自治体向け
ソリューション

コラムBIツールのレポーティングは自治体業務をどう変えるか

  • ・BIツールとは、蓄積された多くのデータを集めて分析し、迅速な意思決定を助けるツールである。
  • ・74%の民間企業が導入しているとの調査結果がある(※1)一方、自治体における導入率は低い。
  • ・BIツールには「レポーティング」、「分析」、「データマイニング」、「シミュレーション」の役割がある。
  • ・レポーティングの流れで、月次レポートの作成作業は自動化できる。
  • ・BIツールは、情報の見え方を変える。
  • ・本来、職員の役職や置かれた立場によって欲しい情報の形や見え方は異なるはずである。
  • ・自治体業務では、データ分析だけでなく働き方改革の観点で導入効果を見出すことができる。

※1 ガートナージャパン株式会社「国内企業におけるビジネス・インテリジェンス(BI)ツールの導入状況とその利用実態」に関する調査結果(2019年)

はじめに

民間企業が本格的に労働時間の短縮に取り組む中、国および地方自治体においても働き方を改革するための様々な取り組みが進められるようになりました。「長時間労働」が働き方における課題であることは明確ですが、単に労働時間を減らす視点で考えるのではなく、働き方改革の本質である「生産性の向上」を考えなければ真の改革には繋がりません。そして、生産性の向上を支援するのもBIツールの得意とするところです。今回は、このBIツールが提供する機能や役割を自治体業務に適用した場合の可能性を考えてみたいと思います。

図1_202002.png

BIツールとは?

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは、データを収集し、そのデータを集計・分析・見える化することで、意思決定のスピードや精度の向上と業務の効率化・改善を可能にするツールです。それ以前から類似の概念は存在していたものの、1980年代のオフィスコンピュータ普及の流れに合わせて市場に広まり、今日では7割以上の企業が導入するまでになりました。その間、テクノロジーの進化やニーズに合わせて機能発展を遂げ、現在では業務運用に無くてはならないツールにまで成長しています。

BIツールはどこで活躍しているのか

民間企業においては、財務・経営・人事などのバックオフィス業務、また業種別でみると、製造業では製造工程における歩留まり・稼働率・達成率や不良分析、小売業では売上目標達成状況・売上構成比・販売商品分析・顧客分析などで活用されています。すなわち、経営に必要なすべての情報を課題に基づいた視点で見える化し、解決方法を見出し、スピーディーな意思決定へと繋げる場面に適用されています。

BI画面イメージ②.png
BI画面イメージ①.png
BI画面イメージ③.png
BI画面イメージ④.png
各業種のBIツール画面イメージ

BIツールで何ができるのか

BIツールには大きく分けて「レポーティング」「分析」「データマイニング」「シミュレーション」の4つの役割があります。

  • ・レポーティング  ・・・ データを可視化することで状況を俯瞰する。
  • ・分析       ・・・ 複数のデータの関係性を複数の⾓度から見ることで仮説立案につなげる。
  • ・データマイニング ・・・ データの中から法則性を導き出して新たな発見を見出す。
  • ・シミュレーション ・・・ 意思決定のためのレコメンドを得る。

今回は「レポーティング」機能を取り上げて自治体業務への適用を考えてみたいと思います。

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オープンデータ(人口)の可視化
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職員課が保有する人事関係データの可視化

レポーティングとは

レポーティングは、「データを可視化することで状況を俯瞰する」という基本的な役割から、実際にはデータから状況を可視化するためのレポートが生成される一連の機能が提供されます。基となるデータを、事前に定められた集計方法により集計・分析して表現することができます。つまり、一度集計のルールを設定しさえすれば、あとはデータの入れ替えをするだけで、自動的に分かりやすいレポートが作成されます。例えば、毎月の定例業務として作成している月次会議向けの資料を、BIツールがデータを定期的に取得できれば決められた集計の定義を設定するだけで自動生成できます。これが実現されると、レポートを作成する作業の時間を大幅に短縮できることに加え、自動的に生成されたレポートを共有することで、会議の時間の削減、また開催数そのものを削減するという効果があります。

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レポート画面例(埼玉県春日部市様 地区別・年齢別転出人数推移を年ごとに比較)

情報を把握する方法を変える

情報把握の観点でも、BIツールによるレポーティングは大きく2つの点で自治体業務を変えると考えられます。
1つ目は、情報を確認する人の「立場や役割によって見たい角度が異なる」と言う点。これはどの組織にも共通する話ですが、大きな意思決定をするマネージメント層、つまり自治体で置き換えると首長や理事者層には大局的な判断をするために状況を即座に判断できる見え方が求められ、逆に原課の担当職員は明細レベルで情報を確認する表現が求められます。BIレポーティングは、同じデータからこの2つの見え方を同時に提供します。

図A.png
立場によって「見たい角度」は異なる。

2つ目は、「集計結果が明細データの集合体である」と言う点です。つまり、現在の運用では情報の把握にあたり各システムから出力されたExcelやPDFや紙で「集計の結果のみ」を確認するのが一般的ですが、BIツールを使うと集計の結果から、その構成要素を続けて確認することができます。

図B.png
「集計結果」の見え方

この2つの視点は、情報把握を変える切り口であると同時に、業務のあり方自体を変えることが想像できます。

シンプルにBIツールの適用ケースを考えてみる

BIツールが提供する価値は多岐に渡りますが、ここで述べたレポーティングのうち、特にデータ集計の範囲に絞って自治体業務に置き換えてみても、現状の運用を大きく見直すことができそうです。一例を挙げると、どの自治体の各現場でも少なからず行われている「データ集計からレポート作成までの手作業」は、定型的なものであれば一連の作業を自動化することができます。つまり、RPAに求めるような業務の自動化も、観点を変えてBIツールを適用した方が現実的にはその業務のゴールに近いケースも多くあると考えられます。
自治体には、データを集計の上で都道府県や国に報告する業務が多く存在しており、担当職員にとって大きな負担となっているケースが散見されます。
例えば市民税課は、都道府県に対し調定額などの課税の実績を毎年度報告しています。都道府県は、市町村から報告を受けた事項をとりまとめています。この場合、次の作業が発生しています。
①市民税課の職員:賦課などの生データから、定められた様式のExcelファイルを作成。
②都道府県の職員:市区町村から提出を受けたExcelファイルをとりまとめ、集計の上レポートを作成。
これらの業務はいずれもBIツールでの自動化が可能です。次の図は上記②のイメージです。

図C.png
Excelファイル自動集計~レポート自動作成イメージ

このように、BIツールを用いることで、職員にとって負担となっているデータ集計・レポート作成業務、そして提出を受けたレポートのとりまとめ・集計業務を自動化することができるのです。

BIツールのさらなる可能性

今回はレポーティング機能の活用視点でBIツールの適用を考えましたが、実際にはデータ分析によるEBPMの実現やAIと連携した行動判断、さらにBIツールが提供するIoTの機能は様々な情報がリアルタイムにつながるスマートシティのプラットフォームとしても期待されています。様々な場面で適用が考えられるBIツールは、働き方を含めた自治体の業務自体を大きく変える可能性を秘めています。

2020.02.20

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