導入事例

AGC株式会社

シームレスな帳票出力対応と案件情報の一括管理でユーザーの利便性を向上
Salesforceを組織に定着させるための環境づくりを推進

導入製品
業種
製造
投稿日
2020.09.17

基礎化学品からフッ素系高機能化学品まで多彩な事業をグローバルに展開するAGCの化学品カンパニーは、2015年にSalesforceを導入することで、懸案事項であった営業部門の情報共有を大きく改善した。だが、これですべての課題が解決されたわけではない。例えば紙の帳票を用いた業務プロセスにも対応する必要があり、印刷にも煩雑な手間を費やしていた。また、多くの案件情報を一括して管理したり、メンテナンスしたりといった運用については、Salesforceよりも従来のExcelの方が勝るという、手痛いユーザー意見もあった。そこにウイングアークのSVF Cloud for SalesforceとVyNDEXを導入し、帳票出力の課題と案件管理の課題を解決。Salesforceを組織に定着させ、業務生産性を大幅に向上することに成功した。

導入背景
AGCの化学品カンパニーは営業部門を中心とした情報共有を改善するためにSalesforceを導入した。導入後ぶつかった壁が“組織への浸透”である。どんなツールも効果を得られるかは運用次第であり、事業の一環として全員で使っていくという意識が醸成されないことには組織に浸透しない。ビジネス現場のユーザー自身がSalesforceを使いたくなるための環境整備が必要とされた。

課題
  • 帳票の出力する作業に煩雑な手間を強いていた
  • Salesforceの標準機能のみでは部門内案件を一括して管理するのが困難
解決策導入ポイント
  • SVF Cloud for Salesforceのダイレクトプリント機能により帳票の一括印刷に対応
  • VyNDEXによりSalesforce上のデータをExcelから自在に参照・追加・編集
効果
  • 繁忙期の業務負荷を大幅に削減し、社員の働き方改革にも貢献
  • 案件管理を担う営業担当者の負荷を軽減し、資料ごとにデータが乖離するリスクを抑制

チームワークを重視した営業スタイルを確立すべくSalesforceを導入


 世界最大手のガラスメーカーとして知られるAGCの化学品カンパニーは、“Chemistry for a Blue Planet”(化学の力を通じて、安全、安心、快適で環境に優しい世の中を創造する)というビジョンを掲げ、クロール・アルカリ、フッ素化学品、ガス・溶剤、ウレタン、ライフサイエンスなどの事業をグローバルに展開している。

 2014年以前の営業体制について、同社 化学品カンパニー 企画管理室 情報システムグループ 兼 基礎化学品事業本部 販売管理グループのマネージャーを務める藤原 慶一郎氏は、「例えば、営業担当者がお客様を訪問した際も、その情報は、上長への口頭報告やメールでの関係者通知で済まされる事が多く、組織内に情報が資産として残らない状況でした」と、その課題を振り返る。

 もちろん、これまでもITを活用した情報共有への取り組みがなかったわけではない。営業情報を一元管理するデータベースは導入していたのだが、そこに情報をきちんと残す担当者は一部で、実質形骸化してしまっていた。危機感を高めた化学品カンパニーが、チームワークを重視した営業スタイルを確立すべく導入を決めたのがSalesforceだ。「営業部門のメンバー全員で運用をしっかり回していくためには、ツール丸ごと環境を刷新するのが早道と考えました。そこで主要なSFA/CRM製品を比較検討した結果、拡張性や汎用性を含めた総合力で頭一つ抜き出ていたのがSalesforceでした」と藤原氏は語る。


複合機への直接印刷に、複数帳票の一括出力
帳票運用の課題を一気に解決


 化学品カンパニーで20151月から稼働を開始したSalesforceは、その後の5年以上にわたる運用を重ね、現在のユーザー数は700人超に拡大している。「組織内の情報共有を活性化させるという当初の課題はかなりのレベルで改善されています」と藤原氏。さまざまな商談の交渉履歴や各種資料もSalesforceに蓄積され、たとえば顧客から断片的に得た情報をもとに過去の類似案件や関連情報を検索することもきわめて容易になった。

 もちろん、現場のユーザー任せでは現在のような定着はなしえず、結局はかつてのデータベースと同じように形骸化の道をたどっていただろう。「どんなツールも運用次第。特に、一部の人のみではなく、事業の一環として全員で使っていくという意識が醸成されないことには浸透しません」と藤原氏はあらためて語る。

 実際、導入当初は営業部長自らが旗振り役となり、事あるたびに各営業部門へ利用促進の働きかけを行ったという。一方で運用事務局メンバーも、ユーザーがSalesforceを使いたくなるための工夫や仕掛けづくりを積極的に行ってきた。たとえばChatter機能の有効活用、得意先に紐づく活動情報の共有、名刺管理サービスとの連動による顧客名刺情報の自動入力、定期的なアンケート結果を反映させた画面レイアウトのカスタマイズといったことだ。こうしたトップダウンとボトムアップの取り組みを両輪として展開していくことで、Salesforceの活用がカンパニー全体に広がっていった。

