と語る。


ダッシュボードの数値を“共通言語”に議論


 MotionBoard Cloud for Salesforceをベースに開発されたダッシュボードは、サービス営業推進本部にどんな導入効果をもたらしたのだろうか。

 まず挙げられるのは、報告業務の大幅な効率化だ。「本部、部、課などのすべての階層において、同じコンセプトで設計されたダッシュボードの数値を“共通言語”として各案件のKPIやステータスが見えるようになり、関係者全員で議論ができるようになりました。これにより定例会議のためだけに費やされていた報告資料作成の工数は、従来の1/2 ~ 1/5に短縮されています」と宮武氏は語る。

 あわせてダッシュボードを見ながら会議を行うことでペーパーレス化が進展し、資料印刷に費やしていたコストとリードタイムが削減されたことも目に見える効果の一つだ。さらに、データのインプットとアウトプットのプロセスがつながり、Salesforce に登録される案件情報そのものの鮮度や精度が向上したことも大きなメリットだ。

 「上長に案件の状況を報告する際にも、必ずダッシュボードに可視化された最新の生データを活用するという業務フローが確立され、最低でも月に一度は案件情報をしっかり棚卸ししてメンテナンスするという意識がメンバーに定着しました。これを受けて今後は週次で行っている課会など、より小規模の会議体やLumada案件集約などの業務でも案件情報の可視化を進めていきたいと考えています」と児泉氏は語る。

 また、活用範囲も拡大している。例えばプロモーションを行う部門では、キャンペーンの効果測定など、欲しい情報を得るためのダッシュボードを部門内で構築し日々の業務で活用している。


案件情報の分析を営業プロセスの改善にも活かす


 もっとも、案件情報を可視化するこの一連の仕組みにもまだまだ改善は必要だ。実際に営業支援にあたっているユーザーの立場から、同本部ソリューション開発営業部 アライアンス営業グループの部長代理である堀 竜二氏は次のような期待を示す。

 「現在のダッシュボードは『結果』を集計したり、処理詳細なデータを深掘りしたりといった作業には適しています。次のステップは、なぜそのような良い(または悪い)結果になったのかを途中の動きや施策と紐づけて分析し、『今後どうしたら失注や商談の停滞を防げるか』といった営業プロセス改善に役立てられるようにすることです」

 サービス営業推進本部は、セールスフォース・ドットコムやウイングアークとの連携をさらに深めつつ、この課題解決に向けてチャレンジを重ねている。


Company Profile

株式会社日立製作所

設立 :1920年2月1日
所在地 :東京都千代田区
事業内容 :デジタル技術を活用した社会イノベーション事業をグローバルで加速。モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの成長5分野で新たな価値創出、ソリューション提供に注力。
URL :https://www.hitachi.co.jp/

システム&サービスビジネス統括本部
営業統括本部 サービス営業推進本部
営業企画部 部長
宮武 弘 氏(右から2番目)

システム&サービスビジネス統括本部
営業統括本部 サービス営業推進本部
営業企画部 部長代理
児泉 毅 氏(左から2番目)

システム&サービスビジネス統括本部
営業統括本部 ソリューション開発営業部
アライアンス営業グループ 部長代理
堀 竜二 氏(右)

システム&サービスビジネス統括本部
営業統括本部 サービス営業推進本部 営業企画部
貝沼 宏明 氏(左)

※所属部署やインタビュー内容は取材当時のものです

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