導入事例

株式会社メンバーズ

株式会社メンバーズ

Salesforceでデータを一元管理し営業活動を高度化・効率化
Excel文化の壁を越えるためにMotionBoardを活用

株式会社メンバーズ
業種

情報・通信

企業のデジタル人材不足という社会課題に対して、デジタルビジネス運用支援事業で解決を図る株式会社メンバーズ(以下、メンバーズ)。同社ではデータが散逸してしまい、レポート作成や顧客対応に時間がかかるなど、データ活用の課題を抱えていた。そこでSalesforceとMotionBoard Cloud for Salesforce(以下、MotionBoard)を導入。MotionBoardを工数削減やリアルタイムでのデータ活用にとどまらず、データの整備など管理者の業務効率向上にも役立てている。

導入背景

メンバーズでは、部門最適でのシステム導入やExcel文化の浸透によって、データが一元管理されておらず活用できていなかった。そこで、Salesforceでデータを一元化すると同時に、Salesforceでは手の届かないニーズにも対応するためのBIツールを導入したいと考えた。

課題
  • データがバラバラに管理されて活用できていなかった
  • レポート作成に多くの時間を割く必要があった
  • 問い合わせへの対応が遅れるなど、顧客対応に課題があった
解決策導入ポイント
  • Salesforceを導入して複数部門のデータを一元管理
  • Excel文化のある同社でもSalesforceのデータを活用できるようにMotionBoardを採用
  • MotionBoardのレポート出力機能を利用
効果
  • 目標に対する現在の進捗状況がリアルタイムで把握でき、達成意欲が向上
  • データ統合や迅速な共有により、顧客対応のスピードアップやクロスセルにつながる
  • 2週間かかっていたレポート作成作業が20分で完了、残業抑制や工数削減にも効果

デジタルクリエイターによる社会課題解決を目指すメンバーズ


 デジタルビジネス運用支援事業を展開しているメンバーズ。現在、多くの企業がDXやデジタルビジネスに取り組んでいるが、その運用に不可欠な専門人材の不足が課題となっている。そこでデータサイエンティスト、デザイナー、エンジニアなどいった専門性の高いデジタル人材「デジタルクリエイター」を採用・育成して、顧客企業が必要としているスキルを持つデジタルグロースチーム(DGT)を組成し、常駐して一緒に成果を出すというビジネスだ。 


 同社が2020年に新たに策定したミッションと、ミッションを実現するために2030年の目指す姿を示した「VISION2030」では、「日本中のクリエイターの力で、気候変動・人口減少を中心とした社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする」と宣言しており、これを達成するための目標値の1つに、2030年までに1万人のデジタルクリエイターを擁する計画を打ち立てている。これについてセールス&マーケティング本部 マーケティング推進 ストラテジーグループ グループ長 池田 紳氏は、次のように説明する。


 「気候変動や人口減少といった社会課題を解決するためには、DXでインパクトを出す必要があります。ところが残念ながら、日本では企業内にIT人材が少ないため、アメリカに比べて遅れているのが実態です。つまりIT人材の不足も社会課題だと捉えることができ、私たちはそれを解消することで貢献したいと考えています」 


グループ長 池田 紳氏

組織統合に伴いバラバラだったデータの統合に着手


 DXを支援する同社は、もちろん自社の業務にもデジタルを活用して事業を成長させてきた。営業やマーケティングの領域では、早くからSFAや MAのシステムを導入しており、Salesforceも主要ツールの1つに位置づけられていた。


 だが、ビジネスの成長に合わせて新設した組織が個別最適でシステム導入してきたため、決して好ましい運用状態ではなかったという。そのため、2022年10月の大規模な組織統合時に、4つの営業系システムの統合作業が発生することになった。また、ExcelやGoogleスプレッドシートを用いた、システム外のデータ管理が少なくないことも改めて明らかになった。


 「データがバラバラなので、レポートをまとめるために多くの工数を割いている状態でした。しかも、手間をかけても“正しい数字”が見えるとは限りません。また、リードの情報が一元化されていないので、マーケティング施策が非効率だったり、お客さまに対するお声がけがバッティングしてしまったり、問い合わせへの反応が遅れたりといった課題がありました。2030年にデジタルクリエイター1万人を達成するためにも、Salesforceに情報を集約する必要があると考えて投資したのです」と、セールス&マーケティング本部 マーケティング推進室 ストラテジーグループ リーダー 長野 清哉氏は振り返る。 


