導入事例

一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)

楽曲の利用に関する膨大なデータをDr.Sum で集計・分析
役職員、業務部門、広報部門など全社で活用する基盤に
DXを推進するなかで“データの民主化”を目指す

導入製品
業種
その他
投稿日
2019.11.19

一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)では、楽曲の利用に関するデータを集計・分析する基盤として、ウイングアークの「Dr.Sum」を導入。担当者が膨大なデータを集計・分析できる環境、経営層が動的に現状を可視化できる環境を構築した。さらに、JASRACの内部だけでなく、外部への情報発信のためのデータ基盤としても活用し、効果的な広報素材の作成にも役立てている。今後も、分析対象のデータや社内ユーザーを拡大し、“データの民主化”を進めていく計画だ。

導入背景
JASRACの権利者に対する分配の明細データは年間で1億レコード以上に達する。このような膨大なデータから分析に必要なデータをその都度抽出し、オフィスアプリケーションにテーブルを分割しながら取り込んで再集計する作業が必要となっており、多大な労力と時間がかかっていた。

課題
  • サブスクリプション型の音楽配信により楽曲の利用に関するデータ量が急増
  • 膨大なデータから必要なデータを抽出・集計する業務に多大な労力と時間がかかっていた
  • 組織全体でデータを分析・活用する業務を効率化することが求められていた
解決策導入ポイント
  • 大量のデータを蓄積・高速処理するプラットフォームとしてDr.Sumを選定
  • Excelの画面上で集計・分析できるDatalizer for Excelが導入の決め手に
  • センシティブなデータをセキュアに扱えるオンプレミスの稼働環境も評価
効果
  • データをスピーディーに集計し、さまざまな切り口から分析を行うことが可能に
  • データポータルにより役職員自身が独自の視点でデータを動的に参照することを実現
  • 分析結果のレポート出力が不要になり、ペーパーレス化を実現

DXを推進するなかで、膨大な楽曲の利用に関するデータの集計・分析・可視化を目指す


JASRACは、1939年に設立され、著作権等管理事業法に基づいて楽曲を管理する著作権管理事業者だ。国内の作詞者、作曲者、音楽出版社などから演奏権・録音権などの音楽著作権の管理委託を受けるとともに、海外の著作権管理団体と相互管理契約を結んで国内外の音楽作品の著作権を管理する。音楽利用者に対して利用を許諾し、その対価となる著作物使用料の徴収と権利者への分配業務のほか、違法利用に対する法的措置の実施、音楽文化振興事業や著作権啓発活動などの事業を行っている。

 JASRACでは近年、デジタル技術活用の取り組みを加速させている。業務効率化やサービス向上に資するデジタル技術に関する情報収集・企画提案を担当するJASRAC 企画部情報総合課課長の水谷英彦氏は、デジタル技術活用の取り組みについて次のように話す。

 「JASRACでは今、『DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進』を経営指針の一つに掲げ、『先進技術活用検討プロジェクトチーム』という部署横断の組織を作りAIRPA、ブロックチェーンなどのデジタル技術を導入・活用する取り組みを進めています。2018年秋にはブロックチェーン技術を活用し、楽曲の利用・徴収・分配の履歴を改ざんできない形で記録することで、音楽著作権管理の信頼性と透明性を向上させることができるのでは、というコンセプトの技術検証にも取り組みました」

 そうしたデジタル技術活用の一環としてJASRACが特に注力しているのが、楽曲の利用に関する膨大なデータを集計・分析・可視化するという取り組みだ。

 「JASRACでは、どの楽曲がどれだけ利用されたかという利用実績の情報を、音楽をビジネスで利用する事業者などから受け取り、そのデータに基づいて著作物使用料を権利者に分配しています。特にデータ量が多いのは音楽配信です。音楽配信の主流はここ数年で、インターネット経由のダウンロードからサブスクリプション型へと大きく変わりつつあり、そのことに伴って再生される楽曲数が増え、取り扱うデータ量が急増しています」(水谷氏)


年間1億件を超える膨大な分配明細データの集計・分析にかかる負荷を軽減


 楽曲の利用・徴収・分配を管理する基幹システム自体はデータ量の増大にも対応している。しかし、月額課金のサブスクリプション型のような新しいサービス形態においては、利用の規模に応じた使用料を決めるために、実データを使ったシミュレーションを実施する必要がある。また、新たに契約を締結する音楽配信事業者から受け取れるデータの精度を事前にチェックして、期日どおりに権利者へ分配するためにどれほどの作業量が必要となるかを推計する必要もある。

 「JASRACに利用実績として報告されるデータのレコード数は年間で10億件を超えます。これを基に権利者へ送金する分配の明細データは、3カ月単位を一つの期として集約していますが、それでも1期あたり2,5003,000万件、年間で1億件以上になります。従来は、この膨大なデータから必要なデータを抽出し、オフィスアプリケーションにテーブルを分割しながら取り込み、テーブルごとに集約をした後、さらに集計するという作業を繰り返し行っていました。こうした業務には、多大な労力と時間を要することが大きな課題となっていました」(水谷氏)

