導入事例

株式会社オートバックスセブン

SAP ERPのクラウド移行に合わせ、フランチャイズを結ぶ電子帳票システムを刷新
文書の電子化による「働き方改革」も視野に

導入製品
業種
サービス
投稿日
2019.03.29

カー用品の卸売・小売を国内外で展開するオートバックスセブンは、基幹業務を担うSAP ERPのクラウド移行に伴い、これまで電子帳票の「作成」と「配信」の各プロセスで並立していた2つのシステムを一元化し、管理性と運用性を向上することを目指した。その基盤としてSVF、SPAを一体としたソリューションを採用し、社内および連結子会社、そしてフランチャイズにわたり帳票の電子化における使い勝手を大幅に改善することに成功した。

導入背景
社内および連結子会社、フランチャイズに向けて電子帳票の配布を行うメインのシステムとは別に、PDF形式の電子帳票を作成するツールとしてウイングアークのSVFを導入していた。2つのシステムが並立していた電子帳票の運用環境をSVFに統合し、SAP ERPと同時にクラウドに移行したいと考えた。

課題
  • SAP ERPのクラウド移行に伴いオンプレミスのデータセンターを解約
  • 電子帳票の作成と配信で2つのシステムが並立
解決策導入ポイント
  • 2つの電子帳票システムをSVFに統合し使い勝手が向上
  • SPAにより帳票の自動仕分けと配布を実現
  • SPAによりSVFが作成する帳票と同じ内容の情報をCSV形式で表現できる
効果
  • ウイングアークのシステム構築支援によりスケジュールどおりに移行を完了
  • 電子帳票の操作性が向上した結果としてヘルプデスクへの問い合わせが劇的に減少

利用者から特に高い評価を得ているのは、これまで社内向けと社外向けで分かれていた帳票の管理が一元化されたことだ。SPAのGUIも非常にわかりやすく、業務ごとのフォルダで電子帳票を分類することも可能となり、『目的の帳票をすぐに探し出せるようになった』という声が寄せられている。また、これに伴いヘルプデスクへの問い合わせも以前より劇的に減少した。


SVFで作成された帳票をそのまま電子公開し、使い勝手を良くしたい


 カー用品の販売および取付・交換サービス、車検・整備などを提供する「オートバックス」「スーパーオートバックス」「オートバックスセコハン市場」「オートバックスエクスプレス」、さらに中古車買取・販売事業の「オートバックスC@RS」といったブランドのもと、オートバックスセブンは現在、国内および海外に644店舗(2018年3月末日時点)のフランチャイズチェーンを展開している。「2050未来共創」というコーポレートビジョンを掲げ、「常にお客様に頼っていただけるプロフェッショナルとして、新たな商品やサービス、業態を生み出し続けていく」ことを目指している。

 そんなオートバックスセブンのフランチャイズチェーンの会計業務処理を担ってきたのが、2005年に導入されたSAP ERPだ。しかし、導入からすでに長い年月が経過し、ハードウェアの老朽化が進んでいた。さらに間近に迫ったサポート終了を機に決定したのが、SAP ERPのクラウド移行だった。同社 IT戦略部の五孝 明氏は、「2018年3月までに既存のデータセンターを解約することになり、それに先立つ2017年11月までにSAP ERPをAWS(Amazon Web Services)に移行する計画を立てました」と、その経緯を話す。

 そして、これにあわせて検討したのが、上記の会計システムと連携してレポート配信する電子帳票システムの見直しだ。オートバックスセブンでは社内および連結子会社に向けて、電子帳票をブラウザーおよびPDFで配布する仕組みとしてウイングアークのSVFを活用してきた。一方、フランチャイズに向けては専用アプリケーションを用いて電子帳票を配布すると共に、帳票内のデータを各社がそれぞれの業務で自由に集計・加工ができるようにCSV形式でも提供してきた。


電子帳票の元データをSAP ERPからCSV形式で直接抽出


 オートバックスセブンからの相談に応えてウイングアークが提案したのがSPAだ。電子帳票を自動的に仕分け、適切な相手に配信することができ、まさにオートバックスセブンのニーズに合致したソリューションとなる。

 ただ、そこでネックとなったのが、帳票データのCSV変換である。SPAでも電子帳票の任意の項目からCSV形式でデータを抽出すること自体は可能なのだが、既存のCSV出力機能をフルにカバーしているわけではない。

 先述したように、電子帳票を受け取った利用者は、そこに記載されたデータをそれぞれ独自に集計・加工を行っている。「この過程において、手作業でExcel にデータを転記しなければならない不便を解消するのがCSV出力なのです。各社の利用頻度の高さからも、この機能は絶対に欠かすことができませんでした」と五孝氏は明かす。

