導入事例

税理士法人クリアコンサルティング

税理士法人クリアコンサルティング

請求書と関係書類を同時にメールで送信
現行フローを大きく変えずに業務負荷を大幅軽減

税理士法人クリアコンサルティング
業種

その他

税務申告書の作成のみならず、企業のあらゆる状況に応じた多彩なサービスを提供している税理士法人クリアコンサルティング(以下、クリアコンサルティング)は、請求書発行業務の軽減を目的にウイングアークの「invoiceAgent 電子取引」を導入し、会計システムでは対応が難しい請求書と関係書類の一括送付を実現。導入の過程で社内外に大きな負担を強いることなく、業務負荷とコストを削減した。

※2022年6月より「invoiceAgent TransPrint」は「invoiceAgent 電子取引」に名称を変更しました。

導入背景

社内では請求書と関係書類の発行業務に関する負荷が課題になっていた。また、経理担当者は月末に休暇を取りづらく、作業量が多いため封入時におけるミスも懸念されることから、担当者の精神的な負担も減らしたいと考えていた。そこで電子化による改善を模索していたが、解決策を見いだせずにいた。

課題
  • 請求書の発行・発送業務の負荷が大きく、効率化できていなかった
  • 担当者に精神的な負荷がかかっていた
  • コロナ禍で一層、属人化による請求業務停滞のリスクが懸念されていた
解決策導入ポイント
  • 請求書だけでなく付随書類も含めてPDFファイルを一括送信できる仕組みを導入
  • 社内外に負担を強いることなく請求書の電子配信が可能なフローを構築
効果
  • ワンクリックで150社以上に請求書と関連書類を送信可能に
  • 担当者の作業量と精神的負荷を削減し、属人化の解消も可能に
  • システム利用コストよりも、印刷・郵送のコスト削減が高いため、費用対効果が出ている

企業経営の諸問題解決を幅広くワンストップで支援


 クリアコンサルティングは、大手上場会社から小規模事業者まで約200社の顧客にサービスを提供する税理士法人だ。クリアコンサルティングの税務顧問業務は税務申告書の作成のみならず、企業のあらゆる状況に応じたタックスプランニング等に対応しており、経営者が安心して企業経営を行えるよう、最新の体制を整えている。


 さらに、企業経営の諸問題は、税務、財務、法務、労務などが密接に関係していることから、グループ会社である社会保険労務士法人や、M&Aコンサルティング会社と連携し、トータルでバックアップする。そのため、税理士法人が窓口となり、労務管理にもワンストップで対応可能だ。例えば、従業員が増減した際には、社会保険の手続きも実施。その際の報酬の支払いについても、税務顧問報酬とあわせて請求するなど、顧客の利便性に配慮している。


煩雑な請求書発行業務の簡素化を模索


 一方で、この体制はクリアコンサルティング側の事務処理を煩雑にしており、請求書の電子化による間接業務の効率化を阻んでいたと、税理士で代表社員の野沢 泰之氏は説明する。


 「クリアコンサルティング自身の請求書発行業務は、会計システムに付随する機能で行っています。電子化にも対応しており、メールを受け取ったお客さまが、請求書のPDFファイルをダウンロードすることも可能です。ただ、毎月定額の税務顧問報酬だけでなく、社会保険関係の手続きや給与計算といった業務を代行した場合、Excelで作成した明細を添付する必要があります。そのため、電子化するためには別の手段を用意しなければなりません」


 これまで請求書発行の担当者は、請求書、請求明細、事務所通信の3点を印刷して折りたたみ、封入して切手を貼る作業を毎月150から200通分行ってきた。その手間も大変だが、宛先と違う請求書を間違って封入してしまわないかという不安がつきまとうため、精神的にも負荷が高い作業だったという。また、この業務に慣れているのは1人だけのため、担当者が休暇を取りづらいだけでなく、特にコロナ禍ではリスク管理上の大きな問題だ。


 そこでクリアコンサルティングでは、請求書発行作業の効率化と電子化、そして誰もが担当できる体制づくりを進めたいと考えていた。しかし、自社に合う適切なソリューションを見つけるのが難しかった。


業務フローを大きく変えることなく請求書の電子配信を実現


 クリアコンサルティングが望む最大の要件は、請求書、請求明細、事務所通信の3点をまとめてメールで自動送信できること。そして、いま使っている会計システムを継続して利用できることだ。


税理士 代表社員 野沢 泰之氏

 野沢氏は「invoiceAgent 電子取引なら要件を充足できることが判明しました。同席した担当者も、話を聞けば聞くほど前のめりになったようです」と振り返り、採用を決めた経緯を明かす。


 新たな業務フローは、次のとおりだ。


1)各税理士が担当分の請求明細を作成し、PDFに出力して指定のフォルダに格納(ファイル名に取引先のIDを含む)


2)請求書発行担当者が①を参考に請求書を作成


3)会計システムで請求書を指定フォルダにPDFで一括出力(ファイル名に取引先のIDを含む)


