導入事例

セイハネットワーク株式会社

セイハネットワーク株式会社

国勢調査データや住民基本台帳データを地図上で可視化し、新教室出店の指針に
~エリアマネージャーが高速でPDCAを回すための情報を提供~

英語教室運営などの教育事業を展開するセイハネットワーク株式会社(以下、セイハネットワーク)では、新しい教室を出店する際のマーケティング分析や、出店後の各教室の入退会状況、生徒数推移などの営業分析に、「MotionBoard Cloud」と第三者データ提供サービス「3rd Party Data Gallery for MotionBoard Cloud」を採用。データの見える化により、これまで見えていなかった店舗の特性を容易に把握し、より戦略的な経営判断を可能にしている。

導入背景

マーケティング分析や営業分析に利用していた従来のデータ分析ツールは、地域メッシュが粗く、画面も小さかったため地図を使ったマーケティング分析がやりにくかった。また、操作に専門知識が必要だったため、使いこなすことが困難だった。

課題
  • 長年培った経験、知識、勘だけでは出店判断が難しくなっていた
  • 地図を使った分析で、地域メッシュが粗い、画面が小さいなどの問題があった
  • いろいろな分析をしたいと思っても操作に専門知識が必要で使いこなせなかった
解決策導入ポイント
  • 国勢調査データ、住民基本台帳データなどの必要なデータを有効活用できる
  • テンプレートをブラッシュアップする開発法により短期間で開発が可能
  • オンサイトはもちろんテレビ会議システムも使った丁寧なサポート(活用定着化支援サービス)
効果
  • 地域ポテンシャル分析を以前の3分の1程度の時間に短縮し効率化できた
  • 分析できるデータの幅が広がり数字に対する意識がさらに高まった
  • データの見える化でこれまで見えていなかった店舗の特性を把握できた

エリア別に人口や世帯を集計し、地図上に可視化できるので、入会見込の高い子どもが多く居住しているエリアを一目で把握し、新たな教室の出店候補地とすることができるようになった。また、在籍情報、入退会情報などを組み合わせて分析し、作成した月次の集計レポートを、エリアマネージャー以上の役職者にPDFで配信することで、現場の迅速なアクションを促すことが可能になった。

約1,100の教室を全国で展開 年間50~80教室を新たに出店


 1985年に福岡で創業したセイハネットワークは、国際社会でよりハイレベルなコミュニケーションのできる能力を身につけた子どもたちの育成を目指し、全国のショッピングセンターや幼稚園・保育園を中心に「セイハ英語学院」などの英語教室を中心とした教室を約1,100教室運営している。30年以上の歴史で培ったノウハウを生かし、高額な教材を使うことなく、受験のためだけではない社会で役立つ英語を無理なく習得できるのが特長だ。また近年では、セイハメソッドを用いたオンライン英会話の「UPトーク」、ダンス教室の「パパイヤ式セイハダンスアカデミー」、そろばん教室「88くん」、プログラミング教室「ぴこラボくん」など、多角的な教育事業を展開している。


 常務取締役の坂口 真一氏は、「幼稚園や保育園が多い地域、人が集まりやすいショッピングセンターなど、安心・安全で通いやすい環境に英語教室を開いてきました。また、小学校での必修化にあわせ、2014年10月よりパパイヤ鈴木さんが考案したカリキュラムに基づくダンスアカデミーを展開しているほか、2017年7月よりプログラミング教室もスタート。世界で戦える子どもたちを育てたいという想いで事業を推進しています」と語る。


 セイハネットワークでは、年間50~80教室を新たに出店しているが、新しい教室を出店するときのマーケティング分析や、出店後の各教室の入退会状況、生徒数推移などの営業分析に、BIダッシュボード「MotionBoard Cloud(以下、MotionBoard)」、および第三者データ提供サービス「3rd Party Data Gallery for MotionBoard Cloud(以下、3PDG)」を活用している。


従来のツールでは、地図を十分に活用できない


 英語教室をショッピングセンターなどに出店する際には、店舗のポテンシャルやその地域の0歳~15歳の人口などを事前に分析して、生徒が集められるかどうかを判断しなければならない。


 「出店する地域へ赴き現地調査を行い、また、商業施設内の環境を確認し新規教室開設後の在籍数を予測します。これまでは、長年培った経験から感覚的に判断していました。しかし、その感覚にズレが生じるようになったのです」と話すのは、東日本統括本部 マーケティング部 SC開発室 マネージャーの黒田 直樹氏だ。


 黒田氏は、「このショッピングセンターに英語教室をオープンすれば、多くの生徒が通ってくれると判断したのに、いざ英語教室をオープンしても生徒が集まらないということがありました。なぜ、予想が外れるようになったのかを知りたいと思ったのがきっかけで、BIツールを導入することにしました」と続ける。


