自治体向け
ソリューション

給与支払報告書の入力・照会業務にAI-OCRを活用し、50%以上の工数を削減

  • ・課税事務では「給与支払報告書の入力」に多くの時間が割かれている。
  • ・AI-OCRの技術進化により、紙文書の読み取りとデータ化の精度は日々向上している。
  • ・どのAI-OCRエンジンも読み取り精度を100%にすることはできない。
  • ・AI-OCRの導入は、エラー修正工程の考慮が必要となる。
  • ・文書データ活用ソリューション「SPA」は、エラー修正を含めた入力作業全体の工数を56%削減可能。
  • ・文書イメージの高速検索、自動黒塗りでさらなる効率化が見込まれる。
  • ・RPAにCSVデータを引き渡すことで、業務システム連携による自動化が進む。

紙との闘い

年が明けると翌年度の課税事務が始まります。課税事務では、税務システムへ課税資料を入力することに多くの時間が割かれています。とりわけ個人住民税の給与支払報告書は、半数以上が紙での提出であり、また分離、点検といった前処理が求められるなど負担の大きな業務です。

外部委託のリスク

多くの自治体では、給与支払報告書の入力を民間業者に委託しています。
ところが、平成30年12月、自治体から個人番号を含む課税資料の入力業務を委託された業者のうちの2社が、契約に反し無断で他の業者に再委託していたことが、相次いで発覚し、問題となりました。これらの2社で、合計13市区の課税資料の入力が無断で再委託されていました。この背景には受託業者の人手不足があると指摘されており、今後、受託の返上が起因となる業務の停滞など、外部委託へ依存することによるリスクが顕在化する恐れがあります。

リスク低減への選択肢

外部委託を最小限にとどめ、リスクを低減するには、庁内でOCR(Optical Character Recognition/光学的文字認識)を活用する方法が考えられます。OCRとは、紙の書類をスキャンした画像データやPDF内の文字情報を、コンピュータが利用できる文字データに変換する技術です。さらに、OCRにAI (Artificial Intelligence/人工知能)を加え、より文字認識の精度を高めたAI-OCR技術も、急速に進化を遂げており、既に身近なものとし活用され始め、積極的に取り入れることでリスク低減、業務効率化を進めることができます。

AI-OCRを効果的に活用するために

AI-OCRの精度は日々向上していますが、現時点での技術では、どんなAI-OCRエンジンでも100%の読み取りを実現することは不可能です。
例えば次の場合には正しい読み取りができません。

・文字が欄外にはみ出ている
・汚れ・滲みがある
・二重線・塗りつぶしによる訂正がある

読み取り精度が100%でない以上、エラーを修正する工程が必ず発生します。この工程に躓いた場合、AI-OCRの効果を最大限に活かすことができません。そこで、エラー修正をスムーズに行うことができる仕組みの構築が成功のカギとなります。
エラーの修正作業をもって、はじめて給与支払報告書のデータ化が完了し、税務システムに投入することが可能になります。

読み取った文書の活用

AI-OCRを導入した場合でも、データを税務システムに投入した後の工程は現在と変わりません。つまり、住基・賦課台帳との突合、原票の保管、納税通知書の発付、問い合わせ対応などの負担の大きな業務は、変わらず残存することになります。
そこで、活用できるのが、ウイングアーク1stが提供する、OCRと文書管理が一体となった文書データ活用ソリューション「SPA」です。SPAは、スキャンされた紙文書をOCRで読み取るだけでなく、自動で仕分け・保管し、データとして活用することができます。複数のOCRエンジンに対応しているので、手書き、活字、丸囲みで別々のOCRエンジンを画面からプルダウンで選択するという簡単な操作で割り当てて、識字率を向上させることもできます。

SPAによるデータ化と管理イメージ(全体)

紙の文書を複合機などでスキャンしてPDF化、SPAのOCR機能により読み取り、テキストデータにします。データはCSVファイル(エクセルファイル)でダウンロード可能です。読み取った文書はSPA上に保管され、いつでもイメージの閲覧・ダウンロードが可能です。また、SPAは自動仕分け機能を有しているため文書の整理が容易である他、自動文書黒塗り、自動削除、版管理、ユーザーIDに応じた閲覧権限設定など豊富な文書管理機能を有しています。

SPAのエラー修正画面イメージ

原本から読み取った画像イメージと、AI-OCRで変換したテキスト文字の結果が左右に並べられ、変換結果を目視で確認できる等、わかりやすいUI 画面で簡単にエラー修正が可能です。

SPAの「自動黒塗り」適用後の画面イメージ

SPAには自動黒塗り機能があります。これは、あらかじめ指定した部分を読み取りと同時に自動で黒塗りにする機能です。後に参照や提出する等の活用を予定している書類に適応でき、読み取り後に改めて黒塗りにする作業を要しません。例えば、個人番号の部分を自動的に黒塗りにすることで、個人番号を閲覧する職員を最小限にとどめることができます。

運用事例

SPAの給与支払報告書入力業務への適用イメージ
工数削減効果の検証結果

給与支払報告書の入力の委託業者の典型的な業務プロセスは、1枚の帳票を2人の異なる入力者が入力後、結果を突合することで誤りを防ぐというものです。SPAでシミュレーションを行った結果、読み取り精度は約70%にとどまりました。しかし、目視確認を2回行うことにより、正確性を維持したまま人間の作業時間を56%削減することができました。このように、精度の満たない部分は運用で補い、大きな工数削減を実現します。

さらに、課税資料をイメージ化していない自治体では、問い合わせの都度、紙の資料を捜索する作業が発生していました。
SPAは帳票をイメージで保管できます。イメージを参照しながら問合せに対応することにより、対応時間の削減と住民満足度の向上につながります。
このように、単に入力作業のみをAI-OCRで置き換えるのではなく、業務プロセス全体の効率化を図った場合、大きな工数削減効果を見込むことができます。

RPAとの連携

RPA(Robotic Process Automation)とは、コンピュータ内で行われる業務プロセスを、人間に代わり自動化するソフトウエアロボットのことです。例えば、メール送受信、システムへの入力、検索・抽出、データ集計・加工などの定型的な作業を代替するために利用されます。
SPAの読み取り結果は、エクセルファイル(CSVファイル)で出力されます。
出力されたファイルを、人間に代わりRPAが税務システムに入力することができます。
このように、SPAとRPAを組み合わせることで、紙の給与支払報告書を税務システムに入力する一連の作業時間を大幅に削減することができます。
このことは課税部門に限らず、国保、保育、保健所、人事など多くの部署で発生している「紙の文書をシステムに入力する」業務において、AI-OCRで読み取り後、RPAでシステムに自動入力」させるプロセスを採用することにより、大きな効率化を見込むことができます。

最後に

給与支払報告書をはじめ、大量の紙文書を扱う課税業務では、今後AI-OCRの活用が進むと予想されます。AI-OCR機能を含む文書データ活用ソリューション「SPA」は、読み取りだけでなくエラー修正、イメージデータ保管、自動黒塗り等の機能を有しており、業務フロー全体の効率化を実現することができます。

2019.12.20

お問い合わせ

お気軽にお問い合わせください。
お客様にとって最適なご提案をさせていただきます。

お問い合わせはこちら

お電話でのお問い合わせはこちら
03-5962-7300 受付時間:平日9:00~17:30(土日祝日休)
このページのトップへ