 この延長線上で化学品カンパニーは、Salesforceの周辺環境の整備にも積極的に取り組んできた。20167月にSIパートナーのアグレックスから紹介されて導入したウイングアークのSVF Cloud for Salesforceもその1つだ。Salesforceでは多岐にわたる商品の価格情報も一元管理しており、その改訂時の連絡帳票の運用において、「複数の帳票印刷を極力ワンアクションで実施できるようにしてほしい」とのユーザー要望に応えたものだ。

 冒頭で述べたように化学品カンパニーはクロール・アルカリ、各種フッ素化学品、ガス・溶剤、ウレタン、ライフサイエンス等々、多様なビジネスユニットで構成され、膨大な種類の製品取り扱っており、価格改訂の頻度は1日数十件に達する事もある。当然、その対象となる取引先も多方面に広がる。そこで化学品カンパニーでは価格情報とともに、その改訂に至った経緯や交渉履歴などの付帯情報をあわせて管理するカスタムオブジェクトを独自に作成し、Salesforceに実装していた。

 だが、一方で不十分なままだったのが帳票の印刷機能だ。「SVF Cloudを導入するまでは、Salesforceの検索画面を開き、その都度必要な印刷指示を個別に行い出力しなければなりませんでした」と藤原氏が語るように、ユーザーは煩雑な手間を強いられていたのである。

 この非効率な作業をSVF Cloud for Salesforceが改善した。具体的には複数帳票をSalesforce Viewでチエックしながら一括出力を行えるようになった。ユーザーの身近なところに設置された複合印刷機へのダイレクト印刷にも対応した。また、従来のシステムでは時間とコストがかかっていた帳票レイアウト変更も運用保守の範囲で簡単に作成できたという。「SalesforceSVF Cloudの連携により、ワンボタンで帳票出力ができる環境が手に入り、繁忙期の業務負荷を大幅に削減できました。広い意味で社員の働き方改革にも貢献しています」と藤原氏は語る。

 


使い慣れたExcelをユーザーインターフェースとして
Salesforce上のデータを直接参照・追加・編集


 Salesforce導入後3年目頃から、Salesforceの商談機能の拡張を行うようになったが、ぶつかった壁が、Salesforceが案件を1つずつ視認・更新する必要があるのに対しExcelの方が複数案件を一望でき更新も一斉にできる、という単純だが深刻なユーザー意見だった。

 「Salesforceは営業担当者が活動履歴や顧客情報を1件ずつ入力したり、確認したりするのはとても便利なのですが、複数の案件を一括して眺望したりメンテしたりといったことが実質できないため、旧来の所謂Excel管理の方がよいとの意見が多く、正直頭を抱えました」と藤原氏は語る。

 そこで20173月から、同じくウイングアークのVyNDEXの利用を開始した。こちらは各ビジネスユニットにおいて、主に案件管理を行う約30名の営業担当者を対象とするものだ。 

 VyNDEXを利用すれば、使い慣れたExcelをユーザーインターフェースとしてSalesforce上のデータを直接参照・追加・編集することが可能なため、担当者の操作性を大幅に改善でき、かつ最新の正しいデータは常にSalesforce内にある。「このVyNDEX採用は正解で、Salesforce上での案件管理に行き詰まりかけていた営業担当者は、一斉にVyNDEXを使い始めました。まさに狙い通りでした」と藤原氏は語る。

 化学品カンパニーでは、今後に向けても案件管理機能のさらなる強化と高度化を見据えつつ、Salesforceを取り巻く環境整備を進めていく計画だ。喫緊の大きなテーマとして位置付けているのは、事業の可視化や戦略立案へのSalesforceの活用だ。具体的には個々の案件をパイプライン化し、進捗状況や発生している問題をタイムリーに管理しながらチームとして迅速かつ最適なアクションを展開し、成約率を高めていく。案件機能・商談機能を未だ使っていないビジネスユニットにはVyNDEXの併用を進めることでSalesforceの定着化を狙う。

 「2018年からはマーケティングオートメーションの取り組みも一部のビジネスユニットで開始しており、その仕組みとSalesforceを一体運用していく計画です」と藤原氏は語り、本当の意味でのデータドリブンの事業運営を実現することで、化学品カンパニーの競争力強化を図っていくとする。



Company Profile

AGC株式会社

設立 :1917年2月
所在地 :東京都千代田区
事業内容 :苛性ソーダ、塩化ビニルおよび塩化ビニル原料、ウレタン原料、フッ素樹脂・フィルム、撥水撥油剤、医農薬中間体・原体、ヨウ素製品などの製造販売
URL :https://www.agc-chemicals.com/jp/ja/

AGC株式会社 化学品カンパニー
企画管理室 情報システムグループ 兼
基礎化学品事業本部 販売管理グループ
マネージャー
藤原 慶一郎 氏

導入製品

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