 そこでオートバックスセブン固有のフォーマットに対応したCSV出力を実現すべく提案したのが、SPAを含めたウイングアークの各製品を連携させるインテグレーションサービスであるSPA ISの利用である。SPA ISにより、SVFが作成する帳票と同じ内容の情報をCSV形式で表現できる。説明を受けた五孝氏は「このソリューションの合わせ技なら、私たちの要件を十分に満たせる」と判断。

 こうして2017年10月、SVF、SPAを基盤とした電子帳票システムの刷新に乗り出した。


目的の帳票をすぐに探し出せ、問い合わせが1/10に削減


 先述したようにSAP ERPのクラウド移行は2017年11月を目標にすでに進んでおり、電子帳票システムの刷新を同時にやり遂げるには時間が足りない。そこでオートバックスセブンがとったのがリフト&シフト※による移行だ。オートバックスセブンのIT部門を母体とするSIパートナーである株式会社ABシステムソリューションにおいて、このプロジェクトにあたった第2ソリューション部 担当 部長の福満 登志行氏は、「まず2017年11月までのフェーズ1で既存の帳票資産をSVFに移行。続くフェーズ2でCSVデータの抽出も含めた電子帳票配信の仕組みを構築し、2018年4月までに本番運用を開始するという計画を立てました」と説明する。

 もちろん、この過程ではさまざまな困難もあった。ABシステムソリューション 第2ソリューション部の荒木 義夫氏は、「フェーズ1では既存の帳票資産を単純にクラウドに移行するだけとはいえ、その数は集計単位が異なるバリエーションを含めると1,000種類以上に及ぶとともに、中にはすでに使われなくなったものも多く含まれていました。今回の移行を機会として、帳票資産の棚卸しを実施しました。この作業は想像していた以上に手間がかかりました。けれども棚卸しを行い、移行対象を絞り込むことで、時間と工数の削減に大きく貢献できました」と振り返る。

 こうした苦労の甲斐もあり、オートバックスセブンの新たな電子帳票システムは、予定どおり2018年4月にフル機能での運用を開始することができた。ABシステムソリューション 第2ソリューション部の小林 万輝氏は、これによって得られた現時点の手応えを次のように語る。「利用者から特に高い評価をいただいているのは、これまで社内向けと社外向けで分かれていた帳票の管理が一元化されたことです。GUIも非常にわかりやすく、業務ごとのフォルダで電子帳票を分類することも可能となり、『目的の帳票をすぐに探し出せるようになった』という声が寄せられています。また、これに伴い弊社ヘルプデスクへの問い合わせも以前より劇的に減少しています」そして五孝氏も、「こうした電子帳票の使い勝手の向上は、まさにSVF、SPAの一体ソリューションによって実現された最大の成果です」と語る。

 ※リフト&シフト:既存システムをまずクラウド上に移行し(リフト)、その後随時変更していく(シフト)。


電子帳票システムを広範な業務に適用し働き方改革を推進


 今後に向けてオートバックスセブンは、今回刷新した電子帳票システムをさらに広範な業務に広げていく考えだ。

 「背景にあるのが働き方改革です。今後、社員が在宅やサテライトオフィスでも仕事ができるようにするためには、まだ紙のままで使われている多くの文書を電子化し、オンラインで活用できるようにする必要があります。さまざまな業務の担当者ごとに振り分けや配布できなければならず、そこに今回の電子帳票システムで実現された同じ仕組みを適用できるのではないかと考えています」と五孝氏は語る。

 フランチャイズや取引先とやりとりする伝票の電子化もターゲットだ。オートバックスセブン側から発行する発注書や受領書などの電子化は言うまでもなく、取引先書類についても積極的にデータ取り込みを進めていく意向だ。

 「その意味でも紙やファックスで届いた伝票をOCR機能でデータ化し、自動で仕分けができるSPAの拡張機能の活用にも非常に大きな魅力を感じています。RPA(Robotic Process Automation)の技術と組み合わせて、人手に依存している煩雑な作業を自動化していきたいという考えもあり、引き続きABシステムソリューションおよびウイングアークの両社には、さらに強力な後押しを期待しています」と五孝氏は語り、電子帳票システムを核としたオフィス業務の改革を見据えている。


Company Profile

株式会社オートバックスセブン

設立 :1947年2月
本社所在地 :東京都江東区
事業内容 :カー用品の卸売、および小売、車検・整備、車両買取・販売、板金・塗装などを手掛けるオートバックスグループ店舗のフランチャイズ本部
URL :https://www.autobacs.co.jp/ja/index.php

左から
株式会社オートバックスセブン IT戦略部 五孝 明 氏
株式会社ABシステムソリューション
第2ソリューション部 担当部長 福満 登志行 氏
第2ソリューション部 荒木 義夫 氏
第2ソリューション部 小林 万輝 氏

導入製品

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