 このようなデータ活用に関する課題は、分配データだけでなく組織全体のあらゆるデータを分析・活用するという経営方針の実現にあたって改善が急務であり、そのためには新しいデータ集計・分析基盤を構築する必要があった。水谷氏が、新たなBIツールを探しているときに巡り合ったのがDr.Sumだった。

 「Dr.Sumは、JASRACが有する膨大なデータを蓄積し高速に処理するプラットフォームを構築したいという私たちの要件にかなうものでした。加えて、Dr.Sumに蓄積したデータをMicrosoft Excelの画面から参照し、簡易に集計・分析・作表できる『Datalizer for Excel』もあわせて紹介いただき、社内ユーザーが使い慣れたExcelのインターフェイスを利用して分析結果を可視化できることが決め手となり、Dr.Sumを導入することに決めました」(水谷氏)

 選定にあたっては、Dr.Sumがオンプレミス環境で稼働する点のほか、ライセンスコストの面でもニーズにマッチしていた。

 「JASRACが扱うのは『誰に何円を分配した』という非常にセンシティブなデータであるため、セキュアなオンプレミス環境で稼働するDr.Sumは最適でした。また、Dr.Sumはサーバーライセンスのため、データポータルを用意して役職員が閲覧する場合にも追加コストがかかりません。これらもDr.Sumを選定した理由です」(水谷氏)


役職員が独自の視点でデータを動的に参照できるデータポータルを構築


こうしてJASRACでは、20186月にDr.Sumを導入。2018年いっぱいはDr.Sumを活用して柔軟な視点でスピーディーに分析することに注力した。さらに2019年に入ってから動的にデータを参照できるデータポータルの構築も進め、20194月に役職員向けに公開している。

 「既にDr.Sumで多くの分析を行っていたことに加えて、ウイングアークのサポートによってポータルの構築に係るノウハウや知見を提供してもらったこともあり、データポータル自体はわずか3カ月という短期間で構築することができました。データポータルが完成したことで、役職員自身が独自の視点でデータを動的に参照できるようになりました。また、従来は分析者の視点によるレポートを紙で出力して提供していましたが、現在はその必要もなくなってレポートのペーパーレス化を実現できました。これらが可能になったことが、Dr.Sumの最大の導入効果だと考えています」(水谷氏)



Dr.Sumの集計結果を基に、広報素材として活用。JASRACの運営の透明性を高める


さらにJASRACでは、内部だけではなく、外部への情報公開にもDr.Sumを活用している。

その好例が、Dr.Sumで集計した結果を基に、「平成期における著作物使用料分配額 TOP100」を発表したことだ。このランキングは、「平成」の30年間にJASRACが作詞者・作曲者・音楽出版社などの権利者へ分配した使用料の全データを、Dr.Sumを使って集計し、作品ごとの累計分配額上位100曲を公表したもので、CDや配信による売上だけでなくコンサート、カラオケ、放送など、JASRACが許諾できるあらゆる利用シーンを網羅した、JASRACならではの独自の指標データと言えるものだ。

 「今回の発表は、テレビや新聞各紙、Webメディアで報道され話題となり、非常に効果的な広報素材になりました。JASRACの膨大なデータをシンプルに集計するだけで外部に発信できたのもDr.Sum導入の成果です。外部への情報公開は、JASRACの運営の透明性を高めることにつながるため、今後もこうした取り組みを進めていこうと考えています」と水谷氏は話す。


分析対象のデータや利用者のさらなる拡大を計画。“データの民主化”を目指す


JASRACによるDr.Sumの利用はまだ始まったばかりだが、今後はさらにデータ活用の幅を広げる取り組みを予定している。

 「Dr.Sumによる分析結果を可視化したデータポータルは、役職員から非常に好評で、分析対象のデータや社内ユーザーをさらに拡大していくように求められています。今後は『だれでもデータ活用ができる』ことを視野に、Dr.Sumによるデータ集計・分析を社内で一般化させ、“データの民主化”を進めていきたいと考えています」(水谷氏)

さらに、将来的には社内だけでなく、権利者がデータを参照できるようなサービスを提供するという構想もある。Dr.Sumの導入をきっかけに、内外を問わず、JASRACのデータに対する向き合い方が、大きく変わろうとしている。


Company Profile

一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)

設立:1939年11月18日
所在地:東京都渋谷区
事業内容:日本国内の作詞者・作曲者・音楽出版社などから音楽著作権の管理委託を受けるとともに、海外の著作権管理団体と相互管理契約を結んで国内外の音楽著作権を管理する非営利団体。音楽利用者に対して利用を許諾し、その対価となる著作物使用料の徴収と権利者への分配業務のほか、違法利用に対する法的措置の実施、音楽文化振興事業や著作権啓発活動などの事業を行っている。
URL:https://www.jasrac.or.jp/

企画部 情報総合課
課長
水谷 英彦氏

導入製品

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