リゾートトラスト株式会社
電子帳簿保存法の要件緩和を受け、ペーパーレス化を推進
invoiceAgent 文書管理とERPをシームレスに連携し、帳票の保管・管理を効率化
- 業種
-
サービス
会員制の総合リゾート企業としてホテル&レストランを中心に多岐にわたる事業を展開しているリゾートトラストでは、電子帳簿保存法のスキャナー保存要件の緩和を受け、経理部門のペーパーレス化を推進。ウイングアークの「invoiceAgent 文書管理」を導入し、SCSKのERPパッケージ「ProActive」との連携により、取引先から受け取る膨大な領収書や請求書の電子化を実現した。今後は、取引先からの領収書、請求書にかかわらず、さまざまな帳票の保管、管理に役立てる計画だ。
導入背景
領収書や請求書の電子データでの保存には、かつて3万円未満で電子署名が必要という要件があった。しかし、電子帳簿保存法の2015年の改正でそれらの要件が廃止され、さらに2016年にはデジタルカメラやスマートフォンの撮影も認められるようになった。こうした要件の緩和を受けてリゾートトラストでは、ペーパーレス化の取り組みを本格的にスタートさせることになった。
- 課題
-
- 電子帳簿保存法のスキャナー保存要件の緩和を受け、経理部門のペーパーレス化を推進したかった
- 紙の領収書は保管場所やファイリングの手間などの問題があり、ホテルのバックヤード業務やバックオフィス業務の大きな負担となっていた
- 税務調査の際、指示された書類の原本を社外の倉庫から集めており、時間を費やしていた
- 解決策導入ポイント
-
- 電子帳簿保存法に対応した帳票管理が実現可能
- ERPや他システムとの容易なWeb API連携が可能
- ProActiveの画面から、シームレスかつワンクリックで目的の電子帳票を参照
- 効果
-
- invoiceAgent 文書管理を意識することなく、ProActiveの機能の1つとして電子帳票を確認可能
- 税務調査も、ProActiveにアクセスするだけ
- 取引先からの領収書や請求書に限らず、電子帳簿保存法に対応した文書の保管ができる基盤ができた
ペーパーレス化への取り組みに徹底して注力
会員権事業を核にホテル&レストラン、ゴルフ、メディカル、シニアライフなど多岐にわたる事業を展開するリゾートトラストは、「ハイセンス・ハイクオリティ」「エクセレントホスピタリティ」を追求する総合リゾート企業だ。2020年9月に横浜・みなとみらい21地区に「横浜ベイコート倶楽部」と「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」を開業し、同社が展開するホテルは国内外で49カ所となった。また、同年6月に会員制総合メディカル倶楽部「ハイメディック東京日本橋コース」を提供開始するなど、近年も多方面で事業の拡大を進めている。
順調にビジネスを拡大し続けているリゾートトラストが積極的に取り組んでいるのがITを活用した業務効率化で、なかでもここ数年で徹底して注力しているのがペーパーレス化である。きっかけとなったのは2015年、2016年の電子帳簿保存法の改正だった。この改正により、かつては3万円未満で電子署名が必要という領収書・請求書の電子データでの保存要件がなくなり、デジタルカメラやスマートフォンでの撮影も認められた。こうした要件の緩和を受けてリゾートトラストは、取引先から受け取る請求書・領収書のぺーパーレス化したいと考えた。
同社 経理部 部長の平野 幹晴氏は、その狙いを次のように語る。「ペーパーレス化の大きなメリットは、紙の保存スペースが削減されることにあります。領収書といえども全部紙に残すと相当な量になりますが、そもそもホテルはそれほど広いバックヤードを持っているわけではありません。ペーパーレス化により、ファイリングの手間などを含めて大きな負担となっていたバックヤード業務やバックオフィス業務を改善することができます」
また、同社 経理部 会計税務課 主事の鈴木 利治氏は、このように続ける。「領収書をペーパーレス化することで、税務調査の対応も楽になります。これまでのように管理台帳の中から指示された書類の原本をいちいち保管場所まで取りに行かなくても、端末の画面上で簡単に検索して閲覧できるようになるからです。以前のような電子署名は必要なく、タイムスタンプさえ付与しておけば原本と同様に認められるようになったことで、帳票の登録作業も楽になると考えました」
