自治体向け
ソリューション

コラムウイングアーク1stの在宅勤務の取り組み紹介

  • ・新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、多くの企業で全社的な一斉在宅勤務が緊急実施された。
  • ・ウイングアーク1stは、2020年2月28日(金)から一斉在宅勤務を実施し、2020年3月23日(月)現在も継続中。
  • ・当社では、在宅勤務制度やIT環境がすでに整備されていたため、大きな支障はなかったものの、若干の課題があった。
  • ・自治体でも、一斉在宅勤務の緊急実施を余儀なくされる事態は想定される。
  • ・自治体業務には特殊性があり、在宅勤務との親和性は高くない。
  • ・自治体の在宅勤務を阻む業務上の特性は様々だが、その一つに紙文書の取扱いが存在する。
  • ・紙文書の取扱い見直しとペーパーレス化は、法規改正や全庁的なルール策定を必要とせず、各職員や部課の単位で対応できる部分が大きい。

一斉在宅勤務の緊急実施

2019年末からの新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、在宅勤務を実施する企業が相次ぎました。
従来の在宅勤務は、育児・介護中などの特定の社員や、特定の部署を対象としたものが多く見られましたが、今回は全社的に一斉に在宅勤務が実施されるという異例の事態です。
そこで今号では、ウイングアーク1st株式会社における新型コロナウイルス感染症対策期間中の在宅勤務の取り組みを紹介します。その上で、自治体において在宅勤務を実施する場合の課題等について考えたいと思います。

ウイングアーク1stの一斉在宅勤務の概要

当社は、2020年2月28日(金)から次の要領で在宅勤務を開始し、3月23日(月)現在も継続しています。

■全社時差勤務の推奨および在宅勤務の導入
・原則在宅勤務の導入
・出社が必要な場合は時差通勤(オフピーク通勤)の推奨
・時差通勤については、7:00~10:00および17:30~20:00の時間帯の公共交通機関の利用を避けての出退勤を奨励

■社内外における会議の原則オンライン化
・採用面接を含む、社外の方との会議および社内の会議について、原則オンラインでの実施
上記対応が難しい場合は、マスクの着用、アルコール消毒を徹底し、感染機会の抑止に努める。

■当社主催イベントおよびセミナーのオンライン開催
・当社主催のイベントおよびセミナーはオンライン開催を原則とし、オンライン開催の実現ができない場合は中止もしくは延期。

■他社主催イベントおよびセミナーへの参加を原則禁止
・業務上参加する他社主催のイベントおよびセミナーについても、参加人数に関わらず参加を原則禁止。
・社外の方との会食や社内のオンライン以外での全社会議、社内イベント等、社内外の感染可能性を誘発する活動は、原則禁止。

一斉在宅勤務実施前のウイングアーク1stの状況

当社では、すでに就業規則において在宅勤務制度が整備されており、育児・介護中の社員に限らず、多くの社員が業務や家庭の都合で在宅勤務を活用しています。在宅勤務の届出についても煩雑な手続きを必要とせず、原則、上長の許可のみで可能です。
また、一人一台のPCやスマートフォンの支給、クラウド型Web会議システムの導入など、すでに在宅勤務に適したIT環境が構築されています。
これに加え、2020年7月~8月の東京五輪開催期間中に全社的に在宅勤務をする予定であることから、そのための準備を行っていました。
ただし、2週間もの期間にわたり連続で在宅勤務をした経験のある社員は多くありませんでした。また、今回は政府の方針を受けた緊急実施のため、一斉在宅勤務に向けた準備期間はほとんどない状態で一斉在宅勤務がスタートしました。

当社の在宅勤務時のIT環境
在宅勤務時 備考
PC ノート型PC 一人一台支給
携帯 スマートフォン 一人一台支給
インターネット スマートフォンのテザリング機能
Web会議 クラウド型Web会議システム
コミュニケーションツール メール・チャットツール
ファイル共有 クラウドストレージ・ファイルサーバー
社内システム VPN接続

当社社員の在宅勤務環境例

画像_mk.jpg
Web会議
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一斉在宅勤務時の課題等

このような状態で、2月28日以降の一斉在宅勤務を迎えました。
結果としては、特定のタスクや作業ができずに業務が立ち往生するなどの大きな支障はなく、概ね平常通り業務をすすめられています。
ただし、次のような課題が浮き彫りになりました。

ネットワーク環境
在宅勤務者数が一斉に増加したため、VPN(仮想LAN)接続可能数の超過が発生し、社内システムへのアクセスに支障が生じました。
これに対し、必ずしも社内システムへのアクセスを必要としない場合は、こまめに接続を切るという運用を徹底することで対処しました。

■自宅における執務環境
自宅にPC作業に適した椅子や机がなく、例えば家族のいるリビングなどで仕事をした社員もいました。
またWeb会議の際に、自宅の室内が背景として映り込んでしまいました。これに対しては、クラウド型Web会議システムに疑似的な背景を生成する機能があるため、これを用いることで対処しました。