 そこで、外資系ベンダーが提供するセルフサービス型BIツールと人口統計ソフトを導入し、マーケティング分析および営業分析を開始した。しかしそのツールは、思ったほどの導入効果を発揮しなかったという。特に、人口統計ソフトを使ったデータ分析においては、地域メッシュが粗く、画面も小さかったため、別途Googleマップを開いて分析しなければならなかった。また、Excelとの連携性があまりよくないこと、地域メッシュを活用するために、地理情報を緯度・経度に変換してから利用しなければならないなどの課題もあった。「要するに、操作性があまりよくなかったのです」と黒田氏は当時を振り返る。


 また、西日本統括本部 マーケティング部 営業管理室 マネージャーの野原 ちさと氏も次のように話す。


 「退会分析にそのBIツールを使っていました。当初は、データの絞り込みや、データの見せ方を変えられるなど便利なツールだと感じていましたが、在籍数の推移や入会の管理なども行いたい、またもっとこうしたいと思ったときに、マニュアルやサポートが十分とはいえず、それ以上は使いこなせなかったのです」


 そこでセイハネットワークでは、新たなデータ分析ツールとして2017年12月よりMotionBoardと3PDGのトレーニングおよびトライアルを開始。2018年1月よりダッシュボードやレポートの開発をスタートさせた。


 MotionBoardの開発については、ウイングアークが提供する活用定着化支援サービスを利用した。野原氏は、「私はITの専門家ではないので、MotionBoardによるダッシュボードやレポートの開発には、当初は戸惑いもありました。しかし、オンサイトはもちろん、テレビ会議システムも使ったウイングアークの丁寧なサポートで、問題なく開発できました」と、そのサポート体制に満足げだ。


 また、坂口氏は、「1~2ヶ月で、ダッシュボードやレポートを開発し、配信できるようになりました。テンプレートを活用しながらそれをブラッシュアップするという開発方法で、短期間でダッシュボードとレポートを作成できました」と話している。


出店候補地周辺の子どもの数を年齢別に見える化 分析時間は約1/3に


 こうして2018年4月より本格的にMotionBoardと3PDGの運用を開始。第三者データである国勢調査データや住民基本台帳データを利用することで、エリア別に人口や世帯を集計し、細かいメッシュで地図上に可視化できるようになった。これによって、入会見込の高い子どもが多く居住している地域を把握できるようになり、集客率の高いエリアへ新たな教室を出店できるようになった。


 黒田氏は、「以前は、国勢調査に基づくデータしか使えなかったので、5歳刻みの情報しか得ることができず、0歳~9歳の情報を正確に把握することができませんでした。3PDGでは、住民基本台帳をベースにしたデータも使えるので、1歳刻みのより正確な情報を得ることができるようになりました。同じ分析が、以前の3分の1程度の時間でできるようになったので、分析作業を大幅に効率化できました」と話す。


対前年比も容易に把握エリアマネージャーの数字への意識も高まる


 また、野原氏の業務も大いに効率化された。在籍情報、入退会情報などを組み合わせて分析し、月次の集計レポートを作成しエリアマネージャー以上の役職者に、PDFで配信することで、現場は実績の把握がしやすくなった。また、以前の分析ツールでは、単月の数字しか報告できなかったが、MotionBoardに2年分のデータを保管することで、対前年比も容易に把握できるようになった。


 「見たい情報を、簡単に見られるようになりました。エリアマネージャーは、自分のエリアの状況だけでなく、ほかのエリアの状況も確認できるようになったので、数字に対する意識が高まり、高速でPDCAが回せる環境が整ってきました。


 今後は、計画と実績の差異分析の精度とスピードをさらに上げて、より効果のある対策の実施を促すことが課題です」と、マネージャー層のデータに対する意識の変化にも効果があったと野原氏は指摘する。


 最後に、今後の展望について坂口氏に聞いた。


 「データの見える化により、これまで見えていなかった店舗の特性を把握できるようになりました。今後、競合店舗のデータを入れるなどして、さらにデータの活用を促進することで、店舗候補地の分析精度の向上を目指していきます」と、期待を高めている。これに加えセイハネットワークでは、“過去”や“現在”のデータの分析だけでなく、“未来”の予測ができるよう、これからもデータ分析に力を注いでいく考えだ。


Company Profile

セイハネットワーク株式会社

設立 :1985年3月
所在地 :福岡市博多区
事業内容 :英語、英会話教室及び各種教育サービス、スクールの運営、英語教室教材の製作・販売、人材派遣、ダンススクールの運営、託児所の運営を展開。社名の「SEIHA」は、「誠実(Sincerity)、発展(Expand)、勤勉(Industry)、調和(Harmony)、向上(Advance)」という社是の頭文字に由来する。
URL :https://www.seiha.com/

常務取締役
坂口 真一 氏(写真左)
東日本統括本部 マーケティング部 SC開発室 マネージャー
黒田 直樹 氏(写真中)
マーケティング部 営業管理室 マネージャー
野原 ちさと 氏(写真右)

導入製品

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ダッシュボードの作成イメージはあるが、最適な構築方法がわからない、実装において、技術的な疑問が複数ある場合はこちら

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