また、同社 経理部 経理課(現 財務部 財務一課 課長)の平澤 篤司氏もこう語る。「領収書をはじめ請求書や契約書などの書類を後日確認したいという要求は、税務調査に限らず各業務部門からも寄せられます。これまではそのたびに経理課の社員が対応していましたが、ペーパーレス化が進めば業務部門の担当者自身で、いつでも確認できるようになるという業務改善に期待しました」
ペーパーレス化により業務負担を軽減し、データ分析や顧客サービス向上に
こうしたペーパーレス化を実現すべく、リゾートトラストがソリューション提案を依頼したのがSCSKである。「リゾートトラストでは2016年にSCSKのERPパッケージ『ProActive』を導入しており、その画面からシームレスかつワンクリックで電子帳票を扱えないかと考えました」と鈴木氏はその経緯を語る。
このリクエストに対してSCSKが示したのが、ProActiveにウイングアークのドキュメント管理製品「invoiceAgent 文書管理」を連携させるという方法だ。SCSK ソリューション事業グループProActive事業本部 第一部 第四課 課長の小田原 泰氏は、「ProActiveとinvoiceAgent 文書管理の連携は初めての取り組みですが、ProActiveとDr.SumやMotionBoardとの連携はすでに多くの実績があり、ウイングアークの開発者とも深い信頼関係が構築されています。他社製のソフトウェアとの連携を進めるにあたっては、どれくらいの作り込みや検証が必要となるのか読み切れないことが多いのですが、技術面でしっかりサポートしてくれるウイングアーク製品なら不安はありません。お客様のリクエストにより早く確実にお応えするためにinvoiceAgent 文書管理を選びました」と語る。
さらに、SCSK ソリューション事業グループ ProActive事業本部 営業部 第一課 マネージャの安井 貴紀氏は、このように語る。「リゾートトラスト様から頂いたご要望は、実際に多くの企業様が抱えられている課題です。今回、invoiceAgent 文書管理との連携をご提案することで、ProActiveからシームレスに電子帳票を取り扱うというニーズを実現できました。他のお客様からも、同様のご要望をいただくケースが増えていくと想定しており、今回の事例を活かして課題解決のお手伝いができると考えています」
これを受けてリゾートトラスト IT推進部 IT戦略企画課 課長の立花秀樹氏は、「ProActiveとの連携が可能となれば、IT部門の立場からも統制がとりやすくなります。私たちにとってもメリットの大きい提案でした」と歓迎の意を示している。
他の帳票やキャッシュレス決済のデータもinvoiceAgent 文書管理で管理する計画
連携機能の構築は2019年1月に完了し、まず経理部でのトライアルから利用を開始した。
その導入効果はてきめんに表れた。「以前は税務調査の際、要求された領収書の原本を集めるために社外の倉庫まで出向かなければならないなど、丸一日がつぶれてしまうこともありましたが、現在はProActiveにアクセスできる端末を渡して、『こちらでご確認ください』と案内するだけで済みますので、経理部は大助かりです」と平澤氏は語る。
そして現在、invoiceAgent 文書管理は全社に公開され、すっかり定着している。「各業務部門の一般社員はinvoiceAgent 文書管理の存在をほとんど意識することなく、『ProActiveに便利な機能が増えた』という感覚で違和感なく電子帳票を確認しています。引き続き全社的にさらなるペーパーレス化を推進していく上で、最適な土台を築くことができました」(平澤氏)
今後は、ペーパーレス化による業務効率化から生み出された時間を、データ分析などのより付加価値の高い業務や、各施設における顧客サービス向上に振り向けることで、リゾートトラストは持続的成長を実現する経営体質の強化を図っていく考えだ。
※2022年6月より「SPA」および「SPA Cloud」は「invoiceAgent 文書管理」「invoiceAgent AI OCR」に名称を変更しました。
Company Profile
リゾートトラスト株式会社
設立 :1973年4月
所在地 :愛知県名古屋市
事業内容 :「ハイセンス・ハイクオリティ」「エクセレントホスピタリティ」を追求し、会員制リゾートホテルをはじめゴルフ事業、メディカル事業、シニアライフ事業などを展開する総合リゾート企業。
URL :https://www.resorttrust.co.jp/index.html
導入製品
invoiceAgent 文書管理
あらゆる帳票の仕分けから保管、検索、他システムとの連携も可能な文書管理ソリューションです。