■社員間のコミュニケーション
会議はクラウド型Web会議システムで行われるため支障はありませんでした。
また、雑談や立ち話などのいわゆる非公式コミュニケーションについては、主にチャットツールを通じてなされる傾向がみられました。
チャットツールはメールよりも気軽にメッセージを送信できることが理由と思われます。
さらに、Web会議を行う際に、その前後で雑談などが増加する傾向にあり、Web会議が会議だけでなくコミュニケーションの場としても機能していました。

■領収書・郵便物などの紙文書の処理
当社では社内文書、会議資料などのペーパーレス化が徹底されているため、コピー・プリンタが自宅になくても大きな支障は生じませんでした。
ただし、原本提出が必要な領収書や、会社に届く郵便物の受け取りなどの紙文書の処理のためには出社が必要でありこの点に課題が残りました。
ただし、一斉在宅勤務実施前までは紙の取り扱いが必須だった業務については、物理的に出社ができない状況下であるため、そのままでは業務自体が立ち往生してしまいます。これを受けて、応急的に業務フローを変更し、紙を必要としない運用に変更される業務も見られました。
また、従来は主に社外の方との会議の際に、予め当社で全員分の資料を印刷の上で持参することが多かったのですが、在宅勤務のため十分な印刷環境が無いことから、会議資料を事前共有し、必要な場合は各自で印刷する運用に変更しました。
このように、在宅勤務による不都合には、従来の非効率的な運用を浮き彫りにし、それを是正するという、いわば応急的なBPR(業務改善)を促進するという副次的な効果がありました。

自治体での一斉在宅勤務の緊急実施の可能性

新型コロナウィルス感染症拡大の影響は自治体にも及んでおり、一斉在宅勤務を余儀なくされる事態も十分想定されます。

3月9日(月)、西日本の政令市の区役所にて、窓口業務に従事する人材派遣の職員が新型コロナウィルス感染症の陽性と判明、市は同日9時半以降当該区役所の全ての窓口を一時閉鎖しました(翌日朝より平常通り業務開始)。当該職員と濃厚接触した職員は10名であり、自宅待機が指示されました。
このケースは、政令市の区役所のうちの一つで発生した事象であることから、本庁や他の区役所にて事務手続きができたこと、濃厚接触し自宅待機を指示された職員が10名と多くないことなどから、一斉在宅勤務を余儀なくされることはありませんでした。一方、非政令市の本庁で新型コロナウィルス感染症の陽性が判明し、大量の職員が自宅待機を指示される事態も起こりえます。

自治体業務の特殊性

自治体業務と在宅勤務の親和性は必ずしも高くないと言わざるをえません。その背景には次のような業務の特殊性があります。

・開庁時間が規則で定められている
・住民や事業者が窓口に来所することが法令で義務付けられている事務が多く存在するため、職員が窓口に在席していなければならない
・基礎自治体では、何らかの形で窓口対応が求められる職員の割合が高い
・税・住基・福祉など、庁舎外への情報持ち出しが困難な業務が多い
・紙の文書を扱う業務が多く、庁舎外への持ち出しに支障がある

在宅勤務とペーパーレス

上記の特殊性には、その克服のために法規の改正を要するなどただちに着手することが難しいものが含まれています。一方、各職員や部署単位で実現可能なものもあります。その一つが紙文書です。
在宅勤務の支障となる紙文書は、①記入済み申請書や調査資料など持ち出しが秘密保持上困難とされるもの ②業務のマニュアルや資料など秘密には該当しないものの紙媒体で存在しているため持ち出しが物理的に難しいもの、のいずれかに大別されます。
うち①については、持ち出しのためにはセキュリティの観点から全庁的なルールを策定する必要がある一方、②については、スキャンしてPDF化すれば持ち出しへの障壁はなくなります。その意味で、各職員や部課の単位で対応可能であるともいえます。
その上で、次のようなルールを作成し部課単位で周知すれば、一斉在宅勤務の緊急実施への対応が可能になります。


・現在紙で存在する資料・マニュアルはスキャンしてPDF化する
・今後新たに作成する資料・マニュアルは電子作成・電子保管を原則とする

最後に

これまで、多くの企業や官公庁では、在宅勤務はワークライフバランス実現の手段と位置づけられてきました。しかし、今回の新型コロナウイルス感染症を受けて、在宅勤務はBCP(事業継続計画)の一環と位置づけられることになるでしょう。
在宅勤務実現のための業務課題を攻略する一つの鍵に、紙文書の排除・ペーパーレス化が挙げられます。これは各職員や各部課レベルでも対応可能な部分が大きいため、今回の件を機に、資料・マニュアルの電子化を進めて行くことが大切です。

2020.03.23

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