4)事務所通信のPDFファイルを指定フォルダに格納


5)送信を指示すると、①③④のPDFファイルをまとめて、指定のメールアドレスへ自動送信される
 ※初回のみ、設定画面で、宛先と取引先のIDを紐づけて設定しておく。


 ①と③に関しては、これまでと同じフローであるため、担当する各税理士に影響を及ぼさないで済むのも利点の1つだった。


 導入決定後、約2ヶ月準備を進め、8月には約10社を対象にテスト配信を行い、問題なく切り替えられることを確認した。9月からは従来通り郵送を望む2社を除き、対象となる全顧客の請求書を電子化。以後、トラブルなく請求業務を行えている。


 「全面切り替えに先だっては、前月の請求書に告知文を同封して周知を図りました。特に質問が返ってくることもなく、電子帳簿保存法対応やペーパーレス化の流れを受けてか、スムーズに受け入れていただけました。この準備も、ウイングアークが告知文のフォーマットまで準備してあったので、それを少し加工するだけで済みました」(野沢氏)


 導入作業時には、ウイングアークのオンボーディングプログラムを利用することで、invoiceAgentの設定や運用方法の相談やアドバイスを受けることができる。


 「請求業務の担当者は当初、週1回は多いのではないかと予想していたようですが、結果としては設定や作業手順の習得に最適なペースだったと話しています。他の仕事も対応しながらの導入ですので、こうして定期的にミーティングを入れることは、設定作業を後回しにすることなく進められる効果もあったのではないでしょうか」(野沢氏)


 おおむね順調に進んだ導入だが、オンボーディングプログラムが特に役立ったことが2度あったという。


 1度目は、PDFファイルの判別方法を決めかねていたときだ。当初はPDFの文面中に取引先のIDを記載し、それをinvoiceAgent 電子取引のOCR機能で読み取って処理しようと考えた。しかし、取引先によって記載位置が異なってしまう場合があるため、OCRの設定が煩雑になる。この点については、ウイングアークの提案を受けて、ファイル名にIDを含めることで解決した。


 2度目は、全面展開する日の午前中だった。担当者が1ヶ所の設定を忘れ慌てる場面があった。だが、ウイングアーク側からの提案で、何か問題があったときのためにミーティングの枠を空けてあったため、支援を受けながら無事に設定を終えることができたという。


 


間接業務と郵送コストの削減を達成


 こうしてクリアコンサルティングでは、請求書の送付作業を大幅に効率化した。また、作業内容の簡素化によって、主担当者以外でも対応しやすい体制が整った。


 野沢氏は導入効果について、「弊社では間接業務に専任者を置いておらず、請求書発行の担当者も別の顧客対応業務と兼務しています。封入だけで1日程度を要していたため、特に月末にその時間が空くのは助かります。また、『絶対に休めない』『ミスが許されない』というプレッシャーから解放できたことも大きな成果です」と評価する。


 また、印刷して郵送するコストも削減できた。事務所通信はカラーで4ページほどある。請求書と請求明細の印刷、封筒、切手を入れると、決して少なくないコストを要していた。


 「従来のコストで、invoiceAgent 電子取引の月額料金を十分にまかなえます。そのため、コスト面で負担になることはありません」(野沢氏)


請求書発行の流れ

さらなる利便性向上に向けて契約書の電子化を検討


 請求書を起点に電子化・電子配信の第一歩を踏み出すことに成功したクリアコンサルティングでは、契約書についても電子化を進めたい意向だ。


 「ほとんどの契約書が紙ですが、お客さまから電子契約書への署名を依頼される機会が増えつつあり、ニーズの高まりを感じています。在宅勤務が広がる今後は、印刷や押印が不要で書類管理がしやすい電子契約は、対応が不可欠だと考えています。また、当社では契約を締結する機会が多いこともあり、印刷や保管、そして印紙にかかるコストが抑えられるのも助かります」(野沢氏)


 今後に向けて野沢氏は、次のようにウイングアークへの期待を述べる。


 「請求業務担当者は、ウイングアークのサポートが本当に心強かったと話しています。管理者としても、業務の効率化やコスト削減、さらに働きやすい職場づくりができ、今後の電子化に向けてのよい前例にもなったことを感謝しています。契約書の電子化についても、弊社にとって最適なソリューションの提案や親身なサポートが変わらず受けられることを期待しています」


 クリアコンサルティングは、顧客対応の充実やさらなる利便性の提供によって、「お客さまに1回でも多く“問題がクリアになりました”と言っていただきたい」という願いを、これまで以上にかなえていくだろう。


※2022年6月より「invoiceAgent TransPrint」は「invoiceAgent 電子取引」に名称を変更しました。


Company Profile

税理士法人クリアコンサルティング

設立:2005年7月
所在地:東京都千代田区
事業内容:税務顧問業務、組織再編・M&A支援業務、株価算定業務(バリュエーション)、事業承継・相続対策支援業務
URL:https://www.clear.co.jp/

代表社員 税理士 野沢 泰之氏

導入製品

取引帳票の送受信から管理まで、すべて一括で行えるクラウド型の電子取引ソリューションです。

 
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