リーダー 長野 清哉氏

 「Excelがデータベース化していると、データの整合性が取れないだけでなく、ユーザー数の増加によってファイルが破損したり、不正や誤操作が入り込んでも追跡できなかったりといったリスクが大きくなってしまうこと懸念されました 


Salesforceの活用を促進するためにBIツールの導入が不可欠と判断


 同社はITスキルが高い人材で構成されていることもあって、各人がExcelやGoogleスプレッドシートを作り込んで業務を最適化してきていた。そのことを理解していた長野氏は、Salesforce中心の仕組みを単に導入するだけでは浸透していたExcel文化を覆すのは困難だと考えて、BIツール導入という先手を打つことにしたのだった。


 「マネジメントのニーズは、分析と可視化の二つがあります。Salesforceでこれらを同時に実現するのは難しく、何らかのBIツールが必要になると考えました。また、Excelでは簡単に書ける計算式も、Salesforceではそう簡単に埋め込めません。できていたことが困難になれば、ユーザーに定着しない恐れがありました」(長野氏)


 また、前職での経験から、「インプットを入力してもらうために、アウトプットの重要性を示す」ことが必要だと理解していたという長野氏は、「過去のデータが見えるだけでは売り上げに貢献しないので、Salesforceが過去から未来を見るための仕組みの一部であることを実感してもらう必要があります。また、売り上げにつなげるために活用したいという私の思いもありました」とも語る。


 新たなSalesforceの運用を前にBIツールの検討を急いだ理由は、もう一つあった。ユーザー数が増えればニーズも増えるため、それから調査を始めたのでは遅いと考えたのだった。実際に、運用を開始した1年後には、アカウント数は5倍に急増している。 


 


パートナーとしての信頼度を重視してMotionBoardを採用


 長野氏5人ほどのメンバーは、主要BIツールをリストアップし各社にデモを依頼するなどしながら比較検討を進めていった中で、選定基準は大きく3点あった。 


●Salesforceおよび Adobeが提供している Adobe Marketo Engageと連携できること
Excel文化に浸ってきたユーザーが求める、細やかなニーズに応えられること
パートナーとしての信頼度が高いこと 


 パートナーとしての信頼度を重視した理由を、長野氏は次のように説明する。


 「ツールの導入はゴールではなく、それを使って成果を出していくスタートです。そのことを理解して伴走していただけるベンダーであることが、私の中で非常に大きな選定ポイントでした。また、営業やカスタマーサクセスの担当者との相性も重要だということが、私たちのビジネスを通じてわかっていました」


 こうした選定基準に基づいて話し合った結果、全員一致で選んだのがMotionBoardだった。


 導入にあたっては、ウイングアーク1st株式会社が提供するMotionBoardの活用支援サービスメニュー「オンボーディングプログラム」も活用した。これは、初期構築までの課題整理、外部サービスとの連携やデータ取り込み、ダッシュボードのイメージ作成、ダッシュボードの構築方法などを、Web会議システムを利用したオンラインで支援するものだ。


 営業系のボード作成を担当しているセールス&マーケティング本部 営業推進室 若月 美希氏は「ウイングアーク1st社 カスタマーサクセス部門担当の中橋さんは、優しく気軽に質問できる方で、とても助かりました。作りたいものをうまく伝えるのは難しいものですが、中橋さんはうまく察してくれ、複数ある実現方法の中から最適なものを提案してもらえました」と話す。 


若月 美希氏

 長野氏は「MotionBoardは柔軟性が高い一方で、設定項目が非常に多いため、立ち上げをサポートしてもらってよかったと思います。基本的には週次ミーティングで解決しますが、Slackで迅速に回答していただけるケースがありました。IT業界に20年以上いますが、ウイングアークのサポートは期待以上です」と振り返る。


 その後さらに成果を出すためのボードを作成しようと、現在は「エスコートプログラム」を追加契約して取り組んでいる。


 「過去にチームが参加したイベントや施策の効果を分析するために、まずは一覧表を作り、商談化した数や受注数を1つのレポートにまとめようとしているところです。Salesforceでは実現できずに諦めていたのですが、MotionBoardなら可能だと聞いて作成中です」(若月氏) 


2週間相当のレポート作成作業が20分で完了


 MotionBoardは現在、セールスとマーケティングで活用されている。


 マーケティング推進室では、KPIの進捗状況を毎日の朝会でチェックできるボードを作成し、これを見ながら確度の高いリード数やアポイント数の推移を確認している。以前はExcelでの運用だったため、頻度が週次であり深掘りも難しかった。


 「目標数値と現在の進捗状況がリアルタイムでわかって達成意欲も上がっているようで、運用が始まってから5ヶ月連続で月次目標を達成しています。MotionBoardでチェックする習慣ができたのは、チーム運営において非常に大きなことです」(池田氏)


 また、データをダウンロードできるボタンを用意しているため、マネージャーがさらに独自の軸で分析したいというケースにも対応する。


 一方で、依頼を受けてレポートを作成する際には、所要時間が大幅に短縮されていると長野氏は説明する。


 「例えば、マーケティング活動によって得られたリードからの受注件数を調べる場合、以前ならさまざまなデータソースから取り出して突き合わせるため、2週間かかっても終わるかどうかわからない作業量でした。これがSalesforceとMotionBoardなら、20分で終わりました。さらに類似の依頼があり、リードではなく問い合わせから受注件数を調べることになったのですが、前回のキャンペーン種別を変えるだけなので10分で終わりました。残業抑制、工数削減でも効果が出ています」


 少し変わった用途では、Salesforceのデータを管理するのにもMotionBoardを活用しているそうだ。


 「4つのシステムを統合したSalesforceなので、多くの取引先やリード/取引先責任者が重複していました。それを解消したくても、Salesforceはリード/取引先責任者のオブジェクトに壁があるため、1つのレポート上に重複を抽出できません。そこで中橋さんに相談したところ、重複チェック用のボードを作るためのアドバイスを得て、無事にマージできました。毎日の運用でも、新規登録データに正しく姓名が入っているかなどのチェックを、MotionBoardで実施しています」(長野氏)


 このようなデータ統合や整備は、顧客対応のスピードアップにもつながっている。Salesforceを顧客分析ソリューションのFORCASおよびMarketoと連携することで、リードがターゲットになり得るかどうかが瞬時に判断できるようになったのだ。従来は調査に時間を要してしまい、せっかく来た問い合わせに対しての反応が遅くなりがちだった反省があるという。


 また、クロスセルの機会も増えた。Salesforceの情報を見て別部門の担当者に問い合わせやすくなり、リンクを活用して部署間をまたぐ情報共有がスムーズにできるようになったためだ。 



前向きな仕事を最大化できるSalesforce+MotionBoard


 今後のMotionBoardの展開について長野氏は、「これまでは社内でサポートできる体制が整っていなかったため、ユーザーの期待値を下げないために展開を抑制していました。これからは全体最適も重視しながら、アウトプットの価値を実感しやすいフォーマットを用意して展開を進めていく予定です。また、MotionBoardはインプットも可能なユニークな機能を持つので、将来的には活用したいと考えています」と話す。


 最後にSalesforceやMotionBoardの活用を検討している方に向けて長野氏は、「Excelの柔軟さをそのままにシステマチックに管理できるため、Excel文化を続けてきた会社にとって、MotionBoardはとても合うBIツールだと思います。現在の業務を洗い出してみると、顧客ではなく内側を向いた仕事の多さに驚くのではないでしょうか。非生産的な活動を最小化し、前向きな仕事を最大化するためにも、このように運用を自動化するツールが役に立ちます」と強調する。 


Company Profile

株式会社メンバーズ

設立:1995年
所在地:東京都中央区
事業内容:デジタルビジネス運用支援事業
URL:https://www.members.co.jp/

(写真左から)
セールス&マーケティング本部 営業推進室 若月 美希氏
セールス&マーケティング本部 マーケティング推進室 ストラテジーグループ リーダー 長野 清哉氏
セールス&マーケティング本部 マーケティング推進室 ストラテジーグループ グループ長 池田 紳氏

導入製品

Salesforceのデータを可視化するならMotionBoard

 
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